JIS C 4526-1:2020 機器用スイッチ―第1部:通則 | ページ 9

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C 4526-1 : 2020
10.3.2 スイッチの可触金属部は,それらの取付部を介して接地へ接続してもよい。ただし,接続箇所の
金属面が清浄である場合に限る。
10.4 接地端子,接地端子部又は他の接地手段とそれらに接続する部品との間の接続は,低い抵抗値でな
ければならない。
適否は,次の試験によって判定する。
a) 無負荷電圧12 V以下の交流電源から,25 A以上で定格電流の1.5倍の電流を接地端子,接地端子部又
は他の接地手段とそれらに接続する部品それぞれとの間に順に通電する。
b) 接地端子,接地端子部又は他の接地手段とこれに接続した各部品との間の電圧降下は,安定した状態
に達したときに測定し,電流及び電圧降下から抵抗値を計算する。
抵抗値は,50 mΩ以下でなければならない。
10.5 未処理導体用の接地端子は,通電端子以上の大きさでなければならない。また,工具なしで緩むこ
とがなく,適切にロックされていなければならない。
適否は,目視検査,手動の試験及び箇条11の試験によって判定する。
10.5.1 11.1及び11.2に適合した端子に共用されている設計は,故意でない緩みに対して,緩まないよう
に適切にロックされているとみなす。
10.5.2 スイッチが過度の振動又は温度サイクルを受ける場合で,ピラー端子を使用するときには,適切
な弾性のある部品(例えば,圧力板)の使用などの特別な施策が必要である(図1参照)。
10.6 切削ねじ又は転造ねじは,通常使用で接続を妨げることがなく,また,各接続に2本のねじが使用
される場合は,接地に使用することができる。
適否は,目視検査及び19.2の試験中で判定する。
10.7 接地端子の全ての部品は,これら部品と接地導体の銅との間,又はこれらの部品に接触する他の金
属との間の接触によって腐食しないものでなければならない。
10.8 接地端子のボディは,黄銅であるか又は他のこれと同等以上の耐食性のある金属でなければならな
い。このとき,ねじ又はナットは,それが外郭の一部である場合を除き,黄銅,19.3に適合するめっきし
た鉄鋼,又はこれと同等以上の腐食及びさびに耐える抵抗性のある金属のものでなければならない。
適否は,目視検査によって判定する。疑義が生じた場合は箇条22の試験によって判定する。
10.9 接地端子のボディが,アルミニウム又はアルミニウム合金のフレーム又は外郭の一部である場合に
は,銅とアルミニウム又はその合金との間の接触によって腐食しないよう注意しなければならない。
10.7,10.8及び10.9の要求事項への適否は,目視検査によって判定する。疑義があるときは,材料及び
その被覆又はめっきの分析によって判定する。

11 端子及び端子部

11.1 端子への共通要求事項

11.1.1 一般
端子は,使用条件を明らかにした導体に対して,安全及び信頼性のある接続をしなければならない。製
造業者によって他の線径を指定していない場合,評価及び試験は,表4の線径及び抵抗負荷電流によって
実施する。

――――― [JIS C 4526-1 pdf 41] ―――――

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表4−抵抗負荷電流と未処理導体断面積及び端子との関係
端子に通電する抵抗負荷電流 可とう導体
A 断面積 mm2 端子
を超え 以下 最小 中間 最大 サイズ
− 3 0.5 0.75 0
3 6 0.5 0.75 1.0 0
6 10 0.75 1.0 1.5 1
10 16 1.0 1.5 2.5 2
16 25 1.5 2.5 4.0 3
25 32 2.5 4.0 6.0 4
32 40 4.0 6.0 10.0 5
40 63 6.0 10.0 16.0 6
端子に通電する抵抗負荷電流 硬質導体
A 断面積 mm2 端子
を超え 以下 最小 中間 最大 サイズ
− 3 0.5 0.75 1.0 0
3 6 0.75 1.0 1.5 1
6 10 1.0 1.5 2.5 2
10 16 1.5 2.5 4.0 3
16 25 2.5 4.0 6.0 4
25 32 4.0 6.0 10.0 5
32 40 6.0 10.0 16.0 6
40 63 10.0 16.0 25.0 7
導体を固定するためのねじ及びナットは,固定部品を所定の位置に保持するため又は固定部品の回転を
防止するために使用してもよいが,他の部品を固定するために使用してはならない。
固定は,0.2 A未満の電流を流す回路に使用する端子の場合は,片方の面が非金属面であってもよいが,
金属面の間で行わなければならない。
適否は,目視検査によって判定する。
11.1.2 端子の設計
端子は,導体及び端子に過大な損傷を与えることなく,適した導体が定めた深さまで開口部に挿入され
るように設計しなければならない。
適否は,目視検査によって判定する。
11.1.3 絶縁
製造業者が指定した状態で導体が端子に取付けられたときに絶縁機能が失われないよう,端子を設計し
なければならない。
適否は,指定した導体を接続した状態で箇条20によって判定する。
注記 これは,更に挿入すると沿面距離及び/又は空間距離が短くなる,又はスイッチの機構に影響
する場合には,挿し込んだ穴から導体の端が見えるようにする,又は導体の挿入の留め具を設
けるなどによって防止できる。
11.1.4 接続
導体の接続中又はスイッチの操作中に抜けないように,端子を設計しなければならない。
適否は,11.7に規定するTT1(導体引き抜き試験)によって判定する。

――――― [JIS C 4526-1 pdf 42] ―――――

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11.2 端子の固定

11.2.1 導体着脱時,クランプを締めたり緩めたりしても,端子は緩まない方法で固定していなければな
らない。
導体の取外しには,引き抜き以外の動作を必要としなければならない。
この要求事項は,ある種の積み重ね形スイッチに用いられるような,固定していないスイッチング素子
に取り付けた浮動端子又は浮動端子部を排除するものではない。
7.20.14(平形クイック接続端子部)で定義する端子において,タブはこの規格への適合を損なうような
損傷をスイッチに与えることなしに,めす(雌)形コネクタへの差込み及び引抜きができなければならな
い。
適否は,11.8に規定するTT2(端子の位置ずれ試験)によって判定する。
11.2.2 未処理導体(7.20.1)を7.20.13(プッシュイン端子)に接続する場合,適否は,目視検査及び11.8.4
によって判定する。

11.3 端子の配置及び保護

11.3.1 電線の接続時,端子,充電部,又は可触金属部との絶縁機能が失われないように,端子を配置す
る,又は保護しなければならない。
11.3.2 可とう導体(7.20.3)の接続に適した端子は,充電部と,可触金属部との間が接触する危険がない
ように配置するか,又は保護しなければならない。
11.3.3 クラスII機器に用いられるスイッチでは,充電部と,可触金属部から付加絶縁だけによって隔離
された金属部との間が,接触してはならない。
適否は,目視検査,及びより線のときは11.9に規定するTT3(より線のはみ出し試験)によって判定す
る。

11.4 2本以上の導体の相互接続を意図した端子

  2本以上の導体(7.20.9)の相互接続を意図した端子は,同時に接続される複数の導体の一部が抜け落ち
ることがないように設計しなければならない。
適否は,目視検査及び11.10に規定するTT4(複数の導体)によって判定する。

11.5 熱応力

  端子は正常使用で生じる熱応力に耐えなければならない。20 mA未満の端子は,この試験を行わない。
適否は,JIS C 4526-1-1,又はJIS C 4526-1-2の箇条17のTE2(熱的適合性)に従って判定する。

11.6 試験シーケンス

  処理導体又は未処理導体の接続を意図した端子の試験は,表5のTT番号順のシーケンスで実施する。

――――― [JIS C 4526-1 pdf 43] ―――――

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表5−端子試験シーケンス
再接続 導体 TT1 TT2 TT3 TT4 端子の例
(代表例)
ねじ式 7.20.12
可能 未処理
X X X X 穴抜き 7.20.18
(7.20.11) (7.20.1)
プッシュイン 7.20.13
ねじ式 7.20.12
可能 処理 穴抜き 7.20.18
X X − −
(7.20.11) (7.20.2) プッシュイン 7.20.13
クイック接続 7.20.14
不可能 未処理 はんだ付け 7.20.15
X − − −
(7.20.10) (7.20.1) 溶接 7.20.16
不可能 処理 固定電線(7.20.17),及び一般的
− − − −
(7.20.10) (7.20.2) な端子部
注記1 “X”は,試験が必要であることを示す。
注記2 欄の説明及び試験コード
TT1 導体引き抜き試験
TT2 端子の位置ずれ試験
TT3 より線のはみ出し試験
TT4 複数の導体

11.7 導体引き抜き試験(TT1)

  接続する導体は,製造業者によって指定した導体,又は表4の最大断面積の導体とする。
より線を挿入する位置は,端子からはみ出しそうな位置とし,長さは製造業者が指定した最小長さとし,
長さが指定されていない場合には,導体が突き当たるまで,又は端子の反対側に出るまで挿入する。
製造業者によって指定した導体,又は表4の最小断面積の導体によって試験を繰り返す。
処理導体(7.20.2)用の端子は,指定のタイプを使用する。
硬い導体(7.20.5)は,端子に挿入する前に真っすぐに伸ばす。
可とう導体(7.20.3又は7.20.4)は,完全に1回転する均一のねじりを加え,長さが2 cmになるように
一方向にねじる。
ねじ端子(7.20.12)は,表10に規定するトルクで締め付ける。
2本以上の導体の接続を指定する端子(7.20.9)は,指定した本数の導体を取付けて試験を繰り返し行う。
はんだ付け用若しくは溶接用の端子(7.20.15又は7.20.16),又は導体の滑り出しが防止される設計にな
っている接続には,試験は行わない。
試験の適否は,次による。
試験後,導体が締付け手段と保持具の隙間へ外れてはならない。

11.8 端子の位置ずれ試験(TT2)

11.8.1 接続試験
11.8.2で要求する試験が必要でない場合,導体は11.7に規定するTT1のパラメータを用いて着脱を10
回繰り返さなければならない。
この試験は,1回の配線を意図した端子(7.20.10)では必要としない。
試験の後に,端子はその意図した位置からずれてはならない。
11.8.2 ねじ式端子
7.20.12(ねじ端子及びその接続)で定義した端子において,同一サンプルによって次の追加試験を実施

――――― [JIS C 4526-1 pdf 44] ―――――

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する。
a) ねじ式端子に,表4の最小,又は製造業者が指定した断面積の導体を取り付け,端子ねじを表10のト
ルクで締め付ける。
b) すりわり付き六角ねじの場合には,表10の第III欄のトルクで締め付ける。
c) 導体は,表6に示す力で引っ張る。この引張力は,導体用空間の軸方向に,弾みをつけずに1分間加
える。
d) )からc)を最大の断面積の導体を用いて繰り返す。
2本以上の導体の相互接続を意図した端子(7.20.9)の場合には,試験は指定された数の導体を取り
付けた端子で繰り返し,該当する引張力を各導体に順次,加える。
試験中,導体は端子の中で視認できる程度に動いてはならない。
11.8.3 平形クイック接続端子
7.20.14(平形クイック接続端子)で定義した端子において,適否は,JIS C 2809:2014 表6で規定する力
を軸方向に弾みをつけずに加えて判定する。著しい位置ずれ又は損傷が生じてはならない。
11.8.4 プッシュイン端子
7.20.13(プッシュイン)で定義した端子と未処理導体(7.20.1)との組合せのときは,試験方法は次によ
る。
接続する導体は,製造業者によって指定した導体,又は表4の最大断面積の導体とする。
a)からf)を順次実施する。
製造業者によって指定した導体,又は表4の最小断面積の導体によって試験を繰り返す。
a) 導体を端子に,できる限り距離を取り,又は正しく接続されたことが明らかになるように挿入する。
b) 導体を軸方向に対して90度捻じる。
c) 表6で規定する引抜き力を,挿入と逆方向に,弾みをつけずに1分間加える。
d) 決められた引抜き部材を使い,導体だけを引っ張り,導体を引き抜く。
e) 新しい導体を使用し,更にa)からd)を3回繰り返す(合計4回)。
f) 5回目の挿入には,4回目の挿入で使用した導体を用いる(同じ導体を2回用いることで,導体の同じ
場所をクランプすることを目的とする。)。
試験の適否 :
c)の引張り試験中に,導体は端子から抜けてはならない。これらの試験の後に,端子と固定部品はいず
れも緩んではならない。
表6−ねじ式端子に対する引張力
端子サイズ 0 1 2 3 4 5 6 7
導体の断面積 1.0を超え 1.5を超え 2.5を超え 4.0を超え 6.0を超え 10.0を超え 16.0を超え
mm2 1.0以下 1.5以下 2.5以下 4.0以下 6.0以下 10.0以下 16.0以下 25.0以下
引張力
35 40 50 60 80 90 100 135
N
注記 導体の断面積は,製造業者が導体を指定するときに適用する。

11.9 より線のはみ出し試験(TT3)

  接続する導体は,製造業者が指定した,又は表4の最小断面積の可とう導体の端末から,被覆絶縁物を

――――― [JIS C 4526-1 pdf 45] ―――――

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JIS C 4526-1:2020の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61058-1:2016(MOD)

JIS C 4526-1:2020の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 4526-1:2020の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC4526-1-1:2020
機器用スイッチ―第1-1部:機械式スイッチの要求事項
JISC4526-1-2:2020
機器用スイッチ―第1-2部:電子式スイッチの要求事項
JISC5101-14:2014
電子機器用固定コンデンサ―第14部:品種別通則:電源用電磁障害防止固定コンデンサ
JISC60068-2-75:2019
環境試験方法―電気・電子―第2-75部:ハンマ試験(試験記号:Eh)
JISC60695-10-2:2018
耐火性試験―電気・電子―第10-2部:異常発生熱―ボールプレッシャー試験方法
JISC60695-11-10:2015
耐火性試験―電気・電子―第11-10部:試験炎―50W試験炎による水平及び垂直燃焼試験方法
JISC60695-11-20:2018
耐火性試験―電気・電子―第11-20部:試験炎―500W試験炎による燃焼試験方法
JISC60695-2-11:2016
耐火性試験―電気・電子―第2-11部:グローワイヤ/ホットワイヤ試験方法―最終製品に対するグローワイヤ燃焼性指数(GWEPT)
JISC61000-3-2:2019
電磁両立性―第3-2部:限度値―高調波電流発生限度値(1相当たりの入力電流が20A以下の機器)
JISC61000-4-11:2008
電磁両立性―第4-11部:試験及び測定技術―電圧ディップ,短時間停電及び電圧変動に対するイミュニティ試験
JISC61000-4-2:2012
電磁両立性―第4-2部:試験及び測定技術―静電気放電イミュニティ試験
JISC61000-4-3:2012
電磁両立性―第4-3部:試験及び測定技術―放射無線周波電磁界イミュニティ試験
JISC61000-4-4:2015
電磁両立性―第4-4部:試験及び測定技術―電気的ファストトランジェント/バーストイミュニティ試験
JISC61000-4-5:2018
電磁両立性―第4-5部:試験及び測定技術―サージイミュニティ試験
JISC61000-4-8:2016
電磁両立性―第4-8部:試験及び測定技術―電源周波数磁界イミュニティ試験
JISC6691:2019
温度ヒューズ―要求事項及び適用の指針
JISQ9000:2015
品質マネジメントシステム―基本及び用語