JIS K 0094:1994 工業用水・工場排水の試料採取方法 | ページ 2

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図4.2 ハイロート採水器の一例
(2) 操作 操作は,次のとおり行う。
(a) ハイロート採水器のつり下げ用ロープ,開栓用鎖など各部に異状がないことを確かめる(7)(8)。
(b) あらかじめ採取場所の水で洗浄した試料容器を取り付け,共栓を開栓用保持金具に固定する(9)。
(c) つり下げ用ロープで採水器を採取位置の深度まで静かに沈め,深度を確認する。
(d) 開栓用鎖を引いて開栓し,しばらく放置して試料を採取する。
(e) 開栓用鎖を緩めて栓を閉じた後,採水器を引き上げ,試料容器を取り外し密栓する。
注(7) 取扱い方は,採水器の取扱説明書に従う。
(8) つり下げ用ロープには,あらかじめ深度ごとの目印を付けておく。
(9) 採水器を水中に落として失わないようにするために,つり下げ用ロープの手元は固定しておく
とよい。
備考1. 簡易なものとしては,試料容器を,おもり付きつり下げ用ロープで固定したものも用いられ
る。採水用ひもを引いて軟質塩化ビニル管を外すことによって試料を採取する。おもり付き
つり下げ用ロープによる試料容器の固定を確実に行わないと栓を抜くときに試料容器が外れ

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やすいので注意する。
4.1.4 バンドーン採水器による採取 バンドーン採水器を用い,貯水槽,水路,河川,湖沼,井戸,海域
などにおける各深度の試料を採取する方法である。
(1) 器具 器具は,次のとおりとする。
(a) バンドーン採水器 合成樹脂製円筒(10)(11)の上下に合成ゴムのふたを取り付けたもの。図4.3にバン
ドーン採水器の一例を示す。
(b) 試料容器 3.による。
注(10) 円筒には,ポリエチレン製の不透明のもの,アクリル樹脂製やポリカーボネート製などの透明
のものがある。
(11) 円筒の容量は,120lのものがある。
図4.3 バンドーン採水器の一例
(2) 操作 操作は,次のとおり行う。
(a) バンドーン採水器のメッセンジャー受け,上下のふた,ゴムふた用ワイヤ,つり下げ用ロープなど

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各部に異状のないことを確かめる(7)(8)。
(b) あらかじめバンドーン採水器の円筒と上下のふた,バケツ類(1)を採取場所の水で洗う。
(c) 上下のふたをワイヤ止め金具に取り付ける(9)(12)。
(d) つり下げ用ロープでバンドーン採水器を採取位置の深度まで静かに沈め,深度を確認する。
(e) バンドーン採水器を2,3回上下させ,円筒内の水を十分に入れ換えた後,メッセンジャーを落とし,
円筒の上下のふたを閉じ試料を採取する。
(f) バンドーン採水器を引き上げ,円筒の試料取出し用ピンチコック付き軟質塩化ビニル管を開いて試
料の一部でバケツ類を洗浄した後,試料をバケツ類に移す(13)。
(g) 試料をかき混ぜながらこの試料で試料容器を12回洗浄した後,満水(2)になるまで流し入れ密栓す
る。
注(12) メッセンジャー受けのばねが弱くなると,採取の途中で円筒のふたが閉じることがあるので注
意する。
(13) バンドーン採水器の試料取出し口に軟質塩化ビニル管を取り付け,試料容器に流し入れてもよ
い。しかし,試料中の懸濁物が採水器の円筒に沈降し,懸濁物が不均一になることがあるので
注意する。
備考2. 採水器を用いる方法には,絶縁採水器(図4.4の一例)によって採取する方法がある。その場
合の試料容器,操作は4.1.4に準じる。

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図4.4 絶縁採水器の一例

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4.2 採水装置による採取

 採取場所の水を採水装置によって自動的に揚水して,試料容器に採取する方
法である。
4.2.1 間欠採取装置による採取 間欠採取装置によって試料を採取する。
(1) 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。
(a) 間欠採取装置 間欠採取装置(14)(15)(16)(17)(18)の採取方式には,水質計連動採取方式,間欠(又は定
時)採取方式,集中採取配管方式などがある。
水質計連動採取方式 水質自動計測器と連動させ,水質の変化を検出したときに水質自動計測器か
らの信号を受けて一定量の試料を自動的に採取する。必要に応じて低温保存装置を附属させる。水
質の異常値を検出したときの水の採取に用いる。図4.5に水質計連動採取方式の一例を示す。
間欠(又は定時)採取方式 水位計と連動させ,水位が一定値に達したときに水位からの信号を受
けて一定量の試料を自動的に採取する。設定した各時間ごとに一定量の水を自動的に試料容器に採
取する。必要に応じて低温保存装置を附属させる。間欠的に流出する水の採取に用いる。
集中採取配管方式 多数の採取場所の水を常時試験室などに送り込み,必要なときに必要な量の試
料を自由に採取できる方式。多数の試料を1か所で採取できる利点がある。工場,事業所などの水
質管理に用いる(19)(20)。図4.6に集中採取配管方式の一例を示す。
(b) 試料容器 3.による。
注(14) 間欠採取装置の採取方式,採取時間などの設定条件の範囲及び記録方法,内蔵する試料容器の
種類,容量,本数及び試料容器の低温保存方法などが異なるので,使用目的に応じて選定する。
(15) 間欠採取装置は高湿度の場所に置かれるので,装置の本体は合成樹脂製,又は合成樹脂などの
複合材料製若しくはステンレス鋼製とし,電気回路は防湿構造とする。試料導管は,耐食性の
材料(例えば,ステンレス鋼,合成樹脂製又は合成樹脂ライニング管など)を用いる。
(16) 間欠採取装置による試料採取では,あらかじめ試料導管内に滞留している水を自動的に排出で
きる機構が必要である。一般には試料採取の前に採取ポンプを作動させ,試料導管内の水を流
速0.8m/s以上で排出させ,設定した時刻に流路切換弁を切り換えて試料を採取する。試料導管
内の水を圧縮空気によって排出させる方法もある。
(17) 間欠採取装置の試料導管の先端は,採取位置の下流側に向けて取り付ける。ストレーナーが必
要な場合は,粗い目のもの(試料導管の内径より小さい目開きのもの。)を付ける。水路及び汚
水ますの場合には,流れの中央部に取り付け,表層の浮遊物質,底層の沈殿物を吸い込まない
ような位置を選び,水位の変動にも余裕のある深さとする。
(18) 水に懸濁物が多く含まれる場合は,採取ポンプの容量の大きいもの又は一軸偏心ポンプなどを
用いるとよく,これに逆洗機構又はポンプの逆回転洗浄機構を付け,懸濁物によるポンプなど
の閉そくを防止するとよい。配管系統は容易にスライムが付着するので定期的に洗浄する。
(19) 集中採取配管方式では,採取ポンプの容量を大きくし,試料導管内の水の流速を0.8m/s以上に
して送水する。試料導管には,試料採取の直前に分岐管を設ける。この分岐管に軟質塩化ビニ
ル管を取り付け,水を常時流出させる。試料導管と分岐管の水量比は2対15対1の割合にす
る。試料導管の距離が長く,途中で圧力損失が大きい場合には,途中にラインポンプを設け加
圧する。試料導管は定期的に洗浄する。
(20) 集中採取配管方式は,試料導管の距離が長くなるので,空中配管,地中配管では水温の変化を
防止する断熱対策が必要であり,地中配管では,フレキシブルジョイントの使用による破損防
止を行い,さらに埋設深さについても注意する。配管の立上り部分には空気抜き弁を設ける。

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