JIS A 1460:2021 建築用ボード類のホルムアルデヒド放散量の試験方法―デシケーター法 | ページ 4

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A 1460 : 2021
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現行規格(JIS A 1460:2021) 旧規格(JIS A 1460:2015) 改正理由
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箇条番号 内容 箇条番号 内容
60
及び題名 及び題名
: 2
6 装置及び メスシリンダーは,JIS R 3505に規定するメスシリン − − 水の容量をはかるためのメスシリン
0 21
器具 ダーとする。 ダーを追加した。
n) メスシ
リンダー
7 試薬の調 試薬の調製は,次による。 − 試薬の調製は,次による。 a) f)及びh)に規定される容量どおり
製 なお,a) f)及びh)に規定する試薬は,試薬の濃度を に試薬を調製した場合,試薬の大半を
変えずに試薬の総量を変更して,調製してもよい。 廃液として処理する必要が生じる。廃
液処理による環境影響を考慮し,試薬
の総量を変更できるように追記した。
7 試薬の調 6 試薬の調
0.05 mol/Lよう素溶液の調製は,次のいずれかによる。 JIS K 8913に規定するよう化カリウム40旧規格では,0.05 mol/L よう素溶液は
製 製
ただし,この溶液は,遮光した気密容器に入れて暗所 gを水25 mLに溶かし,これにJIS K 8920調製することだけを規定していたが,
a) 0.05 に保存する。 a) よう素 に規定するよう素13 gを溶かした後,こ現行規格では,容量分析用のよう素溶
mol/L よう 溶液(0.05
1) IS K 8913に規定するよう化カリウム40 gを水25 れを全量フラスコ1 000 mLに移し入れ,液として市販されている試薬も使用
素溶液 mLに溶かし,これにJIS K 8920に規定するよう mol/L) JIS K 8180に規定する塩酸3滴を加えた できるように追加した。
素13 gを溶かした後,これを全量フラスコ1 000 後,水を標線まで加えて調製した溶液。
mLに移し入れ,JIS K 8180に規定する塩酸(特
級)3滴を加えた後,水を標線まで加えて混合した
溶液。
2) IS K 8001のJA.6.4 w)(0.05 mol/Lよう素溶液)
によって調製した容量分析用0.05 mol/L よう素溶
液3)。
注3) 容量分析用0.05 mol/L よう素液として市
場に供給されている。

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現行規格(JIS A 1460:2021) 旧規格(JIS A 1460:2015) 改正理由
箇条番号 内容 箇条番号 内容
及び題名 及び題名
7 試薬の調 6 試薬の調
0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液の調製は,次のいず JIS K 8637に規定するチオ硫酸ナトリウ旧規格では,チオ硫酸ナトリウム溶液
製 れかによる。 製 ム五水和物26 g及びJIS K 8625に規定すは,チオ硫酸ナトリウム五水和物と炭
1) IS K 8637に規定するチオ硫酸ナトリウム五水和
b) 0.1 mol/L b) チオ硫 る炭酸ナトリウム0.2 gを溶存酸素を含ま
酸ナトリウムとを混合して調製する
チオ硫酸ナ 物26 gと防腐剤としてJIS K 8625に規定する炭 酸ナトリウ ない水1 000 mLに溶かし,2日間放置し ことだけを規定していたが,現行規格
トリウム溶 酸ナトリウム0.2 gとを溶存酸素を含まない水 ム溶液(0.1た後,JIS K 8005に規定するよう素酸カでは,防腐剤の選択肢の追加を行うと
液 mol/L)
1 000 mLに溶かし,2日間放置した後,JIS K 8005 リウムを用いて,JIS K 8001のJA.6.4 t) 2)
ともに,容量分析用のチオ硫酸ナトリ
に規定するよう素酸カリウムを用いて,JIS K 8001 によって標定を行った溶液。 ウム溶液(市販品)若しくはその希釈
のJA.6.4 t) 2)(0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液) 溶液,及び認証標準物質も使用できる
によって標定を行った溶液。 ように追加した。
なお,防腐剤は,適切な量のJIS K 8051に規定
する3-メチル-1-ブタノールを用いるか,又はそれ
を炭酸ナトリウムと併用してもよい。
2) IS K 8001のJA.6.4 t) 2)によって調製した容量分
析用0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液又は0.1
mol/Lより高濃度の容量分析用チオ硫酸ナトリウ
ム溶液を,全量ピペット及び全量フラスコを用い
て正確に希釈した溶液で,JIS K 8005に規定する
よう素酸カリウムを用いて,JIS K 8001のJA.6.4
t) 2) によって標定を行ったもの。
3) 認証標準物質4)としての容量分析用0.1 mol/Lチオ
硫酸ナトリウム溶液で,その濃度が校正されたも
の。
注4) 認証標準物質を供給する者として,国立
研究開発法人産業技術総合研究所計量標
準総合センター(NMIJ),米国国立標準技
術研究所(NIST)などの国家計量機関及び
認証標準物質生産者がある。
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箇条番号 内容 箇条番号 内容
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及び題名 及び題名
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7 試薬の調 6 試薬の調
1 mol/L水酸化ナトリウム溶液の調製は,次のいずれか JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム旧規格では,水酸化ナトリウムを用い
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製 による。 製 40 gを水200 mLに溶かし,これを全量フて調製することだけを規定していた
c) 1 mol/L c) 水酸化
1) IS K 8576に規定する水酸化ナトリウム40 gを水 ラスコ1 000 mLに移し入れ,水を標線まが,現行規格では,容量分析用の水酸
水酸化ナト 200 mLに溶かし,これを全量フラスコ1 000 mLに
ナトリウム で加えて調製した溶液。 化ナトリウム溶液として市販されて
リウム溶液 移し入れ,水を標線まで加えて混合した溶液。 溶液(1 いる試薬も使用できるように追加し
mol/L)
2) IS K 8001のJA.6.4 r) 1)(1 mol/L水酸化ナトリウ た。
ム溶液)によって調製した容量分析用1 mol/L水
酸化ナトリウム溶液。
7 試薬の調 溶液が淡黄色になってから,でんぷん溶液1 mLを指6 試薬の調 溶液が淡黄色になってから,でんぷん溶旧規格では,でんぷん溶液を加えた後
製 製
示薬として加える。でんぷん溶液を加えて,青又は赤 液1 mLを指示薬として加え,更に滴定すの滴定の手順が省略されていたため,
f) ホルム f) ホルム
みを帯びた青黒になった溶液が無色透明になった時点 る。 明記した。
アルデヒド で滴定を終了し,0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液の
アルデヒド
標準原液 滴定量を求める。 標準原液
7 試薬の調 6 試薬の調
ホルムアルデヒド標準溶液の調製は,次のいずれかに ホルムアルデヒド標準原液を水1 000 mL旧規格では,ホルムアルデヒド標準原
製 よる。 製 中に3 mgのホルムアルデヒドを含むよう液を調整し滴定することだけを規定
g) ホルム g) ホルム
1) ホルムアルデヒド標準原液を水1 000 mL中にホル に,全量フラスコ1 000 mLに適量とり,していたが,現行規格では,JCSS証
アルデヒド ムアルデヒド3 mgを含むように,全量フラスコ アルデヒド 水を標線まで加えて調製した溶液。 明書付きのホルムアルデヒド標準液
標準溶液 標準溶液
1 000 mLに適量とり,水を標線まで加えて混合し を希釈した溶液もホルムアルデヒド
た溶液。 標準溶液として使用できるように追
2) 計量標準供給制度(JCSS)によって提供される, 加した。
国家計量標準にトレーサブルであるホルムアルデ
ヒド標準液(水質試験用HCHO : 1 000 mg/L)1.5
mLを原液として,全量フラスコ500 mLにとり,
水を標線まで加えて混合した溶液。

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現行規格(JIS A 1460:2021) 旧規格(JIS A 1460:2015) 改正理由
箇条番号 内容 箇条番号 内容
及び題名 及び題名
9.1 試験の 試験の準備は,次による。 8.1 試験装 試験装置の準備は,次による。 用意(洗浄及び乾燥)する器具にガラ
準備 置の準備
a) デシケーター及びガラス結晶皿を複数個(通常, a) デシケーター及びガラス結晶皿を複 ス板を追加した。
それぞれ3個)並びに必要に応じてガラス板を用 数個(通常,3個)用意し,各々を試試験の手順を実態に合わせて変更し
意し,各々を試験前に水で十分洗浄し,乾燥させ 験前に水で十分洗浄し乾燥させる。 た。
る。
b) デシケーターは,その内部温度がJIS Z 8703に規 d) 複数のデシケーターは,その内部温度
デシケーターの静置は,ガラス結晶皿
定する温度20 ℃±0.5 ℃となるように調節され が20±0.5 ℃となるように調節され の設置前の手順とした。
た場所に静置する(9.3.1参照)。 た試験場所に静置する。
c) 3個のガラス結晶皿にメスシリンダーで300 mL± b) 各ガラス結晶皿に300±1 mLの水を 水の容量をメスシリンダーではかる
1.5 mLはかりとった水を入れ,b)のデシケーター ことを追加し,容量の許容差はJIS R
入れ,当該デシケーターの底の中央部
の底の中央部に設置する。 に設置する。 3505に規定するクラスAに合わせた。
ISO 13130に規定するデシケーターを使用する ガラス板の設置についての手順を追
場合には,図1 b)のように,ガラス結晶皿の位置 加した。
をデシケーターの底から25 mm±2 mmかさ上げ
するように,デシケーターの底の中央部にガラス
板を設置する。
なお,複数枚のガラス板を重ねて用いてかさ上
げしてもよい。
d) 図1のように,デシケーター内のガラス結晶皿の c) 図1のように,デシケーター内のガラ
上に,ステンレス製金網を置く。 ス結晶皿の上に,ステンレス製金網を
置き,その上に試験片支持金物を図2
に示すように置く。
e) 養生した所定枚数の試験片を,図2に示すように8.2 測定試 旧規格の8.2 a)に規定していた試験片
a) 養生した所定枚数の試験片を,試験片
料の装着
試験片支持金物に装着する。これを二組用意する。 支持金物に装着する。 を試験片支持金物へ装着する手順を,
9.1に移動した。
9.2 放散試 放散試験の開始は,次による。 測定試料の装着は,次による。 旧規格では,試験片の装着手順が前後
験の開始 a) 装着した試験片をデシケーター内のステンレス製 a) 養生した所定枚数の試験片を,試験片
していたため,実態に合わせて変更し
金網の上に置く。これを二組用意する。 支持金物に装着する。 た。それに伴い,箇条の題名を“放散
なお,もう1個のデシケーターは,バックグラ なお,1個のデシケーターには,試試験の開始”に変更した。
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ウンドのホルムアルデヒド濃度測定用とし,試験 験片を装着しない。
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片を装着しない。
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b) デシケーターに蓋をして,放散試験を開始する。 b) デシケーターに蓋をして,放散試験を
0 2
開始する。
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現行規格(JIS A 1460:2021) 旧規格(JIS A 1460:2015) 改正理由
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箇条番号 内容 箇条番号 内容
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及び題名 及び題名
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9.4 試験時 1回の放散試験に要する時間は,24時間±10分とす 8.4 試験時 1回の放散試験に要する時間は,24時間 ホルムアルデヒド濃度の測定に影響
0 21
間 る。 間 ±5分とする。 を与えない範囲で,試験時間の許容範
囲を広げた。
9.6 試験用 試験用溶液5 mL25 mLを共栓付きフラスコに正確に 8.6 試験用 定量操作試験用溶液中のホルムアルデヒ廃液削減の観点から,試験用溶液の容
溶液中のホ 入れ,次に,これと同量のアセチルアセトン−酢酸ア
溶液中のホ ド濃度は,アセチルアセトン吸光光度法量(25 mL)を,分光光度計による測
ルムアルデ ルムアルデ
ンモニウム溶液を加え,液混合時に液が漏れないよう によって測定する。 定に十分な範囲で削減できるように5
ヒド濃度測 ヒド濃度測
に軽く栓をして混合する。この共栓付きフラスコを, 8.5に示す試験用溶液25 mLを共通すり合mL25 mLに変更した。
定 定
65 ℃±2 ℃の恒温水槽中で10分間加温した後,この わせ三角フラスコに入れ,次に,アセチル
溶液を試験場所の温度になるまで遮光した状態で静置 アセトン−酢酸アンモニウム溶液25 mL “室温”を“試験場所の温度”として
する。この溶液を吸収セルにとり,水を対照として, 具体的に記載した。
を加え,軽く栓をして混合する。この共通
分光光度計で波長412 nmの吸光度を測定する。412 nm すり合わせ三角フラスコを,65±2 ℃の
以外の波長で最大吸収が発生する場合は,検量線の作 水中で10分間加温した後,この溶液を室注記の内容を整理して,規定とした。
成を含む全ての測定は,最大吸収が発生する波長で測 温になるまで遮光した状態で静置する。
定してもよい。 この溶液を吸収セルにとり,水を対照と
また,試験用溶液中のホルムアルデヒド濃度が検量線 して,波長412 nmで分光光度計で吸光度
の範囲を超えた場合には,適宜希釈した試験用溶液を を測定する。
9.6に従って測定することによって希釈液中のホルム なお,同様にバックグラウンドのホルム
アルデヒド濃度を求めてもよい。 アルデヒドについても測定する。412 nm
同様にバックグラウンドのホルムアルデヒド測定用に 以外の波長で最大吸収が発生する場合
用意したデシケーターの結晶皿内の試験用溶液につい は,検量線作成を含む全ての測定はこの
ても測定する。 波長で測定してもよい。
注記 試験用溶液中のホルムアルデヒ
ド濃度が検量線の範囲を超えた
場合には,適宜希釈した試験用溶
液を8.6に従って測定することに
よって希釈液中のホルムアルデ
ヒド濃度を求めることができる。

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JIS A 1460:2021の国際規格 ICS 分類一覧

JIS A 1460:2021の関連規格と引用規格一覧