38
C 1273-2 : 2017
7.4.8 インパルス電圧の影響
試験は,次の条件でIEC 60060-1に従って行う。
試験電圧を印加しない回路を“アース”に接地した状態で,計器の電気回路に表53に規定する条件で試
験電圧を30秒以上の間隔で各極性連続10回加え,有意誤りが生じないことを調べる。また,試験中は,
負荷電流導体,補助電源回路,リード線などで放電したり,断線したりするなどの異常がないことを調べ
る。“アース”及び印加箇所は,次による。
a) 計器のきょう(筐)体が金属の場合は,きょう(筐)体が“アース”となり,計器を平らな導電体表
面に接続する。計器のきょう(筐)体の全部又は一部が絶縁物である場合,アルミニウムなどの導体
はく(箔)で計器を覆い“アース”とし,計器を平らな導電体表面に接続する。このとき,導体はく
(箔)はきょう(筐)体の金属の部分と接しており,試験端子との隙間は,2 cm以下となるように覆
う。インパルス試験中,試験対象外の回路は“アース”に接続しなければならない。
b) 電圧回路及び電流回路が通常の使用中で接続されている場合,電圧回路の他の一端を“アース”に接
続して,試験電圧をその電流回路の端子と“アース”との間に印加する。複数の電圧回路をもち共通
点があれば,この点を“アース”に接続し,試験電圧を接続している電圧回路又は電流回路と“アー
ス”との間に連続してそれぞれ印加する。このとき,印加する電流回路の他端は開放しておく。
c) 電圧回路及び電流回路が通常の使用状態で分離して適切に絶縁されている場合,電圧回路及び電流回
路それぞれ別々に試験する。電流回路では,試験をしない他の回路の端子を“アース”に接続し,電
流回路の端子の一つと“アース”との間に試験電圧を印加する。電圧回路では,他の回路の端子と試
験する電圧回路の端子の一つを“アース”に接続し,その電圧回路の他の端子と“アース”との間に
試験電圧を印加する。
d) 駆動電圧40 Vを超え,計器の電圧回路又は変圧器と直接接続する補助回路は,電圧回路と短絡させて
試験を一緒に実施する。このとき,その他の補助回路には印加しない。
e) 計器の電気回路の端子及び駆動電圧40 Vを超える補助回路の端子は全て接続し,試験電圧を電気回路
と“アース”との間に印加する。このとき,駆動電圧40 V以下の補助回路は,“アース”に接続する。
表53−インパルス電圧の影響の試験条件
項目 条件
標準雷インパルス電圧波形 1.2/50 s
電圧立ち上がり時間 ±30 %
電圧降下時間 ±20 %
電源エネルギー 10.0 J±1.0 J
試験電圧 定格電圧110/3Vの計器 3 000 V
定格電圧100 V及び110 Vの計器 6 000 V
定格電圧240 Vの計器 10 000 V
試験電圧公差 0 %+10 %
7.4.9 地絡の影響
試験は,次による。
a) 定格周波数及び定格電圧の下で,力率0の10 Itrの負荷電流を通じて器差を測定する。
b) 定格周波数及び定格電圧の110 %の電圧の下で,図4に示すように計器の中性端子(P0)を試験装置
の接地線から外し,装置の各電圧端子(P1,P2及びP3)に取り付け,10秒経過後,有意誤りが生じな
――――― [JIS C 1273-2 pdf 41] ―――――
39
C 1273-2 : 2017
いことを調べる。
c) ) の試験後,計器を正常な接続状態に戻し,定格周波数及び定格電圧の下で,力率0の10 Itrの負荷
電流を通じて器差を測定し,地絡によって生じる器差の差を求める。
図4−試験配線図
7.4.10 補助装置の動作の影響
試験は,次による。
a) 定格周波数及び定格電圧の下で,力率0のItr及びImaxの負荷電流を通じて器差を測定する。
b) ) の条件で補助装置を動作させ,有意誤りが生じないことを調べる。
c) また,a) の条件で補助装置を動作させ,その動作中又は動作後において器差を測定し,補助装置を動
作させたことによって生じる器差の差を求める。
7.4.11 機械的性能の試験
7.4.11.1 振動の影響
試験は,計器を正常な姿勢に対して上下,左右及び前後の方向に,JIS C 60068-2-47及びJIS C 60068-2-64
の方法によって,表54に示す振動を加えた後に,機械的損傷がないことを調べる。また,定格周波数及
び定格電圧の下で,力率0の10 Itrの負荷電流を通じて,それぞれの振動を加える前及び後の器差を測定し,
それぞれの振動によって生じる器差の差を求める。
表54−振動の影響の試験条件
全周波数範囲 10 Hz150 Hz
全実効値レベル 7 m/s2
加速度スペクトル密度(ASD)レベル10 Hz20 Hz 1 m2/s3
加速度スペクトル密度(ASD)レベル20 Hz150 Hz −3 dB/oct
1軸当たり試験時間 2分以上
7.4.11.2 衝撃の影響
試験は,計器を正常な姿勢に対して上面,下面,左面,右面,前面及び背面の方向に,JIS C 60068-2-27
の方法によって,表55に示す衝撃を加えた後に,機械的損傷がないことを調べる。また,定格周波数及
び定格電圧の下で,力率0の10 Itrの負荷電流を通じて,それぞれの衝撃を加える前及び後の器差を測定し,
――――― [JIS C 1273-2 pdf 42] ―――――
40
C 1273-2 : 2017
それぞれの衝撃によって生じる器差の差を求める。
表55−衝撃の影響の試験条件
パルス波形 正弦半波
パルスの作用時間 18 ms
ピーク加速度 300 m/s2
回数 3回
7.4.12 粉じんの侵入の影響
試験は,JIS C 0920に規定するIP5Xに対するカテゴリー2の外郭への試験方法で実施した後,次の試験
を行う。
a) 7.5.1の絶縁抵抗
b) 7.5.2の商用周波耐電圧
c) 計器の内部に蓄積した粉じんの程度を目視によって調べる。
7.4.13 耐候性の試験
7.4.13.1 耐光性
促進耐候試験及び大気暴露試験を,表56の順序によって3回繰り返した後,直ちに計器の内部及び外部
の変化を目視によって調べる。
表56−耐光性試験の順序
順序 試験項目 試験区分
1 促進耐候試験 サンシャインカーボンによる照射を48時間
(降雨の条件は除く。)
2 大気暴露試験 大気中に48時間放置
(計器に雨水がかかってはならない。)
表56の試験は,次による。
a) 促進耐候試験は,計器を正常な姿勢で,無通電で,JIS K 2246に規定する方法によって照射時間を変
更して行う。
b) 大気暴露試験は,基準環境に準じた地区において,日当たりの良い芝生地又はこれに準じた場所に,
アンダグラス試験台を正南面に設置し,計器をこれに取り付けて無通電で行う。アンダグラス試験台
は,JIS C 1281の4.3(耐光性試験)による。
7.4.13.2 高温乾燥の影響
試験は,定格周波数及び定格電圧の下で,力率0の10 Itrの負荷電流を通じて器差を測定した後,次の条
件でJIS C 60068-2-2及びJIS C 60068-3-1に従い,図5のように行う。
a) 試験温度は,70 ℃とする。
b) 温度変化は,毎分1 ℃以内とし,絶対湿度変化は毎分20 g/m3以内とする。
c) 高温乾燥の状態で計器を2時間放置した後,計器の機能に支障がなく,有意誤りが生じないことを調
べる。
d) 放置後,定格周波数及び定格電圧の下で,力率0の10 Itrの負荷電流を通じて器差を測定し,高温乾燥
状態によって生じる器差の差を求める。
――――― [JIS C 1273-2 pdf 43] ―――――
41
C 1273-2 : 2017
注記 試験は,器差測定を除き,計器を非動作状態にして行う。
また,図中の機能確認には,力率0のItr及び力率0.866の10 Itrの負荷条件の器差測定を含む。
図5−高温乾燥の試験
7.4.13.3 低温の影響
試験は,定格周波数及び定格電圧の下で,力率0の10 Itrの負荷電流を通じて器差を測定した後,次の条
件でJIS C 60068-2-1及びJIS C 60068-3-1に従い,図6のように行う。
a) 試験温度は,−25 ℃とする。
b) 温度変化は,毎分1 ℃以内とする。
c) 低温の状態で計器を2時間放置した後,計器の機能に支障がなく,有意誤りが生じないことを調べる。
d) 放置後,定格周波数の定格電圧の下で,力率0の10 Itrの負荷電流を通じて器差を測定し,低温状態に
よって生じる器差の差を求める。
――――― [JIS C 1273-2 pdf 44] ―――――
42
C 1273-2 : 2017
注記 試験は,器差測定を除き,計器を非動作状態にして行う。
また,図中の機能確認には,力率0のItr及び力率0.866の10 Itrの負荷条件の器差測定を含む。
図6−低温の試験
7.4.13.4 高温高湿の影響
試験は,定格周波数及び定格電圧の下で,力率0の10 Itrの負荷電流を通じて器差を測定した後,定格電
圧を印加した状態で,JIS C 60068-2-30,JIS C 60068-2-78及びJIS C 60068-3-4に規定する方法で,次の試
験を実施する。試験の条件は,附属書Dも参照する。
a) 屋内形計器の場合
1) 試験環境の温度を30 ℃,湿度を85 %の状態において2日間放置する。
2) 放置後,計器の機能確認を行い,定格周波数及び定格電圧の下で,力率0の10 Itrの負荷電流を通じ
て器差を測定し,高温高湿状態によって生じる器差の差を求める。
3) さらに24時間経過させ,有意誤りが生じないことを調べる。
4) 機械的損傷及び腐食の痕跡がないか調べる。
b) 屋内耐候形計器の場合
1) 試験環境の温度を25 ℃とする。
2) 試験環境の温度を25 ℃から40 ℃まで3時間かけて変化させる。40 ℃に達してからその温度にお
いて12時間放置する。
3) 試験環境の温度を40 ℃から25 ℃まで3時間以上6時間未満かけて変化させる。ただし,最初の1
時間30分における温度降下の割合は3時間かけて25 ℃に到達する時間とする。
4) 25 ℃に達した後,1回のサイクルが24時間となるように残りの時間を25 ℃に維持する。
5) 2)4) をさらに1回行う。
――――― [JIS C 1273-2 pdf 45] ―――――
次のページ PDF 46
JIS C 1273-2:2017の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.220 : 電気学.磁気学.電気的及び磁気的測定 > 17.220.20 : 電気的及び磁気的量の測定
JIS C 1273-2:2017の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
- JISC1210:1979
- 電力量計類通則
- JISC1281:1979
- 電力量計類の耐候性能
- JISC3307:2000
- 600Vビニル絶縁電線(IV)
- JISC60068-2-1:2010
- 環境試験方法―電気・電子―第2-1部:低温(耐寒性)試験方法(試験記号:A)
- JISC60068-2-2:2010
- 環境試験方法―電気・電子―第2-2部:高温(耐熱性)試験方法(試験記号:B)
- JISC60068-2-27:2011
- 環境試験方法―電気・電子―第2-27部:衝撃試験方法(試験記号:Ea)
- JISC60068-2-30:2011
- 環境試験方法―電気・電子―第2-30部:温湿度サイクル(12+12時間サイクル)試験方法(試験記号:Db)
- JISC60068-2-47:2008
- 環境試験方法―電気・電子―第2-47部:動的試験での供試品の取付方法
- JISC60068-2-64:2011
- 環境試験方法―電気・電子―第2-64部:広帯域ランダム振動試験方法及び指針(試験記号:Fh)
- JISC60068-2-78:2015
- 環境試験方法―電気・電子―第2-78部:高温高湿(定常)試験方法(試験記号:Cab)
- JISC60068-3-1:2016
- 環境試験方法―電気・電子―第3-1部:低温(耐寒性)試験及び高温(耐熱性)試験の支援文書及び指針
- JISC60068-3-4:2004
- 環境試験方法―電気・電子―第3-4部:高温高湿試験の指針
- JISC61000-4-11:2008
- 電磁両立性―第4-11部:試験及び測定技術―電圧ディップ,短時間停電及び電圧変動に対するイミュニティ試験
- JISC61000-4-2:2012
- 電磁両立性―第4-2部:試験及び測定技術―静電気放電イミュニティ試験
- JISC61000-4-3:2012
- 電磁両立性―第4-3部:試験及び測定技術―放射無線周波電磁界イミュニティ試験
- JISC61000-4-4:2015
- 電磁両立性―第4-4部:試験及び測定技術―電気的ファストトランジェント/バーストイミュニティ試験
- JISC61000-4-5:2018
- 電磁両立性―第4-5部:試験及び測定技術―サージイミュニティ試験
- JISC61000-4-6:2017
- 電磁両立性―第4-6部:試験及び測定技術―無線周波電磁界によって誘導する伝導妨害に対するイミュニティ
- JISC61000-4-8:2016
- 電磁両立性―第4-8部:試験及び測定技術―電源周波数磁界イミュニティ試験
- JISC61000-6-1:2019
- 電磁両立性―第6-1部:共通規格―住宅,商業及び軽工業環境におけるイミュニティ規格
- JISC61000-6-2:2019
- 電磁両立性―第6-2部:共通規格―工業環境におけるイミュニティ規格
- JISK2246:2018
- 防せい(錆)油