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で,目詰まり,破損などがないことを確認した後,用いる。吸収瓶の確認方法としては,吸
収瓶に水20 mLを入れて通気し,気泡が分散して均一に泡立ち,目詰まり又は破損がないこ
とを確認する。
3)
排ガス中の成分と化学反応を起こさない材質のもの,例えば,シリカウール,無アルカリガ
ラスウールを用いる。
4)
配管はできるだけ短くし,水分が凝縮するおそれのある場合には,試料ガス採取管からコッ
ク (P1) までの間を約120 ℃に加熱する。
単位 mm
図1−吸収瓶の例
A ろ過材 F1, F2 吸収瓶(容量50 mL) L 吸引ポンプ
B 試料ガス採取管 G ガラスフィルター M 湿式ガスメーター
C 採取口 H 洗浄瓶(容量50 mL) N 温度計
D 温度計 J 乾燥管 O マノメーター
E ヒーター K1, K2 流量調節コック P1, P2 流路切換三方コック
Q 冷却槽
図2−試料ガス採取装置の例
――――― [JIS K 0106 pdf 6] ―――――
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5.4 採取操作
操作は,次による。ここに示す装置の記号は,図2による。
a) 吸収瓶 (F1, F2) に,分析法ごとに規定された5.2.2.3 a)又はb)のいずれかの吸収液20 mLをそれぞれ入
れる1)。
b) 吸収瓶 (F1, F2) を冷却槽 (Q) 内に設置し,試料ガス採取管と接続する5)。
c) 流路切換三方コック (P1, P2) をバイパス側に回した後,吸引ポンプ (L) を作動させて,試料ガス採取
管 (B) から流路切換三方コック (P1) 内を試料ガスで置換する。採取現場の狭あいなど,場所の制約
がありバイパス用導入管が設置できない場合は,採取管から流路切換三方コック (P1) 間の導管を試
料ガスで十分に置換すれば,バイパスを省略してもよい。
d) 吸引ポンプ (L) を停止した後,流路切換三方コック (P1, P2) を吸収瓶 (F1, F2) 側に回す。次に湿式ガ
スメーター (M) の指示 (V1) を0.01 Lのけたまで読み取る。
e) 吸引ポンプ (L) を作動させ,試料ガスを吸収瓶 (F1, F2) に通す。このとき流量調節コック (K1, K2) を
調節して,流量を1 L/min[二塩化3, 3'-ジメチルベンジジニウム吸光光度法の場合は0.5 L/min6)]程度
にする。試料ガスを約20 L(二塩化3, 3'-ジメチルベンジジニウム吸光光度法の場合は2.5 L)7) 採取
した後,吸引ポンプ (L) を停止し,流路切換三方コック (P1, P2) を閉じ,湿式ガスメーター (M) の
指示 (V2) を0.01 Lのけたまで読み取る。また,試料ガス採取時に湿式ガスメーターの温度計 (N) 及
びマノメーター (O) によって,湿式ガスメーターの温度 (t) 及びゲージ圧を測定する。また,大気圧
を測定しておく。
f) 必要に応じて,試料ガス中の水分をJIS Z 8808の6.(排ガス中の水分量の測定)によって測定する。
注5) 冷却槽内には,氷水を入れる。
6)
塩素が吸収液に完全に吸収されることがあらかじめ明らかなときは,流量を約1 L/minとし
てもよい。
7)
塩素濃度に応じて,適宜,増減してもよい。
5.5 試料ガス採取量
式(1)(4)によって,標準状態[273.15 K(0 ℃),101.32 kPa]における試料ガス採取量を,乾きガス量
(VSD) 又は湿りガス量 (VSW) として算出する。
a) 乾きガス量を求める場合
1) 湿式ガスメーターを用いた場合
273.15 Pa Pm PV
VSD V 22.41 a b (1)
273.15 t 101.32
2) 乾式ガスメーターを用いた場合
273.15 Pa Pm
VSD V 22.41 a (2)
273.15 t 101.32
b) 湿りガス量を求める場合
1) 湿式ガスメーターを用いた場合
273.15 Pa Pm PV
VSW V 22.41 a b (3)
273.15 t 101.32
2) 乾式ガスメーターを用いた場合
273.15 Pa Pm
VSW V 22.41 a b (4)
273.15 t 101.32
――――― [JIS K 0106 pdf 7] ―――――
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ここに, VSD : 乾きガス量 (L)
VSW : 湿りガス量 (L)
V : ガスメーターで測定したガス量 (L)
[5.4 d) e)の操作におけるV2−V1]
t : ガスメーターにおける温度 (℃)
Pa : 大気圧 (kPa)
Pm 8) : ガスメーターにおけるゲージ圧 (kPa)
PV 9) : t ℃における水の飽和蒸気圧 (kPa)
a8) : 吸収液に捕集された分析対象成分ガス量 (mol)
b8) : 吸収液に捕集された分析対象成分以外のガス量 (mol)
c8) : JIS Z 8808の6.によって求めた水分量 (mol)
273.15 : 0 ℃に対応する絶対温度 (K)
101.32 : 1気圧に対応する圧力 (kPa)
22.41 : 標準状態における気体1モルの体積 (L)
注8) 無視しても差し支えない場合が多い。
9) 表2に示す。
6 分析用試料溶液の調製
調製は,次による。
a) BTS吸光光度法
1) 5.4の操作を行った後,吸収瓶 (F1, F2) の内容液を直ちに全量フラスコ50 mLに移し,更に吸収瓶
などを水で洗浄し,洗液を先の全量フラスコに合わせる。
2) 水を標線まで加えて密栓する10)。これを分析用試料溶液とする。
注10) 密栓すれば,発色後約2時間安定である。
b) CP吸光光度法及びイオンクロマトグラフ法
1) 5.4の操作を行った後,吸収瓶 (F1, F2) の内容液を直ちに全量フラスコ50 mLに移し,更に吸収瓶
などを水で洗浄し,洗液を先の全量フラスコに合わせる。
2) 水を標線まで加えて密栓する。これを分析用試料溶液とする11)。
注11) この溶液は,PCP吸光光度法及びイオンクロマトグラフ法の両方に用いることができる。
7 定量方法
7.1 2, 2'-アジノビス(3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホン酸)吸光光度法(ABTS吸光光度法)
7.1.1 適用条件
この方法は,窒素酸化物(特に二酸化窒素)の影響を大きく受けるので,燃焼排ガス中の塩素の分析に
は適用できない。塩素の質量濃度が0.102.0 mg/m3の場合に適用する。この範囲を超える場合は,分析用
試料溶液を希釈して測定する。
7.1.2 試薬及び試薬溶液の調製
7.1.2.1 試薬
試薬は,次による。
7.1.2.1.1 水 JIS K 0557に規定するA3の水。
7.1.2.1.2 酢酸 JIS K 8355に規定するもの。
7.1.2.1.3 次亜塩素酸ナトリウム溶液 有効塩素50120 g/Lのもの。
7.1.2.1.4 チオ硫酸ナトリウム五水和物 JIS K 8637に規定するもの。
――――― [JIS K 0106 pdf 8] ―――――
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7.1.2.1.5 炭酸ナトリウム JIS K 8625に規定するもの。
7.1.2.1.6 よう化カリウム JIS K 8913に規定するもの。
7.1.2.1.7 でんぷん(溶性) JIS K 8659に規定するもの。
7.1.2.1.8 よう素酸カリウム JIS K 8005に規定する容量分析用標準試薬。
7.1.2.2 試薬溶液の調製
試薬溶液の調製は,次による。
7.1.2.2.1 酢酸 (1+1) 酢酸100 mLと水100 mLとを混合する。
7.1.2.2.2 0.05 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液 チオ硫酸ナトリウム五水和物13 g及び炭酸ナトリウム0.2
gをはかり取り,溶存酸素を含まない水[JIS K 0557の4.の備考3.参照]1 000 mLに溶かした後,気密容
器に入れて2日間放置する。その後,よう素酸カリウムを用いて標定する。標定は次による。
標定 a) よう素酸カリウムを130 ℃で約2時間乾燥し,デシケーター中で放冷した後,その0.35
0.36 gを0.1 mgのけたまではかり取る。
b) 水に溶かした後,全量フラスコ250 mLに水で洗い移し,水を標線まで加える。
c) 共栓三角フラスコ300 mLにこの溶液25 mLを正確に取り,水を加えて約100 mLとし,よ
う化カリウム12 g,酢酸 (1+1) 6 mLを加え,栓をして静かに振り混ぜ,暗所に5分間
放置する。
d) 遊離したよう素を0.05 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し,溶液の黄色が薄くなって
から指示薬としてでんぷん溶液約1 mLを加えて滴定を続け,よう素でんぷんの青が消え
た点を終点とする。
e) 別に同一条件で空試験を行って滴定値を補正する。
f) 式(5)によって,0.05 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液のファクターを算出する。
愀25
f .0250 (5)
001 783
ここに, f : 0.05 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液のファクター
m : よう素酸カリウム採取量 (g)
a' : 滴定に要した0.05 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液の量
(mL)
0.001 783 : 0.05 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液1 mLに相当するよう
素酸カリウムの量 (g)
7.1.2.2.3 でんぷん溶液 でんぷん(溶性)1 gを水約10 mLとよく混和し,熱水200 mL中にかき混ぜな
がら加える。約1分間煮沸し,冷却する。使用時に調製する。
7.1.2.2.4 塩素標準液 (Cl2:1.0 mg/mL) 7.1.2.1.3の次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素50120 g/L)
100/N mL(N : 有効塩素g)を全量フラスコ100 mLにとり,水を標線まで加える。使用時に調製する。
有効塩素 (N) は,次によって求める。
a) 7.1.2.1.3の次亜塩素酸ナトリウム溶液v mL(有効塩素50 g/Lの場合,5 mL)を全量フラスコ100 mL
にとり,水を標線まで加える。
b) )の10 mLを共栓三角フラスコ300 mLに正確に取り,水を加えて約100 mLとする。
c) 7.1.2.2.2の標定に準じて操作する。
d) 別に水v mLをとり,7.1.2.2.2の標定と同様に操作して空試験を行って滴定値を補正する。
――――― [JIS K 0106 pdf 9] ―――――
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e) 式(6)によって有効塩素の濃度 (g/L) を算出する。
100 1 (6)
N a f .0001 7731 000
10 v
ここに, N : 有効塩素 (g/L)
a'' : 滴定に要した0.05 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液量 (mL)
f : 0.05 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液のファクター
0.001 773 : 0.05 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液1 mLの塩素相当量 (g)
v : 次亜塩素酸ナトリウム溶液の採取量 (mL)
7.1.2.2.5 塩素標準液 (Cl2:0.01 mg/mL) 7.1.2.2.4の塩素標準液 (Cl2:1.0 mg/mL) 1.0 mLを全量フラスコ
100 mLにとり,水を標線まで加える。使用時に調製する。
7.1.2.2.6 吸収液(ABTS溶液) 5.2.2.3 a)による。
7.1.3 定量操作
操作は,次による。
a) 箇条6 a)で調製した分析用試料溶液の一部を吸収セルにとり,吸収液を対照として,波長400 nm付近
の吸光度を測定する10)。
b) 7.1.4によって作成した検量線から塩素の質量濃度 (mg/mL)を求める。
注10) 密栓すれば,発色後約2時間は安定である。
7.1.4 検量線の作成
検量線の作成は,次による。
a) 塩素標準液 (Cl2:0.01 mg/mL) 0.12.0 mLを数個の全量フラスコ25 mLに段階的にとり,吸収液20 mL
を加え,更に水を標線まで加えて密栓する。
b) この溶液の一部を吸収セルにとり,吸収液を対照として,波長400 nm付近の吸光度を測定し,a)の全
量フラスコ中の塩素の質量濃度 (mg/mL)と吸光度との関係線を作成する。
7.1.5 塩素濃度の算出
式(7)(9)によって,試料ガス中の塩素の濃度を算出し,有効数字2けたに丸める。
CW a 50 1 000 (7)
S
CV .0316 a 50 1 000 (8)
VS
CW V .316 (9)
ここに, CW : 試料ガス中の塩素の質量濃度 (mg/m3)
CV : 試料ガス中の塩素の体積濃度 (vol ppm)
a : 7.1.3 b)で求めた塩素の質量濃度 (mg/mL)
VS : 5.5によって算出した標準状態の試料ガス採取量 (L)
(乾きガスの場合はVSD,湿りガスの場合はVSW)
0.316 : 塩素 (Cl2) 1 mgの体積 (mL) (標準状態)
3.16 : 塩素 (Cl2) 1 vol ppmの質量濃度 (mg/m3),70.9/22.41
7.2 4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン吸光光度法(PCP吸光光度法)
7.2.1 適用条件
この方法は,二酸化窒素が共存しても,その影響を受けない。塩素の質量濃度が0.255.0 mg/m3の場合
に適用する。この範囲を超える場合は,分析用試料溶液を希釈して測定する。
――――― [JIS K 0106 pdf 10] ―――――
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JIS K 0106:2010の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.040 : 気質 > 13.040.40 : 固定施設からの発生ガス
JIS K 0106:2010の関連規格と引用規格一覧
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- JISK0095:1999
- 排ガス試料採取方法
- JISK0115:2004
- 吸光光度分析通則
- JISK0115:2020
- 吸光光度分析通則
- JISK0127:2013
- イオンクロマトグラフィー通則
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
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- 容量分析用標準物質
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- 酢酸(試薬)
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- JISK8574:2006
- 水酸化カリウム(試薬)
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- JISK8625:2017
- 炭酸ナトリウム(試薬)
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- チオ硫酸ナトリウム五水和物(試薬)
- JISK8659:2014
- でんぷん(溶性)(試薬)
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- よう化カリウム(試薬)
- JISK8951:2006
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- りん酸水素二ナトリウム(試薬)
- JISK9548:1994
- 3-メチル-1-フェニル-5-ピラゾロン(試薬)
- JISZ8808:2013
- 排ガス中のダスト濃度の測定方法