JIS K 2241:2017 切削油剤 | ページ 2

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表2−不水溶性切削油剤の性状
種類 性状
動粘度 脂肪油分 全硫黄分 銅板腐食 引火点 流動点 耐荷重能
mm2/s 質量分率 質量分率 100 ℃ 150 ℃
(40 ℃) % % 1h 1h ℃ ℃ MPa
N1種 1号 10 10未満 − − 1以下 70以上 −5以下 0.1以上
2号 未満 10以上
3号 10 10未満 130以上
4号 以上 10以上
N2種 1号 10 10未満 極圧添加 − 1以下 70以上 0.1以上
2号 未満 10以上 剤を含有
3号 10 10未満 し,5以下 130以上
4号 以上 10以上
N3種 1号 10 10未満 硫黄系極 2以下 2以上 70以上 0.15以上
2号 未満 10以上 圧添加剤
3号 10 10未満 を含有し, 130以上
4号 以上 10以上 1未満
5号 10 10未満 1以上 70以上 0.25以上
6号 未満 10以上 5以下
7号 10 10未満 130以上
8号 以上 10以上
N4種 1号 10 10未満 硫黄系極 3以上 − 70以上 0.15以上
2号 未満 10以上 圧添加剤
3号 10 10未満 を含有し, 130以上
4号 以上 10以上 1未満
5号 10 10未満 1以上 70以上 0.25以上
6号 未満 10以上 5以下
7号 10 10未満 130以上
8号 以上 10以上

4.3 水溶性切削油剤の種類及び性状

  水溶性切削油剤は,表3に示すように,希釈液の外観,表面張力,不揮発分などによってA1種A3種
に区分し,pH及び金属腐食によって更に細分する。また,箇条6によって試験したとき,表4に適合しな
ければならない。
表3−水溶性切削油剤の種類
種類 内容
A1種 水に溶けない成分(鉱油,脂肪油など),界面活性剤などからなり,水に加えて希釈
すると外観が乳白色になるもの。1号及び2号に分類する。
A2種 水に溶ける成分(界面活性剤など)単独,又は水に溶ける成分及び水に溶けない成
分(鉱油,脂肪油など)からなり,水に加えて希釈すると外観が半透明又は透明に
なるもの。1号及び2号に分類する。
A3種 水に溶ける成分からなり,水に加えて希釈すると外観が透明になるもの。1号及び2
号に分類する。

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表4−水溶性切削油剤の性状
種類 性状
外観 表面張力 不揮発 pH 金属腐食 乳化安定度 全硫黄 泡立ち
分 ml(室温,24 h) 分 試験
水 硬水
質量 油層 クリ 油層 クリ 質量
10−3 N/m 分率 ーム ーム 分率 ml
(室温)(25±1 ℃)
% (25±1 ℃)(室温,48 h) 層 層 % (24±2 ℃)
A1種 1号 乳白色 − 80以上 8.5以上 変色がないこと 0.5 2.5 2.5 2.5 5以下 1以下
10.5未満 (鋼板) 未満 以下 以下 以下
2号 8.0以上 変色がないこと
10.5未満 (アルミニウム
板及び銅板)
A2種 1号 半透明 40未満 30以上 8.5以上 変色がないこと −
又は透 10.5未満 (鋼板)
2号 明 8.0以上 変色がないこと
10.5未満 (アルミニウム
板及び銅板)
A3種 1号 透明 40以上 8.5以上 変色がないこと
10.5未満 (鋼板)
2号 8.0以上 変色がないこと
10.5未満 (アルミニウム
板及び銅板)
不揮発分及び全硫黄分は,原液における性状を規定し,それ以外の項目においては,A1種は基準希釈倍率10倍
の水溶液,A2種及びA3種は30倍の水溶液の性状を規定したものである。
希釈方法は,6.2による。

5 不水溶性切削油剤の試験方法

5.1 共通事項

  化学分析について共通する一般事項は,JIS K 0050,JIS Z 8402-1,JIS Z 8402-2,JIS Z 8402-6,及びJIS
Z 8103による。

5.2 試料採取方法

  不水溶性切削油剤は,JIS K 2251に規定する方法によって一次試料を採取し,そのまま二次試料とする。

5.3 動粘度試験方法

  動粘度試験方法は,JIS K 2283による。

5.4 脂肪油分試験方法

5.4.1  一般
脂肪油分試験方法は,けん化法による脂肪油分試験方法,又は赤外分光光度計による脂肪油分試験方法
のいずれかによる。
なお,測定によって,けん化法による脂肪油分試験方法と赤外分光光度計による脂肪油分試験方法との
の値において疑義が生じた場合は,赤外分光光度計による脂肪油分試験方法の値を採用する。
5.4.2 けん化法による脂肪油分試験方法
5.4.2.1 試験方法の概要
試料をけん化し,不けん化物とけん化物とに分離する。けん化物を酸分解し,脂肪酸分を定量して,脂
肪油分に換算する。

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5.4.2.2 試薬
試薬は,次による。
a) ジエチルエーテル JIS K 8103に規定するもの。
b) エタノール JIS K 8102に規定するもの。
c) アセトン JIS K 8034に規定するもの。
d) 1 mol/L水酸化カリウム・エタノール溶液 JIS K 8574に規定する水酸化カリウム6.6 gをb) のエタ
ノールの70容量%水溶液に加えて100 mlにしたもの。
e) 石油エーテル JIS K 8593に規定するもの。
f) フェノールフタレイン滴定用指示薬溶液 JIS K 8001に規定する滴定用指示薬溶液類の調製方法に従
って調製したもの。
g) メチルオレンジ滴定用指示薬溶液 JIS K 8001に規定する滴定用指示薬溶液類の調製方法に従って調
製したもの。
h) 塩酸 JIS K 8001に規定する1 mol/L塩酸。
i) 硫酸ナトリウム JIS K 8987に規定するもの。
5.4.2.3 試験手順
試験手順は,次による(図1参照)。
a) 試料約10 gを0.1 gの桁まで第1のフラスコ300 mlにはかりとり,1 mol/L水酸化カリウム・エタノー
ル溶液50 ml及び少量の沸石を加え,逆流冷却管を付けて水浴上で加熱し,約1時間沸騰させる。そ
の間フラスコを時々静かに振る。
b) けん化の終わった内容物は,第1の分液漏斗500 mlに移し,第1のフラスコを約40 mlの温水で2回
洗い,この洗浄水を第1の分液漏斗に加え室温に冷却する。
c) 冷却した後,けん化に用いた第1のフラスコを約50 mlの石油エーテルで2回洗う。石油エーテルは
洗いながら第1の分液漏斗に注加する。
d) 第1の分液漏斗は,栓を完全にして約1分間激しく振り,明らかに2層に分かれるまで静置する。
e) 2層に分離した後,下層は第2の分液漏斗300 mlに移し,これに石油エーテル50 mlを加えてd) と同
様に振って静置する。2層に分離した後,下層は第3の分液漏斗300 mlに移し,同様の試験手順を行
い,最後の下層を第1の蒸留フラスコ500 mlへ移す。
f) 石油エーテル溶液を合わせて第1の分液漏斗500 mlに入れる。第2及び第3の分液漏斗は,更に少量
の石油エーテル及び水で洗い,第1の分液漏斗500 mlに入れ,水30 mlを加え,振り混ぜて静置し,
2層に分けて下層を第1の蒸留フラスコ500 mlに加える。
g) 第1の分液漏斗の石油エーテル溶液は,更に水30 mlを加えて振り混ぜて洗浄する。この操作を,洗
液がフェノールフタレイン溶液を指示薬として紅色が消えるまで繰り返す。洗液は,第1の蒸留フラ
スコ500 mlに加える。
h) 第1の蒸留フラスコ500 mlにメチルオレンジ溶液を指示薬として赤変するまで塩酸を加える。少量の
沸石を入れ,逆流冷却管を付け,水浴上で約1時間加熱する。酸分解によって,脂肪酸が上層に浮上
する。
i) 酸分解した後,内容物を第4の分液漏斗500 mlに移す。第1の蒸留フラスコ500 mlは,約40 mlの温
水で2回洗い,洗浄温水は第4の分液漏斗500 mlに加え,室温に冷却する。
j) 第1の蒸留フラスコ500 mlが室温になったら,次に50 mlのジエチルエーテルで2回洗い,第4の分
液漏斗500 mlに注加する。

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k) 第4の分液漏斗500 mlは,栓を完全にして約1分間激しく振り,明らかに2層に分かれるまで静置す
る。
l) 2層に分離した後,下層は第5の分液漏斗300 mlに移し,これにジエチルエーテル50 mlを加えてk) と
同様に振って静置する。2層に分離した後,下層は第6の分液漏斗300 mlに移し,同様の試験手順を
行う。
m) ジエチルエーテル溶液を合わせて第4の分液漏斗500 mlに入れる。第5及び第6の分液漏斗は,更に
約10 mlのジエチルエーテルで2回洗い,第4の分液漏斗500 mlに入れる。
n) ジエチルエーテル溶液は,更に水30 mlずつで振り混ぜて洗浄し,洗液がメチルオレンジ溶液を指示
薬として赤色を呈しなくなるまで繰り返す。
o) ジエチルエーテル溶液は,約20 gの硫酸ナトリウム(無水)で脱水し,乾燥したろ紙でろ過し,第2
の蒸留フラスコ500 mlに移す。第4の分液漏斗及びろ紙は,約10 mlのジエチルエーテルで3回洗い,
第2の蒸留フラスコ500 mlに加える。
p) ジエチルエーテル溶液は,蒸留装置によって水浴上で加熱し,濃縮する。
q) 約30 mlになったら冷却して質量既知の丸底フラスコ100 mlに移す。第2の蒸留フラスコ500 mlを約
10 mlのジエチルエーテルで2回洗い,丸底フラスコ100 mlに合わせる。p) の試験手順と同様に蒸留
する。
r) アセトン3 mlを加え蒸留する。さらに,水浴上で軽い減圧にして残存する溶剤及び水分を除去し,真
空デシケーターに入れて恒量になるまで保持する。30分間の質量変化が試料に対して0.1 %以下の場
合には恒量とみなし,残量とする。
5.4.2.4 計算及び結果
脂肪油分は,オレイン酸グリセリドとして,次の式によって小数点以下2桁まで算出し,JIS Z 8401の
規則Aによって小数点以下1桁に丸める。
A .1048 100
ここに, A : 脂肪油分(質量分率 %)
B : 5.4.2.3 r) で得られた残量の質量(g)
m : 試料の採取量(g)
1.048 : 得られた脂肪酸全てをオレイン酸とみなし,脂肪油(オ
レイン酸グリセリド)に換算する係数
5.4.2.5 試験精度
試験精度は,次による。
a) 室内併行精度 同一試験室において,同一人が同一試験器で,引続き短時間内に同一試料を2回試験
したとき,試験結果の差は,脂肪油分10 %未満では平均値の5 %(相対)を超えてはならない。また,
脂肪油分10 %以上では平均値の3 %(相対)を超えてはならない。
b) 室間再現精度 異なる2試験室において,別人が別試験器で同一試料をそれぞれ1回試験して求めた
試験結果の差は,脂肪油分10 %未満では平均値の8 %(相対)を超えてはならない。また,脂肪油分
10 %以上では平均値の5 %(相対)を超えてはならない。

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試料
a) 第1のフラスコ300 mlに10 g。
(0.1 gまではかる。)
1 mol/L水酸化カリウム・エタノール溶液
還流加熱,1時間。
b) 温水,40 ml,2回。室温に冷却。
c) 石油エーテル50 ml 2回。第1の分液漏斗500 mlに移す。
d) (下層)
d) (上層)
e) 第2の分液漏斗300 mlに移す。
石油エーテル層 (不けん化物) 水層 (けん化物)
e) 石油エーテル50 ml
(下層)
f) (上層)
第3の分液漏斗300 mlに移す。
石油エーテル層 水層
f) e) 石油エーテル50 ml
e) (上層) e) (下層)
石油エーテル層 水層
f)
g) 水30 ml
フェノールフタレイン溶液
(上層) (下層)
石油エーテル層 水層
g)
e) 第1の蒸留フラスコ500 mlに移す。
不けん化物
h) メチルオレンジ溶液。塩酸。
除去 (1) 還流加熱(酸分解),1時間。
i) (2) 温水40 ml 2回。
j) (3) 冷却後ジエチルエーテル50 ml 2回。
i) ) (1),(2)及び(3)を第4の分液漏斗500 mlに移す。
図1−脂肪油分試験手順フロー図

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JIS K 2241:2017の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 2241:2017の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISG3141:2017
冷間圧延鋼板及び鋼帯
JISG3141:2021
冷間圧延鋼板及び鋼帯
JISH3100:2018
銅及び銅合金の板及び条
JISH4000:2014
アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JISK0050:2019
化学分析方法通則
JISK0117:2017
赤外分光分析通則
JISK2001:1993
工業用潤滑油―ISO粘度分類
JISK2251:2003
原油及び石油製品―試料採取方法
JISK2265-1:2007
引火点の求め方―第1部:タグ密閉法
JISK2265-3:2007
引火点の求め方―第3部:ペンスキーマルテンス密閉法
JISK2265-4:2007
引火点の求め方―第4部:クリーブランド開放法
JISK2269:1987
原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法
JISK2283:2000
原油及び石油製品―動粘度試験方法及び粘度指数算出方法
JISK2513:2000
石油製品―銅板腐食試験方法
JISK2519:2017
潤滑油―耐荷重能試験方法
JISK2541-3:2003
原油及び石油製品―硫黄分試験方法 第3部:燃焼管式空気法
JISK2541-4:2003
原油及び石油製品―硫黄分試験方法 第4部:放射線式励起法
JISK2541-5:2003
原油及び石油製品―硫黄分試験方法 第5部:ボンベ式質量法
JISK8001:2017
試薬試験方法通則
JISK8034:2006
アセトン(試薬)
JISK8102:2012
エタノール(95)(試薬)
JISK8103:2013
ジエチルエーテル(試薬)
JISK8122:2015
塩化カルシウム二水和物(試薬)
JISK8122:2021
塩化カルシウム二水和物(試薬)
JISK8574:2006
水酸化カリウム(試薬)
JISK8593:2015
石油エーテル(試薬)
JISK8848:2012
ヘキサン(試薬)
JISK8987:2006
硫酸ナトリウム(試薬)
JISR6111:2005
人造研削材
JISR6111:2020
人造研削研磨材
JISR6252:2006
研磨紙
JISZ8103:2019
計測用語
JISZ8401:2019
数値の丸め方
JISZ8402-1:1999
測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第1部:一般的な原理及び定義
JISZ8402-2:1999
測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第2部:標準測定方法の併行精度及び再現精度を求めるための基本的方法
JISZ8402-6:1999
測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第6部:精確さに関する値の実用的な使い方
JISZ8802:2011
pH測定方法