JIS C 4526-1:2020 機器用スイッチ―第1部:通則 | ページ 8

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8.3 定格

8.3.1 一般
定格電流及び定格電圧は,数字だけで表す。定格電流は,定格電圧の前に表示するか,又は上に表示し
てその間を直線で仕切る。
スイッチが,7.2に規定するとおりの負荷で,二つ以上の負荷に対して定格を定めている場合には,異な
る複数の電流,負荷及び電圧を表示することが許される。
8.3.2 実質的抵抗負荷
7.2.1で実質的抵抗負荷用に分類されるスイッチは,最初に定格電流を,続いて定格電圧を表示する。電
源の記号は,定格電圧の後に表示する。
抵抗負荷の電流,電圧及び電源の種類は,次の例のように表示することがある。
実質的抵抗負荷用には,Vの代わりにV ACの表示を推奨する。
16 RA 250 V AC
又は 16/250
又は 16 A 250 V
16
又は 250~
注記 RAは,抵抗負荷の電流を表す。
8.3.3 抵抗負荷及び電動機負荷
7.2.2のスイッチの抵抗負荷及び電動機負荷用の回路に対しては,電動機負荷の定格電流を括弧内に記し,
抵抗負荷の定格電流の後に表示する。電源の記号は,電流及び電圧定格の後又は前に表示する。
電流,電圧及び電源の種類の記号は,次の例のように表示することがある。
16(3) 250 V
又は 16(3) / 250 V
又は 16(3)
250~
8.3.4 抵抗負荷及び容量負荷
7.2.3のスイッチの抵抗負荷及び容量負荷用の回路に対しては,ピークサージ電流の表示及び抵抗負荷電
流の表示を斜線によって分離し,抵抗負荷の定格電流,その後にピークサージ電流,及び電源の記号を表
示する。
抵抗負荷電流,ピークサージ電流,電圧及び電源の記号は,次の例のように表示することがある。
2/9 A 250 V
2/8
又は 250~
図8,図9及び図10は,容量負荷の電流の時間特性を示す。
8.3.5 抵抗負荷及び白熱電球負荷
抵抗負荷及び白熱電球負荷用の回路に対しては,a) 又はb) のいずれかを表示する。ただし,b) の表示
は,新しい設計用には推奨しない。
a) 白熱電球負荷の定格電流を白熱電球の記号の後に記し,抵抗負荷の定格電流の後に表示する。その後
に定格電圧,及び電源の記号を表示する。
抵抗負荷電流,白熱電球負荷の定格電流,電圧及び電源の記号は,次の例のように表示することが

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ある。
6 1 A 250 V
又は 6 1/250
6 1
又は
250~
b) 白熱電球負荷のピークサージ電流を角括弧内に記し,抵抗負荷の定格電流の後に表示する。その後に
定格電圧及び電源の記号を表示する。
抵抗負荷電流,ピークサージ電流,電圧及び電源の記号は,次の例のように表示することがある。
616寰A 250 V
又は 寰
616/250~
616寰
又は 250~
8.3.6 特定負荷
7.2.5のスイッチの特定負荷に関する情報は,図面又はタイプ名で表示することができる。例えば,電動
機,図面番号·,部品番号·,生産者·又は5×80 W蛍光灯負荷。
8.3.7 誘導負荷
7.2.8のスイッチは,方法a) 又はb) に従って表示しなければならない。ただし,b) の表示は,新しい
設計用には推奨しない。
a) 7.2.8のスイッチは,誘導負荷の定格電流に続いて大文字L(インダクタンスを表す)を表示し,続い
て電流の記号Aを表示する。
4LA 250 V
又は 4L/ 250
b) 従来の表示を用いる誘導負荷用のスイッチは,誘導負荷用の定格電流を二重角括弧の中に表示する。
電源の種類の記号は,定格電流と定格電圧の前又は後に表示する。
[[4 A]] 250 V
8.3.8 汎用負荷
7.2.10のスイッチは,電流の記号Aに続けてGPの記号を表示する。
10 A GP 250 V

8.4 定格温度

8.4.1 定格周囲温度は,“T”の前に温度下限値(0 ℃未満),後に温度上限値(55 ℃超過)を表示する。
下限値が示されなければ,下限値は0 ℃とする。
25T85(−25 ℃+85 ℃を意味する。)
T85(0 ℃85 ℃を意味する。)
表示がない場合には,機械式スイッチ及び電子式スイッチの定格周囲温度は0 ℃55 ℃とする。
8.4.2 55 ℃より高い定格周囲温度に対して部分的にだけ適したスイッチ(7.3.3による)の情報は,次のよ
うに表示しなければならない。
T85/55(スイッチ本体部は85 ℃以下,及びアクチュエータは55 ℃以下を意味する。)

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25T85/55
T65/55

8.5 動作サイクル

  動作サイクル数は,指数を示す記号“E”を使用しなければならない。7.4.4の10 000動作サイクルのス
イッチは,表示しなくてもよい。

1E3=1 000 25E3=25 000 1E5=100 000

8.6 クラスIIの機器又は装置での使用を目的としたスイッチ

  記号  (IEC 60417の記号5172)をスイッチに表示してはならない。この記号は,スイッチではなく,
機器又は装置に表示する。

8.7 必要な表示

  スイッチへの表示は,スイッチ本体部に表示することが望ましいが,着脱できない部分に表示してもよ
い。ただし,ねじ,取外し可能ワッシャ又は導体接続のとき及びスイッチ設置中に取り外すおそれのある
その他の部品の上に表示してはならない。
スイッチに内蔵する交換可能なヒューズの特性の表示は,ヒューズホルダ上又はヒューズの近傍に表示
する。特性は,記号(JIS C 6575規格群参照)で表示してもよい。
寸法の小さいスイッチへの表示は,異なる表面に分割してもよい。

8.8 表示の読みやすさ及び耐久性

  表示は,消えにくく,かつ,判読可能でなければならない。
8.18.8の要求事項の適否は,目視検査の後,次のように人の手によって表示をこすって判定する。
試験は水を吸い込んだ綿布で約15秒間こする,続けて次に,石油アルコール(脂肪族溶媒ヘキサン)を
吸い込んだ綿布で15秒間こする。
この溶剤は,脂肪族溶媒ヘキサンであって,芳香族含有量体積分率0.1 %,カウリブタノール値29,初
留点約65 ℃,乾点約69 ℃及び比重約0.68 g/cm3のものである。
成形,レーザー,彫刻による表示には,この試験を適用しない。
これらの試験後も,表示は読みやすくなければならない。

8.9 外郭をもつスイッチ

  外郭をもち,機器に組み込むことを意図しないスイッチは,“オフ”位置が明瞭に表示されていなければ
ならない。マイクロ断路又は電子式断路のスイッチは,“オフ”位置に関して“○”を表示してはならない。
切換え位置の表示が不可能であるか又は誤解を招くスイッチ,例えば,ロッカスイッチ又は二つ以上の自
己復帰の押しボタンスイッチは,操作する方向を表示しなければならない。また,二つ以上のアクチュエ
ータをもつスイッチは,各アクチュエータに対して,その動作によって達成される結果を表示しなければ
ならない。
7.10.1に分類するスイッチでは,“オフ”表示は製造業者の判断による。
単ボタンの押しボタンスイッチは,“オフ”位置の表示を必要としない。
注記 “○”は,完全断路に関してだけ使用できるものである。

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9 感電に対する保護

9.1 スイッチを通常の使用状態に取り付け動作させるとき,又は口金付きランプを除いて着脱できる部分
を取り外した後,充電部との接触を防止する適切な保護があるように構成されていなければならない。
クラスII機器用のスイッチには,この要求事項は,基礎絶縁だけによって充電部から絶縁されている金
属部への接触,又は基礎絶縁自体への接触にも適用する。
注記 この規格の目的としては,保護インピーダンス(9.1.1参照)によって充電部に接続されている
金属感知面は,感電に対する保護を提供するとみなす。
適否は,目視検査及び次の試験によって判定する。
a) 試験は,口金付きランプ以外の全ての着脱できる部分を取り外して,スイッチを製造業者の文書に従
って取り付けたとき,触れることのできるスイッチの部分に適用する。
b) ラッカー,エナメル,紙,木綿,金属部品上の酸化膜,ビーズ及び加熱によって軟化する封止コンパ
ウンドは,要求された充電部への接触に対する保護としてみなさない。
c) IS C 0922:2002に適合するプローブB(関節付きテストフィンガ,JIS C 0920:2003の付図1)を,力
を加えることなく,全ての可能な位置に当てる。プローブBが開口部に入り込むときは,接触の有無
を示すために,電気式表示灯を使用して,プローブBを開口部に当てる。接触を表示するには,40 V
以上の電圧においてランプを使用することを推奨する。
d) プローブBが入り込まない開口部に,JIS C 0922:2002に適合するプローブ11(関節なしテストフィ
ンガ)を,20 Nの力で当てる。
e) IS C 0922:2002に適合するプローブ13[円すい(錐)形ピン]を,絶縁材料の開口部及び接地してい
ない金属部品の開口部に,力を加えることなく,全ての可能な位置に当てる。
f) 疑義があるときは,箇条16の試験の条件で試験を繰り返し行う。
プローブがむき出しの充電部に接触してはならない。
二重絶縁構造の部分をもつスイッチの場合は,充電部から基礎絶縁又は基礎絶縁物自体だけによって絶
縁されている非接地金属部にプローブBが接触してはならない。
9.1.1 スイッチの動作に必要となる可触金属部(例 感知表面)は,保護インピーダンスによって充電部
に接続されてもよい。
保護インピーダンスは,抵抗及び/又はコンデンサからなり,次のいずれか一つに従う。
a) 直列接続した同じ公称値の二つ以上の別個の抵抗。これらの抵抗器は24.4に示す要求条件に従う。
b) 直列接続した同じ値の二つ以上の別個のコンデンサ。これらのコンデンサはJIS C 5101-14のクラス
Y2による要求条件に従う。
c) 24.4に従う一つ以上の抵抗器と,JIS C 5101-14のクラスY2による要求条件に従う一つのコンデンサ
とを直列接続。
保護インピーダンスの除去又は短絡が生じた場合には,必ず破壊状態になるか又は明らかに使用不能状
態にならなければならない。保護インピーダンスは,可触金属部の表面に沿い,各表面間においても箇条
20に従って条件を満たすように設計及び配置しなければならない。
適否は,目視検査及び24.4の試験による。
9.1.2 工具を使用しないでカバー,カバープレート若しくはヒューズを取り外すことができる場合,又は
保守目的でヒューズを交換するときに,工具によって固定してあるカバー若しくはカバープレートを取り
外さなければならないことが使用説明書に明記されている場合には,充電部との接触に対する保護は,カ
バー又はカバープレートを取り外し後も確保しなければならない。スイッチを機器に組み込んだ後にこの

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要求事項を達成する場合には,スイッチ自体はこの要求事項に従う必要はない。
適否は,JIS C 0922:2002の図3,プローブC(ロッド)を用いて20 N以下の力で穴の中に入れて判定す
る。プローブは,充電部に触れてはならない。
9.1.3 アクチュエータを取り外したとき充電部に接触できる場合には,アクチュエータを適切に固定しな
ければならない。ただし,特殊な工具による破壊,切断又は取外しによって充電部への接触ができるよう
になっている場合には,アクチュエータが適切に固定されているとみなす。
適否は,箇条18による試験中の検査及びJIS C 0922:2002に規定するプローブBに力を加えないで判定
する。
9.2 クラスIII機器以外のスイッチのアクチュエータの可触部分は,次のいずれかのタイプでなければなら
ない。
a) 絶縁物
b) 基礎絶縁をもつ部分から付加絶縁によって隔離されている金属部
c) 充電部から二重絶縁又は強化絶縁によって隔離されている金属部
d) 保護インピーダンスによって充電部から隔離されている金属部
a) c) の適否は,目視検査,測定及び適切な試験によって判定する。
d) の適否は,次によって判定する。
測定は,オン状態,オフ状態,及び/又は最低及び最高に設定した値の定格電圧(かつ,オン状態で定
格負荷)で2 kΩの無誘導抵抗を通して,一つの可触金属部又は幾つかの組み合わされた金属部と接地との
間で実施する。測定中,保護インピーダンスを形成している抵抗を含む全ての部品は一度に短絡する。
電流は,周波数が1 kHzまでの交流の場合は0.7 mA(ピーク値),又は直流の場合は2 mAを超えてはな
らない。
周波数が1 kHzを超える場合には,0.7 mAの制限値にkHz単位の周波数の数を乗じた値とするが,70 mA
を超えてはならない。
9.3 コンデンサは,製造業者の指定に合致してスイッチを取り付けたとき,触れるおそれのある非接地金
属部に接続してはならない。コンデンサの金属ケースは,製造業者の指定に合致してスイッチを取り付け
たとき,触れるおそれのある非接地金属部から付加絶縁によって絶縁されていなければならない。
適否は,目視検査並びに箇条15及び箇条20の要求事項によって判定する。

10 接地接続の手段

10.1  クラスII機器用のスイッチは,スイッチ又はその部品に接地のための手段があってはならない。た
だし,接地回路を継続するための相互連結は許容する。
適否は,目視検査によって判定する。
10.2 接地端子,接地端子部及び他の接地手段は,他の中性端子に電気的に接続してはならない。
適否は,目視検査によって判定する。
10.3 クラスI機器用のスイッチの可触金属部であって,絶縁不良が生じたとき充電部となるおそれがあ
るものは,接地用の備えをしなければならない。
適否は,目視検査によって判定する。
10.3.1 充電部から二重絶縁又は強化絶縁によって絶縁されている部品,及び接地端子,接地端子部又は
他の接地手段に接続している金属部によって遮蔽されている部品は,絶縁不良が生じたとき充電部となる
おそれがないとみなす。

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JIS C 4526-1:2020の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61058-1:2016(MOD)

JIS C 4526-1:2020の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 4526-1:2020の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC4526-1-1:2020
機器用スイッチ―第1-1部:機械式スイッチの要求事項
JISC4526-1-2:2020
機器用スイッチ―第1-2部:電子式スイッチの要求事項
JISC5101-14:2014
電子機器用固定コンデンサ―第14部:品種別通則:電源用電磁障害防止固定コンデンサ
JISC60068-2-75:2019
環境試験方法―電気・電子―第2-75部:ハンマ試験(試験記号:Eh)
JISC60695-10-2:2018
耐火性試験―電気・電子―第10-2部:異常発生熱―ボールプレッシャー試験方法
JISC60695-11-10:2015
耐火性試験―電気・電子―第11-10部:試験炎―50W試験炎による水平及び垂直燃焼試験方法
JISC60695-11-20:2018
耐火性試験―電気・電子―第11-20部:試験炎―500W試験炎による燃焼試験方法
JISC60695-2-11:2016
耐火性試験―電気・電子―第2-11部:グローワイヤ/ホットワイヤ試験方法―最終製品に対するグローワイヤ燃焼性指数(GWEPT)
JISC61000-3-2:2019
電磁両立性―第3-2部:限度値―高調波電流発生限度値(1相当たりの入力電流が20A以下の機器)
JISC61000-4-11:2008
電磁両立性―第4-11部:試験及び測定技術―電圧ディップ,短時間停電及び電圧変動に対するイミュニティ試験
JISC61000-4-2:2012
電磁両立性―第4-2部:試験及び測定技術―静電気放電イミュニティ試験
JISC61000-4-3:2012
電磁両立性―第4-3部:試験及び測定技術―放射無線周波電磁界イミュニティ試験
JISC61000-4-4:2015
電磁両立性―第4-4部:試験及び測定技術―電気的ファストトランジェント/バーストイミュニティ試験
JISC61000-4-5:2018
電磁両立性―第4-5部:試験及び測定技術―サージイミュニティ試験
JISC61000-4-8:2016
電磁両立性―第4-8部:試験及び測定技術―電源周波数磁界イミュニティ試験
JISC6691:2019
温度ヒューズ―要求事項及び適用の指針
JISQ9000:2015
品質マネジメントシステム―基本及び用語