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17 絶縁耐力
17.1 概要
試験は,次によって行う。電極は,図17.2Bによる。
17.2 試験片
300 mm以上の間隔で採取した,長さ約300 mmの5枚の試験片を用いる。
17.2A 装置
装置は,次による。
a) 変圧器 変圧器は,電圧調整装置と組み合わせた場合,試験破壊電圧の1/2を試験片に加えて電圧を
変化させた場合に,波率高率(波高値と実効値との比)が1.381.48の周囲に収まるものでなければ
ならない。
変圧器は,静電容量及び漏れ電流の小さい試験片に対しては,定格500 VA程度の試験用変圧器又は
定格負荷100 VA以上の計器用変圧器を用いることができる。また,静電容量又は漏れ電流の大きい試
験片に対しては,定格が数kVAの変圧器を用いなければならない。
波高率の測定は,球ギャップ若しくは波高電圧計及び実行電圧計を用いるか,又はオシログラフに
よる。ただし,波高率が簡単に求められない場合は,試験電圧50 kV未満では2 kVA以上,50 kV以
上では5 kVA以上の変圧器を用いる。
b) 開路遮断器 回路遮断器は,試験片の絶縁破壊によって流れる電流から電圧器及び電極を保護するた
め,破壊によって自動的に速やかに動作するものでなければならない。
c) 保護抵抗 保護抵抗は,試験片の絶縁破壊時の電流又は電圧サージから変圧器を保護するため,試験
片と直列に挿入する場合には,その抵抗値は100 kΩを超えてはならない。
d) 電圧調整装置 電圧調整装置は,ほぼ一定の電圧上昇1)が得られるもので,可変比単巻変圧器,誘導
電圧調整器を用いる。また,発電機の界磁調整によるか,又は抵抗分圧器を用いてもよい。
注1) 一定の電圧上昇速度を得るためには,手動によるよりも速度制御ができる電動機を用いる方
法が望ましい。
17.2B 電極
電極は,図11Aのa)又はb)のいずれかとする。電極の材質は,黄銅又はステンレス鋼などとする。電極
間圧着力は,図11Aのa)の場合は約20 g又は約50 gとし,図11Aのb)の場合は約500 gとする。
単位 mm
a) 棒電極 b) 球電極
図11A−電極
――――― [JIS C 2107 pdf 26] ―――――
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電極は,両電極を正しく対向させ,電極の試験面が平面の場合には,両面が互いに平行になるように配
置する。
なお,電極の試験面は,滑らかに磨いたきずのないものでなければならない。
17.3 手順
電圧は,0から絶縁破壊が起こるまで,一定の速度で昇圧し(500 V/s),テープの中心線上で,絶縁破壊
電圧又は絶縁破壊の強さを測定する(JIS C 2110-1の10.1参照)。ただし,熱硬化性テープの場合は個別製
品規格で規定する硬化条件で硬化したものを用いる。幅8 mm以下のものについては行わない。幅10 mm
以上でも端部からの放電によって測定できない場合は,適切な方法を用い放電防止を行って測定する。
17.4 結果
試験報告には,次の事項を記載する。
a) 少なくとも3個の個々の測定値から計算した各試験片の平均厚さ。
b) 試験片の幅 : エッジからの放電を避けるための重なった部分を示す。
c) 試験前調製条件の温湿度及び試験中の温湿度。
d) 絶縁破壊したときの破壊電圧。
e) 5枚の試験片の絶縁破壊電圧の平均値。
f) e)の絶縁破壊電圧の平均値及びa)の平均厚さから計算した絶縁耐力をキロボルト毎ミリメートル
(kV/mm)で表示する。
18 加湿処理後の絶縁耐力
個別製品規格に規定のない限り,23±2 ℃及び相対湿度(93±2)%の状態に試験片を24時間放置した
後,箇条17によって試験する。
19 耐燃性
19.1 原理
測定は,指定寸法の試験片を用い,次の基準で判定する。
− 着火してから自己消火するまでの経過時間。
− 試験中に燃えたテープの長さ。
19.2 装置
耐燃性の装置は,次による。
a) 縦250 mm×横250 mm×高さ750 mmの金属製直方体の風防(図12参照)。その箱の上面は開口し,
底から25 mmの水平線に沿って均一な間隔で直径12 mmの孔が,12個あいている。垂直面の一つに
はスライドできるガラス板をはめ込む。
1) 箱の上面から30 mm下の中央に取外し可能なクリップを固定し,ガラス板と平行に,試験片が垂直
につり下げられるようになっていなければならない。必要なら,側面の一つに直径25 mmの半円の
孔を,ブンゼンバーナホースを通すために,設けてもよい(図13)。
2) 箱の中のバーナの高さ10 mm上に,スライドする水平な金属トレイ(仕切板)を設けてもよい。こ
の仕切板には直径15 mmの孔があいている。仕切板をスライドさせて孔が下のバーナの炎の上にき
たときに,上のセルロース導火線の先端に火が着くようにする。
注記1 仕切板は,着火を短時間に行うために用いる(19.4参照)。炎を一瞬で付けることができ
る場合は,手動で着火してもよい。
――――― [JIS C 2107 pdf 27] ―――――
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3) 試料の補助として,直径23 mmの水平な金属の棒を箱の中央に,前面(スライドするガラスパネ
ル)と平行に,設置してもよい。その場合,試料(粘着面は棒の反対側にあるのが望ましい。)の最
低60 mmの部分が,棒の下で自由に動くように棒の位置を定めなければならない。
注記2 この補助棒を使用することで,セルロース導火線に着火する場合,炎によって発生する
上昇気流によって試料が試験中に動くのを著しく抑えることができる。この不規則な試
料の動きは,試験の再現性に大きく影響する。なぜなら,導火線に着火する場合より,
バーナの炎でテープに直接点火する場合には,1回以上の試行が必要となるためである。
b) 0.2秒の精度をもつストップウォッチ。
c) 着火源,マッチ又はマッチと同じくらい強い炎が再現できるパイロットランプを装備したブンゼンバ
ーナ。
d) 単位面積当たりの質量が5060 g/m2で無処理,及びコーティングなしのセルロースフィルムから切り
取った底辺25 mm,高さ30 mmの二等辺三角形状の導火線。
単位 mm
1 開放面
2 クリップ(上端から30 mmの中央位置)
3 スライド窓
4 空気孔(底面から25 mmの高さで水平に四つの面に等間隔で配置した12 mmの孔)
図12−耐燃性試験用風防(寸法図)
――――― [JIS C 2107 pdf 28] ―――――
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ブンゼンバーナとスライドする水平な仕切板を用いてもよい
図13−耐燃性試験用風防
19.3 試験片
長さ300 mmの5枚の試験片を,300 mm以上の間隔で,約300 mm/sの速度でロールから採る。
テープの幅が25 mm以下の場合,試験片の幅はそのテープの幅とする。
テープの幅が25 mmを超える場合,試験片はテープの中央部から25 mm幅に切り取る。試験片の切取
りは,試験片の端を引き裂かないように鋭利な刃物で切り取らなければならない。
試験片の一端から50 mmのところに,長手方向に垂直な線(以下,50 mmマークという。)をインキ又
は他の適切な方法で引く。
注記 テープ幅が25 mm以外のときは,導火線の三角のベースはテープの幅に合わせて調節するのが
望ましい。25 mmより狭い幅のテープでは,明らかに異なるレベルの燃焼性が得られることが
ある。
19.4 手順
この試験は,試験片をロールから切り取った後,5分以内に行う。
試験中,装置は通気のない雰囲気中に置く。
導火線の底辺を,試験片の一端から50 mmマークのあるテープ粘着面に,重ねしろを最大5 mmにして
固定する。
試験片の他端を,取外し可能なクリップで挟み,試験片が何も触れない状態で垂直になるように,金属
箱の内側につるす。その後,ガラス板を僅かに持ち上げ,ガスの炎を導火線の最下部にもってくる。導火
線に着火させガラス板を素早く引き下げる。ブンゼンバーナを使う場合,パイロットランプを点火し,金
属板をスライドさせる。導火線が着火したら,着火源が遮断される位置に金属板を引き戻す。導火線が着
火したらすぐに着火源を取り除き,ガラス板を素早く引き下げ,ストップウォッチをスタートさせる。
19.5 結果
試験結果の記録は,次による。
a) 試験片5枚のうち4枚以上が全く燃えない場合は,その製品を“不燃性”と記録する。
b) 試験片5枚のうち4枚以上で,50 mmマークに達する前に火が消えた場合,その製品を“自己消火性”
と記録する。この場合,5枚の燃焼時間(秒)の平均値,最大値及び最小値を,最大燃焼長さ(mm)
を記録する。
c) 試験片5枚のうち4枚以上で,50 mmマークを超えて燃えたり,溶けたり,炭化した場合,その製品
――――― [JIS C 2107 pdf 29] ―――――
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を“可燃性”と記録する。この場合,5枚の燃焼時間(秒)の平均値,最大値及び最小値を記録する。
d) 結果がa),b)又はc)のいずれでもない場合には,各々の試験片の個々の結果を記録しなければならな
い。
20 火炎試験
20.1 概要
火炎試験は,テープを鋼製マンドレルの周りに巻き,規定した方法で炎を当てて行う。“難燃性”と表示
されたテープは,5回の15秒間のどの接炎においても,60秒を超えて燃えてはならない。
15秒の接炎後,15秒間は接炎しない。これを5回繰り返す。試験片の燃焼が,炎の移動後15秒を超え
て続く場合,試験片の燃焼が止むまで,接炎はしない。
5回の接炎の間又は接炎後に,テープは可燃性材料を着火させてはならない,又は標示旗の25 %を損傷
させてはならない。
注記 このテストは,UL 510と同じである。
20.2 装置
火炎試験装置の仕様は,次による(図14参照)。
a) 保護用装備は,幅305 mm,奥行き355 mm,高さ610 mmの三面からなる金属製の囲いとする。この
囲いの上面及び前面は,開口している。
b) 囲いの中心の垂直方向の位置に,試験片を支持する装置を備えている。
単位 mm
図14−試験方法
――――― [JIS C 2107 pdf 30] ―――――
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JIS C 2107:2011の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60454-2:2007(MOD)
JIS C 2107:2011の国際規格 ICS 分類一覧
- 83 : ゴム及びプラスチック工業 > 83.180 : 接着剤
- 29 : 電気工学 > 29.035 : 絶縁材料 > 29.035.20 : プラスチック及びゴム絶縁材料
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.220 : 電気学.磁気学.電気的及び磁気的測定 > 17.220.99 : 電気及び磁気学に関するその他の規格
JIS C 2107:2011の関連規格と引用規格一覧
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- 規格名称
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