JIS K 0450-10-10:2006 工業用水・工場排水中のビスフェノールA試験方法 | ページ 3

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c) ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS) 次の条件を満たすもの(31)。
注(31) これらの条件は,装置,測定条件によって異なる。
1) キャピラリーカラム用管 内径0.10.5 mm,長さ5100 mのステンレス鋼,石英ガラス又はほう
けい酸ガラス製のもの。
2) キャピラリーカラム キャピラリーカラム用管の内壁にメチルシリコーン系固定相液体(32)を厚さ
0.0510 蘰地 は同等の分離性能をもつもの。
注(32) メチルシリコーン系固定相液体としては,100 %メチルシリコーン,5 %フェニル-95 %メチルシ
リコーンなど,又はこれと同等の分離性能をもつものを用いる。
参考 この試験に用いるキャピラリーカラムで,メチルシリコーン系固定相液体として100 %メチル
シリコーンを用いたものが,DB-1,CBP-1,CP-SIL-5CB,Inert Capl,SPB-1,Ultra-1などの名
称で市販されている。
参考 市販品には,内径0.53 mmのものもある。
3) 検出器 選択イオン検出法(SIM法)又は全イオン検出法(TIM法)が行えるもの。
4) キャリヤガス ヘリウム[99.999 9 %(体積百分率)以上]で,線速度は2040 cm/sに調節して
用いる。
5) 試料導入方法及び試料導入部温度 試料導入方法は,スプリットレス注入方式(非分割導入方式)
による。試料導入部温度は,220280 ℃。
6) C/MS接続部温度 200280 ℃。
7) イオン源温度 200250 ℃。
8) 電子加速電圧 70 V。
9) 昇温プログラム 50240 ℃(230 ℃/minの昇温)

6.3 操作

 操作は,次による。
a) あらかじめガスクロマトグラフ質量分析計に,ビスフェノールA,ビスフェノールA-d16及びピレン-d10
の選択イオン(m/z)(33)を設定しておく。
注(33) 定量イオン,確認イオン及び保持指標の一例を表1に示す。
表 1 対象物質及び内標準物質の選択イオン(m/z)及び保持指標 (PTRI=
Programmed Temperature Retention Index) の一例
選択イオン
化合物名 PTRI*
定量用 確認用
ビスフェノールAの誘導体化物 2 230 357 372
ビスフェノールA-d16の誘導体化物 − 368** 386**
ピレン-d10 2 140 212 −
注* PTRIはアルカンを基準物質とし,液相として5 %フェニル-95 %メチルシ
リコーンを用いたときの値である。
** ビスフェノールA-d16の値。重水素の数が6,8のビスフェノールAの場合
には,トリメチルシリル体の質量スペクトルを測定して,最適の測定イオ
ンを決める。
b) ビスフェノールA標準液(10 ng/ml)1 mlを目盛付き共栓試験管にとり,ビスフェノールA-d16内標準液
(1 最一 ジクロロメタン)100 イクロシリンジを用いて添加し,引き続き5.3.3 f) h)の操作を行
う。
c) )で得た溶液1 μlをマイクロシリンジ(34)でとり,ガスクロマトグラフ質量分析計(33)に導入し,選択

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イオン検出法(SIM法)又は全イオン検出法(TIM法)によってそのクロマトグラムを記録し,出現
するビスフェノールA,ビスフェノールA-d16及びピレン-d10のピーク位置と保持時間を確認する。
注(34) 6.4の検量線作成時と同じものを用いる。
d) 5.3.3 h)で得た測定用溶液1 イクロシリンジ(34)でとり,c)と同じ操作を行ってクロマトグラムを
記録し,c)の保持時間と一致していることを確認(35)し,保持時間に相当する位置のピークについて,
指示値(36)を読み取る。
注(35) 試料中のビスフェノールAによる確認イオンと定量イオンのピーク強度比が標準液中のビスフ
ェノールAによるピークの±20 %以内にあれば,同じ物質が存在しているとみなす。
(36) ピーク高さ又はピーク面積。
e) ビスフェノールAによる指示値とビスフェノールA-d16による指示値との比を求める。また,これと
は別に,ビスフェノールA-d16による指示値とピレン-d10による指示値との比を求める。
f) 空試験として,5.3.3 i)で得た空試験用溶液を用いて,d)の操作を行い,対象物質の保持時間に相当す
る位置にピーク(35)が検出された場合は,ビスフェノールAによる指示値とビスフェノールA-d16によ
る指示値との比を求める。
g) 検量線からビスフェノールAの質量とビスフェノールA-d16の質量との比(試料中の比a及び空試験
の比b)を求め,次の式によって試料中のビスフェノールA(C15H16O2)の濃度( 最一 侮
1 000
X=(a−b)
V
ここに, X : ビスフェノールAの濃度 ( 最一
a : 検量線から求めたビスフェノールAとビスフェノールA-d16との質量比
b : 空試験から求めたビスフェノールAとビスフェノールA-d16との質量比
n : 試料に添加したビスフェノールA-d16( 最
V : 試料(ml)
1 000 : 試料1 Lに換算する係数
h) 試料中のビスフェノールAの濃度を算出するに当たり,試料に添加したビスフェノールA-d16の回収
率が50120 %にあることを確認しておく。確認操作は,次による。
1) 検量線の作成において段階的にとった検量線作成用標準液中のビスフェノールA-d16の選択イオン
による指示値とピレン-d10の選択イオンによる指示値とのそれぞれの比を求め,その平均値を算出
する。
2) )で求めた試料中のビスフェノールA-d16とピレン-d10との指示値の比及び1)で求めた比の平均値と
の比を求め,その百分率を回収率とする。

6.4 検量線

 検量線は,次による。
a) ビスフェノールA標準液(1 最一 フラスコ10 mlに段階的にとり,それぞれ
ェノールA-d16内標準液(1 最一 ジクロロメタン)1 mlを加え,ジクロロメタンを標線まで加える。
b) これらの溶液1 mlを目盛付き共栓試験管にとり,引き続き5.3.3 f) h)の操作を行う。これらを検量線
作成用標準液とする。
c) それぞれの一定量[試料と同量(例えば,1 ]をマイクロシリンジでとり,6.3 d)の操作を行う。
Ms
d) 検量線作成用標準液中のビスフェノールAの質量(Ms)とビスフェノールA-d16の質量(Mi)との比
Mi
を横軸にとり,ビスフェノールAの選択イオン(33)による指示値(As)(36)とビスフェノールA-d16の選択

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Aを縦軸にとって,関係線を作成する。検量線の作成は,試料
イオン(33)による指示値(Ai)(36)との比
s
Ai
測定時に行う。
備考 検量線の作成に代え,感度係数(RF)を求め,これによって検出量を求める方法を附属書2に示
す。

7. 結果の表示

 結果の表示には,用いた試験方法,試料量,濃縮条件(例えば,濃縮量,カラムクロマ
トグラフ分離の有無など),ガスクロマトグラフ質量分析計の測定条件[例えば,6.2 c)に掲げる条件にお
いて,いずれかを選択した事項など。],ガスクロマトグラフへの導入量,対象物質の測定結果,6.3 h)で確
認した回収率などを明記する。

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付表1 引用規格
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0094 工業用水・工場排水の試料採取方法
JIS K 0101 工業用水試験方法
JIS K 0102 工場排水試験方法
JIS K 0123 ガスクロマトグラフ質量分析通則
JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門)
JIS K 0215 分析化学用語(分析機器部門)
JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水
JIS K 1107 高純度窒素
JIS K 8040 アセトン(残留農薬・PCB試験用)(試薬)
JIS K 8117 ジクロロメタン(残留農薬試験用)(試薬)
JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8251 ガラスウール(試薬)
JIS K 8825 ヘキサン(残留農薬・PCB試験用)(試薬)
JIS K 8987 硫酸ナトリウム(試薬)
JIS R 3503 化学分析用ガラス器具
JIS R 3505 ガラス製体積計
JIS Z 0701 包装用シリカゲル乾燥剤

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附属書1(規定)試験に使用する水の質の確認方法
序文 この附属書は,この規格の試料の前処理,試薬の調製,空試験などに使用する水が,ビスフェノー
ルAに相当する位置にピークのないことを確認する方法について規定する。
1. 水の質の確認方法 この方法は,試料の前処理,試薬の調製,空試験などに使用する水について,本
体の5.1の溶媒抽出法に準じた操作を行った後,BSTFAによる誘導体化を行い,試料の測定に用いるガス
クロマトグラフ質量分析計に導入し,ビスフェノールAに相当する位置にピークがないことを確認するも
のである。
1.1 試薬 試薬は,次による。
a) 塩酸(1 mol/L) 本体の5.1.1 b)による。
b) 硫酸ナトリウム 本体の5.1.1 d)による。
c) ジクロロメタン 本体の5.1.1 f)による。
d) ,O-ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド(BSTFA) 本体の5.3.1 j)による。
1.2 器具及び装置 器具及び装置は,次による。
a) 分液漏斗 本体の5.1.2 a)による。
b) 目盛付き共栓試験管 本体の5.1.2 b)による。
c) マイクロシリンジ 本体の6.2 b)による。
d) ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS) 本体の6.2 c)による。
e) 濃縮器 本体の5.1.2 e)による。
f) 濃縮器用フラスコ 本体の5.1.2 f)による。
g) 振とう器
1.3 操作 操作は,次による。
a) 試験に使用する水[本体の3.e)のA4(又はA3)の水]1 Lを分液漏斗にとり,塩酸(1 mol/L)を加えて,
pHを約3に調節し,ジクロロメタン50 mlを加え,振とう器を用いて約10分間振り混ぜ,放置する。
b) ジクロロメタン層を共通すり合わせ三角フラスコに移し,硫酸ナトリウム1015 gを加え,軽く振り
混ぜて脱水し,ろ紙5種A(又は5種B)(1)を用いてろ過し,ろ液を濃縮器用フラスコに受ける。
注(1) 本体の注(13)による。
c) 本体の5.1.3 d)の操作を行う。
d) 濃縮液を目盛付き共栓試験管に移し,約40 ℃の水浴中で加熱しながら,約0.5 mlになるまで濃縮す
る(2)。
注(2) 窒素を緩やかに吹き付けて行うとよい。この操作を行った場合には,本体の注(17)による。
e) この濃縮液にN,O-ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド(BSTFA)200 μlを加え,直ち
に栓をして振り混ぜた後,室温で約1時間放置して誘導体化する。
f) この溶液1 μlをマイクロシリンジでとり,本体の6.3 a)及びc)の操作を行い,ビスフェノールAの保
持時間に相当する位置にピークのないことを確認する。

――――― [JIS K 0450-10-10 pdf 15] ―――――

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JIS K 0450-10-10:2006の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 0450-10-10:2006の関連規格と引用規格一覧