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C 2143-2 : 2011 (IEC 60216-2 : 2005)
附属書A
(参考)
新材料又は未知材料を分類するための手引き
あらゆる電気絶縁材料について,それらの熱的耐久性を適切に診断するための特性項目の一覧表を作る
ことは不可能であるため,表1には各種の材料の中から代表的なものだけを示した。材料の分類は,機械
的特徴及び化学的特徴に基づいて行っている。この附属書では,一部の材料の供給の形態,外観,主要な
用途,適切な特性,その終点などの選択ができるように,新しい材料又はあまり知られていない材料に割
り当てるグループの情報を示した。
a) 硬質材料 硬質材料とは,弾性率が700 MPa以上であることを特徴とする。
硬質材料A,硬質材料B及び硬質材料Cは,その大部分が板又は平板状の半製品として供給され,
硬質材料A以外は,か(顆)粒若しくは2種類以上の組成のコンパウンドを成形又は加圧することに
よって造られる。
熱可塑性の硬質材料は,押出成形板又はその他の半製品として供給される。また,これらの材料は,
か粒の射出成形による成形部品の形でも生産されている。
b) エラストマ このグループの材料は,天然ゴム,合成ゴム及び熱可塑性エラストマから固有の特性に
合うように造られる。天然ゴム又は合成ゴムは,素練り(milling),加硫などで適切に構成し,加圧成
形又はカレンダ加工を経て最終製品となる。熱可塑性エラストマは,射出成形又はブロー成形によっ
て成形部品となる。エラストマは,材料の特性として耐熱衝撃又は気密性能が重要な電気製品の特殊
な部分に,しばしば成形部品の形で用いられる。
c) 半硬質シート材料 このグループの材料は,シート状及びテープ状の製品として供給され,その弾性
率は70 MPa700 MPaである。これらの材料は,破損することなく,孔あけ加工ができ,又は折り畳
むこともできる。プレスボード及びプレスペーパの厚さは,0.1 mm5.0 mmである。積層プレスボー
ドの厚さは,200 mm以下である。これらの材料はしばしばスロット絶縁に用いられる。
d) 紙,紙基材又は織布 このグループの材料は,ほとんどの場合,ロールの形で供給される。厚さは0.01
mm0.5 mmである。ワニス含浸の綿布又はガラス繊維の布は,“織布”と総称している。ワニスは,
シリコーン樹脂を含む複数の異なる成分からなる。このグループの材料は,例えば,コイルの巻線な
ど,主に絶縁導体間を隔離するために巻き付けて用いられる。
e) 感圧粘着(PSA)テープ これらの材料は,性能,及び耐久性試験片の調製への粘着材の影響のため
に,別グループとした。基材が劣化処理及び判定方法を決めるため,テープの基材に紙,織布,プラ
スチックフィルムのうち,何が用いられているかに応じて,熱的耐久性試験の詳細を十分に考慮する
ことが望ましい。プラスチックフィルム基材の感圧粘着テープは,熱的耐久性に関しては基材フィル
ムだけと類似の判定結果となる。
f) プラスチックフィルム このグループの材料は,異なった性質をもつ広い範囲の独特な材料からなり,
多種多様な用途に用いられる。厚さの範囲は,0.002 mm0.35 mmである。フィルム材料の重要な特
徴は,その透明性である。また,使用目的に応じて,しばしば種々の色のものが供給される。
g) 可とう性絶縁チューブ このグループの材料は,長尺又は定尺の管の形で供給される。これらは広範
な用途がある。したがって,多くの異なった構成及び寸法のものがある。老化試験及びその判定は容
易である。
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C 2143-2 : 2011 (IEC 60216-2 : 2005)
注記 IEC規格では“チューブ”を用いず,“スリーブ(sleeving)”と呼ぶ。
h) 可とう性組合わせ材料 このグループの材料は,シート,テープ又は幅広のロールの形で供給される。
その形状は,必ずしも最終製品とは一致しない。多くの場合,ラッピング,硬化,孔あけ,折畳みな
どの工程が追加される。熱的耐久性試験用の試験片は,使用予定の部品又は製品に即した寸法又は構
成で行うことが望ましい。
i) 反応性樹脂コンパウンド(埋込み用コンパウンド,ポッティング用コンパウンド及びカプセル封入用
コンパウンド)
1) 埋込み用コンパウンド 電気部品又は電子部品を完全に封入するように鋳型に流し込む注型用コン
パウンド。硬化した後,封入された部品は鋳型から取り外す。
2) ポッティング用コンパウンド 電気部品又は電子部品を完全に封入するように鋳型に流し込む注型
用コンパウンド。硬化した後,鋳型は取り外さず,封入された部品とともにそのユニットの一部と
なる。
3) カプセル封入用コンパウンド 鋳型を用いることなく,自己硬化形の樹脂を刷毛塗り,浸せき(漬),
吹き付け,塗装などの適切な方法によって,電気部品又は電子部品を封入して,保護又は絶縁塗膜
を形成する。
j) 含浸用樹脂コンパウンド及びワニス コンパウンド及びワニスは,容器に入った液状の形で供給され
る。これらは,無溶剤形又は溶剤使用形のいずれかである。樹脂性コンパウンドは,しばしば2種類
の反応性成分の形で供給され,使用前に混ぜて硬化させる。このグループの製品は,細い巻線の含浸
にも適している。
k) 塗装用コンパウンド 塗装用コンパウンドは,粉体又は液体の形で供給される。熱可塑性プラスチッ
ク又は化学反応性樹脂の粉体は,流動浸せき,粉体吹付け又は静電塗装の塗装工程によって塗布する。
一般に,粉体はその融点又は硬化温度以上の温度に加熱した対象物に塗布する。最終的な硬化のため
に,多くの塗膜には後加熱が必要である。塗膜の厚さは,通常0.5 mm以下である。
融解性絶縁材料,プラスチゾル及びオルガノゾルは,液状の形で供給される。塗膜の性能は,塗膜
を形成するときに金属の基材を十分に清浄にして,絶縁及び保護の性能を確保できるかどうかにかか
っている。幾つかの材料は室温で硬化する。
l) 導体の絶縁物 このグループの製品は複合物であり,半製品と考える。熱的耐久性は絶縁材料による
が,その性能は複合物全体に依存する。そのため,このような複合物の熱的耐久性試験には,用途に
応じた技術上の機能に関する判定基準及び終点を採用した特別な方法を用いることが望ましい。
JIS C 2143-2:2011の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60216-2:2005(IDT)
JIS C 2143-2:2011の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.220 : 電気学.磁気学.電気的及び磁気的測定 > 17.220.99 : 電気及び磁気学に関するその他の規格
JIS C 2143-2:2011の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC2105:1950
- 加熱乾燥コイルワニス試験方法
- JISC2105:2019
- 電気絶縁用無溶剤液状レジン試験方法
- JISC2107:1950
- 電気用ゴムテープ類試験方法
- JISC2107:2011
- 電気絶縁用粘着テープ試験方法
- JISC2110-1:2016
- 固体電気絶縁材料―絶縁破壊の強さの試験方法―第1部:商用周波数交流電圧印加による試験
- JISC2120:1999
- 電気絶縁用ワニスクロス類試験方法
- JISC2133:1999
- 電気絶縁用チューブの試験方法
- JISC2143-1:2015
- 電気絶縁材料―熱的耐久性―第1部:劣化処理手順及び試験結果の評価
- JISC2161:2010
- 電気絶縁用粉体塗料試験方法
- JISC2220:2008
- 電気絶縁用集成マイカ
- JISC2250:2008
- 電気絶縁用マイカ製品通則
- JISC2254:2011
- 電熱用マイカ板
- JISC2262:2012
- 電気絶縁用ガラスクロス補強ドライ集成マイカ
- JISC2263:2012
- 電気絶縁用ガラスクロス補強エポキシプリプレグ集成マイカ
- JISC2264:2012
- 電気絶縁用ポリエステルフィルム補強エポキシプリプレグ集成マイカ
- JISC2300-1:2010
- 電気用セルロース紙―第1部:定義及び一般要求事項
- JISC2300-3-1:2010
- 電気用セルロース紙―第3-1部:個別製品規格―絶縁紙
- JISC2305-1:2010
- 電気用プレスボード及びプレスペーパー―第1部:定義及び一般要求事項
- JISC2305-3-1:2010
- 電気用プレスボード及びプレスペーパー―第3-1部:個別製品規格―プレスボード
- JISC2315-1:2010
- 電気用バルカナイズドファイバー―第1部:定義及び一般要求事項
- JISC2315-1:2021
- 電気用バルカナイズドファイバー―第1部:定義及び一般要求事項
- JISC2315-3-1:2010
- 電気用バルカナイズドファイバー―第3-1部:個別製品規格―平板
- JISC2315-3-1:2021
- 電気用バルカナイズドファイバー―第3-1部:個別製品規格―平板
- JISC2317:1999
- 電気用ポリエステルフィルム加工紙
- JISC2318:2007
- 電気用二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム
- JISC2318:2020
- 電気用二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム
- JISC2330:1953
- ブラックテープ
- JISC2330:2014
- コンデンサ用二軸延伸ポリプロピレンフィルム
- JISC2336:2012
- 電気絶縁用ポリ塩化ビニル粘着テープ
- JISC2338:2012
- 電気絶縁用ポリエステル粘着テープ
- JISC3216-6:2019
- 巻線試験方法―第6部:熱的特性
- JISK5600-5-2:1999
- 塗料一般試験方法―第5部:塗膜の機械的性質―第2節:耐カッピング性
- JISK6251:2017
- 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム―引張特性の求め方
- JISK7111-1:2012
- プラスチック―シャルピー衝撃特性の求め方―第1部:非計装化衝撃試験
- JISK7127:1999
- プラスチック―引張特性の試験方法―第3部:フィルム及びシートの試験条件
- JISK7160:1996
- プラスチック―引張衝撃強さの試験方法
- JISK7162:1994
- プラスチック―引張特性の試験方法 第2部:型成形,押出成形及び注型プラスチックの試験条件
- JISK7171:2016
- プラスチック―曲げ特性の求め方
- JISP8113:2006
- 紙及び板紙―引張特性の試験方法―第2部:定速伸張法
- JISP8131:2009
- 板紙―破裂強さ試験方法