JIS C 1273-2:2017 交流電子式無効電力量計―第2部:取引又は証明用 | ページ 10

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6) その後,計器の機能確認を行い,定格周波数及び定格電圧の下で,力率0の10 Itrの負荷電流を通じ
て器差を測定し,高温高湿状態によって生じる器差の差を求める。
7) さらに24時間経過させ,有意誤りが生じないことを調べる。
8) 機械的損傷及び腐食の痕跡がないか調べる。
7.4.13.5 温度サイクルの影響
試験は,図7によって,試験環境の温度を23 ℃,−10 ℃,55 ℃及び23 ℃と変化させ,かつ,それぞ
れの温度において3時間放置して行う。また,試験を始めるときの温度23 ℃及び終わるときの温度23 ℃
において,定格周波数及び定格電圧の下で,力率0及び0.866のInの負荷電流を通じて器差を測定し,温
度サイクルの影響によって生じる器差の差を求める。
注記 試験は,器差試験を除き,計器を非動作状態にして行う。
注a) 試験槽内の温度変化の割合は,平均毎分1 ℃程度,最高毎分2 ℃とする。
図7−温度サイクル試験
7.4.14 耐久性
試験は,定格周波数及び定格電圧の下で,力率0のItr,10 Itr及びImaxの負荷電流を通じて器差を測定し
た後,IEC 62059-32-1及びJIS C 60068-2-2に規定する方法で,次の試験を実施する。
a) 温度を屋内形計器は40 ℃,屋内耐候形計器は55 ℃とした環境において,計器の定格周波数及び定格
電圧の110 %の下で,力率0のImaxの負荷電流を通じて1 000時間維持する。
b) 1 000時間後,計器を定格周波数及び定格電圧の下で,力率0のItr,10 Itr及びImaxの負荷電流を通じて,
器差を測定し,影響によって生じるそれぞれの器差の差を求める。
c) 試験中は計器の機能を確認する。

7.5 絶縁性能の試験

7.5.1  絶縁抵抗
試験は,表57によって,直流電圧を加えて絶縁抵抗を測定する。

――――― [JIS C 1273-2 pdf 46] ―――――

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表57−絶縁抵抗の試験条件
区別 直流電圧
電圧回路とベースとの間 500 V
電流回路とベースとの間
電流回路相互間
電圧回路と電流回路との間
7.5.2 商用周波耐電圧
試験は,表58によって,定格周波数の正弦波又は正弦波に近い交流電圧を1分間加えて行う。
表58−商用周波耐電圧の試験条件
区別 交流電圧
電圧回路とベースとの間 2 kV
電流回路とベースとの間
電流回路相互間
電圧回路と電流回路との間

7.6 材質の試験

  試験は,グローワイヤ(赤熱棒押付け)試験及びスプリングハンマ衝撃試験とし,次による。
a) グローワイヤ(赤熱棒押付け)試験 計器の外箱(ベース,カバー及び端子カバー)にあっては650 ℃,
端子ボックスにあっては960 ℃の温度のグローワイヤを衝撃力が1.0±0.2 Nを超えないように30秒
間接触させて,外箱及び端子ボックスを観察して行う。試験を行う場合は,グローワイヤと試料とが
接触する箇所の下方に薄葉紙をかぶせた木の板を置き,木の板に焦げがなく,薄葉紙に着火がないこ
との確認を観察して行う(JIS C 60695-2-10参照)。
b) スプリングハンマ衝撃試験 計器を正常な姿勢で,計器の外箱にスプリングハンマで0.2±0.02 Jの運
動エネルギーを加えて行う。

7.7 負荷電流導体及び端子の温度上昇試験

  試験は,定格周波数及び定格電圧の下で,力率0のImaxの負荷電流を通じ,2時間後における負荷電流
導体の表面及び電流端子の温度を熱電対法で測定する。測定は,次による。
a) この試験に使用する接続導線は,長さ1.5 mで,直径2 mmのJIS C 3307に規定する600 Vビニル絶
縁電線とし,これを各電流端子に接続する。
b) 負荷電流導体の表面の測定箇所は,負荷電流導体のほぼ中央部とする。熱電対(JIS C 1602に規定す
る構成材料の種類の記号Tのものを推奨する。)は,直径0.3 mm程度のものを使用し,負荷電流導体
の絶縁を一部切り取ってはんだ付けをする。
c) 電流端子の温度上昇は,温度分布がほぼ一様で,測定に便利な電流端子の一部に熱電対を固定して測
定する。

7.8 複合電気計器の表示機構の試験

  試験は,定格周波数及び定格電圧の下で,力率0のInの負荷電流を通じたとき,計量パルス数から換算
した計量値の増分と各表示機構の計量値の増分とが一致することを調べる。
注記 計量値の桁上がりを考慮して試験する。

――――― [JIS C 1273-2 pdf 47] ―――――

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7.9 発信装置及び分離することができる表示機構の試験

  試験は,次による。
a) 定格周波数及び定格電圧の下で,力率0のInの負荷電流を通じたとき,発信装置において発生するパ
ルス数を測定する。分離することができる表示機構は,パルス数に応じて電力量を正しく表示してい
ることを調べる。また,機能に支障がないことを調べる。
b) 表59に示す試験項目において,定格周波数及び定格電圧の下で,影響中・妨害中に実施する場合は力
率0の各試験電流を,影響後・妨害後に実施する場合は力率0のInの負荷電流を通じたときの,それ
ぞれ発信装置において発生するパルス数を測定する。また,機能に支障がないことを調べる。
表59−実施対象の試験項目
項目 影響中・妨害中に実施 影響後・妨害後に実施
7.2.2 逆方向電流の影響 ○ −
7.3.1 温度特性 ○ −
(−20 ℃及び+55 ℃,屋内形計器の場合は,−5 ℃及び+40 ℃)
7.3.9 外部直流磁気の影響 ○ −
7.3.10 外部磁界の影響 ○ −
7.3.11 電磁環境両立性 − ○
7.4.2 静電気の影響 − ○
7.4.3 高速過渡の影響 − ○
7.4.4 電圧ディップ及び短時間停電の影響 − ○
7.4.5 交流主電源線上のサージの影響 − ○
7.4.6 減衰振動波イミュニティ試験の影響 − ○
7.4.7 c) 過電流の影響 − ○
7.4.14 耐久性 − ○
○ : 実施する。 − : 実施しない。

7.10 出力機構の試験

  試験は,次による。
a) 定格周波数及び定格電圧の下で,力率0のInの負荷電流を通じたとき,出力機構から正しく計量値を
出力することを調べる。また,機能に支障がないことを調べる。
b) 表60に示す試験項目において,定格周波数及び定格電圧の下で,影響中・妨害中に実施する場合は力
率0の各試験電流を,影響後・妨害後に実施する場合は力率0のInの負荷電流を通じたとき,出力機
構から正しく計量値を出力することを調べる。また,機能に支障がないことを調べる。

――――― [JIS C 1273-2 pdf 48] ―――――

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C 1273-2 : 2017
表60−実施対象の試験項目
項目 影響中・妨害中に実施 影響後・妨害後に実施
7.2.2 逆方向電流の影響 ○ −
7.3.1 温度特性 ○ −
(−20 ℃及び+55 ℃,屋内形計器の場合は,−5 ℃及び+40 ℃)
7.3.9 外部直流磁気の影響 ○ −
7.3.10 外部磁界の影響 ○ −
7.3.11 電磁環境両立性 − ○
7.4.2 静電気の影響 − ○
7.4.3 高速過渡の影響 − ○
7.4.4 電圧ディップ及び短時間停電の影響 − ○
7.4.5 交流主電源線上のサージの影響 − ○
7.4.6 減衰振動波イミュニティ試験の影響 − ○
7.4.7 c) 過電流の影響 − ○
7.4.14 耐久性 − ○
○ : 実施する。 − : 実施しない。

8 検定

  特定計量器検定検査規則(以下,検則という。)に規定する構造検定及び器差検定の方法は,附属書B
による。

9 使用中検査

  検則に規定する使用中検査は,附属書Cによる。

10 対応関係

  JISの項目と検則の項目との対応関係は,表61による。
表61−JIS項目と検則項目との対比表
JIS項目 検則項目

5.4 表記

                                     第十八章第三節第一款第一目“表記事項”
箇条6 性能(6.1は除く。) 第十八章第三節第一款第二目“性能”
B.1 個々に定める性能 a)

6.1 検定公差

                                 第十八章第三節第二款“検定公差”
箇条7 試験方法 第十八章第三節第三款第一目“構造検定の方法”
B.1 個々に定める性能 b)
B.2 器差検定の方法 第十八章第三節第三款第二目“器差検定の方法”
C.1 性能に係る技術上の基準 第十八章第四節第一款“性能に係る技術上の基準”
C.2 使用公差 第十八章第四節第二款“使用公差”
C.3 性能に関する検査の方法 第十八章第四節第三款第一目“性能に関する検査の方法”
C.4 器差検査の方法 第十八章第四節第三款第二目“器差検査の方法”

――――― [JIS C 1273-2 pdf 49] ―――――

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附属書A
(参考)
複合器差の推定
A.1 複合最大許容器差の推定
最大許容器差に影響量による器差の差を加えた結果,計器の器差は,その許容差を超えている可能性が
ある。そのため,型式ごとに総合の最大許容器差を評価するため,定格動作条件の範囲内の条件での不確
かさを推定する必要がある。
最大許容器差及び全ての器差の差を代数的に加えた場合,ある影響因子の値の組合せに対して,器差の
差が小さいもの又は符合が反転しているものがあり,互いに打ち消し合うことがある。また,その影響因
子が時間とともに変動する場合,影響量によって生じる器差は平均化される。
評価の際には,次を考慮する。
a) 積分効果が無視される可能性がある。
b) 影響因子の影響のどれも相互関連がない。
c) 影響量の値が,定格動作条件の限界よりもむしろ基準値に近い可能性がある。
d) 影響量及び影響因子の影響をガウス分布として取り扱うことができ,その結果,最大許容器差の1/2
の値を標準不確かさに使用することができる。
次に,複合最大許容器差(包含係数2)は,次の式1) を使って推定できる。
2 2 2 2 2 2 2
vbase vfrequency
vvoltage vunbalance
vharmonic
vtiltvtemperature
v 2
4 4 4 4 4 4 4
ここに, vbase : 最大許容器差
vvoltage : 電圧変動に対して許容される器差の差の限度
vfrequncy : 周波数変動に対して許容される器差の差の限度
vunbalance : 不平衡変動に対して許容される器差の差の限度
vharmonic : 高調波成分変動に対して許容される器差の差の限度
vtilt : 傾斜に対して許容される器差の差の限度
vtemperature : 温度変動に対して許容される器差の差の限度
注1) これは,測定における不確かさの表現に関するISOガイド(GUM)に一致する。
A.2 型式試験結果及び特定条件に基づく複合器差の推定
A.2.1 方法1
複合最大器差も,型式試験結果によって型式ごとに推定できる。
ガウス分布と仮定した場合,複合最大器差は,次の式を用いて推定する。
2 2 2
e) i,p(c e2 (PFp , Ii )(T)
ei,p (U)
ei,p ( f)
ei,p
各電流Ii及び各力率PFpについて,
ここに, e(PFp, Ii) : 測定した計器の固有器差
δep,i (T ) : 温度が定格動作条件で規定された範囲全体にわたって
変動したときに測定された最大器差
δep,i (U ) : 電圧が定格動作条件で規定された範囲全体にわたって
変動したときに測定された最大器差

――――― [JIS C 1273-2 pdf 50] ―――――

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JIS C 1273-2:2017の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 1273-2:2017の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC0920:2003
電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
JISC1210:1979
電力量計類通則
JISC1281:1979
電力量計類の耐候性能
JISC3307:2000
600Vビニル絶縁電線(IV)
JISC60068-2-1:2010
環境試験方法―電気・電子―第2-1部:低温(耐寒性)試験方法(試験記号:A)
JISC60068-2-2:2010
環境試験方法―電気・電子―第2-2部:高温(耐熱性)試験方法(試験記号:B)
JISC60068-2-27:2011
環境試験方法―電気・電子―第2-27部:衝撃試験方法(試験記号:Ea)
JISC60068-2-30:2011
環境試験方法―電気・電子―第2-30部:温湿度サイクル(12+12時間サイクル)試験方法(試験記号:Db)
JISC60068-2-47:2008
環境試験方法―電気・電子―第2-47部:動的試験での供試品の取付方法
JISC60068-2-64:2011
環境試験方法―電気・電子―第2-64部:広帯域ランダム振動試験方法及び指針(試験記号:Fh)
JISC60068-2-78:2015
環境試験方法―電気・電子―第2-78部:高温高湿(定常)試験方法(試験記号:Cab)
JISC60068-3-1:2016
環境試験方法―電気・電子―第3-1部:低温(耐寒性)試験及び高温(耐熱性)試験の支援文書及び指針
JISC60068-3-4:2004
環境試験方法―電気・電子―第3-4部:高温高湿試験の指針
JISC61000-4-11:2008
電磁両立性―第4-11部:試験及び測定技術―電圧ディップ,短時間停電及び電圧変動に対するイミュニティ試験
JISC61000-4-2:2012
電磁両立性―第4-2部:試験及び測定技術―静電気放電イミュニティ試験
JISC61000-4-3:2012
電磁両立性―第4-3部:試験及び測定技術―放射無線周波電磁界イミュニティ試験
JISC61000-4-4:2015
電磁両立性―第4-4部:試験及び測定技術―電気的ファストトランジェント/バーストイミュニティ試験
JISC61000-4-5:2018
電磁両立性―第4-5部:試験及び測定技術―サージイミュニティ試験
JISC61000-4-6:2017
電磁両立性―第4-6部:試験及び測定技術―無線周波電磁界によって誘導する伝導妨害に対するイミュニティ
JISC61000-4-8:2016
電磁両立性―第4-8部:試験及び測定技術―電源周波数磁界イミュニティ試験
JISC61000-6-1:2019
電磁両立性―第6-1部:共通規格―住宅,商業及び軽工業環境におけるイミュニティ規格
JISC61000-6-2:2019
電磁両立性―第6-2部:共通規格―工業環境におけるイミュニティ規格
JISK2246:2018
防せい(錆)油