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説明書に記載しなければならない。
5.14.2 高温部
通常操縦場所及び整備領域の近傍にあり,運転中高温となる部分は,それら高温部及び表面に人が接触
するリスクを最小にするように設計・製造し,配置するか,又は防護装置を備えなければならない。また,
運転中高温となる部分は,投入材料,破砕した廃木材など可燃物が接触するリスクを最小にするように設
計しなければならない。
5.14.3 可動部
危険源となり得る全ての可動部は,押し潰し,せん断及び切断のリスクを最小にするように設計・製造
及び配置するか,又は防護装置を備えなければならない。
5.14.4 ガード及びシールド
ガード及びシールドは,その場所にしっかりと保持し,危険領域又は危険部分への立入りを防止するよ
うに設計しなければならない。ガード及びシールドは,JIS A 8307及びJIS B 9716に適合しなければなら
ない。
a) 固定式ガード 頻繁に出入りする必要のない場合は,固定式ガードを取り付ける。そのガードの固定
方法は,工具又は鍵だけで脱着できる構造でもよい。
b) 可動式ガード 頻繁に出入りする必要がある場合は,可動式ガードを取り付ける。それらのガードは,
開けたときでもできる限り機械から取り外しできないようになっていなければならない。大きく重い
可動式ガードは,開けた位置を保持できる支持装置(例えば,ばね,ガスシリンダ,油圧シリンダ)
を装備しなければならない。支持装置は最大風速8 m/sまで開けた位置を確実に保持できなければな
らない。
5.14.5 鋭端部及び鋭角部
運転中及び日常の整備で立入りする領域内の鋭利な端部及び鋭い角部は,JIS A 8323に規定する要求事
項に適合しなければならない。
5.14.6 エンジン排気
エンジン排気装置は,排気ガスを周辺機器及び周囲の人から離れる方向に排出しなければならない。
5.14.7 主動力源の遮断
ドラム式カッタ搭載自走式木材破砕機は,特に保全及び修理時に関して,主動力源を遮断できる装置を
備え,また,施錠などによって遮断し続ける方法を設けなければならない。これは,キー付の蓄電池遮断
装置又は非常停止装置を装着することによって達成できる。また,主動力源を遮断した後,回路中に蓄積
されたエネルギーを安全に消失させる機能を設けなければならない。
取扱説明書には,その機能,操作方法及び主動力の遮断中に遮断装置の操作を禁止することを貼り付け
標識などに明示することを記載しなければならない。
5.15 (機械の)救出,輸送及びつり上げ
5.15.1 (機械の)救出
救出用ワイヤ掛け位置は,JIS A 8331に従ってドラム式カッタ搭載自走式木材破砕機の前部及び/又は
後部に備えなければならない。ワイヤ掛け位置は,その許容力及び正しい使い方とともに取扱説明書に記
載しなければならない。
5.15.2 固縛
ドラム式カッタ搭載自走式木材破砕機を安全に輸送するために,例えばトレーラ上に機械を固定する固
縛装置を備えるものとし,かつ,その位置を機械上に明確に表示しなければならない(JIS A 8310-1の番
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号7.27参照)。それらの使用方法は,取扱説明書に記載しなければならない。危険源となり得るアウトリ
ガ又は他の装置は,それらの輸送姿勢で固定できるようにし,その取扱方法を取扱説明書に記載しなけれ
ばならない。
5.15.3 つり上げ
つり上げ装置は,最も重い構成の運転質量で設計して機械に備えるものとし,機械全体をつり上げると
きのつり上げ位置を機械の上に明確に表示しなければならない。分解して輸送する重い機械の作業装置,
構成部品及び本体のつり上げ方法は,取扱説明書に記載しなければならない。
つり上げの識別記号については,JIS A 8310-1の番号7.23による。
5.16 電磁両立性(EMC)
ドラム式カッタ搭載自走式木材破砕機は,JIS A 8316に規定する電磁両立性の要求事項に適合しなけれ
ばならない。
5.17 電気装置及び電子装置
5.17.1 一般
電気構成部品及び導線は,機械の意図する用途における環境にさらされることによって,劣化の原因と
なる損傷を受けないような方法で取り付けなければならない。電気構成部品の絶縁材は,難燃性をもたせ
ることが望ましい。フレーム及び隔壁を貫通する通し配線は,摩耗しないように防護しなければならない。
過電流防護装置によって防護されていない電気配線及びケーブルは,燃料を含む配管及びホースに直接
接触する形で縛り付けてはならない。
注記 電子構成部品の安全機能に関する参考規格として,ISO 15998がある。
5.17.2 防護等級
電気構成部品及び電子構成部品の配置及び取付けは,次の防護等級を満足しなければならない。
− 機械の外側に配置されるか又は外部環境に直接さらされる全ての構成部品は,JIS C 0920の4.(指定
方法)に規定するIP55に相当する最小限の防護等級をもたなければならない。
− 外部環境に対して防護されている全ての構成部品に対し,意図する用途において正しく機能が発揮で
きるように防護処置がとられていなければならない。
5.17.3 電気回路
電気配線及びケーブルが誤って接続されることがないように,電気回路に使用される接続構成部品は印
付けされ識別できなければならない。識別は,JIS A 8324による。
5.17.4 過電流防護装置
標準装備及びオプション装備の電気設備は,始動モータを除き,過電流防護装置(例えば,ヒューズ,
ヒュージブルリンク,サーキットブレーカ)によって常に防護されていなければならない。
5.17.5 蓄電池
蓄電池は,換気のよい場所に堅固に取り付けなければならない。取付け位置は点検・保守が容易で,蓄
電池の取外しも容易であることが望ましい。
20 kg以上の蓄電池には把手又は握りが付いていなければならない。
蓄電池及び蓄電池の取付け位置は,機械が転倒した場合においても,運転員が蓄電池液又は気化した蓄
電池液に冒されるリスクを最小にするよう設計及び製造するか,又はそのような設計ができない場合は,
蓄電池を覆わなければならない。プラスのコネクタは,絶縁材で覆わなければならない。
5.17.6 蓄電池の接続切り離し
蓄電池は容易に接続切り離しできなければならない。これが不可能な場合は,容易に操作できる絶縁ス
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イッチを備えなければならない。
5.17.7 電気ソケット
サービス及び整備用の照明装置を接続する電気ソケットを,容易に手が届く機械部位に備えなければな
らない。ソケットは誤った接続を防ぐように設計しなければならない。
5.18 被加圧部
5.18.1 油圧ライン
配管及びホースは,高温の表面,鋭利な端部及び他の損傷を引き起こすおそれのあるものとの接触によ
る劣化が最小となるよう配置し,また,必要に応じて拘束しなければならない。ホース及び管継手は,フ
レームの内側に配置したものを除き,目視で点検できなければならない。油圧システムはJIS B 8361に従
って設計及び製造しなければならない。
5.18.2 油圧ホース
5 MPaを超える圧力又は50 ℃を超える温度をもつ流体を含み,運転員から1.0 m以内に位置する油圧ホ
ースは,JIS A 8307に従って防護しなければならない(5.3.5参照)。噴出する流体をそらすことができる
部品又は構成部品は,いずれも十分な防護装置とみなすことができる。
15 MPaを超える圧力に耐えることを意図したホースアセンブリには,ホースと管継手とが分離できるホ
ースアセンブリを用いてはならない。
注記 ホースと管継手とが分離できるホースアセンブリは,組立及び分解するのに専用工具(プレス
など)又はその自走式木材破砕機の製造業者が認定した部品を使用する場合は,この限りでは
ない。
エンジン排気管などの高温部に近接した,作動油,燃料などの可燃性の液体ホースは,破裂した際に液
体が高温部に接する状況を最小限に抑えるためのガードを備えなければならない。また,作動油,燃料な
どの可燃性の液体ホースは,経時変化及び劣化から発生する高圧噴油のリスク及び火災のリスクを低減す
るため,ホースの定期交換を取扱説明書へ記載しなければならない。
5.19 燃料タンク,油圧タンク及び圧力容器
5.19.1 一般
油圧アクチュエータ,制御装置及び接続配管は,JIS B 8361によって設計及び製造しなければならない。
燃料タンク及び油圧タンクは,液面レベル指示器を備えなければならない。タンク内の圧力が製造業者
の規定圧力を超えた場合は,適切な装置(抜け口,安全弁など)によって自動的に平衡となるように補正
されなければならない。
5.19.2 補給口
全てのタンクの補給口は,次のいずれにも適合しなければならない。
− 補給が容易である。
− 施錠できるキャップを備える。ただし,施錠できる区画(例えば,エンジンルーム)内,又は工具を
使って開閉するカバー内にある補給キャップ,及び特殊工具でないと開けられないキャップは,施錠
装置をもたなくてもよい。
5.19.3 燃料タンク
燃料タンクは,30 kPaの内圧に耐え,かつ塑性変形又は漏出することのない構造でなければならない。
非金属製の燃料タンクは,JIS A 8335による耐火性能をもたなければならない。
5.19.4 油圧タンク
油圧タンクは,圧力容器とはみなさない。
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5.19.5 空圧容器
空圧容器(単純圧力容器)は,JIS B 8370の6.3(サージタンク及び附属容器)に従って設計しなければ
ならない。
5.20 火災予防
5.20.1 設計上留意すべき項目
設計上留意すべき項目を,次に示す。
a) 機械外部に,破砕処理材の破片など可燃物の飛散又はこぼれが起きにくい構造としなければならない。
b) 破砕処理材の破片の飛散,こぼれなどによって可燃物が機械に堆積しにくい構造としなければならな
い。
c) 堆積した破砕処理材の破片など可燃物を清掃しやすい構造としなければならない。
d) 運転中高温となる部分に,破砕処理材の破片など可燃物が接触するリスクを最小にするように設計し
なければならない。
e) ドラム式カッタなど高速回転部分と本体構造物など固定部位との間に破砕処理材の破片など可燃物が
挟まり,摩擦熱によって発火するリスクを最小にするよう設計しなければならない。
附属書Eに具体的な設計事例を示す。
5.20.2 耐火性
機械に使用している内装材,装飾材及び絶縁材には,難燃材を使用しなければならない。燃焼速度は,
JIS D 1201に従って試験し,その結果が,200 mm/minを超えてはならない。
5.20.3 消火器及び消火システム
運転員が容易に手の届く範囲に消火器又は組込み式の消火システムを備えなければならない。
消火器又は組込み式の消火システムは,可燃物の種類に対して適切でなければならない。
5.20.4 機械及び周囲の清掃
木材は,可燃物であり不適切に扱うと火災に至るリスク並びに機械及び周囲の定期的な清掃の必要性を
警告する安全標識を貼り付け,取扱説明書にも記載しなければならない。
5.21 保全
5.21.1 一般
機械は,可能な限りエンジン停止状態で,日常給油及び整備作業ができるように設計・製造しなければ
ならない。エンジンが回転状態でだけ点検又は整備が実施可能な場合は,安全な実施方法を取扱説明書に
記載しなければならない。保全目的の開閉部は,JIS A 8301の規定に適合しなければならない。
機械は,可能な限り地上から給油及びタンクへの補給ができるように設計しなければならない。
5.21.2 日常整備
日常整備を必要とする機器(蓄電池,給油口,フィルタなど)は,点検及び交換が容易にできなければ
ならない。製造業者が推奨する工具及び附属品を入れる鍵のかかる収納箱を,機械に備えることが望まし
い。
5.21.3 支持装置
整備作業の間,例えば,作業装置(供給装置,破砕装置,排出装置)などによって,押し潰されるリス
クがある箇所には,支持装置を備えなければならない。
エンジンボンネット及びエンジンルームカバーは,開いた状態で保持する装置を備えなければならない。
5.21.4 エンジンルームへの乗降用・移動用設備
エンジンルームは,次のいずれかの方法によって,第三者の侵入を防止しなければならない。
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a) 施錠
b) 工具又は鍵を必要とする機構
c) 鍵のかかる区画内の掛け金
6 安全要求事項及び/又は安全方策の検証
ドラム式カッタ搭載自走式木材破砕機の設計及び製造に,この規格の安全要求事項及び安全方策が組み
込まれていることを検証する必要がある。次のいずれか一つ又はそれらの組合せによって,検証しなけれ
ばならない。
a) 計測又は計算
b) 目視による検査
c) ある特定の要求事項に関する規格に規定する方法による試験
d) 購入した機器が規格で要求するとおり製造されたという証明書類など,製造業者が保管を課せられた
書類の内容の査定
7 使用上の情報
7.1 警告表示
機械又は作業装置及びアタッチメントが,運転員又は第三者にとって潜在的に危険源を生じ得るとき,
JIS A 8312に従った警告及び/又は安全標識を機械に貼り付けなければならない。
安全標識の補足説明は,取扱説明書と同じ言語で行う。
7.2 取扱説明書
7.2.1 一般
取扱説明書は,使用される地域の言語で,運転及び保全の要領について記載し,機械とともに提供しな
ければならない。様式及び内容は,JIS A 8334及びJIS B 9700-2の6.5[附属文書(特に,取扱説明書)]
に従って作る。
取扱説明書は別冊になっていてもよい。
7.2.2 記載内容
製造業者が供給できるアタッチメント及び附属品も含めて,通常の条件下における機械の意図した用途
及び運転方法を取扱説明書に記載する。アタッチメント及び附属品の正しい組立及び使用方法についても
記載しなければならない。
取扱説明書には,可能な限り,次の情報を記載する。
− 機械の説明
− 機械の仕様(登坂能力)
− 計器類及び操縦装置の説明
− 防護具及び防護装置の必要性
− 安全関連の技術データ
− 熟練した運転員の必要性
− 運転員及びその他の関係者は,機械を運転する前に取扱説明書を読んで熟知しなければならない旨の
規定
− 機械周囲の危険区域の説明及び運転中全ての人が危険区域に立ち入らないことの警告
例えば,材料飛散,毒ガス,地盤(足下)条件など,予防措置を必要とする用途で,特殊な危険源
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JIS A 8706-2:2013の国際規格 ICS 分類一覧
JIS A 8706-2:2013の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISA8301:1952
- モータグレーダ用切刃
- JISA8301:2000
- 土工機械―整備用開口部最小寸法
- JISA8302:2017
- 土工機械―運転員及び整備員の乗降用・移動用設備
- JISA8307:2006
- 土工機械―ガード―定義及び要求事項
- JISA8310-1:2019
- 土工機械―操縦装置及び表示用図記号―第1部:共通図記号
- JISA8310-2:2019
- 土工機械―操縦装置及び表示用図記号―第2部:特定機種,作業装置及び附属品図記号
- JISA8312:1996
- 土工機械―安全標識及び危険表示図記号―通則
- JISA8312:2021
- 土工機械―機械安全ラベル―通則
- JISA8315:2010
- 土工機械―運転員の身体寸法及び運転員周囲の最小空間
- JISA8316:2010
- 土工機械―電磁両立性(EMC)
- JISA8323:2001
- 土工機械―運転席及び整備領域―端部の丸み
- JISA8324:2001
- 土工機械―電線及びケーブル―識別の原則
- JISA8325:2010
- 土工機械―履帯式機械―制動装置の性能要求事項及び試験方法
- JISA8327:2017
- 土工機械―機械装着警報ブザー類及び警音器―試験方法及び性能基準
- JISA8331:2005
- 土工機械―機械装着救出装置―性能要求事項
- JISA8334:2006
- 土工機械―取扱説明書―内容及び様式
- JISA8335:2017
- 土工機械―非金属製燃料タンクの性能要求事項
- JISA8336:2009
- 土工機械―表示機器
- JISA8340-1:2011
- 土工機械―安全―第1部:一般要求事項
- JISA8345:2004
- 土工機械―キーロック始動装置
- JISA8407:2000
- 土工機械―操縦装置の操作範囲及び位置
- JISA8919:2007
- 土工機械―操縦装置
- JISB8361:2013
- 油圧―システム及びその機器の一般規則及び安全要求事項
- JISB8370:2013
- 空気圧―システム及びその機器の一般規則及び安全要求事項
- JISB9700-1:2004
- 機械類の安全性―設計のための基本概念,一般原則―第1部:基本用語,方法論
- JISB9700-2:2004
- 機械類の安全性―設計のための基本概念,一般原則―第2部:技術原則
- JISB9703:2019
- 機械類の安全性―非常停止機能―設計原則
- JISB9707:2002
- 機械類の安全性―危険区域に上肢が到達することを防止するための安全距離
- JISB9708:2002
- 機械類の安全性―危険区域に下肢が到達することを防止するための安全距離
- JISB9711:2002
- 機械類の安全性―人体部位が押しつぶされることを回避するための最小すきま
- JISB9713-2:2004
- 機械類の安全性-機械類への常設接近手段-第2部:作業用プラットフォーム及び通路
- JISB9713-3:2004
- 機械類の安全性―機械類への常設接近手段―第3部:階段,段ばしご及び防護さく(柵)
- JISB9716:2019
- 機械類の安全性―ガード―固定式及び可動式ガードの設計及び製作のための一般要求事項
- JISB9960-1:2019
- 機械類の安全性―機械の電気装置―第1部:一般要求事項
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
- JISC60068-2-31:2013
- 環境試験方法―電気・電子―第2-31部:落下試験及び転倒試験方法(試験記号:Ec)
- JISD1201:1998
- 自動車,及び農林用のトラクタ・機械装置―内装材料の燃焼性試験方法