JIS K 0092:1998 排ガス中のメルカプタン分析方法

JIS K 0092:1998 規格概要

この規格 K0092は、排ガス中のメルカプタン(チタン)を分析する方法について規定。

JISK0092 規格全文情報

規格番号
JIS K0092 
規格名称
排ガス中のメルカプタン分析方法
規格名称英語訳
Methods for determination of mercaptan in flue gas
制定年月日
1975年8月1日
最新改正日
2017年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

13.040.40, 71.040.40
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
環境測定 I-1 2021, 環境測定 I-2 2021, 環境測定 II 2021
改訂:履歴
1975-08-01 制定日, 1978-09-01 確認日, 1983-02-01 改正日, 1988-04-01 確認日, 1994-06-01 確認日, 1998-03-20 改正日, 2003-04-20 確認日, 2008-01-20 確認日, 2012-10-22 確認日, 2017-10-20 確認
ページ
JIS K 0092:1998 PDF [9]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
K 0092 : 1998

排ガス中のメルカプタン分析方法

Methods for determination of mercaptan in flue gas

1. 適用範囲 この規格は,排ガス中のメルカプタン(チオール)を分析する方法について規定する。
備考1. この規格において,排ガスとは,化学反応などにおいて,煙道,煙突,ダクトなどに排出さ
れるガスをいう。
2. この規格の引用規格を付表1に示す。
2. 共通事項 化学分析方法,排ガスの試料採取方法,吸光光度分析,及びガスクロマトグラフ分析に共
通する事項については,それぞれJIS K 0050,JIS K 0095,JIS K 0115及びJIS K 0114による。
3. 分析方法の種類及び概要 分析方法の種類及び概要は表1のとおりとする。
表1 分析方法の種類及び概要
分析方法の種類 分析方法の概要 適用条件
要旨 試料採取 定量範囲
vol ppm
ジメチルフェニレンジ 吸収瓶法
試料ガス中のメルカプタンを吸収液に吸収さ 採取量 5.1.1による。
アミン吸光光度法 吸収液;酢酸水銀 (II)
せたのち,N, N−ジメチル−p−フェニレンジ 10lのとき
溶液
アミンと塩化鉄 (III) の混合溶液を加えて発 0.510
液量 : 20ml×2
色させ,吸光度 (505nm) を測定する。 100lのとき
0.050.5
ガスクロマトグラフ法
試料ガスを採取し,ガスクロマトグラフに導 0.05以上
真空捕集瓶法又は捕集
バッグ法
入して得られたクロマトグラムからメルカプ (炎光光度検
タンを定量する。 出器)
4. 試料ガス採取方法 試料ガス採取方法は,次による。
分析に用いる試料ガスの採取位置は,代表的なガスが採取できる点の位置を選び,同一採取位置におい
て,近接した時間内で2回以上採取し,それぞれ分析に用いる。
試料ガスの採取方法は,吸収瓶法,真空捕集瓶法又は捕集バッグ法による。
4.1 吸収瓶法 この方法は,吸光光度法に適用する。
4.1.1 試薬及び試薬溶液の調製
(1) 試薬
(a) 水 JIS K 0557に規定する種別A2のもの。
(b) 酢酸 JIS K 8355に規定するもの。
(c) 酢酸水銀(II) IS K 8369に規定するもの。
(2) 試薬溶液(吸収液)の調製方法 酢酸水銀 (II) 50gを水400mlに溶かし,酢酸25mlを加え,更に,水

――――― [JIS K 0092 pdf 1] ―――――

2
K 0092 : 1998
を加えて1lとする。
4.1.2 器具及び装置
(1) 吸収瓶 JIS K 0095の図3(吸収瓶の例)(a)又は(d)の容量50mlのもの。
(2) 試料ガスの採取装置 試料ガスの採取装置は,JIS K 0095の図2(a)[吸収瓶法(試料ガス採取量をガ
スメーターで計測する場合)]による。
4.1.3 試料ガスの採取及び分析用試料溶液の調製
(1) 試料ガスの採取
(a) 吸収瓶2個を用意し,それぞれに吸収液20mlを入れる。
(b) 試料ガスの吸引流量は12l/min程度とする。採取ガス量の測定と同時にガスメーターにおけるガ
スの温度及び圧力をはかっておく。
備考 試料ガス採取量は,排ガス中のメルカプタン濃度に応じて,表2に示すように採取する。
表2 試料ガス採取量
メルカプタン濃度 vol ppm 試料ガス採取量 l
0.050.5 100
0.5を超え10未満 10
(2) 分析用試料溶液の調製
(a) 試料ガスの吸引終了後,全吸収瓶中の溶液(1)を全量フラスコ50mlに移し,吸収瓶を吸収液で洗浄
し,全吸収液を合わせて吸収液を標線まで加え,これを分析用試料とする。
注(1) 硫化水素が共存すると白濁する。
4.2 真空捕集瓶法及び捕集バッグ法 この方法はガスクロマトグラフ法に適用する。
4.2.1 器具及び装置
(1) 真空捕集瓶 JIS K 0095の図4(b-2)(真空捕集瓶)に示す内容積1lのガラス製瓶(2)。
注(2) 内部をあらかじめりん酸約2g/lを含むアセトンで洗浄し,乾燥させておく。
(2) 捕集バッグ JIS K 0095の図4(c)[捕集バッグ(合成樹脂フィルム製)]に示すふっ素樹脂製(3)で内容
積約5lのもの。図1に示す試料採取容器に装着して使用する。
注(3) フィルムの厚さ50 度のものを使用する。
(3) 試料ガスの採取装置 試料ガス採取装置は,JIS K 0095の図2(c)[真空フラスコ法(真空捕集瓶法)]
及び(e)[捕集バッグ法(間接法)]による。
4.2.2 試料ガスの採取 JIS K 0095の5.4〔真空捕集瓶法[シリコーンゴム栓付真空捕集瓶(図2c)の場
合]〕及び5.6〔捕集バッグ法[間接法(図2e)の場合]〕による。
(1) 真空捕集瓶の場合 試料ガス採取に先立ち,除湿管を通して捕集瓶をあらかじめ真空に脱気しておき,
導管(4)を通して試料ガスを吸引採取(5)する。
注(4) 採取管,導管などの材質は,硬質ガラス,ふっ素樹脂などを用いる。
(5) メルカプタンは,捕集瓶内に吸着したり,空気酸化を受けやすいので,試料採取後は速やかに
分析すること。
(2) 捕集バッグの場合 捕集バッグを図1に示す気密容器に入れ,コック (F) につなぐ。次に導管 (A) と
吸引ポンプ (E) をつないで,捕集バッグ内を脱気した後コック (F) を閉じる。吸引ポンプを図1のよ
うにつなぎかえて導管を測定箇所に入れる。コック (F, G) を開いて,吸引ポンプを作動させ,気密容
器内を減圧にして捕集バッグに試料ガスを採取し,コック (F) を閉じる。吸引ポンプを止めて,捕集
バッグを容器から取り出し,シリコーンゴムで栓をしておく。

――――― [JIS K 0092 pdf 2] ―――――

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図1 試料採取容器(一例)
5. 定量方法
5.1 ジメチルフェニレンジアミン法
5.1.1 適用条件 この方法は,試料ガス中に二酸化硫黄及び二酸化窒素が各200volppm以上,硫化水素が
1volppm以上共存すると影響を受けるので,その影響を無視又は除去できるときに適用する。
5.1.2 試薬及び試薬溶液の調製
(1) 試薬
(a) 塩化鉄 (III) 六水和物(試薬) JIS K 8142に規定するもの。
(b) 塩酸 JIS K 8180に規定するもの。
(c) 酢酸鉛 (II) 三水和物 JIS K 8374に規定するもの。
(d) 硝酸 JIS K 8541に規定するもの。
(e) メチルメルカプタン(メタンチオール)
(f) , N−ジメチル−p−フェニレンジアミン
(2) 試薬溶液の調製
(a) 鉛メチルメルカプチド 酢酸鉛を用いて調製した酢酸鉛溶液 (100g/l) にメチルメルカプタン(メタ
ンチオール)を通し,鉛メチルメルカプチドの黄色の結晶をつくる。これをろ過し,水で洗浄して
約16時間,45℃で減圧乾燥したもの。この結晶は窒素ガスで置換したデシケーターに入れ,暗所に
保存する。
(b) 塩化鉄 (III) 溶液 塩化鉄 (III) 六水和物67.6gに水500mlを加えて溶かし,硝酸72mlを加え,更
に,水を加えて1lにしたもの。

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(c) ジメチルフェニレンジアミン溶液 N, N−ジメチル−p−フェニレンジアミン塩酸塩5gを塩酸1lに
溶かしたもの。この溶液は,褐色瓶に保存する。
(d) 発色溶液 塩化鉄 (III) 溶液1容とジメチルフェニレンジアミン溶液3容を混合したもの。この溶
液は,使用の都度調製する。
(e) メチルメルカプタン検量線用溶液 鉛メチルメルカプチド150.7mgを吸収液に溶かして100mlとし,
これをメチルメルカプタン検量線用原液とする。この原液5mlを取り,吸収液で薄め500mlにした
もの。この溶液は使用の都度調製する。この溶液1mlは,0.002 24ml CH3SH (0℃,101.32kPa) に相
当する。
5.1.3 操作 操作は,次の手順で行う。
(1) 分析用試料溶液20mlを全量フラスコ25mlにとり,これに発色溶液2mlを加え,更に,吸収液を標線
まで加える。
(2) よく振り混ぜて30分間放置する。
(3) この溶液の吸光度を波長505nm付近で,発色溶液2mlに吸収液を加えて正確に25mlとした液を対照
として測定する(6)。
注(6) 使用済み吸収発色溶液には水銀化合物が含まれているので,廃液の処理には特に注意すること。
(4) あらかじめ作成した検量線からメルカプタン濃度 (volppm) を求める。
5.1.4 検量線の作成 メチルメルカプタン検量線用溶液020mlを全量フラスコ25mlに段階的(例えば,
0, 5, 10, 15, 20ml)にとり,発色溶液2mlを加え,更に,吸収液を標線まで加える。以下,5.1.3の操作を行
い,メチルメルカプタン濃度 (ml/ml) と吸光度との関係線を作成する。
5.1.5 計算 試料ガス中のメルカプタン濃度を次の式によって算出する。
50
A 25
C 20 1 000
Vs
ここに, C : 試料ガス中のメルカプタン濃度 (volppm)
A : 検量線から求められたメルカプタン濃度 (ml/ml)
Vs : JIS K 0095の5.1.7(試料ガス採取量)で求めた試料ガス採取量 (l)
5.2 ガスクロマトグラフ法
5.2.1 試薬及び試薬溶液の調製
(1) 試薬
(a) 水 JIS K 0557に規定する種別A2のもの。
(b) 塩化ナトリウム JIS K 8150に規定するもの。
(c) 硝酸 JIS K 8541に規定するもの。
(d) 硝酸銀 JIS K 8550に規定するもの。
(e) デキストリン水和物 JIS K 8646に規定するもの。
(f) 硫酸アンモニウム鉄 (III) ・12水 JIS K 8982に規定するもの。
(g) チオシアン酸アンモニウム JIS K 9000に規定するもの。
(2) 試薬溶液の調製方法
(a) 0.1mol/l硝酸銀溶液 硝酸銀16.99gを水に溶かして全量フラスコ1 000mlに入れ,水を標線まで加
え,塩化ナトリウムを用いて標定したもの。
[標定] 500650℃で乾燥した塩化ナトリウム1.461gを正しくはかり,水に溶かして全量フラス

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コ250mlに入れ水を標線まで加える。その25mlをフラスコにとり,水を加えて液量を約50mlとし,
これにデキストリンを用いて調製したデキストリン溶液 (20g/l) 5mlとフルオレセインナトリウム溶
液 (2g/l) 1, 2滴を加え静かにかき混ぜながら,0.1mol/l硝酸銀溶液で滴定する。黄緑の蛍光が消失し
てわずかに赤みを呈するときを終点とする。これに要した0.1mol/l硝酸銀溶液の量から,次の式に
よってファクターを算出する。
25
f1
x
ここに, f1 : 0.1mol/l硝酸銀溶液のファクター
x : 滴定に要した0.1mol/l硝酸銀溶液の量 (ml)
(b) 0.025mol/l硝酸銀溶液 0.1mol/l硝酸銀溶液250mlを全量フラスコ1 000mlに入れ,水を標線まで加
えたもの。
(c) 鉄みょうばん指示薬 硫酸アンモニウム鉄 (III) ・12水40gを水60mlに溶かした後,硝酸を用いて
調製した硝酸 (6mol/l) 20mlを加え,更に,水を加えて全量を100mlとし,使用直前にこの溶液を煮
沸して窒素酸化物を除去し,水で4倍に希釈したもの。
(d) 0.1mol/lチオシアン酸アンモニウム溶液 チオシアン酸アンモニウム約8gを水1lに溶かし硝酸銀溶
液を用いて標定したもの。
[標定] 0.1mol/l硝酸銀溶液25mlをコニカルビーカー300mlにとり,水約25ml,鉄みょうばん指
示薬2ml,硝酸約2ml及びニトロベンゼン10mlを加え,よく振り混ぜながらチオシアン酸アンモニ
ウム溶液で滴定する。褐色を呈したときを終点とする。これに要した0.1mol/lチオシアン酸アンモ
ニウム溶液の量から次の式によってファクターを算出する。
25 f1
f2
x
ここに, f2 : 0.1mol/lチオシアン酸アンモニウム溶液のファクター
f1 : 0.1mol/l硝酸銀溶液のファクター
x : 滴定に要した0.1mol/l硝酸銀溶液の量 (ml)
(e) 0.025mol/lチオシアン酸アンモニウム溶液 0.1mol/lチオシアン酸アンモニウム溶液250mlを全量フ
ラスコ1 000mlに入れ,水を標線まで加えたもの。
(f) メチルメルカプタン検量線用溶液 内容積250mlの注射器にメチルメルカプタンガス(純度99%以
上)50ml及びn−ヘプタン(7)50mlを採取し,ふっ素樹脂製の栓をして振り混ぜて検量線用原液とす
る。これをn−ヘプタンで希釈して1 汎 にそれぞれ0.1ng, 0.5ng, 2ng程度のメチルメルカプタンを
含む溶液を正確に調製したもの。
注(7) メルカプタンと反応する成分を含まないこと。
なお,5.2.3(1)の分析条件でメルカプタン又は妨害成分が含まれていないことを確かめる。
[標定] 溶液5mlを容量250mlの共栓付三角フラスコにとり,エタノール15ml及び0.025mol/l
硝酸銀溶液15mlを加えて密栓し,5分間激しく振り混ぜる(濁りが生じる場合には,更に,エタノ
ール数mlを加え,濁りを消失させる。)。次に,この溶液に鉄みょうばん指示薬35mlを加え,
0.025mol/lチオシアン酸アンモニウム溶液で淡桃色となるまで滴定する。滴定後の液を振り混ぜた後,
硝酸銀溶液 (0.025mol/l) で淡桃色が消えるまで滴定する。
次に,チアシオン酸アンモニウム溶液 (0.025mol/l) で淡桃色となるまで滴定する。これらの標定
の結果から,次の式によってメチルメルカプタン検量線用溶液の濃度を算出する。
x=0.24× (15−愀 f2+b×f1−c×f2)

――――― [JIS K 0092 pdf 5] ―――――

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