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注釈3 室内再現条件で得られた二つの分析結果の差(絶対値)が,その値以下になることが,95 %の
確率で期待される値を,室内再現許容差と呼び,Rdで表す。室内再現許容差を,室内許容差と
記載している個別規格がある。
3.15
室間許容差
室内再現条件(3.14)で得た二つの分析結果の平均値の2試験室間の差(絶対値)が,その値以下にな
ることが95 %の確率で期待される値
注釈1 室間許容差は,Pで表し,審判分析(3.13)で用いられる。
注釈2 この室間許容差Pは,鉄鉱石の分析に特有な用語で,JISの鉄及び鋼の各成分定量方法及び分
析方法を規定した規格(以下,鉄鋼分析法規格という。)で使用される室間再現許容差とは異な
る。鉄鋼分析法規格の室間再現許容差は,各試験室での1回の分析値が判定対象となるが,鉄
鉱石分析法規格の室間許容差Pは,各試験室における室内再現条件下での2回の分析値の平均
値が判定対象となる。
3.16
認証標準物質,CRM(certified reference material)
国家又は団体の標準化機関による裁定のもとに化学成分値が認証された標準物質
4 一般事項
4.1 共通一般事項
鉄鉱石分析法規格に共通な一般事項は,次によるほか,JIS K 0050による。
a) 引用されたISO規格による規定の取扱い 鉄鉱石分析法規格の中で,国際一致規格として作成された
規格において,引用されたISO規格による規定の取扱いは,附属書Bによる。
b) 全量ピペット及びビュレット 鉄鉱石分析法規格で用いる全量ピペット及びビュレットは,特に指定
がない場合は,JIS R 3505のクラスAのものを用いる。ただし,JIS K 0050の附属書I(体積計の校
正方法)によって校正した場合は,クラスBのものを用いてもよい。
なお,自動ビュレットは,自動ビュレットによる指定滴加量の繰り返し測定(体積換算値)の標準
偏差の2倍の値が,JIS R 3505で規定している,その指定滴加量(体積)でのクラスAの許容誤差内
であれば,全量ピペット及び/又はビュレットの代わりに使用してもよい。
c) ピストン式ピペット 鉄鉱石分析法規格で用いるピストン式ピペットは,特に指定がない場合は,JIS
K 0970の空気置換式(type A)を用いる。
d) 全量フラスコ 鉄鉱石分析法規格で用いる全量フラスコは,特に指定がない場合は,JIS R 3505のク
ラスAの受用を用いる。ただし,JIS K 0050の附属書I(体積計の校正方法)によって校正した場合
は,クラスBのものを用いてもよい。
e) はかり 分析試料などのはかりとりに用いるはかりは,特に指定がない場合は,最小読取値が0.1 mg
以下で,国家標準とトレーサビリティが得られている分銅によって校正された,化学はかり又は電子
はかりとする。なお,赤外線吸収法に用いるはかりは,1 mgの桁までの読取値でよい。
f) 水 鉄鉱石分析法規格で定量操作に用いる水は,特に指定がない場合は,JIS K 0557に規定する種別
A3又はA4の水を用いる。
g) 酸化鉄(III) 検量線用溶液の調製,又は空試験に用いる酸化鉄(III)は,定量成分の含有率(質量
分率)が定量範囲下限値の1/10未満1)であることが保証されているか,又は定量範囲下限以下で値が
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特定されている2)ものを用いる。保証された値としては,認証値(不等号で示された値を含む。)が望
ましい。特定された値としては,妥当性が確認されていれば,認証値でなくてもよい3)。
妥当性の確認は,対象元素の定量下限に近い含有率(質量分率)の認証値が得られている認証標準
物質を定量し,認証値と差がない定量値が得られていれば,併行して定量した酸化鉄(III)の定量値
は妥当であるとする。定量下限の1/10未満であることも,同様に妥当性が示されることで保証されて
いるとする。
注1) 具体的な含有率(質量分率)を記載している個別規格がある。
注2) “含有率ができるだけ低く,かつ,既知であるもの”と記載している個別規格がある。
注3) 認証標準物質の参考値,妥当性が確認された,酸化鉄(III)の試薬の製造業者による表示値
などがある。
h) 原液及び標準液 鉄鉱石分析法規格で用いる各元素の原液及び/又は標準液の調製方法は,基本的に
は高純度金属,高純度金属酸化物又は高純度化合物を,適切な酸,アルカリ,融剤又は水で,分解又
は溶解して調製した液を用いることが,個別規格で規定されている。
市販されている金属標準液は,次を満たす場合は,これを個別規格で規定している原液及び/又は
標準液の代わりに用いてもよい。
− 濃度が,個別規格で規定されている原液又は標準液と同レベルである。
− トレーサビリティがとれている。
− 分解及び調製に用いた試薬以外の混入がなく,かつ,用いた試薬が定量に影響を及ぼさない。
個別規格で規定している濃度は,市販標準液に記載されている濃度又はファクターで補正して用い
る。
標準液は,原液又は他の標準液をうすめて調製する。原液又は他の標準液の採取量は,少なくとも
2 mL以上とし,5 mL以上採取することが望ましい。
i) 時計皿の使用 時計皿は,使用するビーカーと同じ材質とし,次の手順で使用することを推奨する。
時計皿は,この手順によって使用されるものとして,個別規格には手順の詳細を記載しなくてもよい。
この手順は,各成分の原液,標準液及び検量線用溶液の調製にも適用される。
1) 時計皿で蓋をしたビーカーを,試料の個数分(標準試料及び空試験用も含む。)準備する。
2) はかりとった試料は,時計皿を外してビーカーに移し入れ,再び時計皿で覆い蓋とする。
3) ビーカーに分解酸を入れるときは,時計皿をずらして,その隙間から分解酸を注ぐ。分解による発
泡が始まる前に,時計皿を元の位置に戻す。
4) 初期操作として,試料を酸で分解する間は,時計皿は蓋として用いる。
5) 分解後に,次の操作を行わない場合は,時計皿の下面を水又は温水で洗って時計皿を取り除く。洗
液は,溶液に合わせる。
5.1) 溶液を,濃縮する場合は,濃縮前の溶液量と濃縮後の溶液量とを考慮して,時計皿をずらしてビー
カー上部に適正な開放部を作り,溶液を加熱し蒸発させる。上部を完全に開放して蒸発速度を上
げる場合は,あらかじめ取り除く。この際,時計皿の下面を水又は温水で洗い,洗液は溶液に合わ
せる。
濃縮処理が終了し,放冷又は冷却する間は,時計皿を蓋として用いる。放冷又は冷却した後,時
計皿の下面を水又は温水で洗って時計皿を取り除く。洗液は,溶液に合わせる。
5.2) 溶液を,乾固又は乾固寸前の状態まで加熱する場合は,時計皿をあらかじめ取り除く。この際,時
計皿の下面を水又は温水で洗い,洗液は溶液に合わせる。
乾固処理が終了し,加熱を止めた後,時計皿を蓋として用い,放冷又は冷却する。放冷又は冷却
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した後,時計皿の下面を水又は温水で洗って時計皿を取り除く。洗液は,溶液に合わせる。
5.3) 過塩素酸の白煙処理をする場合は,あらかじめ時計皿を取り除くか,又は時計皿をずらしてビー
カー上部に適正な開放部を作り,過塩素酸を入れて加熱する。時計皿で覆ったまま加熱してもよ
い。あらかじめ時計皿を取り除く場合は,時計皿の下面を水又は温水で洗い,洗液は溶液に合わせ
る。
塩酸,硝酸などが蒸発して過塩素酸の白煙の発生が始まったら,再び時計皿で覆って加熱を続
けて白煙処理を行う。規定時間の白煙処理が終了し,放冷した後,時計皿を取り除く。この際,時
計皿の下面を水又は温水で洗い,洗液は溶液に合わせる。
5.4) 硫酸又はりん酸の白煙処理をする場合は,5.3)の過塩素酸の代わりに硫酸又はりん酸を用い,5.3)
と同様に操作する。硫酸白煙の場合,析出した塩類で突沸するおそれがあるので,その操作につい
ては,個別規格の規定に従う。
j) 恒量 化学分析操作において,同一条件の下で,物質を加熱·放冷·ひょう量などの操作を繰り返し
たとき,前後の質量の計量差が規定の値以下となった状態。操作条件及び計量差の値は,個別規格に
よる。個別規格に規定がない場合は,JIS K 0067の2.2.4(恒量)を適用する。
k) 含有率の算出基準 鉄鉱石の各成分の含有率は,105 ℃で乾燥した試料の質量を基準として求める。
そのため,105 ℃で乾燥するか,又は105 ℃で乾燥したときに揮散する水分量を補正して,分析試料
のはかりとり量を決定する。
l) 許容差式の計算 鉄鉱石分析法規格には,許容差式にD(n)の符号を用いている個別規格がある。許容
差の計算におけるD(n)の値には,JIS Z 8402-6の表1[許容範囲の係数 f(n)]に示されているf(n)の値
を代入する。nは,室内再現許容差の場合は,同一分析室内における分析回数,室間許容差の場合は,
分析に関与した分析室数とする。また,許容差式の成分含有率の項には,計算対象となる分析値の平
均値を代入する。
m) 数値の丸め方 鉄鉱石分析法規格における数値の丸め方は,JIS Z 8401の規則Aによる。
4.2 個別一般事項
各分析方法における一般事項は,JIS K 0113,JIS K 0115,JIS K 0116,JIS K 0117,JIS K 0119,JIS K
0121又はJIS Z 2616による。
5 試料の採取,調製及び取扱い
5.1 試験室試料の採取及び調製
試験室試料は,ロットの鉄鉱石をJIS M 8702によって採取及び縮分し,最終的に次のいずれかに調製
し,適切な容器に入れる。
a) 吸湿性の強い鉄鉱石 最大粒度160 mのものを100 g以上。
b) 吸湿性の弱い鉄鉱石 最大粒度100 mのものを50 g以上。
5.2 分析用試料の調製
分析用試料は,試験室試料を十分に混合し,分析回数及び個別規格に規定している試料はかりとり量な
どを考慮して,必要な量を試験室試料からインクリメント縮分を行って分け取る。
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5.3 分析試料の調製
5.3.1 事前乾燥試料の調製
事前乾燥試料の調製方法は,次のいずれかによる。
a) 吸湿性の弱い鉄鉱石,又は吸湿性の強い鉄鉱石で成分含有率(質量分率)が10 %未満の場合 分析
用試料(5.2)を,磁器製の平底蒸発皿などに薄く広げて,(105±2)℃の空気中で約2時間乾燥し,デ
シケーター4)中で常温まで放冷する。
b) 吸湿性の強い鉄鉱石で成分含有率(質量分率)が10 %以上の場合 分析用試料(5.2)から,個別規
格に規定している試料はかりとり量をはかりとる。このはかりとりには,上皿はかりなどを用いても
よい。これを,蓋が外すり合わせで内容積が30 mL以下の適切なはかり瓶に入れ,蓋をせずに(105±
2)℃の空気中で約2時間乾燥する。乾燥した後,直ちに蓋をして,デシケーター4)中で常温まで放冷
する。放冷時間は,30分間程度を目安とする。
なお,試料が酸化するおそれがある場合は,窒素又はアルゴン雰囲気中で乾燥する。
注4) 乾燥剤として,JIS Z 0701に規定されている包装用シリカゲル乾燥剤A形1種などが用いら
れている。
5.3.2 大気平衡試料の調製
分析用試料(5.2)を,不活性なトレイに0.1 g/cm2を超えないように薄く広げ,2時間以上放置して,実
験室の大気雰囲気と平衡とさせた後,十分に混合する。
5.4 分析試料のはかりとり
分析試料は,5.3で得た事前乾燥試料又は大気平衡試料から,個別規格に規定している試料はかりとり量
をはかりとり,その質量を0.1 mgの桁まで読み取る。ただし,赤外線吸収法においては,1 mgの桁までの
読取りでよい。
分析試料のはかりとり方法は,次のいずれかによる。
a) 吸湿性の弱い鉄鉱石,又は吸湿性の強い鉄鉱石で成分含有率(質量分率)が10 %未満の分析試料 こ
の区分に属する分析試料は,事前乾燥試料[5.3.1 a)]から,個別規格に規定している試料はかりとり
量を,はかりを用い0.1 mgの桁まで正確にはかりとって,分析試料のはかりとり量とするか,又はb)
に規定する方法ではかりとる。
b) 吸湿性の強い鉄鉱石で成分含有率(質量分率)が10 %以上の分析試料 この区分に属する分析試料
は,次のいずれかの方法ではかりとる。
1) 乾燥方法によるはかりとり
1.1) 事前乾燥試料[5.3.1 b)]を入れたはかり瓶の蓋を開け,再び閉じた後,はかりを用い0.1 mgの桁ま
で正確に質量をはかる。
1.2) はかり瓶内の試料を個別規格に指定した容器(ビーカー,るつぼなど)に移し,直ちに再度はかり
瓶の蓋を閉じて質量をはかり,その減量を分析試料のはかりとり量とする。
2) 吸湿水補正方法によるはかりとり
2.1) 大気平衡試料(5.3.2)から,個別規格に規定している試料はかりとり量を,はかりを用い0.1 mg
の桁まで正確にはかりとる。吸湿水含有率(質量分率)が1 %以上と予想される試料については,
予想吸湿水含有率を補正した量をはかりとるのが望ましい。
2.2) この大気平衡試料の吸湿水含有率(HM)を,JIS M 8250によって求め,次の式によって,はかり
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とった分析試料の質量を乾燥質量(MCM)に補正して,分析試料のはかりとり量とする。
MCM=m− HM
100
ここで, m : 補正前の試料のはかりとり量(g)
HM : 大気平衡試料の吸湿水含有率[質量分率(%)]
MCM : 分析試料の乾燥質量(g)
6 分析値のまとめ方
6.1 分析回数
分析は,同一分析試料について室内再現条件(3.14)で2回実施する。
6.2 空試験
分析においては,個別規格に空試験の規定がなくても,全操作を通じて空試験(3.1)を行い,分析値を
補正する。
6.3 分析値の表示
分析値は,分析試料の質量に対する質量分率(%)で表し,分析対象成分によって,次に規定する表示
の桁に丸める。なお,個別規格に規定がある場合は,それに従う。
なお,1ロットの鉄鉱石の成分品位を,複数の分析所の分析値から決定する場合は,各分析所の分析値
を,a) c)に規定する表示桁数を一つ下に増やして丸める,又は,個別規格に規定する方法で一つ下の桁ま
で求める。
成分品位は,質量分率(%)で表し,分析対象成分及びその含有率によって,次に規定する表示の桁に
丸める。
a) 小数点以下2桁まで表示する成分 全鉄,酸可溶性鉄(II),化合水,けい素,マンガン,チタン,ア
ルミニウム,カルシウム,及びマグネシウム。
b) 小数点以下3桁まで表示する成分 コバルト,鉛及びビスマス。
c) 質量分率(%)によって異なる成分 表1による。
――――― [JIS M 8202 pdf 10] ―――――
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JIS M 8202:2021の国際規格 ICS 分類一覧
- 73 : 鉱採及び鉱物 > 73.060 : 金属鉱物及びそれらの濃縮物 > 73.060.10 : 鉄鉱石
JIS M 8202:2021の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0067:1992
- 化学製品の減量及び残分試験方法
- JISK0113:2005
- 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
- JISK0115:2004
- 吸光光度分析通則
- JISK0115:2020
- 吸光光度分析通則
- JISK0116:2014
- 発光分光分析通則
- JISK0117:2017
- 赤外分光分析通則
- JISK0119:2008
- 蛍光X線分析通則
- JISK0121:2006
- 原子吸光分析通則
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK0970:2013
- ピストン式ピペット
- JISM8250:2015
- 鉄鉱石―分析用試料の吸湿水定量方法―重量法,カールフィッシャー滴定法及び乾燥減量法
- JISM8700:2013
- 鉄鉱石及び還元鉄―用語
- JISM8702:2019
- 鉄鉱石―サンプリング及び試料調製方法
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JISR3505:1994
- ガラス製体積計
- JISZ2616:2015
- 金属材料の硫黄定量方法通則
- JISZ8101-1:2015
- 統計―用語及び記号―第1部:一般統計用語及び確率で用いられる用語
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8402-1:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第1部:一般的な原理及び定義
- JISZ8402-6:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第6部:精確さに関する値の実用的な使い方