JIS C 4526-1:2020 機器用スイッチ―第1部:通則 | ページ 14

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安全器のスイッチング周波数は,安全器の故障のリスクが更に大きくならない場合には,スイッチ固有
の標準スイッチング周波数より増加させることができる。
安全器を別々に試験することができない場合には,安全器を使用しているスイッチは追加試料にて試験
する必要がある。
24.2.4 リセット不可能安全器
リセット不可能安全器は,JIS C 6691又は同等以上の性能をもつ温度ヒューズ又はJIS C 9730-2-9に従
うバイメタル単動デバイス(SOD)でなければならない。
注記 電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈(20130605商局第3号)の別表第三を満足する温
度ヒューズは,同等以上の性能をもつとみなされている。
適否は,24.2.3の試験によって判定する。
試験後,温度が異常状態のため製造業者が指定した最大温度を超える場合には電源を落とさなければな
らない。
24.2.5 非自己復帰形リセット可能安全器
非自己復帰形リセット可能安全器は,JIS C 9730-1及び該当するJIS C 9730-2規格群の規格に従ってい
なければならない。
適否は,24.2.3及び次の追加試験によって判定する。
スイッチの負荷回路の非自己復帰形リセット可能安全器は,スイッチの定格電圧の1.1倍及び次に規定
する負荷とともに試験する。
安全器は各動作後にリセットし,以後は10回動作する。
白熱電球類用スイッチの安全器は,非誘導回路で試験し,保護ヒューズの公称溶断電流の負荷をかける。
速度制御回路用スイッチの安全器は,10回の動作を2度連続して行う。
1度目は,試験中の安全器は,9 In(cos φ=0.8±0.05)の電流が流れる回路を閉じ,この電流は各閉路後
の50 ms100 msの間に補助スイッチによって電流を遮断する。
2度目は,6 In(cos φ=0.6±0.05)の電流が流れる回路を補助スイッチによって閉路し,試験中の安全器
によって開路する。
他のタイプの負荷用安全器は,製造業者によって指定した開閉電流で試験する。
注記1 6 In及び9 Inの値は暫定的なものである。
注記2 “In”はスイッチの定格電流である。スイッチに定格電流の代わりに定格負荷がある場合に
は,Inは,モータ負荷のcos φが0.6であるという前提の下で計算される。
24.2.6 自己復帰形安全器
自己復帰形安全器はJIS C 9730規格群に適合しなければならない。
適否は,24.2.3及び次の追加試験によって判定する。
スイッチの負荷回路の自己復帰形安全器は,スイッチの定格電圧の1.1倍及び次に規定する負荷ととも
に試験する。
白熱電球類用スイッチの安全器は,非誘導回路で200サイクル間を自動的に動作させ,保護ヒューズに
適切な公称溶断電流の負荷をかける。
注記 他の種類の負荷用スイッチの安全器は,製造業者の指定に従って試験される。
24.2.7 電流だけを減少させる保護装置(例えばPTC抵抗器)
電流だけを減少させる保護装置は,JIS C 9730-1の附属書Jに従うサーミスタ又はIEC 60738-1に従う
PTC-Sサーミスタでなければならない。

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適否は,24.2.3及び次の追加試験に従った試験によって判定する。
PTC-Sサーミスタでは,25 ℃の周囲温度における定格ゼロ次抵抗について15 Wを超える電力消費,カ
プセル封じ又は管類は,JIS C 60695-11-10及びJIS C 60695-11-20に従う燃焼性V-1又はそれ以上でなけれ
ばならない。
燃焼基準の適否は,JIS C 60695-11-10及びJIS C 60695-11-20に従って判定する。
24.2.8 ヒューズ抵抗器
ヒューズ抵抗器は,十分な遮断容量があり,故障状態下での破断中に火炎又は燃焼粒子の放出を引き起
こしてはならない。
疑義がある場合には,同じ抵抗器の新たな試料で試験を繰り返す。抵抗器が再び遮断した場合は,関連
故障状態に対して保護するヒューズ抵抗器として認められる。

24.3 コンデンサ

  次のコンデンサは,JIS C 5101-14の要求事項に従わなければならない。
− 感電事故及び火災事故を引き起こすことがあるようなコンデンサ。
− 端子に0.5 Aよりも大きな電流を流すコンデンサ。
コンデンサの端子に流す電流を決定するとき,交換可能なヒューズは短絡しなければならない。他の保
護素子では,抵抗要素は等価インピーダンス(例えば2 Ω又は等価値)に置き換える。
コンデンサのクラスは表16,又は7.23を満足しなければならない。コンデンサの定格電圧は,最低でも
スイッチの定格に耐えられなければならない。
表16−コンデンサに関する最低条件
コンデンサの適用 コンデンサのタイプ(JIS C 5101-14参照)
Un≦130 V 130 V 過電流保護なしa) 過電流保護ありa)
充電部(L又はN)と接地間(PE) Y4 Y2 Y2
充電部間(L及びN又はL1及びL2)
− 直列のインピーダンスなし X2 X2 X2
− コンデンサの短絡によって次の値に電流を制限する直列抵抗あり
· 0.5 A以上 X3 X2 X3
· 0.5 A未満 要求事項なし 要求事項なし 要求事項なし
注a) ヒューズ抵抗(内蔵又は外部)

24.4 抵抗器

  9.1.1に従う保護インピーダンスの抵抗器及び故障状態(箇条23参照)の動作要求事項を侵害する短絡
又は遮断の抵抗器は,過負荷状態下で十分安定した抵抗値が必要であり,また,JIS C 6065:2016の14.1
の要求事項を満たさなければならない。

25 EMC要求事項

25.1 一般

  電子回路を搭載していない機械式スイッチは,電磁妨害の影響を受けないので,イミュニティ試験の検
証は必要ない。
電子回路を搭載していない機械式スイッチは継続的に電磁防害を発生しないため,エミッション試験の

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検証は必要ない。
機器に組み込むスイッチ,及び機器と一体化したスイッチは箇条25の試験を適用する必要はない。
ただし,製造業者によって要請された場合,箇条25の試験は上記のスイッチでも実施する。
電子式スイッチは,製造業者の仕様に従って使用するときに,イミュニティ及びエミッションについて
の要求事項を満たさなければならない。
機器に組み込む又は機器と一体化する電子式スイッチは,最終製品としてのイミュニティ及びエミッシ
ョンについての要求事項を満たさなければならない。
適否は,機器に組み込む又は一体化した電子式スイッチによって判定する。

25.2 イミュニティ

25.2.1 一般
電子式スイッチは,スイッチの状態(オン又はオフ)及び/又は設定値が,電磁干渉から保護されるよ
うに設計しなければならない。
次の試験では,電子式スイッチは,通常使用状態に取り付けられ箇条17に規定したとおり,定格電圧で
定格負荷が得られるように負荷を加える。
各電子式スイッチは,該当する場合には,次の状態で試験する。
− オン状態で,最大設定。
− オン状態で,最小設定。
− オフ状態で,最大設定。
− オフ状態で,最小設定。
25.2.2 電圧ディップ及び瞬断
電子式スイッチは,10秒以上の間隔(各試験事象間)でディップ及び瞬断を3回連続して行い,表17
に従って25.2.1に規定するようにJIS C 61000-4-11に規定する試験装置で試験する。
電源電圧の急変化はゼロクロッシングで起こす。
試験電圧UTと切換え電圧との間の変化は急しゅん(峻)とする。
注記 100 %UTは,定格電圧に相当する。
試験レベルの0 %は,全ての電源電圧の遮断に相当する。
試験中に,電子式スイッチの状態及び/又は設定は変わってもよい。
試験中の照明灯に時々起こる明滅及び不規則なモータ回転は無視する。
試験後に,電子式スイッチは最初の状態にあり,設定は変化してはならない。
表17−電圧ディップ及び瞬断に関する試験レベルと期間
試験レベル 電圧ディップ·遮断 定格周期での
UT UT サイクル回数
% %
0 100 10
40 60 10
70 30 10
25.2.3 サージイミュニティ試験
試験は,1 kVの開回路試験電圧でJIS C 61000-4-5に従って実施する(レベル2)。
試験中に,スイッチの状態及び/又は設定が変わってはならない。

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試験中の照明灯の時々起こる明滅及び不規則なモータ回転は無視する。
試験後に,電子式スイッチは最初の状態にあり,設定は変化してはならない。
25.2.4 電気的ファストトランジェント試験
電子式スイッチは,電源及び制御端子又は端末で繰返しファストトランジェント/バースト試験を行う。
この試験は,次の仕様でJIS C 61000-4-4に従って実施する。
電源と電子式スイッチの制御端子又は端末とをつなぐバーストから成る繰返しファストトランジェント
のレベルは,表18に従う。
試験電圧の両極性は強制。
試験時間は1分以上でなければならない。
試験中に,電子式スイッチの状態及び/又は設定は変化してもよい。
試験中の照明灯の時々起こる明滅及び不規則なモータ回転は無視する。
試験後に,スイッチは最初の状態のままでなければならない。
表18−ファストトランジェント/バースト
開路出力試験電圧±10 %
電源端子又は端末 制御端子又は端末
1 kV(レベル2) 0.5 kV(レベル2)
25.2.5 静電放電試験
通常使用状態に取り付けられた電子式スイッチは,静電接触及び気中放電に耐えなければならない。
この試験は,必要であるときは,両タイプ(気中/接触)の一つの正極と一つの負極放電を,製造業者
によって指定された10のあらかじめ選択した各点に加えて,JIS C 61000-4-2に従って実施する。
次のレベルを適用する。
− 接触放電の試験電圧 : 4 kV
− 気中放電の試験電圧 : 8 kV
試験中に,スイッチの状態及び/又は設定は変わってもよい。
試験中の照明灯の時々起こる明滅及び不規則なモータ回転は無視する。
試験後に,電子式スイッチは最初の状態のままでなければならない。
調整可能な時間遅延器具付きの電子式スイッチ(例えば,受動赤外線スイッチ−“PIRスイッチ”)は,
遅延時間が試験時間より上回るように調整するのがよい。
注記 試験限界範囲内の測定値は,不確定測定についての状況が明らかになるまで,その結果は許容
できる。
25.2.6 放射電磁界試験
連続電波放射電磁エネルギーを発生する携帯用無線トランシーバ又は他の装置によって発生するものな
どの電磁界を受ける電子式スイッチは次のように試験しなければならない。
試験は,JIS C 61000-4-3に従って実施し,3 V/mの電界強さを加える。
試験後に,電子式スイッチは最初の状態のままであり,設定も変化していない状態でなければならない。
試験中に,電子式スイッチの状態及び/又は設定は変化してもよい。ただし,他の変更は許容しない。
試験中の照明灯の時々起こる明滅及び不規則なモータ回転は無視する。

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25.2.7 電源周波数磁界試験
この試験は,例えば,ホール素子,電動マイクロフォンなどの磁界に影響されやすい装置を含む電子式
スイッチにだけ適用する。
電子式スイッチは,電源周波数磁界試験に耐えなければならない。
試験は,50 Hz,3 A/mの磁界でJIS C 61000-4-8に従って実施する。
試験中に,電子式スイッチの状態が変わってはならない。
試験中のランプに時々起こる明滅又は不規則なモータ回転は無視する。

25.3 エミッション

25.3.1 低周波エミッション
公共低電圧供給システムに接続する電子式スイッチは,回線に過度の妨害の原因とならないように設計
されていなければならない。
適否は,JIS C 61000-3-2,IEC 61000-3-3及びIEC/TS 61000-3-5の試験によって判定する。
スペクトラムの概観において,11次以上の高調波を除き,JIS C 61000-3-2とIEC 61000-3-3,又はIEC/TS
61000-3-5の判断基準に適合する場合には要求事項を満足するとみなす。
スペクトラムの包絡線の概観が,高調波の次数の増加に伴って単調な減少を示す場合には,高調波の測
定は11次までに制限できる。
25.3.2 無線周波エミッション
電子式コードスイッチ及び電子式独立形固定スイッチは,過度の無線妨害の原因とならないように設計
しなければならない。
電子式スイッチは,CISPR 14-1又はCISPR 15:2013の要求事項に適合しなければならない。電気照明に
使用する電子式スイッチは,CISPR 15:2013を適用する。
CISPR 15:2013の8.1.4.1及び8.1.4.2に,次の部分的な変更を適用する。
適否は,次によって判定する。
a) 商用電源端子(CISPR 15:2013の8.1.4.1) 全周波数範囲9 kHz30 MHzの最初の調査又は走査は,
最大設定のオン状態でしなければならない。さらに,次の周波数及びCISPR 15:2013に規定している
限度値以下で規定レベル6 dB以上の最大の妨害を発見した全ての周波数において,最大負荷を維持し
ながら最大の妨害を得るために,制御部の設定を変化させなければならない。
9 kHz,50 kHz,100 kHz,150 kHz,240 kHz,550 kHz,1 MHz,1.4 MHz,2 MHz,3.5 MHz,6 MHz,
10 MHz,22 MHz及び30 MHz
b) 負荷及び/又は制御端子(CISPR 15:2013の8.1.4.2) 全周波数範囲150 kHzから30 MHzまでの最初
の調査又は走査は,最大設定のオン状態でしなければならない。さらに,次の周波数及びCISPR
15:2013に規定している限度値以下で規定レベル6 dB以上の最大の妨害が発見した全ての周波数にお
いて,最大負荷を維持しながら最大の妨害を得るために,制御部の設定を変化させなければならない。
150 kHz,240 kHz,550 kHz,1 MHz,1.4 MHz,2 MHz,3.5 MHz,6 MHz,10 MHz,22 MHz及び
30 MHz

――――― [JIS C 4526-1 pdf 70] ―――――

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JIS C 4526-1:2020の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61058-1:2016(MOD)

JIS C 4526-1:2020の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 4526-1:2020の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC4526-1-1:2020
機器用スイッチ―第1-1部:機械式スイッチの要求事項
JISC4526-1-2:2020
機器用スイッチ―第1-2部:電子式スイッチの要求事項
JISC5101-14:2014
電子機器用固定コンデンサ―第14部:品種別通則:電源用電磁障害防止固定コンデンサ
JISC60068-2-75:2019
環境試験方法―電気・電子―第2-75部:ハンマ試験(試験記号:Eh)
JISC60695-10-2:2018
耐火性試験―電気・電子―第10-2部:異常発生熱―ボールプレッシャー試験方法
JISC60695-11-10:2015
耐火性試験―電気・電子―第11-10部:試験炎―50W試験炎による水平及び垂直燃焼試験方法
JISC60695-11-20:2018
耐火性試験―電気・電子―第11-20部:試験炎―500W試験炎による燃焼試験方法
JISC60695-2-11:2016
耐火性試験―電気・電子―第2-11部:グローワイヤ/ホットワイヤ試験方法―最終製品に対するグローワイヤ燃焼性指数(GWEPT)
JISC61000-3-2:2019
電磁両立性―第3-2部:限度値―高調波電流発生限度値(1相当たりの入力電流が20A以下の機器)
JISC61000-4-11:2008
電磁両立性―第4-11部:試験及び測定技術―電圧ディップ,短時間停電及び電圧変動に対するイミュニティ試験
JISC61000-4-2:2012
電磁両立性―第4-2部:試験及び測定技術―静電気放電イミュニティ試験
JISC61000-4-3:2012
電磁両立性―第4-3部:試験及び測定技術―放射無線周波電磁界イミュニティ試験
JISC61000-4-4:2015
電磁両立性―第4-4部:試験及び測定技術―電気的ファストトランジェント/バーストイミュニティ試験
JISC61000-4-5:2018
電磁両立性―第4-5部:試験及び測定技術―サージイミュニティ試験
JISC61000-4-8:2016
電磁両立性―第4-8部:試験及び測定技術―電源周波数磁界イミュニティ試験
JISC6691:2019
温度ヒューズ―要求事項及び適用の指針
JISQ9000:2015
品質マネジメントシステム―基本及び用語