JIS B 7994:2021 排ガス中の水銀自動計測器 | ページ 2

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部,分析計などから構成する。詳細は,6.2.26.2.6による。なお,6.2.5及び6.2.6は,湿式還元方式にだ
け適用する。
図1−乾式還元方式計測器の構成例
図2−湿式還元方式計測器の構成例
6.2.2 試料採取部
試料採取部は,排ガス中のダストを除去し,必要に応じて水分,及び硫化水素,硫黄酸化物,窒素酸化
物などの腐食性ガスを除去又は一定量に保つ機能をもち,測定対象成分の損失を可能な限り抑制しつつ必
要な試料ガスの一定量を連続的又は断続的に分析計に供給する構成とする。さらに,排ガス中の二価水銀
をあらかじめ還元して金属水銀にする構成とする。試料採取部は,次のa) l)で構成し,各部の材料は,
排ガス及び試料ガスの性状に応じて選択する。
a) 採取管 煙道壁などに取り付けて排ガスを採取する管で,チタン管,セラミックス管,石英管などを
用いる。
b) 一次フィルタ 排ガス中のダストを除去するためのもので,水分が凝縮しないように120 ℃以上に加
熱する機構をもつ。フィルタの材料は,ガラス繊維などを用いる。採取管直後に還元部がありフィル

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タの効果を兼ねる場合は,一次フィルタを省いてもよい。
注記 一次フィルタに捕捉されたダストが水銀を吸着するおそれがある場合は,吸着による測定影
響が出る前に一次フィルタを交換するとされている。
c) 還元部 排ガス中に含まれる二価水銀をあらかじめ還元して金属水銀にする機構をもつ。詳細は,6.2.4
による。
d) 導管 試料ガスを導く管で,四ふっ化エチレン樹脂製のものなどを用いる。水分が吸引経路の途中で
凝縮することを防止するため,必要に応じて加熱する機構をもつ。
e) 気液分離部 試料ガスからの凝縮水,及び湿式還元方式においては還元溶液を分離するためのもので,
ガラスなど水銀が吸着しない材料を用いる。図1及び図2では,JIS K 0095の図6 b)の間けつ(歇)
式凝縮水トラップなどを用いる構造とする。
f) 除湿部 気液分離部を通過した試料ガスから更に水分を除去する装置で,空冷(外気温),電子冷却な
どの方式,半透膜気相除湿方式などから適切な方式を選択する。
g) 二次フィルタ 試料ガス中の微細ダストを除去するためのもので,ガラス繊維,四ふっ化エチレン樹
脂などの材料を用いる。分析計へのダストの影響が十分小さい場合は,分析計直後に取り付けてもよ
い。
h) 校正ガス導入口 図1及び図2の2か所又はいずれか1か所とし,目的に応じて選択し使用する。
i) 切替弁 手動弁又は電磁弁を用い,その材料は耐食性があり,水銀が吸着しないものを用いる。
j) 吸引ポンプ 試料ガスなどを吸引するポンプで,一般にダイアフラムポンプを用いる。接ガス部は,
耐食材料,例えば,硬質塩化ビニル樹脂などの材料を用いる。
k) 流量調整弁 ニードル弁などを用い,その材料は耐食性のあるものを用いる。
l) 流量計 耐食性を考慮する。JIS B 7551に規定するフロート形面積流量計などを用いる。
6.2.3 分析計
排ガス中に含まれる金属水銀及び二価水銀を還元した金属水銀の濃度を原子吸光分析法で求める。分析
計は,光源部,吸収セル,検出部,データ処理部などから構成する。高感度化及び高安定化のために,次
のような機能をもつものがある。
− ダブルビーム方式で測定光と参照光との吸光度差を取って光強度の変動影響を抑制する。
− ゼロガスと試料ガスとを交互に測定し,その吸光度差を取って光強度の変動影響を抑制する。
− 光源部の温度を一定にして光強度変化を抑制する。
原子吸光分析法では,多環芳香族炭化水素などが干渉する場合があるので,必要に応じて干渉成分影響
の補正処理をする。
a) 光源部 水銀分析のためのスペクトルを発光する低圧水銀ランプなどを用いる。
b) 吸収セル 両端に石英ガラス窓などをもつガス流通構造とする。
c) 検出部 検出器への入射光の光強度をその強度に応じた電気信号に変換するもので,光電管,半導体
検出器などが用いられる。
d) データ処理部 データ処理を行い,吸光度,濃度,検量線,測定結果などを表示及び記録する機構を
もつ。表示及び記録には,ディスプレイ,プリンタ,記録計などを使用する。
6.2.4 還元部
a) 乾式還元方式 アルカリ金属塩,アルカリ土類金属塩,塩化第一すずなどの固体還元剤をガラスなど

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の容器に入れて,還元反応を促進するために加熱する機構をもつ。固体還元剤を,2か月をめどに交
換することができる構成とする。
注記1 排ガス中の硫黄酸化物,窒素酸化物などの酸性ガスが多いと固体還元剤の中和を早める。
固体還元剤が中和されると,酸性ガスは還元部を破過して原子吸光への干渉又は分析計の
吸収セルの窓への汚れの原因となるので,固体還元剤を早めに交換する。
b) 湿式還元方式 ダストを除去した試料ガスと還元溶液(6.2.6参照)とを連続的に接触させ,試料ガス
中の二価水銀を還元して金属水銀にする。還元反応を促進する必要がある場合は,試料ガスと接触さ
せてから還元溶液を80 ℃程度に加熱することができる構成とする。
注記2 還元溶液から反応生成物が生成される場合は,生成物への水銀の付着又は管の閉塞に注意
する。
注記3 排ガス中の硫黄酸化物,窒素酸化物などの酸性ガスが多い場合は,原子吸光への干渉又は
分析計の吸収セルの窓への汚れの原因となるので,還元部と気液分離部との間で1 mol/L
水酸化カリウム溶液によって排ガスを洗浄することが可能である。
6.2.5 還元溶液送液部
還元溶液送液部は,排ガス中の二価水銀を還元部で金属水銀に還元するための還元溶液を貯留する試薬
槽,及び還元部へ送液する試薬ポンプから構成する。
a) 試薬槽 6.2.6の還元溶液を計測器内に貯留する容器で,ガラス,ポリエチレン樹脂など耐食性の容器
を用いる。
b) 試薬ポンプ 還元溶液を送液するポンプで,接液部は,耐食材料を用いる。
6.2.6 還元溶液
還元溶液は,JIS K 8136に規定する塩化すず(II)二水和物90 gを精密分析用又は有害金属測定用の硫
酸(1+30)に溶かし,3 Lとする。この還元溶液は,調製後1週間以内に使用する。1週間以上継続して
使用する場合は,還元溶液にJIS K 8780に規定するピロガロール5 g/Lを添加するのがよい。また,排ガ
ス成分によって,還元剤が変色又は沈殿を発生するなど還元剤の劣化を早める場合は,塩化すず(II)二水
和物を硫酸(1+10)で希釈し,濃度100 g/Lに調製した還元剤を用いてもよい。
JIS K 9502に規定するL(+)-アスコルビン酸200 gに水2 Lを加え,かき混ぜて溶かし,水を加えて20
Lとしてもよい。この還元溶液は,調製後2週間以内に使用する。ただし,還元部を加熱[6.2.4 b)参照]
し,反応を促進する必要がある。

7 性能試験

7.1 試験条件

  試験条件は,次による。
a) 周囲温度 5 ℃35 ℃の間の任意の温度で,試験中の温度の変化幅は,5 ℃以下とする。
b) 湿度 相対湿度は,85 %以下とする。
c) 大気圧 95 kPa106 kPaで試験中の変化幅は,5 kPa以下とする。
d) 電源電圧 定格電圧とする。
e) 電源周波数 定格周波数とする。

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f) 暖機時間 取扱説明書に記載された時間とする。

7.2 試験に用いるガス

7.2.1 ガスの種類
ガスの種類及び適用する試験項目は,表3による。ゼロ校正用ガス及びゼロ試験用ガスとして高純度空
気[不純物として含まれる多環芳香族炭化水素の許容体積濃度は1 vol ppm C(炭素原子数を基準として表
した炭化水素濃度の単位),水銀の許容濃度は0.01 μg/m3とする。]を用いる。例えば,導入する空気から
金属水銀を除去するゼロガス精製器などを用いて空気を精製したものをゼロ校正用ガス及びゼロ試験用ガ
スとして用いる。
表3−試験に用いるガス
ガスの種類 成分濃度 適用試験項目
校正用ガス スパン校正用ガス 最大目盛値a) の80 %100 % 7.3 b),c)
ゼロ校正用ガス 最大目盛値a) の0 % 7.3 a),c)
スパン試験用ガス 最大目盛値a) の80 %95 % 7.4 a),c),e),f),g)
ゼロ試験用ガス 最大目盛値a) の0 % 7.4 a),b),e)
中間点ガス 最大目盛値a) の50 %付近 7.4 d)
注a) 選択した測定範囲の最大目盛値。
7.2.2 校正用ガスの調製
水銀のスパン校正用ガス,中間点ガス及びスパン試験用ガスは,水銀ガスを一定濃度で連続的に発生で
きる校正用ガス調製装置から得られたガスを用いる。校正用ガス調製装置については,附属書Aに例を示
す。

7.3 校正

  計測器の校正は,暖機運転終了後,表3に規定するゼロ校正用ガス及びスパン校正用ガスを用いて,次
の方法で行う。
a) ゼロ調整 ゼロ校正用ガスを設定流量で計測器に導入し,指示値が安定した時点でゼロ調整を行う。
b) スパン調整 スパン校正用ガスを設定流量で計測器に導入し,指示値が安定した時点でスパン調整を
行う。
c) 必要に応じてa)及びb)を繰り返し,ゼロ値及びスパン値のそれぞれが合うまで行う。

7.4 試験方法

  計測器の性能試験は,次による。
なお,指示誤差,耐電圧及び絶縁抵抗を除く各項目については,その計測器の最小目盛範囲における試
験結果をもって全レンジの性能としてもよい。
a) 繰返し性 計測器にゼロ試験用ガスを設定流量で導入し,最終値を記録計などで確認した後,スパン
試験用ガスを同様に導入し,最終値を確認する。この操作を3回繰り返し,ゼロ値及びスパン値の各々
の平均値を算出し,各測定値と平均値との差の最大目盛値に対する百分率を求める。
b) ゼロドリフト ゼロ試験用ガスを設定流量で導入し,記録計のゼロ指示値を最大目盛値の5 %程度に
設定して24時間連続測定を行う。この間におけるゼロ指示値の初期の指示値からの最大変動幅の最

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大目盛値に対する百分率を求める。
c) スパンドリフト ゼロドリフト試験において,試験開始時にスパン調整を行い,試験終了時(24時間
後)及び中間に2回以上,ゼロ試験用ガスに代えてスパン試験用ガスを導入し,指示値を記録する。
この間におけるスパン指示値の初期の指示値からの最大変動幅の最大目盛値に対する百分率を求める。
これらのスパン指示値において,ゼロドリフトの影響が見られる場合は,スパン指示値からその変
動分を補正する。
なお,各スパン測定点の測定時間間隔は,4時間以上空けなければならない。
d) 指示誤差 ゼロ校正,スパン校正を行った後,中間点ガスを導入し,指示値を記録する。この指示値
と中間点ガスの濃度との差の最大目盛値に対する百分率を求める。
e) 応答時間 設定流量のゼロ試験用ガスを導入し,指示安定後,流路をスパン試験用ガスに切り替える。
このときの指示記録において,スパン試験用ガス導入の時点から最終指示値の90 %に達するまでの時
間を測定し,応答時間とする。
f) 試料ガスの流量変化に対する指示値の安定性 設定流量のスパン試験用ガスを導入し,指示値が安定
したときの値をAとする。次に流量を設定値から+5 %変化させ,指示値が安定したときの値をBと
する。さらに,流量を設定値から−5 %変化させ,指示値が安定したときの値をCとする。“B−A”及
び“C−A”の値の最大目盛値に対する百分率を求める。
g) 電圧変動に対する安定性 電源電圧を定格電圧にしてスパン試験用ガスを導入し,指示値が安定した
ときの値をAとする。次に電源電圧を定格電圧の+10 %に変化させ,指示値が安定したときの値をB
とする。さらに,電源電圧を定格電圧の−10 %に変化させ,指示値が安定したときの値をCとする。
“B−A”及び“C−A”の値の最大目盛値に対する百分率を求める。
h) 耐電圧 計測器の電源スイッチが“入り”の状態で,電源端子一括と外箱(接地端子)との間に定格
周波数の交流1 000 Vを1分間加えて,異常の有無を調べる。
i) 絶縁抵抗 計測器の電源スイッチが“入り”の状態で,電源端子一括と外箱(接地端子)との間の絶
縁抵抗を,JIS C 1302に規定する500 V絶縁抵抗計で測定する。

8 試験報告書

  試験報告書には,次の項目を記載する。
a) 試験条件,試験に用いたガスの種類
b) 適用規格(発効年など含む)
c) 試験結果(表2に示す項目)
d) 特記事項
e) 試験日

9 表示

  計測器には,見やすい場所に容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。
これらの表示は1か所にまとめて表示しなくてもよい。
a) 計測器の名称及び製造業者が指定する形名
b) 測定対象成分

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JIS B 7994:2021の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 7994:2021の関連規格と引用規格一覧