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M 8202 : 2021
表1−分析値の表示桁数の成分含有率による区分
単位 質量分率(%)
小数点以下の表示桁数
成分名
4桁 3桁 2桁
りん
1未満 1以上
硫黄
銅
ニッケル
−
クロム
0.1未満 0.1以上
バナジウム
すず
亜鉛
ナトリウム
カリウム 0.01未満 0.01以上 −
ひ素
試料中の成分含有率を,酸化物含有率で表す場合は,元素含有率に個別規格に規定された換算係数を乗
じて求める。酸化物含有率を報告値とする場合は,丸めを行っていない元素含有率から酸化物含有率を求
めた後,6.5によって最終報告値を求める。
6.4 分析値の精確さの検討
6.4.1 真度の検討
真度の検討は,次による。
a) 分析試料と,分析操作の変更を必要としない程度に性質が近似し,認証値が分析試料の予想含有率に
近い認証標準物質を一つ選ぶ。
b) 選んだ認証標準物質を,試料はかりとり量及び定量操作を分析試料と同一とし,分析試料と並行して
分析する5)。
注5) 鉄鉱石分析方法のISO規格では,この操作を,チェック分析(check test)と記載している。
c) 得た認証標準物質の分析結果とその認証値との差の絶対値を,採用した分析方法の対標準物質許容差
と比較する。
差の絶対値が,対標準物質許容差の判定値以下であれば,同時に分析して得た分析試料の分析値の
真度は,満足できるものと判断する。
d) 対標準物質許容差は,個別規格に規定されている場合はそれに従う。規定されていない場合は,次の
いずれかの方法によって求める。
1) 使用した認証標準物質の認証書に個々のデータが記載され,認証値決定時の分析値の標準偏差が求
められる場合は,式(1)によって求める。
2
2+sWc
C=2 sLc
nWc +σL2+σd2n (1)
Nc
ここで, C : 対標準物質許容差[質量分率(%)]
sLc : 真度検討に用いた認証標準物質の認証値を決定した,
各分析室の分析値の標準偏差[質量分率(%)]
sWc : 認証値を決定した,各分析室の室内標準偏差[質量分
率(%)]
――――― [JIS M 8202 pdf 11] ―――――
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nWc : 認証値を決定した,各分析室の平均分析回数
Nc : 認証値の決定に参加した,分析室数
n : 認証標準物質の真度検討のための分析回数
σd : 対象個別規格で規定している室内標準偏差
室内許容差又は室内再現許容差しか規定していない個
別規格においては,許容差計算式に認証値を代入し,
D(n)又はf(n)の値を1として求めた値
σL : 対象個別規格で規定している室間標準偏差
室間許容差しか規定していない個別規格においては,
次の式による。
σL= x2−σd2/2
σx : 室間許容差しか規定していない個別規格におい
て,許容差計算式に認証値を代入し,D(n)又はf(n)の
値を1として求めた値
σd : 上による。
2) 使用した認証標準物質の認証書に個々のデータの記載がなく,不確かさの値だけが記載されている
場合は,式(2)によって求める。
C=2 2 +σL2+σd2n
刀 (2)
k
ここで, UCRM : 使用した認証標準物質の認証値の不確かさ
k : 包含係数
JIS K 0211に定義され,拡張不確かさを得るために合
成標準不確かさに乗じる係数で,通常は,23の値
である。
6.4.2 室内分析精度の検討
同一分析室において,同一分析試料を室内再現条件で2回分析して得た,2個の分析結果の差の絶対値
が,個別規格に規定している室内許容差又は室内再現許容差(Rd)以下であれば,この2個の分析結果の
間に異常な差はないものと判断する。
6.4.3 室間分析精度の検討
二つの異なる分析室において,同一分析試料をそれぞれ室内再現条件で2回分析し,6.5によって得た各
分析室の分析値の差の絶対値が,個別規格に規定している室間許容差(P)以下であれば,この二つの分析
室の分析結果の間に異常な差はないものと判断する。
6.4.4 精確さの判定方法
対標準物質許容差による判定は,分析結果の報告桁数を,用いた認証標準物質の認証値の表示桁数に合
わせてから,認証値との差を求めて比較する。ただし,分析結果の報告桁数が少なく,認証値の表示桁数
に合わせることができない場合は,認証値及び許容差の判定値を分析結果の報告桁に丸めて比較する。
室内再現許容差及び室間許容差による判定は,各々の分析結果の報告桁数を,報告桁数が一番少ない結
果に合わせてからその差を求め,許容差の判定値もこれに桁数を合わせて丸めて比較する。
許容差を分析結果の報告桁に丸めるとゼロとなる場合は,その報告桁の値が1となる値を許容差とする。
――――― [JIS M 8202 pdf 12] ―――――
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6.5 分析値の採択
6.5.1 真度による採択
分析結果が,真度の検討(6.4.1)を満足した場合は,そのとき実施された分析試料の分析結果を採用す
る。6.4.1を満足しなかった場合は,分析結果を採用せず,改めて分析をやり直す。分析結果が再度6.4.1を
満足しなかった場合は,認証標準物質及び/又は分析者を変えるなどの対策をとり,分析結果が採用され
るまで分析を繰り返す。
6.5.2 精度による採択
6.5.1で採用された分析結果の室内再現条件での,2個の分析結果を求め,図1に規定した手順で分析結
果の算術平均値又はメディアン(中央値)を分析値として採択し,6.3によって表示する。なお,個別規格
に規定がある場合は,それに従う。
記号説明
x1,x2,x3,x4 : 分析結果
x : 算術平均
Rd : 室内再現許容差
図1−分析値の採択手順フローシート
7 定量値の計量計測トレーサビリティ
鉄鉱石分析法規格の分析方法によって得た定量値(質量分率)が,真度の検討(6.4.1)を満足していれ
ば,適用した分析法の国際単位系(SI)への計量計測トレーサビリティが得られている。
――――― [JIS M 8202 pdf 13] ―――――
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なお,蛍光X線分析法で得た定量値(質量分率)の計量計測トレーサビリティは,認証標準物質及び/
又は次の標準物質群で作成した検量線を使って分析することで得られる。
− 蛍光X線分析法を除く鉄鉱石分析法規格の分析方法で分析して得た標準値をもつ。
− 標準値は,併行して分析した認証標準物質の分析値によって精確さが確認されている。
8 試験結果の報告
試験結果の報告書には,例えば,次に示す事項を記載することが望ましい。
− 分析所の名称及び所在地
− 分析実施日
− 試料名
− 試料採取場所及びサンプリング方法
− 前処理方法
− 分析方法(試料採取量,分析の対応する規格又は分析手順,分析条件など)
− 分析結果
− 分析実施者
− 分析環境(温度,湿度,気圧など)
− 定量時に気が付いた特記事項及び対応する規格に規定がない操作で,分析試料又は認証標準物質の分
析結果に影響を与えているおそれがある操作
9 鉄鉱石分析法規格の様式
鉄鉱石分析法規格は,その細部について附属書Aを参照して作成することが望ましい。
――――― [JIS M 8202 pdf 14] ―――――
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附属書A
(参考)
鉄鉱石分析法規格の規格作成における参考情報
A.1 規格名称
規格名称は,JIS Z 8301で“前置き要素”−“主要素”−“補完要素”で構成することを推奨している。
鉄鉱石分析法規格においては,各要素を次の事項とする。一つの分析対象成分に対して,定量方法を複数
規定する場合は,部編成とする。
− 前置き要素 : 規格が属する分野(鉄鉱石)
− 主要素 : 分析対象成分(〇〇定量方法)
− 補完要素 : 定量方法名称
ただし,同じ分析方法で複数元素を分析する場合は,各要素を次の事項とする。
− 前置き要素 : 規格が属する分野(鉄鉱石)
− 主要素 : 分析方法(○○分析方法)
− 補完要素 : 分析対象成分(〇〇定量方法)−定量方法名称
定量方法名称は,a) f)に示す化学分析方法の名称とするが,分離操作が含まれる場合は,次のいずれか
を先に付ける。
− 分析対象成分を分離させる場合 : 分離させる試薬又は分離される化合物又は単体(以下,化合物とい
う。),及び方法(操作)の原理を表す語句の後に“分離”を付ける。
− 定量の妨害成分を分離させる場合 : 妨害成分名の後に“分離”を付ける。
注記 方法(操作)の原理を表す語句とは,電解,沈殿,共沈,気化,蒸留,抽出,イオン交換,
クロマトグラフィーなどをいう。
例 分析対象成分を分離させる場合の例 りんバナドタングステン酸抽出分離原子吸光分析法
妨害成分を分離させる場合の例 鉄分離原子吸光分析法
化学分析方法の名称は,次によることが望ましい。ただし,対応国際規格がある場合は,その規格の題
名と整合させることが望ましい。
a) 重量分析法 重量分析法の名称は,質量をはかる化合物の名称の後に“重量法”を付ける。
b) 滴定法 滴定法の名称は,次のいずれかとする。
− 容量滴定法 : 滴定試薬の名称の後に“滴定法”を付ける。なお,電量滴定法と区別する必要がある
場合は“容量滴定法”としてもよい。分析対象成分をあらかじめ酸化剤(又は還元剤)で酸化(又
は還元)した後,滴定する場合(ただし,逆滴定を除く。)の名称は,上記滴定法の名称の前に,酸
化剤(又は還元剤)の名称,及び“酸化”(又は“還元”)を付ける。
逆滴定の場合の名称は,滴定において過剰に加える試薬の名称,及び滴定試薬の名称を中点“·”
で結び,その後に“逆滴定法”を付ける。
− 電量滴定法 : 電解発生試薬の名称の後に“電量滴定法”を付ける。
c) 吸光光度分析法 吸光光度分析法の名称は,次のいずれかとする。
− 水溶液の呈色を測定する場合 : 呈色化合物の名称の後に“吸光光度法”を付ける。
――――― [JIS M 8202 pdf 15] ―――――
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JIS M 8202:2021の国際規格 ICS 分類一覧
- 73 : 鉱採及び鉱物 > 73.060 : 金属鉱物及びそれらの濃縮物 > 73.060.10 : 鉄鉱石
JIS M 8202:2021の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0067:1992
- 化学製品の減量及び残分試験方法
- JISK0113:2005
- 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
- JISK0115:2004
- 吸光光度分析通則
- JISK0115:2020
- 吸光光度分析通則
- JISK0116:2014
- 発光分光分析通則
- JISK0117:2017
- 赤外分光分析通則
- JISK0119:2008
- 蛍光X線分析通則
- JISK0121:2006
- 原子吸光分析通則
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK0970:2013
- ピストン式ピペット
- JISM8250:2015
- 鉄鉱石―分析用試料の吸湿水定量方法―重量法,カールフィッシャー滴定法及び乾燥減量法
- JISM8700:2013
- 鉄鉱石及び還元鉄―用語
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- 鉄鉱石―サンプリング及び試料調製方法
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