この規格ページの目次
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K 0127 : 2013
イオン交換体の単位質量又は単位体積当たりのイオン交換基の当量。meq/g又はmeq/mLで表す。
3.11
溶出液(eluate)
移動相(溶離液)によって展開したときの分離カラムから流出する液体。
3.12
サプレッサー(suppressor)
電気伝導度検出器を用いる場合,測定するイオン種成分の検出を損なうことなくバックグラウンドとな
る電気伝導度を低減する装置。
3.13
サプレッサー法(suppressor method)
サプレッサーを用いて測定する方法。
3.14
ノンサプレッサー法*(non-suppressor method)
サプレッサーを用いずに,低電気伝導度の溶離液を用いてイオン種成分を分離し,電気伝導度検出器で
測定する方法。
3.15
再生液*(regenerant)
サプレッサーの機能を再生,又は継続的に維持するために用いる液体。除去液ともいう。
3.16
電気伝導度検出器(conductivity detector)
溶出液中の分析する対象成分の電気伝導度を測定する検出器。
3.17
電気化学検出器(electrochemical detector)
作用電極に定電位を印加し,溶出液中の分析する対象成分の電気化学反応によって流れる電流又は電量
を測定する検出器。
3.18
紫外可視吸光光度検出器*(ultraviolet-visible absorption detector)
紫外可視光線領域で吸収される分析種の吸光度を測定する検出器。
3.19
蛍光検出器*(fluorometric detector)
溶出液中の分析する対象成分の蛍光を測定する検出器。
3.20
廃液槽(waste reservoir)
装置から排出される液体を貯留するもの。
3.21
標準液*(standard solution)
標準物質,標準試薬などを用いて,測定するイオン種成分の濃度を1 000 mg/Lなどに調製した液。
3.22
希釈標準液(diluted standard solution)
標準液を所定の濃度に希釈した液。
――――― [JIS K 0127 pdf 6] ―――――
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K 0127 : 2013
3.23
混合希釈標準液(mixed diluted standard solution)
複数の標準液又は希釈標準液を混合して各成分を所定の濃度に調製した液。
3.24
分離度*(resolution)
二つのイオンのピークの相互分離を示す指標。
3.25
感度*(sensitivity, sensitiveness)
イオン種成分を測定するとき,検出定量できる量又は濃度の変化の最小量(値)。
3.26
検量線*(working curve)
測定するイオン種成分の量又は濃度と測定値との関係を表した線。
3.27
絶対検量線法*(external standard method)
測定するイオン種成分の量又は濃度と,ピーク面積又はピーク高さとの関係を示す検量線を作成し,試
料を同一条件の下で測定したピーク面積又はピーク高さから作成した検量線によって量又は濃度を求める
方法。外標準法ともいう。
3.28
空試験*(blank test)
空試験値を求める試験。
3.29
空試験値*(blank value)
測定するイオン種成分を含まない溶液を用いて,試料を用いたときと同様な操作をして求めた値。
3.30
検出下限*(minimum limit of detection, minimum limit of identification)
測定するイオン種成分を検出できる最小量(値)又は最小濃度。
3.31
定量下限*(minimum limit of determination)
測定するイオン種成分を定量できる最小量(値)又は最小濃度。
3.32
固定相*(stationary phase)
イオンクロマトグラフィーが行われる場の要素の一つで,移動相と平衡状態にあり分析種と相互作用す
る相。
3.33
移動相*(mobile phase)
イオンクロマトグラフィーが行われる場の要素の一つで,固定相に接して流れる流体。
4 イオンクロマトグラフィー概説
イオンクロマトグラフィーは,溶離液を移動相にして試料を導入し,固定相との相互作用(イオン交換
など)の差を利用してイオン種成分を測定する方法で,高速液体クロマトグラフィーの一種である。イオ
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ン種は,主にイオン交換,イオン排除,逆相イオンペアなどの分離機構によって分離される。溶液中の無
機イオン,有機酸,低分子量アミン,ハロゲンなどの測定に利用される。大気・水・土壌などの環境モニ
タリング,食品の管理,飲料水,排水などの水質の管理,排ガスの管理,生体試料の解析,樹脂製品中の
臭素系難燃剤など無機・有機材料に含まれるハロゲン及び硫黄元素の定量など,多くの分野で使用される。
試料は,試料溶液の一定量を計量してカラムへ導入する。
カラムには,イオン交換体などを,合成樹脂,金属などの管に充したものが用いられる。
検出器には,電気伝導度検出器,紫外可視吸光光度検出器,電気化学検出器,蛍光検出器,質量分析計,
ICP発光分光分析計などが用いられる。測定するイオン種に対する感度及び/又は選択性を高めるための
検出前処理部を設けることができる。
微量に含まれている不純物の測定では,溶媒抽出,固相抽出などの前処理,質量分析装置及び/又は誘
導体化試薬による高感度化を図る必要がある。
5 装置の構成
5.1 構成
イオンクロマトグラフは,溶離液槽,送液部,試料導入部,カラム部,検出部,データ処理部及び廃液
槽で構成する。必要があれば,グラジエント装置,脱気装置などの附属装置を備えてもよい。基本構成の
一例を図1に示す。
溶離液槽 送液部 試料導入部 カラム部 検出部 廃液槽
データ処理部
図1−イオンクロマトグラフの基本構成の一例
5.2 溶離液槽
溶離液槽の材質は,溶離液によって侵されたり,溶離液を汚染したりすることのないものを用いる。
5.3 送液部
脱気装置及び送液ポンプで構成される。グラジエント溶離を行う場合は,グラジエント機能を備えた送
液ポンプを用いる。
a) 脱気装置 溶離液に溶解している空気を連続的に取り除き,装置内で温度変化及び圧力変化に伴い発
生する気泡のトラブルを未然に防ぎ,安定した流量及びバックグラウンドが得られるようにするため
に用いられる。オフラインで脱気した水で調製した溶離液を用いても問題ない場合は,脱気装置はな
くてもよい。
b) 送液ポンプ 溶離液を正確かつ精密な流量でカラムに送液するために,次の条件を満たすことが望ま
しい。
1) 定流量精度が高いものとする。
2) 必要な送液圧力が得られるものとする。
3) 脈流が小さいものとする。
4) 流量の調節が可能なものとする。
――――― [JIS K 0127 pdf 8] ―――――
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5) 接液部の材質が溶離液によって侵されたり,溶離液を汚染したりすることのないものとする。
6) 溶離液の交換が容易であるものとする。
c) グラジエント装置 複数の溶離液を用い,時間的にその組成を変化させるための制御部と混合溶液を
均一にするためのミキサー部とから成る。送液ポンプの前にミキサー部がある低圧グラジエント装置
及び複数の送液ポンプを用いて送液ポンプの後にミキサー部を設ける高圧グラジエント装置がある。
いずれの装置も設定できる混合比の範囲が広く,濃度が精確であることが望ましい。
5.4 試料導入部(インジェクター)
試料導入部は,次のいずれかの方法によって試料溶液の一定量を再現性よく流路内に導入する。多数の
試料溶液を自動的に導入するために,自動試料導入装置を用いてもよい。
a) 方法1 被検試料溶液をためておくためのサンプルループを備え,そのループ内に被検試料溶液を注
入した後,6方バルブなどを用いた溶離液流路の切換えによってループ内の被検試料溶液を分離カラ
ムへの流路内に導入する。この方法による試料導入部の一例を図2に記載する。ループ内に試料を全
量満たす方法及びループ内の一部に一定量を導入する方法がある。
試料溶液導入時の状態 分析時の状態
サンプルループ
試料導入 排出
ポンプから 分離カラムへ
バルブ
図2−試料導入部の一例
b) 方法2 イオン種成分を捕集濃縮するための濃縮カラムを備え,その濃縮カラムに一定量の被検試料
溶液を導入した後,6方バルブなどを用いた溶離液流路の切換えによって,濃縮カラム内に濃縮され
たイオン種成分を分離カラムへの流路内に導入する。この方法による試料導入部の一例を図3に記載
する。
試料溶液濃縮時の状態 分析時の状態
濃縮カラム
試料導入 排出
分離カラムへ ポンプから
バルブ
図3−方法2の場合の試料導入部の一例
――――― [JIS K 0127 pdf 9] ―――――
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5.5 カラム部
カラム部は,カラム及びカラム槽からなる。分析目的によっては,分析性能に支障がなければ,カラム
槽を設けなくてもよい。
a) カラム カラムにはプレカラム1) 及び分離カラムがあり,分析目的に応じた性能をもつものとする。
注1) プレカラムは,カラムの保護を目的として,必要に応じて用いるものとし,必ずしも設けな
くてもよい。
b) カラム槽 カラム槽は,必要な長さのカラムを収容できる内容積をもつもの。任意の一定温度に保つ
ための温度制御機能をもつ恒温槽を兼ね備えたものもある。
5.6 検出部
検出部は,カラムからの溶出液を微量フローセルに導き,溶離液をバックグラウンドとしイオン種成分
の濃度又は量を種々の原理によって検出するものである。検出部は,検出器及び溶出液の前処理を行う部
分からなる。分析目的によっては,分析性能に支障がなければ,次に示す溶出液の前処理を行う部分を設
けなくてもよい。
a) 検出器 検出器は,溶離液及び/又は被検試料中の成分によって侵されない材質をもつもので,被検
イオン種成分を検出するのに適した次のものなどを用いる。
1) 電気伝導度検出器
2) 紫外可視吸光光度検出器
3) 電気化学検出器
4) 蛍光検出器
5) 質量分析計
6) CP発光分光分析計
7) CP質量分析計
b) 溶出液の前処理を行う部分 被検イオン種成分に対する検出器の感度又は選択性を高めるために,次
の装置を検出器の前に設ける。
1) サプレッサー 電気伝導度検出器を用いる場合に,サプレッサーはイオン交換部位(膜又は樹脂)
を介したイオン交換によって溶離液の電気伝導度を低下し,測定イオンの対イオンをより伝導度の
高いイオンに交換することでSN(シグナルノイズ)比を改善し,測定感度を高める。陰イオン分
析には陽イオン交換膜又は樹脂を用い,溶離液及び測定イオンの陽イオン部分をH+に交換する。
一方,陽イオン分析には陰イオン交換膜又は樹脂を用い,溶離液及び測定イオンの陰イオン部分を
OH−に交換する。イオン交換部位の形状によって,表1に示す膜形,カラム形,ゲル形,ファイバ
ー形又はこれらを組み合わせて用いたものがある。サプレッサーのイオン交換部位を連続使用する
場合は再生が必要であり,その再生方法として,酸性水溶液(陰イオン測定時)又はアルカリ性水
溶液(陽イオン測定時)を用いる化学的再生方式及び水又は検出器からの排出液を電気分解してH+
又はOH−を供給する電気的再生方式がある。
――――― [JIS K 0127 pdf 10] ―――――
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JIS K 0127:2013の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 0127:2013の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0211:2013
- 分析化学用語(基礎部門)
- JISK0214:2013
- 分析化学用語(クロマトグラフィー部門)
- JISK0215:2016
- 分析化学用語(分析機器部門)
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則
- JISK8005:2014
- 容量分析用標準物質
- JISK8019:2010
- 亜硝酸ナトリウム(試薬)
- JISK8073:2017
- 安息香酸(試薬)
- JISK8116:2006
- 塩化アンモニウム(試薬)
- JISK8121:2007
- 塩化カリウム(試薬)
- JISK8267:2014
- ぎ酸ナトリウム(試薬)
- JISK8372:2013
- 酢酸ナトリウム(試薬)
- JISK8443:2007
- シアン化カリウム(試薬)
- JISK8495:2019
- 5-(4-ジメチルアミノベンジリデン)ロダニン(試薬)
- JISK8506:2017
- 臭化カリウム(試薬)
- JISK8528:2015
- しゅう酸ナトリウム(試薬)
- JISK8530:2007
- 臭素酸カリウム(試薬)
- JISK8548:2007
- 硝酸カリウム(試薬)
- JISK8617:2007
- 炭酸カルシウム(試薬)
- JISK8875:2013
- マグネシウム(試薬)
- JISK8913:2006
- よう化カリウム(試薬)
- JISK8987:2006
- 硫酸ナトリウム(試薬)
- JISK9001:2008
- チオシアン酸カリウム(試薬)
- JISK9007:2008
- りん酸二水素カリウム(試薬)
- JISK9501:2019
- アジ化ナトリウム(試薬)