JIS K 8223:2022 過塩素酸(試薬) | ページ 4

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1) 試料溶液の調製は,試料100 g(濃度が質量分率70 %の場合約60 mL,濃度が質量分率60 %の場合
約65 mL)を蒸発皿を用いて,熱板(ホットプレート)上で少量ずつ約150 ℃で蒸発乾固した後,
硝酸(1+2)1 mLを加えて溶かし,少量の水を用いて全量フラスコ20 mLに移し,水を標線まで加
えて混合する(X液)。
2) 比較溶液の調製は,銅標準液(Cu : 0.01 mg/mL)1.0 mL,鉛標準液(Pb : 0.01 mg/mL)1.0 mLを全
量フラスコ20 mLにとり,硝酸(1+2)1 mL及び水を標線まで加えて,混合する(Y液)。
3) フレーム原子吸光分析装置を用いて,Y液をアセチレン−空気フレーム中に噴霧し,表4に示す測
定波長付近で吸光度が最大となる波長を設定する。X液及びY液をそれぞれアセチレン−空気フレ
ーム中に噴霧し,分析種の吸光度を測定し,X液の指示値及びY液の指示値を読み取る。
4) 測定結果は,X液の指示値とY液の指示値とを比較する。
e) 判定 X液の指示値がY液の指示値より大きくないとき,“銅(Cu) : 質量分率0.1 ppm以下(規格値),
鉛(Pb) : 質量分率0.1 ppm以下(規格値)”とする。
注記 分析種の含有率(質量分率ppm)は,次の式によっておおよその値を求めることが可能であ
る。
G×n3n4
F= m5×1 000×106
ここで, F : 分析種の含有率(質量分率ppm)
G : 用いた標準液中の分析種の質量(mg)
m5 : はかりとった試料の質量(g)
n3 : X液の指示値
n4 : Y液の指示値

7.12 銀(Ag),マンガン(Mn)及び鉄(Fe)

  銀(Ag),マンガン(Mn)及び鉄(Fe)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次による。
1) 硝酸(1+2) 7.4 a) 1)による。
2) 銀標準液(Ag : 0.01 mg/mL) 7.10 a) 5)による。
3) マンガン標準液(Mn : 0.01 mg/mL) 7.10 a) 7)による。
4) 鉄標準液(Fe : 0.01 mg/mL) 7.10 a) 8)による。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) 蒸発皿 石英ガラス製のもの。
2) フレーム原子吸光分析装置 装置の構成は,JIS K 0121:2006に規定するもの。
c) 分析種の測定波長 分析種の測定波長の例を,表5に示す。
表5−分析種の測定波長の例
単位 nm
分析種 測定波長
銀(Ag) 328.1
マンガン(Mn) 279.5
鉄(Fe) 248.3
d) 操作 操作は,次による。

――――― [JIS K 8223 pdf 16] ―――――

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なお,有害な過塩素酸の蒸気,ヒュームなどが発生するため,排気に注意する。
1) 試料溶液の調製は,試料20 g(濃度が質量分率70 %の場合約12 mL,濃度が質量分率60 %の場合約
13 mL)を蒸発皿を用いて,熱板(ホットプレート)上で少量ずつ約150 ℃で蒸発乾固した後,硝酸
(1+2)1 mLを加えて溶かし,少量の水を用いて全量フラスコ20 mLに移し,水を標線まで加えて
混合する(X液)。
2) 比較溶液の調製は,銀標準液(Ag : 0.01 mg/mL)2.0 mL,マンガン標準液(Mn : 0.01 mg/mL)0.60
mL及び鉄標準液(Fe : 0.01 mg/mL)2.0 mLを全量フラスコ20 mLにとり,硝酸(1+2)1 mL及び
水を標線まで加えて,混合する(Y液)。
3) フレーム原子吸光分析装置を用いて,Y液をアセチレン−空気フレーム中に噴霧し,表5に示す測
定波長付近で吸光度が最大となる波長を設定する。X液及びY液をそれぞれアセチレン−空気フレ
ーム中に噴霧し,分析種の吸光度を測定し,X液の指示値及びY液の指示値を読み取る。
4) 測定結果は,X液の指示値とY液の指示値とを比較する。
e) 判定 X液の指示値がY液の指示値より大きくないとき,“銀(Ag) : 質量分率1 ppm以下(規格値),
マンガン(Mn) : 質量分率0.3 ppm以下(規格値),鉄(Fe) : 質量分率1 ppm以下(規格値)”とする。
注記 分析種の含有率(質量分率ppm)は,7.11 e)の注記によって求めることが可能である。

7.13 ひ素(As)

  ひ素(As)の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次による。
1) 亜鉛(ひ素分析用) JIS K 8012に規定する粒径150 m1 400
2) ピリジン JIS K 8777に規定するもの。
3) 塩化すず(II)溶液(N,N-ジエチルジチオカルバミド酸銀法用)[塩化すず(II)溶液(AgDDTC法
用)] JIS K 8136に規定する塩化すず(II)二水和物40 gをJIS K 8180に規定する塩酸(ひ素分
析用)に溶かし,JIS K 8180に規定する塩酸(ひ素分析用)で100 mLにしたもの。JIS K 8580に規
定する小粒状のすず2,3個を加えて褐色ガラス製瓶に保存する。この液を,使用時に水で10倍に
希釈する。
4) 塩酸(ひ素分析用)(1+1) JIS K 8180に規定する塩酸(ひ素分析用)の体積1と水の体積1とを
混合したもの。
5) 酢酸鉛(II)溶液(100 g/L) JIS K 8374に規定する酢酸鉛(II)三水和物11.6 gを水に溶かして
100 mLにした後,JIS K 8355に規定する酢酸0.1 mLを加えたもの。
6) N,N-ジエチルジチオカルバミド酸銀·ピリジン溶液(AgDDTC·ピリジン溶液) JIS K 9512に規
定するN,N-ジエチルジチオカルバミド酸銀0.5 gをJIS K 8777に規定するピリジンに溶かし,JIS K
8777に規定するピリジンで100 mLにしたもの。褐色ガラス製瓶に入れ,冷所に保存する。
7) よう化カリウム溶液(200 g/L) JIS K 8913に規定するよう化カリウム20 gを水に溶かして100
mLにしたもの。使用時に調製する。
8) ひ素標準液(As : 0.001 mg/mL) JIS K 8001:2017のJA.4(標準液)による。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) 吸収セル 7.9 b) 1)による。
2) ひ素試験装置 例を図2に示す。
3) 分光光度計 7.9 b) 5)による。

――――― [JIS K 8223 pdf 17] ―――――

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記号説明
A : 水素化ひ素発生瓶100 mL
B : 導管
C : 水素化ひ素吸収管
D : ゴム栓又はすり合わせ
E : 酢酸鉛(II)溶液(100 g/L)で
湿したガラスウール
F : 40 mLの標線
G : 5 mLの標線
図2−ひ素試験装置の例
c) 操作 操作は,次による。
1) 試料溶液の調製は,試料40 g(濃度が質量分率70 %の場合約24 mL,濃度が質量分率60 %の場合約
26 mL)を水素化ひ素発生瓶Aにはかりとる。
2) 比較溶液の調製は,ひ素標準液(As : 0.001 mg/mL)2.0 mLを水素化ひ素発生瓶Aにとり,水20 mL
を加える。
3) 空試験溶液の調製は,水20 mLを水素化ひ素発生瓶Aにとる(吸光度を測定する場合に調製する。)。
4) 試料溶液,比較溶液及び空試験溶液に,塩酸(ひ素分析用)(1+1)5 mLを加えて溶かし,水で40
mLにする。これらによう化カリウム溶液(200 g/L)15 mL及び塩化すず(II)溶液(AgDDTC法
用)5 mLを加えて振り混ぜ,10分間放置する。次に,亜鉛(ひ素分析用)3 gを加え,直ちに水素
化ひ素発生瓶100 mLと導管B(あらかじめ水素化ひ素吸収管CにAgDDTC·ピリジン溶液5 mLを
入れ,導管Bと水素化ひ素吸収管Cとを連結しておく。)とを連結して約25 ℃の水中で約1時間放
置した後,水素化ひ素吸収管Cを離しピリジンを5 mLの標線まで加える。
5) 白の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を水素化ひ素吸収管Cの上方
又は側方から目視観察又は吸光光度法で測定して色を比較する。
なお,吸光光度法による場合,吸収セルを用い,分光光度計で波長519 nm付近の吸収極大の波長
における吸光度を,空試験溶液からのAgDDTC·ピリジン溶液を対照液として,JIS K 0115:2020の
箇条6(特定波長における吸収の測定)によって測定する。
d) 判定 次の1)又は2)に適合するとき,“ひ素(As) : 質量分率0.05 ppm以下(規格値)”とする。
1) 試料溶液から得られた液の色は,比較溶液から得られた液の赤より濃くない。
2) 試料溶液から得られた液の吸光度は,比較溶液から得られた液の吸光度より大きくない。

8 容器

  容器は,気密容器とする。

9 表示

  容器には,次の事項を表示する。

――――― [JIS K 8223 pdf 18] ―――――

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a) この規格の番号
b) 名称 “過塩素酸”及び“試薬”の文字
c) 種類
d) 化学式及び式量
e) 濃度
f) 内容量
g) 製造番号又はその略号
h) 製造業者名又はその略号

――――― [JIS K 8223 pdf 19] ―――――

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附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS K 8223 ISO 6353-2:1983,(MOD)
a) JISの箇 b) 対応国際 c) 箇条ご d) JISと対応国際規格との技術的差異の e) JISと対応国際規格
条番号 規格の対 との評 内容及び理由 との技術的差異に対
応する箇 価 する今後の対策
条番号
1 1 変更 ISO規格は,化学分析用試薬40品目の仕様一般的な説明事項であ
について規定しているが,JISは1品目1規り,技術上の差異はない
格について規定している。 ため,対策は取らない。
2
3 該当なし。 追加 JISは,規格を理解するため追加している。
4 該当なし。 追加 JISは,識別の目的で追加している。
5 該当なし。 追加 JISは,品目の特定の目的で追加している。
6 R 21.1 追加,変更 追加項目 : 濃度(質量分率60 %) JISは,必要に応じ,規格
規格値変更 : 銀(Ag),マンガン(Mn),鉄
値を厳しくしている。対
(Fe) 策は取らない。
7.1 該当なし。 追加 JISは,個別試験に必要な一般事項の引用先
一般的な説明事項であ
を記載している。 り,技術上の差異はない
7.2 R 21.2.1 追加 ため,対策は取らない。
精度向上の目的で,電位差滴定を追加して
いる。
7.3 R 21.2.10 変更 JISは,試薬,器具などを変更している。技術上の差異はないた
め,対策は取らない。
7.4 R 21.2.2 変更 検出しやすい濃度にするため,試料量及び
試薬量を変更している。
7.5 R 21.2.2 変更 操作性を向上させるため,試薬量を変更し
7.6 R 21.2.4 ている。
7.7 R 21.2.5 変更 検出しやすい濃度にするため,試料量及び
試薬量を変更している。
7.8 R 21.2.6 変更 ISO規格は,中和後の試料を使用し,JISは,
主成分の影響を除くため,蒸発乾固後の試
料を使用に変更している。
7.9 R 21.2.7 変更 JISは,水銀を含まない発色試薬に変更して
いる。
7.10 追加 効率化を目的に,ICP発光分光分析法を追加
している。
7.11 R 21.2.9 変更 分析精度等の目的で,試料量などを変更し
ている。
7.12
7.13 R 21.2.8 変更 操作性を向上させるため,試薬量を変更し
ている。
8 該当なし。 追加 試薬の安定性に必要なため,追加している。 一般的な説明事項であ
9 該当なし。 追加 り,技術上の差異はない
利用者が必要とする薬の情報を明確化する
ため追加している。 ため,対策は取らない。

――――― [JIS K 8223 pdf 20] ―――――

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JIS K 8223:2022の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 6353-2:1983(MOD)

JIS K 8223:2022の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 8223:2022の関連規格と引用規格一覧