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D 2603 : 2005
表 3 マスタシリンダ耐久試験条件
条件 種類
1種 2種 3種
試験液 JIS K 2233に適合する液
温度 70±2 ℃(液温度) 120±2 ℃(液温度)120±2 ℃
又は 又は (液温度)
70±5 ℃(雰囲気温度) 120±5 ℃ 又は
(雰囲気温度) 120±5 ℃
ただし,受渡当事者(雰囲気温度)
間の協定によって
100±2 ℃(液温度)
又は
100±5 ℃
(雰囲気温度)
時間当たりの行程数 1 000±100回
ピストン行程 有効行程の約90 %
時間 120±2 h 70±2 h
最高液圧(3) 3.5±0.3 MPa 7±0.3 MPa
ピストンの行程と (1) プライマリカップが低圧でリリーフプライマリカップが低圧でリリーフポートを通過
液圧との関係(4) するように,ピストンの行程のうち,最初のL行
ポートを通過するように,ピストンの
程(5)で液圧が1.0 MPaを超えない範囲で徐々に上
行程のうち,最初のL行程(5)で液圧が
昇させ,残りの行程で最高液圧が7±0.3 MPaにな
1.0 MPaを超えない範囲で徐々に上昇
るようにする。ただし,最終行程の3.2 mm以内で
させ,残りの行程で最高液圧が3.5±
リリーフバルブによって,7±0.3 MPaを保持して
0.3 MPaになるようにする。ただし,
最終行程の3.2 mm以内でリリーフバもよい(図1の2で示す)。
ルブによって3.5±0.3 MPaを保持し
てもよい(図1の1で示す)。
ポートレス形の場合は,最高液圧がポートレス形の場合は,最高液圧が7±0.3 MPaに
なるようにする。ただし,最終行程の3.2 mm以内
3.5±0.3 MPaになるようにする。ただ
し,最終行程の3.2 mm以内でリリーでリリーフバルブによって,7±0.3 MPaを,保持
してもよい(図1の2で示す)。
フバルブによって,3.5±0.3 MPaを保
持してもよい(図1の1で示す)。
(2) マスタシリンダが装置される該当車両に使用するブレーキアッセンブリを実車に類似した
配管で結合し,かつ,シューとドラム,又はディスクパッドとディスクとのすき間を規定
値に調整し,必要に応じて適当な箇所に圧力リリーフバルブを設けた装置による。
なお,ブレーキ補機(バルブ類)を使用するものについては,該当部品を実車に類似し
た配管で結合する。
注(3) 1種における最高液圧は,通常3.5±0.3 MPaとする。ただし,受渡当事者間の協定によって7
±0.3 MPaとしてもよい。
(4) ピストンの行程と液圧との関係は,(1)又は(2)から選択することができる
(5) L=H+χ
ここに, L : プライマリカップがリリーフポートを通過するのに必要な行程 (mm)。た
だしタンデムマスタシリンダのプライマリピストンの行程(Lp)は,セコ
ンダリピストンの行程(Ls)の約2倍とする。
H : プライマリカップの高さ(mm)
χ : 5.2b)によるリリーフポートが閉じるまでの行程(mm)
――――― [JIS D 2603 pdf 6] ―――――
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D 2603 : 2005
a) タンデムマスタシリンダ b) シングルマスタシリンダ
図 1 マスタシリンダのピストンの行程と液圧との関係
5.5 保存腐食性
マスタシリンダの保存腐食性は,JIS D 2605の6.9(保存腐食性試験)に規定する試験
を行い,試験後プッシュロッドを数回往復させたときに,ピストンは有効行程にわたって滑らかに作動し
なければならない。また,マスタシリンダは,JIS D 2605の4.2(性能)に規定する保存腐食性の規定に適
合しなければならない。
5.6 リザーバ容量
マスタシリンダを実車状態(6)に取り付け,シリンダボデー内及びリザーバに試験液
を満たし,リリーフポート又は,シリンダとリザーバとの連結穴の上面が出るまで試験液を取り去る。次
に,メスシリンダを使ってリザーバの指示レベル(最大又は最小)まで試験液を満たし,その液量を測定
する。リザーバ容量は,受渡当事者間の協定による値を満足しなければならない。
注(6) フィルタ及び液面警告装置の装着を含む。
5.7 真空保持力
マスタシリンダに真空供給源を接続し,接続する以外の大気連通部をすべて閉じ,マ
スタシリンダ内部の真空圧を−70 kPa以下にする。次に,真空供給源の接続を閉じ,安定したシリンダ内
部の真空圧を測定する。その真空圧は,受渡当事者間の協定による値に適合しなければならない。
6. 構造
マスタシリンダの構造は,ピストンの戻り位置(開放状態に戻った位置)では,シリンダボデ
ー内とリザーバとの間は,リリーフポート又は給液口によって連通し,液圧送出口から液圧又は空気圧を
加えたときに,試験液又は空気がリザーバに流出しなければならない。
マスタシリンダの構造の例を付図17に示す。
――――― [JIS D 2603 pdf 7] ―――――
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D 2603 : 2005
7. 主要寸法
7.1 シリンダボデー
シリンダボデーの主要寸法は,次による。
a) シリンダボデー内径の基準寸法及び有効行程は,表4による。
表 4 内径及び有効行程
単位 mm
内径 有効行程
呼び 基準寸法 タンデムマスタシリンダ シングルマスタシリンダ
5/8
15.87 28 30 32 36 38 40 20 25 30 35
11/16
17.46
3/4
19.05 40
13/16
20.64
7/8
22.22
15/16
23.81
1 25.40
1 1/16 26.99
1 1/8 28.57
1 1/4 31.75
1 3/8 34.93
1 1/2 38.10
1 5/8 41.30
1 3/4 44.45 50
備考1. 有効行程とは,ピストンが戻り位置から有効に作動できる最大範囲までの行程をいう。
2. シングルマスタシリンダの実車取付け状態での最大行程は,この有効行程の90 %以内が望ま
しい。
b) シリンダボデー内径の寸法許容差は,表4に示す基準寸法に対して,JIS B 0401-1に規定するH9とす
る。ただし,基準寸法25.40 mm以下の内径は,H9の上の寸法許容差に0.020 mmを加えたものとす
る。
c) シリンダボデーの内面の表面粗さの許容最大値は,JIS B 0633の5.3(最大値ルール)によって2 mRz
とする。
7.2 ピストン
ピストンの滑り面の外径公差は,表4に示すシリンダボデー内径の基準寸法に対して,
JIS B 0401-1に規定するIT8とする。また,プランジャの滑り面の表面粗さの許容最大値は,JIS B 0633
の5.3(最大値ルール)によって2 mRzとする。
7.3 ねじ
液圧経路に使用するねじは,メートル並目ねじ又はメートル細目ねじとし,その精度はJIS B
0209-1の規定による6H又は6 gとする。
8. 外観
マスタシリンダの外観は,次による。
a) 機能上必要と認められる金属部分には,適切な方法でさび止め処理が施されていなければならない。
b) シリンダボデー及びリザーバの内部には,ごみ,切りくず,砂などが付着していてはならない。
――――― [JIS D 2603 pdf 8] ―――――
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D 2603 : 2005
c) シリンダボデーのプライマリカップ,プレッシャカップ及びセコンダリカップの滑り面の有効行程に
は,有害なきず,鋳巣,ピンホール,さびなどがあってはならない。
d) インレットバルブ,チェックバルブ及び弁座には,有害なきず,ばりなどがあってはならない。
e) ブーツの肉厚には,著しい偏肉があってはならない。
f) ピストンにスペーサが附属するものは,同心に正しく確実に保持されていなければならない。
9. 主要部品の名称及び材料
9.1 部品名称
マスタシリンダの主要部品の名称は,タンデムマスタシリンダについては付図14,シ
ングルマスタシリンダについては付図57による。
9.2 材料
マスタシリンダの主要部品の材料は,通常タンデムマスタシリンダについては付図14,シ
ングルマスタシリンダについては付図57による。ただし,通常チェックバルブ用ゴム(バルブシートを
含む。)及びインレットバルブ用ゴムは表5,ブーツは表6による。
表 5 チェックバルブ及びインレットバルブのゴム材料
項目 適用するマスタシリンダの種類 試験方法
1種 2種及び3種
常態 硬さ A60±5,A65±5,A70±5又はA80±5 JIS D 2605の7.1(常態試験)に規定
引張強さ 10 MPa以上 する方法による。
伸び 300 %以上
ただし,材料の硬さがA70±5の場合には
200 %以上,A80±5の場合には130 %以
上とする。
老化性 試験温度及び時間 70±2 ℃ 120±2 ℃ JIS D 2605の7.2(老化性試験)に規
(7) 70±2 h 70±2 h 定する方法による。
硬さ変化 A−5+5 A−5+5
引張強さ変化率 25 %以下 40 %以下
(低下率)
伸び変化率 25 %以下 40 %以下
(低下率)
圧縮永久ひ 試験温度及び 70±2 ℃ 120±2 ℃ JIS D 2605の7.3(圧縮永久ひずみ試
ずみ 時間(7) 22±1 h 22±1 h 験)に規定する方法による。
圧縮永久ひずみ 30 %以下
耐液性 試験温度及び時間 70±2 ℃ 120±2 ℃ JIS D 2605の7.4(耐液性試験)に規
(7) 120±2 h 70±2 h 定する方法による。
試験液(7) JIS K 2233に適合する液又は受渡当事者
間の協定によって定めた液とする。
硬さ変化 A−100 A−150
引張強さ変化率 25 %以下 40 %以下
(低下率)
伸び変化率(低下 25 %以下 40 %以下
率)
体積変化率 015 % 020 %
沈殿物 試験液中に有害な沈殿物を生じてはなら
ない。
注(7) この項目は,試験条件を示す。
――――― [JIS D 2603 pdf 9] ―――――
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D 2603 : 2005
表 6 ブーツのゴム材料
項目 適用するマスタシリンダの種類 試験方法
1種 2種及び3種
常態 硬さ A50±5又はA60±5 JIS D 2605の7.1
引張強さ 10 MPa以上 (常態試験)に規定する方
伸び 300 %以上 法による。
老化性 試験温度及び 70±2 ℃ 120±2 ℃ JIS D 2605の7.2
時間(7) 70±2 h 70±2 h (老化性試験)に規定する
硬さ変化 A05 A010 方法による。
引張強さ変化率 25 %以下 40 %以下
(低下率)
伸び変化率(低下率) 25 %以下 40 %以下
圧縮永久ひずみ 試験温度及び 70±2 ℃ 120±2 ℃ JIS D 2605の7.3
時間(7) 22±1 h 22±1 h (圧縮永久ひずみ試験)に
圧縮永久ひずみ 30 %以下 40 %以下 規定する方法による。
耐寒性 試験温度及び時間(7) −43−40 ℃,22±1 h JIS D 2608の6.5
低温曲げ き裂の発生があってはならない。 (低温作動性試験)に規定
する方法による。
耐オゾン性 オゾン濃度(7) 500±50 ppb JIS K 6259の5.
試験温度(7) 40±2 ℃ (静的オゾン劣化試験)に規
伸び(静的)(7) 定する方法による。
48 h又は受渡当事者間の協定によって72 h。
外観 10倍の拡大鏡で確認できるが,肉眼で確認
できるき裂があってはならない。
(JIS K 6259の附属書1に規定するA-1相当)
注(7) この項目は,試験条件を示す。
10. 表示
マスタシリンダには,見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の事項を表示する。
a) シリンダボデー内径の呼び又は基準寸法を示す数値
b) 製造業者又はその略号
――――― [JIS D 2603 pdf 10] ―――――
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JIS D 2603:2005の国際規格 ICS 分類一覧
JIS D 2603:2005の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
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- JISB0401-1:2016
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―長さに関わるサイズ公差のISOコード方式―第1部:サイズ公差,サイズ差及びはめあいの基礎
- JISB0633:2001
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―表面性状:輪郭曲線方式―表面性状評価の方式及び手順
- JISB2704:2000
- 圧縮及び引張コイルばね ― 設計・性能試験方法
- JISD2605:2005
- 自動車部品-非鉱油系液圧ブレーキシリンダのゴムカップ
- JISD2608:2012
- 自動車部品―非鉱油系液圧ブレーキホイールシリンダのゴムブーツ
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- 一般構造用圧延鋼材
- JISG3101:2020
- 一般構造用圧延鋼材
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- JISG3141:2021
- 冷間圧延鋼板及び鋼帯
- JISG3521:2018
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- JISG3522:2014
- ピアノ線
- JISG4051:2016
- 機械構造用炭素鋼鋼材
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- ステンレス鋼棒
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- 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム―耐オゾン性の求め方