この規格ページの目次
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K 0106 : 2010
7.2.2 試薬及び試薬溶液の調製
7.2.2.1 試薬
試薬は,次による。
7.2.2.1.1 水 JIS K 0557に規定するA3の水。
7.2.2.1.2 次亜塩素酸ナトリウム溶液 有効塩素50120 g/Lのもの。
7.2.2.1.3 シアン化カリウム JIS K 8443に規定するもの。
7.2.2.1.4 りん酸水素二ナトリウム JIS K 9020に規定するもの。
7.2.2.1.5 りん酸二水素カリウム JIS K 9007に規定するもの。
7.2.2.1.6 3-メチル-1-フェニル-5-ピラゾロン JIS K 9548に規定するもの。
7.2.2.1.7 4-ピリジンカルボン酸ナトリウム
7.2.2.1.8 N,N-ジメチルホルムアミド JIS K 8500に規定するもの。
7.2.2.2 試薬溶液の調製
試薬溶液の調製は,次による。
7.2.2.2.1 シアン化カリウム溶液 (10 g/L) シアン化カリウム1 gを水100 mLに溶かしたもの。
注記 冷蔵庫に保存すれば1か月間使用できる。
7.2.2.2.2 りん酸塩緩衝液 (pH7.2) りん酸水素二ナトリウム17.8 gを水約300 mLに溶かした溶液に,り
ん酸二水素カリウム溶液 (200 g/L) をpH値が7.2になるまで加えた後,水で500 mLにする。
7.2.2.2.3 4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン溶液 3-メチル-1-フェニル-5-ピラゾロン0.3 gをN,N-ジメチ
ルホルムアミド20 mLに溶かす。別に4-ピリジンカルボン酸ナトリウム1.8 gを水約50 mLに溶かし,両
液を合わせ水を加えて100 mLとする。
注記 この溶液は冷蔵庫に保存すれば約2週間は安定であるが,黄色に着色した場合は使用できない。
7.2.2.2.4 塩素標準液 (Cl2:1.0 mg/mL) 7.1.2.2.4による。
7.2.2.2.5 塩素標準液 (Cl2:0.01 mg/mL) 7.1.2.2.5による。
7.2.2.2.6 吸収液(p-トルエンスルホンアミド溶液) 5.2.2.3 b)による。
7.2.3 定量操作
操作は,次による。
a) 箇条6 b)で調製した分析用試料溶液10 mLを全量フラスコ25 mLに正確にとる。
b) シアン化カリウム溶液 (10 g/L) 0.5 mLを加えて栓をし,2回静かに転倒した後,室温で約5分間放置
する。
c) りん酸塩緩衝液5 mL及び4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン溶液5 mLを加え,水を標線まで加える
12)。
d) 密栓して2回静かに転倒した後,25±2 ℃の水浴中で約30分間放置する。
e) )の溶液の一部を吸収セルにとり,波長638 nm付近の吸光度を測定する13)。対照液には5.2.2.3 b)の
吸収液8 mLを全量フラスコ25 mLにとり,b) d)の操作を行ったものを用いる。
f) 7.2.4によって作成した検量線から塩素の質量濃度 (mg/mL)を求める。
注記 この廃液には,有害なシアン化物イオンを含んでいるので,次亜塩素酸ナトリウム溶液で分
解処理をするか,シアン含有廃液として処分する。
注12) シアン化カリウム溶液より先にりん酸塩緩衝液を加えると,吸光度が低下することがある。
13) 密栓すれば,発色後約1時間は安定である。
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7.2.4 検量線の作成
検量線の作成は,次による。
a) 塩素標準液 (Cl2:0.01 mg/mL) 0.12.0 mLを数個の全量フラスコ25 mLに段階的にとり,5.2.2.3 b)の吸
収液8 mLを加える。
b) 7.2.3のb) e)の操作を行い,a)の全量フラスコ中の塩素の質量濃度 (mg/mL) と吸光度との関係線を
作成する13)。
7.2.5 塩素濃度の算出
式(10)(12)によって,試料ガス中の塩素の濃度を算出し,有効数字2けたに丸める。
a 25 50
CW V 1 000 (10)
VS
.0316 a 25 50
CV V 1 000 (11)
VS
CW V .316 (12)
ここに, CW : 試料ガス中の塩素の質量濃度 (mg/m3)
CV : 試料ガス中の塩素の体積濃度 (vol ppm)
a : 7.2.3 f)で求めた塩素の質量濃度 (mg/mL)
V : 分析用試料溶液の分取量 (mL),通常10 mL
VS : 5.5によって算出した標準状態の試料ガス採取量 (L)
(乾きガスの場合はVSD,湿りガスの場合はVSW)
0.316 : 塩素 (Cl2) 1 mgの体積 (mL) (標準状態)
3.16 : 塩素 (Cl2) 1vol ppmの質量濃度 (mg/m3),70.9/22.41
7.3 イオンクロマトグラフ法(IC法)
7.3.1 適用条件
この方法は,二酸化窒素が共存しても,その影響を受けない。塩素の質量濃度が1.325 mg/m3の場合
に適用する。この範囲を超える場合は,分析用試料溶液を希釈して測定する。
7.3.2 試薬及び試薬溶液の調製
7.3.2.1 試薬
試薬は,次による。
7.3.2.1.1 水 JIS K 0557に規定するA3の水。
7.3.2.1.2 次亜塩素酸ナトリウム溶液 有効塩素50120 g/Lのもの。
7.3.2.1.3 シアン化カリウム JIS K 8443に規定するもの。
7.3.2.1.4 水酸化カリウム JIS K 8574に規定するもの。
7.3.2.1.5 炭酸ナトリウム JIS K 8625に規定するもの。
7.3.2.1.6 炭酸水素ナトリウム JIS K 8622に規定するもの。
7.3.2.1.7 硫酸 JIS K 8951に規定するもの。
7.3.2.2 試薬溶液の調製
試薬溶液の調製は,次による。
7.3.2.2.1 シアン化カリウム溶液 (10 g/L) 7.2.2.2.1による。
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K 0106 : 2010
7.3.2.2.2 水酸化カリウム溶液 (0.1 mol/L) 水酸化カリウム1.4 gを水250 mLに溶かしたもの。
7.3.2.2.3 塩素標準液 (Cl2:1.0 mg/mL) 7.1.2.2.4による。
7.3.2.2.4 塩素標準液 (Cl2:0.01 mg/mL) 7.1.2.2.5による。
7.3.2.2.5 吸収液(p-トルエンスルホンアミド溶液) 5.2.2.3 b)による。
7.3.2.2.6 溶離液 装置の種類及び使用する分離カラムの種類によって異なる。使用する装置及び分離カ
ラムに最適なものを用いる。次にその例を示す。
a) 炭酸水素塩−炭酸塩溶液 炭酸水素ナトリウム0.025 g (0.3 mmol)と炭酸ナトリウム0.286 g (2.7 mmol)
とを水に溶かし,全量フラスコ1 000 mLに水で洗い移し,水を標線まで加える。
b) 水酸化カリウム溶液 溶離液調製装置を用いて340 mmol/Lの水酸化カリウム溶液を調製する。
7.3.2.2.7 再生液(除去液) サプレッサーの機能を再生又は継続的に維持するために用いる液体で,電
気的又は化学的に再生を行う場合に使用し,装置及びサプレッサーの種類に最適なものを用いる。次にそ
の例を示す。
a) 電気的に再生する場合
1) 水 7.3.2.1.1の水を電解して再生液とする。
2) 溶離液 検出器を通過した溶離液を電気透析形サプレッサーの再生液とする。
b) 化学的に再生する場合
1) 硫酸 (15 mmol/L) 硫酸 (1 mol/L)(硫酸60 mLを少量ずつ水500 mLに加え,冷却後,水で1 Lと
する。)15 mLを水で1 Lとする。
7.3.3 イオンクロマトグラフ
イオンクロマトグラフは,次によって構成する。
7.3.3.1 試料導入器 分析用試料溶液の一定量を再現性よく装置に注入できる自動のもの,又は装置内に
組み込まれた試料計量管(約10250 μLの一定量)に,110 mLのシリンジを用いて注入する手動のも
の。
7.3.3.2 分離カラム 内径28 mm,長さ30300 mmの不活性な合成樹脂製又は金属製の管に,陰イオ
ン交換体を充てんしたもの。分析目的のイオンを隣接するイオン種と分離度1.3程度以上で分離できるも
の。
7.3.3.3 プレカラム 濃縮,予備分離及び異物除去のためのガードカラムで,必要に応じて分離カラムの
前に装着する。内径28 mm,長さ550 mmの不活性な合成樹脂製又は金属製の管に,分離カラムと同
種類の陰イオン交換体を充てんしたもの。
7.3.3.4 グラジエント溶離器 溶離液の組成を変化させながら,試料溶液中のイオン種を溶離させる器具。
主に,水酸化カリウム溶離液を使用する場合に用いる。
7.3.3.5 サプレッサー 電気伝導度検出器で測定する場合,測定するイオン種成分の検出を損なうことな
く,バックグラウンドとなる溶離液の電気伝導度を低減する装置。
7.3.3.6 検出器 電気伝導度検出器
7.3.4 定量操作
操作は,次による。
a) 箇条6 b)で調製した分析用試料溶液14) 10 mLを全量フラスコ25 mLに正確にとる。
b) シアン化カリウム溶液 (10 g/L) 0.5 mLを加えて栓をし,2回静かに転倒した後,室温で約5分間放置
する。
c) 水酸化カリウム溶液 (0.1 mol/L) 5 mLを加え,水を標線まで加える。
――――― [JIS K 0106 pdf 13] ―――――
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K 0106 : 2010
d) 密栓して2回静かに転倒した後,25±2 ℃の水浴中で約10分放置する。
e) イオンクロマトグラフを測定可能な状態にし,分離カラムとサプレッサーの内側に溶離液を一定の流
量(例えば12 mL/min)で流しておく。サプレッサーの外側には再生液を一定の流量で流しておく。
f) d)で作成した試料溶液の一定量 (10250 μL) を試料導入器でイオンクロマトグラフに注入し,クロマ
トグラムを記録する。
g) クロマトグラム上のシアン酸イオン15) のピーク面積又はピーク高さを求める。
h) 7.3.5によって作成した検量線から,塩素の質量濃度 (mg/mL)を求める。
i) 吸収液8 mLを全量フラスコ25 mLにとり,b) d)の操作を行い,f)の注入量と同じ量を用い,e) h)
の操作に準じて操作し,塩素の質量濃度 (mg/mL)の空試験値を求める。
注14) 分析用試料溶液中に固形物が認められる場合には,分離カラムを閉そく(塞)するので,あ
らかじめ孔径0.45 μm以下のメンブレンフィルタでろ過して除去する。
15) 生成したシアン酸イオンは,約1時間は安定である。
7.3.5 検量線の作成
検量線の作成は,次による。
a) 塩素標準液 (Cl2:0.01 mg/mL) 0.510.0 mLを数個の全量フラスコ25 mLに段階的にとり,5.2.2.3 b)の
吸収液8 mLを加える。
b) 7.3.4のb) g)の操作を行い,シアン酸イオンのクロマトグラムから,それぞれの塩素の質量濃度
(mg/mL)とシアン酸イオン15)のピーク面積又はピーク高さの関係を求める。
c) 別に空試験として,5.2.2.3 b)の吸収液8 mLを全量フラスコ25 mLにとり,7.3.4のb) g) の操作を行
い,塩素の質量濃度 (mg/mL)に相当するピーク面積又はピーク高さを求める。
d) 空試験値を補正したピーク面積又はピーク高さと,a)の全量フラスコ中の塩素の質量濃度 (mg/mL)と
の関係線を作成する。
検量線の作成は,試料測定時ごとに行う。
注記 この廃液には,有害なシアン化物イオンを含んでいるので次亜塩素酸ナトリウム溶液で分解処
理をするか,シアン含有廃液として処分する。
7.3.6 塩素濃度の算出
式(13)(15)によって,試料ガス中の塩素の濃度を算出し,有効数字2けたに丸める。
(a b) 25 50
CW V 1 000 (13)
VS
.0316 (a b) 25 50
CV V 1 000 (14)
VS
CW V .316 (15)
ここに, CW : 試料ガス中の塩素の質量濃度 (mg/m3)
CV : 試料ガス中の塩素の体積濃度 (vol ppm)
a : 7.3.4 h)で求めた塩素の質量濃度 (mg/mL)
b : 7.3.4 i)の空試験で求めた塩素の質量濃度 (mg/mL)
V : 分析用試料溶液の分取量 (mL),通常10 mL
VS : 5.5によって算出した標準状態の試料ガス採取量 (L)
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(乾きガスの場合はVSD,湿りガスの場合はVSW)
0.316 : 塩素 (Cl2) 1 mgの体積 (mL) (標準状態)
3.16 : 塩素 (Cl2) 1 vol ppmの質量濃度 (mg/m3),70.9/22.41
8 分析結果の記録
8.1 記録項目
分析結果として記録する項目は,次による。
a) 分析値
b) 分析方法の種類
c) 試料ガスの採取日時及び採取場所
d) 測定結果(試料ガス中の塩素の質量濃度)
e) その他必要な事項
8.2 排ガス分析値の求め方
分析は,試料採取ごとに同一分析用試料溶液について2回行い,その平均値を求め,有効数字2けたに
丸める。
――――― [JIS K 0106 pdf 15] ―――――
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JIS K 0106:2010の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.040 : 気質 > 13.040.40 : 固定施設からの発生ガス
JIS K 0106:2010の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0095:1999
- 排ガス試料採取方法
- JISK0115:2004
- 吸光光度分析通則
- JISK0115:2020
- 吸光光度分析通則
- JISK0127:2013
- イオンクロマトグラフィー通則
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK8005:2014
- 容量分析用標準物質
- JISK8180:2015
- 塩酸(試薬)
- JISK8180:2021
- 塩酸(試薬)
- JISK8355:2006
- 酢酸(試薬)
- JISK8355:2021
- 酢酸(試薬)
- JISK8443:2007
- シアン化カリウム(試薬)
- JISK8500:2007
- N,N-ジメチルホルムアミド(試薬)
- JISK8574:2006
- 水酸化カリウム(試薬)
- JISK8622:2007
- 炭酸水素ナトリウム(試薬)
- JISK8625:2017
- 炭酸ナトリウム(試薬)
- JISK8637:2006
- チオ硫酸ナトリウム五水和物(試薬)
- JISK8659:2014
- でんぷん(溶性)(試薬)
- JISK8913:2006
- よう化カリウム(試薬)
- JISK8951:2006
- 硫酸(試薬)
- JISK9007:2008
- りん酸二水素カリウム(試薬)
- JISK9020:2012
- りん酸水素二ナトリウム(試薬)
- JISK9020:2021
- りん酸水素二ナトリウム(試薬)
- JISK9548:1994
- 3-メチル-1-フェニル-5-ピラゾロン(試薬)
- JISZ8808:2013
- 排ガス中のダスト濃度の測定方法