JIS K 8223:2022 過塩素酸(試薬) | ページ 3

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ンドフェノール青法用)] JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム1 gをはかりとり,水60 mLを
加えて溶かす。これにJIS K 8107に規定するエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物
5 gを加えて溶かし,水で100 mLにしたもの。
3) 吸収液 硫酸(1+15)2 mLに水18 mLを加えたもの。
なお,硫酸(1+15)の調製は,水の体積15を冷却してかき混ぜながら,JIS K 8951に規定する
硫酸の体積1を加える。
4) 次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素 質量分率約1 %) 次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素
質量分率5 %12 %)の有効塩素を使用時に定量し,有効塩素が質量分率約1 %になるように水で
うすめる。冷暗所に保存し,30日以内に使用する。
なお,有効塩素の定量は,次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素 質量分率5 %12 %)10 gを0.1
mgの桁まではかりとり,全量フラスコ200 mLに移し,水を標線まで加えて混合する。その20 mL
を共通すり合わせ三角フラスコ300 mLに正確にとり,水100 mL及びJIS K 8913に規定するよう
化カリウム2 gを加えて溶かした後,速やかに酢酸(1+1)6 mLを加えて栓をして振り混ぜる。約
5分間暗所に放置後,指示薬としてでんぷん溶液を用い,0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定
する。
この場合,でんぷん溶液は,終点間際で液の色がうすい黄になったときに約0.5 mLを加える。終
点は,液の青が消える点とする。別に同一条件で空試験を行って滴定量を補正する。
次亜塩素酸ナトリウム溶液の有効塩素濃度は,次の式によって求める。
0.0035453 f2 (V2 V3 )100
C
20
m3
200
ここで, C : 次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素 質量分率5 %
12 %)の有効塩素濃度(Cl)(質量分率 %)
V2 : 滴定に要した0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液の
体積(mL)
V3 : 空試験に要した0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液
の体積(mL)
f2 : 0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター
m3 : はかりとった試料の質量(g)
0.003 545 3 : 0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液1 mLに相当する
塩素の質量を示す換算係数(g/mL)
また,酢酸(1+1),でんぷん溶液及び0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液の調製は,次による。
· 酢酸(1+1)の調製は,JIS K 8355に規定する酢酸の体積1と水の体積1とを混合する。
· でんぷん溶液の調製は,JIS K 8659に規定する特級又は1級のでんぷん(溶性)1.0 gをはかりと
り,水10 mLを加えてかき混ぜながら熱水200 mL中に入れて溶かす。これを約1分間煮沸した
後に冷却する。冷所に保存し,10日以内に使用する。
· 0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液の調製は,JIS K 8637に規定するチオ硫酸ナトリウム五水和物
を用い,防腐剤としてJIS K 8625に規定する炭酸ナトリウム又はJIS K 8051に規定する3-メチ
ル-1-ブタノールを添加し,JIS K 8001:2017のJA.6.4 t) 2)(0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液)
に従って,調製,標定及び計算する。
5) 水酸化ナトリウム溶液(300 g/L) JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム30.9 gを水に溶かして
100 mLにしたもの。ポリエチレンなどの樹脂製瓶に保存する。
6) ナトリウムフェノキシド溶液 水酸化ナトリウム溶液(300 g/L)[5)参照]18 mLをビーカー200 mL

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にとる。冷水中で冷却しながらJIS K 8798に規定するフェノール12.6 gを少量ずつ加えた後,更に
JIS K 8034に規定するアセトン4 mLを加え,水で100 mLにしたもの。使用時に調製する。
7) 窒素標準液(N : 0.01 mg/mL) JIS K 8001:2017のJA.4(標準液)による。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) 吸収セル 光路長が10 mmのもの。
2) 沸騰石 ふっ素樹脂製,ガラス製又は磁製で,大きさが2 mm10 mmのもの。
3) 恒温水槽 20 ℃25 ℃に調節できるもの。
4) 蒸留装置 図1に示す装置,又は自動ケルダール蒸留装置。
5) 分光光度計 装置の構成は,JIS K 0115:2020に規定するもの。
記号説明
A : 蒸留フラスコ(300 mL500 mL)
B : 連結導入管
C : すり合わせコック
D : 注入漏斗
E : ケルダール形トラップ球(E' : 小孔)
F : 球管冷却器300 mm
G : 逆流止め(約50 mL)
H : 受器(メスシリンダー100 mL)
I : 共通すり合わせ
J : 共通テーパー球面すり合わせ
K : 押さえばね
L : ヒーター
図1−蒸留装置の例
c) 操作 操作は,次による。
1) 試料溶液の調製は,試料1.0 g(濃度が質量分率70 %の場合0.60 mL,濃度が質量分率60 %の場合約
0.64 mL)を0.1 mgの桁まではかりとり,蒸留フラスコAに入れ,沸騰石2,3片を入れ(必要でな
い場合は,沸騰石を入れる操作を省く。),水約140 mLを加える。
2) 比較溶液の調製は,蒸留フラスコAを準備し,窒素標準液(N : 0.01 mg/mL)2.0 mLを加え,沸騰
石2,3片を入れて(必要でない場合は,沸騰石を入れる操作を省く。),水を加えて約140 mLにす
る。

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3) 空試験溶液の調製は,蒸留フラスコAに沸騰石2,3片を加え(必要でない場合は,沸騰石を入れ
る操作を省く。),水を加えて約140 mLにする。
4) 試料溶液,比較溶液及び空試験溶液のそれぞれをにデバルダ合金1 gを加え,直ちに蒸留装置に連
結し,吸収液を入れた受器Hのそれぞれに逆流止めGの先端を浸す。水酸化ナトリウム溶液(300
g/L)10 mLを注入漏斗Dから加える。注入漏斗Dを水10 mLで洗い(必要でない場合は,水を用
いた洗浄操作を省く。),すり合わせコックCを閉じる。蒸留フラスコAを徐々に加熱して蒸留し,
初留約75 mLを留出させる。
5) 受器Hの溶液それぞれを,準備した全量フラスコ100 mLのそれぞれに移し入れ,水を標線まで加
えて混合する。試料溶液から得られた液をX液,比較溶液から得られた液をY液及び空試験溶液か
ら得られた液をZ液とする。
6) X液,Y液及びZ液のそれぞれから10 mLを全量フラスコ25 mLに正確にとり,EDTA2Na溶液(イ
ンドフェノール青法用)1 mL及びナトリウムフェノキシド溶液4 mLを加えて振り混ぜた後,次亜
塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素質量分率約1 %)2.5 mLを加え,水を標線まで加えて混合し,20 ℃
25 ℃(必要ならば恒温水槽を用いる。)で約15分間放置する。
7) X液及びY液から得られた液は,Z液を対照液とし,吸収セルを用いて,分光光度計で波長630 nm
における吸光度を,JIS K 0115:2020の箇条6(特定波長における吸収の測定)によって測定する。
d) 判定 X液から得られた吸光度が,Y液から得られた吸光度より小さいとき,“窒素化合物(Nとし
て) : 質量分率0.002 %以下(規格値)”とする。
注記 窒素化合物(Nとして)の含有率(質量分率 %)は,次の式によって,おおよその値を求め
ることが可能である。
n
En1
2
Dm 100
4 1000
ここで, D : 窒素化合物(Nとして)の含有率(質量分率 %)
E : 用いた標準液中の窒素化合物(Nとして)の質量(mg)
m4 : はかりとった試料の質量(g)
n1 : X液から得られた吸光度
n2 : Y液から得られた吸光度

7.10 銅(Cu),銀(Ag),鉛(Pb),マンガン(Mn)及び鉄(Fe)

  銅(Cu),銀(Ag),鉛(Pb),マンガン(Mn)及び鉄(Fe)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次による。
1) 硝酸(1+2) 7.4 a) 1)による。
2) 硫酸(1+9) 水の体積9を冷却してかき混ぜながら,JIS K 8951に規定する硫酸の体積1を徐々
に加えたもの。
3) イットリウム標準液(Y : 1 mg/mL) イットリウム標準液の調製は,次のいずれかによる。
3.1) 硝酸イットリウム(III)六水和物(質量分率99.9 %以上)4.31 gを全量フラスコ1 000 mLにはか
りとり,硝酸(1+2)[a) 1)参照]25 mL及び水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。
3.2) 酸化イットリウム(III)(質量分率99.99 %以上)1.27 gをビーカー200 mLなどにはかりとり,JIS
K 8541に規定する硝酸(質量分率60 %61 %,特級)75 mLを加えて,熱板上で加熱し溶解させ,
全量フラスコ1 000 mLに移し,ビーカー200 mLなどを洗い,洗液を全量フラスコ1 000 mLに加
えた後,水を標線まで加えて混合する。

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なお,分析対象の元素及び妨害元素が存在しないことを確認し,酸濃度,安定剤の有無などが使
用目的に一致した場合には,市販のものを用いてもよい。
4) 銅標準液(Cu : 0.01 mg/mL) JIS K 8001:2017のJA.4(標準液)による。
5) 銀標準液(Ag : 0.01 mg/mL) JIS K 8001:2017のJA.4(標準液)による。
6) 鉛標準液(Pb : 0.01 mg/mL) JIS K 8001:2017のJA.4(標準液)による。
7) マンガン標準液(Mn : 0.01 mg/mL) JIS K 8001:2017のJA.4(標準液)による。
ただし,塩化マンガン(II)四水和物を出発物質とする標準液及び塩酸酸性の標準液は,用いては
ならない。
8) 鉄標準液(Fe : 0.01 mg/mL) JIS K 8001:2017のJA.4(標準液)による。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) ピストン式ピペット JIS K 0970:2013に規定するもの。
2) ICP発光分光分析装置 装置の構成は,JIS K 0116:2014に規定するもの。
c) 分析条件 分析条件は,次による。
分析種及び内標準イットリウムの測定波長の例を,表2に示す。
なお,別の分析条件でも同等の試験結果が得られることを確認した場合には,その条件を用いても
よい。この場合,同一分析種ごとに複数波長を選択し,Y1液,Y2液,Y3液及びY4液を用いて,関係
線を作成し,関係線のy切片が小さく,感度及び直線性が良好な波長を選択する。これらの条件を満
たせない場合,分析結果に対する影響(定量限界,再現精度)を考慮して選択する。
表2−分析種及び内標準イットリウムの測定波長の例
単位 nm
分析種及び内標準 測定波長
銅(Cu) 324.754
銀(Ag) 328.068
鉛(Pb) 220.353
マンガン(Mn) 257.610
鉄(Fe) 238.204
イットリウム(Y) 324.228
d) 操作 操作は,次による。
なお,有害な過塩素酸の蒸気,ヒュームなどが発生するため,排気に注意する。
1) 試料溶液の調製は,試料25 g(濃度が質量分率70 %の場合約15 mL,質量分率60 %の場合約16 mL)
を石英製ビーカー200 mLなどにとり,硫酸(1+9)2 mLを加え,熱板(ホットプレート)上で徐々
に加熱し,約150 ℃で蒸発乾固し,放冷後,水10 mLを加え,再び熱板上で徐々に加熱し,約1 mL
になるまで濃縮する。さらに,放冷後,硝酸(1+2)3 mLを加えて加温溶解し,水で全量フラスコ
50 mLに移し,イットリウム標準液(Y : 1 mg/mL)50 μL及び水を標線まで加えて混合する(X液)。
2) 空試験用溶液の調製は,石英製ビーカー200 mLなどに硫酸(1+9)2 mLを加え,熱板(ホットプ
レート)上で徐々に加熱し,放冷後,水10 mLを加え,再び熱板上で徐々に加熱し,約1 mLにな
るまで濃縮する。さらに,放冷後,硝酸(1+2)3 mLを加えて加温溶解し,水で全量フラスコ50
mLに移し,イットリウム標準液(Y : 1 mg/mL)50 μL及び水を標線まで加えて混合する(Z液)。
3) 検量線溶液の調製は,4個の全量フラスコ50 mLを準備する。それぞれに硝酸(1+2)3 mL,イッ
トリウム標準液(Y : 1 mg/mL)50 μL及び水10 mLを,ピストン式ピペットを用いて加える。それ

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ぞれの全量フラスコにピストン式ピペットを用いて,表3に示す各標準液の体積を3段階とり,水
を標線まで加えて混合する(それぞれ,Y1液,Y2液,Y3液及びY4液とする)。
表3−採取する各標準液の体積
標準液 mg/mL 採取量 μL
Y1 Y2 Y3 Y4
銅標準液 0.01 0 250 1 250 2 500
銀標準液 0.01 0 250 1 250 2 500
鉛標準液 0.01 0 250 1 250 2 500
マンガン標準液 0.01 0 250 1 250 2 500
鉄標準液 0.01 0 250 1 250 2 500
4) ICP発光分光分析装置の一般事項は,JIS K 0116:2014の箇条4(ICP発光分光分析)による。
5) ICP発光分光分析装置は,高周波プラズマを点灯するなどによって,発光強度を測定できる状態に
する。
6) Z液,X液及びY1液からY4液をアルゴンプラズマ中に噴霧し,分析種及び内標準イットリウム(Y)
の発光強度を測定する。
e) 計算 JIS K 0116:2014の4.7.3のa) 2)[強度比法(内標準法)]によって,分析種の含有率を計算す
る。
f) 判定 計算して得られた含有率が,規格値を満足しているとき,“銅(Cu) : 質量分率0.1 ppm以下(規
格値),銀(Ag) : 質量分率1 ppm以下(規格値),鉛(Pb) : 質量分率0.1 ppm以下(規格値),マンガ
ン(Mn) : 質量分率0.3 ppm以下(規格値),鉄(Fe) : 質量分率1 ppm以下(規格値)”とする。

7.11 銅(Cu)及び鉛(Pb)

  銅(Cu)及び鉛(Pb)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次による。
1) 硝酸(1+2) 7.4 a) 1)による。
2) 銅標準液(Cu : 0.01 mg/mL) 7.10 a) 4)による。
3) 鉛標準液(Pb : 0.01 mg/mL) 7.10 a) 6)による。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) 蒸発皿 JIS H 6202:1986に規定する化学分析用の白金製のもの,又は同型の石英ガラス製のもの。
2) フレーム原子吸光分析装置 装置の構成は,JIS K 0121:2006に規定するもの。
c) 分析種の測定波長 分析種の測定波長の例を,表4に示す。
表4−分析種の測定波長の例
単位 nm
分析種 測定波長
銅(Cu) 324.8
鉛(Pb) 283.3
d) 操作 操作は,次による。
なお,有害な過塩素酸の蒸気,ヒュームなどが発生するため,排気に注意する。

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JIS K 8223:2022の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 6353-2:1983(MOD)

JIS K 8223:2022の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 8223:2022の関連規格と引用規格一覧