JIS K 3920:2009 フロアーポリッシュ試験方法 | ページ 5

                                                                                             15
K 3920 : 2009

18 耐水性

18.1 要旨

  フロアーポリッシュ皮膜の,水に対する抵抗性を評価する。

18.2 装置及び器具

  装置及び器具は,次による。
a) メスピペット JIS R 3505 に規定する呼び容量1 mL,目盛0.01 mLのガラス製のもの。
b) ペトリ皿 JIS R 3503 に規定する90 mm×15 mmのもの。

18.3 試験片

  箇条7に従って作製する。塗布後24時間経過したものを試験片として用いる。

18.4 操作

  操作は,次による。
a) 試験片の中央部に0.1 mLの水をメスピペットで滴下して,ペトリ皿で覆う。
b) 1時間静置した後,ペトリ皿を除き,試験片に残っている水滴を柔らかな布,紙などで吸い取ってか
ら1時間放置し,試験片の白化状態7) を目視で判定する。
注7) 白化状態とは,皮膜が水などによって浸され,膨潤・軟化することによって,つやが減少し,
皮膜が白くくもった状態をいう。

18.5 評価

  “白化現象 : あり”又は“白化現象 : なし”のいずれかを記録する。

19 耐洗剤性

19.1 要旨

  ポリマータイプの水性フロアーポリッシュ皮膜の洗剤に対する抵抗性を評価するために行う。洗浄試験
機・標準洗浄液・測定操作などについて規定する。

19.2 装置及び器具

  装置及び器具は,次による。
a) 恒温乾燥機 50±2 ℃に保つことのできるもの。
b) ビーカー JIS R 3503に規定する呼び容量1 000 mL のもの。
c) 洗浄試験機 図3に示すように試験片の上を白パッドが往復運動するもの。白パッドは,約300 mm
の区間を1分間に約37往復の速度で,その中央の約100 mmの間は,ほぼ等速に運動しなければなら
ない。
d) 洗浄用しゅう動部 白パッドを付けた,寸法が89 mm×38 mmで,押さえ質量(パッド押さえ台,白
パッド,おもりの合計)が500±100 gのもの。

――――― [JIS K 3920 pdf 21] ―――――

16
K 3920 : 2009
単位 mm
A : 電源スイッチ
B : 往復回転表示板
C : ベルト
D : 電動機
E : 回転軸
F : 試験片受皿
G : ブラシ押さえ台
H : ワイヤーロープ
図3−洗浄試験機の一例

19.3 試薬

  試薬は,次による。
a) 炭酸ナトリウム JIS K 8625 に規定するもの。
b) 高級アルコールエトキシレート 炭素数が1215の高級アルコールで,エチレンオキサイドの付加
モル数が1012のもの。

19.4 標準洗浄液

  ビーカーに,炭酸ナトリウム5 gと高級アルコールエトキシレート5 gと25±5 ℃のイオン交換水990
gとを入れて,透明になるまでかき混ぜる。

19.5 試験片

  試験片の調製は,次による。
a) 箇条7に従って作製する。ただし,フロアーポリッシュ塗布前の床材表面の光沢度を,7.4基材の調製
後に測定しておく。光沢度は,15.4とほぼ同じ要領で,15か所以上測定する。光沢度の測定値の最大
値及び最小値を除去して残った測定値の平均値を,フロアーポリッシュ塗布前の床材表面の光沢度G1
の値とする。
b) フロアーポリッシュ3回塗布後,室温で30分間以上乾燥させた後,50±2 ℃に保った恒温乾燥器中に
24時間放置する。
c) )の試験片を裁断して,50 mm×150 mmの試験片を6枚以上調製する。
d) 試験に供する各試験片は,15.4とほぼ同じ要領で,光沢度を3か所以上測定して,洗浄前の光沢度を
求める。同一条件の試験片は3枚以上とし,光沢度の測定値の最大値及び最小値を除去して残った測
定値の平均値を,洗浄前の光沢度G2の値とする。

19.6 操作

  操作は,次による。
a) 洗浄試験に使用する白パッドは,あらかじめ30秒間以上,25±5 ℃の標準洗浄液に浸せきした後に引
き上げ,液垂れがほぼ収まった状態で洗浄試験機に取り付ける。このとき,洗浄用しゅう動部の位置
は,試験片上以外の部分とする。
b) 試験片を洗浄試験機に取り付け,25±5 ℃の標準洗浄液10±2 mLを試験片上をほぼ覆うように注ぎ,
2分間放置した後,洗浄試験機の運転を開始する。
c) 洗浄試験機の駆動が25往復に達したら運転を止めて,試験片を取り外して流水で十分にすすぎ,乾燥
させた後,19.5 d)と同じ要領で洗浄後の光沢度G3を求める。

19.7 計算

――――― [JIS K 3920 pdf 22] ―――――

                                                                                             17
K 3920 : 2009
次の式から,洗浄後の皮膜の光沢維持率を求め,有効数字2けたに丸める。
G3 G1
G 100
G2 G1
ここに, G : 光沢維持率 (%)
G1 : フロアーポリッシュ塗布前の床材表面の光沢度
G2 : 洗浄試験直前の光沢度
G3 : 洗浄試験直後の光沢度

19.8 評価

  光沢維持率に応じて,表7によって評価する。
表7−耐洗剤性評価表
光沢維持率 耐洗剤性評価
80 %以上 優秀
60 %以上80 %未満 良好
30 %以上60 %未満 普通
30 %未満 不良

20 はく離性

20.1 要旨

  ポリマータイプの水性フロアーポリッシュ皮膜の,はく離剤による除去のしやすさを評価するために行
う。洗浄試験機・標準はく離剤・測定操作などについて規定する。

20.2 装置及び器具

  装置及び器具は,次による。
a) 恒温乾燥機 50±2 ℃に保持できる装置。
b) 洗浄試験機 19.2 c) に規定するもの。
c) ビーカー JIS R 3503に規定する呼び容量1 000 mL のもの。
d) 洗浄用しゅう動部 19.2 d) に規定するもので,押さえ質量(パッド押さえ台,白パッド及びおもりの
合計)が1 125±113gのもの。

20.3 試薬

  試薬は,次による。
a) ラウリル硫酸ナトリウム 市販のラウリル硫酸ナトリウム。
b) ベンジルアルコール 市販のベンジルアルコール。
c) 2−アミノエタノール JIS K 8109に規定するもの。

20.4 標準はく離剤

  ビーカーに,ラウリル硫酸ナトリウム2 gと25±5 ℃のイオン交換水500gとを入れて,透明になるま
でかき混ぜてから,ベンジルアルコール20 gと2−アミノエタノール40 gとを順に加えてよく分散させた
後,更に25±5 ℃のイオン交換水を加えて全量を1 000 gに調製して,よくかき混ぜる。

20.5 試験片

  試験片の調製は,次による。
a) 箇条7に従って作製する。室温で30分間以上乾燥させた後,50±2 ℃に保った恒温乾燥器中に連続7
日間放置する。

――――― [JIS K 3920 pdf 23] ―――――

18
K 3920 : 2009
b) 上記の加熱促進を行った試験片を,常温で1時間以上放置してから,常温の水道水中にゆっくりかき
混ぜながら1時間浸せきする。
c) 浸せきが終わった試験片を引き上げ,更に常温下で24時間放置したものを裁断して50 mm×150 mm
の試験片を6枚以上調製する。

20.6 操作

  操作は,次による。
a) はく離性試験に使用する白パッドは,あらかじめ30秒間以上,25±5 ℃の標準はく離液に浸せきした
後に引き上げ,液垂れがほぼ収まった状態で洗浄試験機に取り付ける。このとき,洗浄用しゅう動部
の位置は,試験片上以外の部分とする。
b) 試験片を洗浄試験機に取り付け, 25±5 ℃の標準はく離剤10±2 mLを試験片上をほぼ覆うように注ぎ,
2分間放置した後,洗浄試験機の運転を開始する。
c) 洗浄試験機の駆動が25往復に達したら運転を止めて,試験片を取り外して流水で十分にすすぎ,乾燥
させた後,フロアーポリッシュ皮膜が完全に除去されたか否かを判定する。
d) )でフロアーポリッシュ皮膜が完全に除去されていなければ,フロアーポリッシュ皮膜が完全に除去
されるまで繰り返す。

20.7 評価

  皮膜の完全除去に要する洗浄回数に応じて,表8によって評価する。
表8−はく離性の評価
完全除去に要する洗浄回数(往復) はく離性
25 50 優秀
51 100 良好
101 200 普通
201 以上 不良

21 レベリング性

21.1 要旨

  水性フロアーポリッシュのレベリング性の試験方法及び評価について規定する。

21.2 装置及び器具

  装置及び器具は,次による。
a) 試験基材 濃色系タイルで,150 mm×150 mm以上のもの。
b) ガーゼ 日本薬局方のタイプIのもの。

21.3 操作

  操作は,次による。
a) 7.4に従って,試験基材を調製する。
b) 試験基材を水平に置き,フロアーポリッシュを塗布後の試料の量が10±2 mL/m2 となるように均一に
塗り広げた後,静置して30分間以上乾燥させる。
c) 2回目の塗布は,塗布後の試料の量が15±2 mL/m2 8) となるように均一に塗り広げ,塗布後,直ちに
塗布に使用したガーゼで,基材の対角線にそって“X”の文字を書く。フロアーポリッシュの皮膜が
乾燥したら,目視で“X”の文字がどの程度消滅しているかを判定する。

――――― [JIS K 3920 pdf 24] ―――――

                                                                                             19
K 3920 : 2009
注8) 適切な皮膜が造れない場合は,1回目塗布量は製品ごとに指定された標準量,2回目はその
1.5倍の量の要領で塗り,塗布量を付記する。

21.4 評価

  乾燥後の皮膜の状態に応じて,表9によって評価する。
表9−レベリング性の評価表
皮膜の状態 レベリング性
“X”の文字が認められない。 優秀
わずかに“X”の文字の輪郭が多少の光沢の変化とともに認められる。 良好
わずかに“X”の文字が認められる。 普通
明らかに“X”の文字が認められる。 不良

22 再塗布性

22.1 要旨

  ポリマータイプの水性フロアーポリッシュを重ね塗りしたときの,皮膜の外観の評価について規定する。

22.2 装置及び器具

  装置及び器具は,次による。
a) 試験器材 濃色系タイルで150 mm×150 mm以上のもの。
b) ガーゼ 日本薬局方のタイプIのもの。

22.3 操作

  操作は,次による。
a) 試験場所の温度は,15 ℃30 ℃,湿度は常湿45 %85 %とする。試験基材は必要枚数を用意する。
b) 7.4に従って,試験基材を調製する。
c) 試験基材を水平に置き,フロアーポリッシュを塗布後の試料の量が10±2 mL/m2となるように均一に
塗り広げる。塗布後,静置して30分間乾燥させる。
d) 2枚を残し,残りの試験基材にc)と同じ要領で塗り重ねる。
e) 30分後に2枚を残し,再び,同じ要領で塗り重ねる。
f) 必要回数を同じ要領で塗り重ねる。

22.4 評価

  判定項目及び評価は,次による。
a) 判定項目
1) 塗布時の気泡の発生具合,残り具合及び乾燥皮膜上のビーズ状気泡の集合体による外観不良。
2) 塗布したときのガーゼの引き筋跡が,そのまま乾燥皮膜上に残る筋紋様。
3) 皮膜の透明度及び光沢が部分的に異なる現象。
以上の項目について,試料の塗布回数による違い,二つ以上の試料の優劣を,1層塗りと各層ごと
の皮膜の外観の程度を見て判定する。
なお,皮膜の外観の優劣は,同時に試験を行ったものを比較して判定しなければならない。
b) 評価 乾燥後の皮膜の状態に応じて,表10によって評価する。

――――― [JIS K 3920 pdf 25] ―――――

次のページ PDF 26

JIS K 3920:2009の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 3920:2009の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISA1901:2015
建築材料の揮発性有機化合物(VOC),ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物放散測定方法―小形チャンバー法
JISA5705:2016
ビニル系床材
JISB7410:1997
石油類試験用ガラス製温度計
JISB7525:1997
密度浮ひょう
JISG4303:2012
ステンレス鋼棒
JISG4303:2021
ステンレス鋼棒
JISH4160:1994
アルミニウム及びアルミニウム合金はく
JISK0050:2019
化学分析方法通則
JISK2249:1995
原油及び石油製品―密度試験方法及び密度・質量・容量換算表
JISK2265-2:2007
引火点の求め方―第2部:迅速平衡密閉法
JISK5600-2-4:2014
塗料一般試験方法―第2部:塗料の性状・安定性―第4節:密度(ピクノメータ法)
JISK5601-1-2:2008
塗料成分試験方法―第1部:通則―第2節:加熱残分
JISK7117-1:1999
プラスチック―液状,乳濁状又は分散状の樹脂―ブルックフィールド形回転粘度計による見掛け粘度の測定方法
JISK7117-2:1999
プラスチック―液状,乳濁状又は分散状の樹脂―回転粘度計による定せん断速度での粘度の測定方法
JISK8109:2013
2-アミノエタノール(試薬)
JISK8625:2017
炭酸ナトリウム(試薬)
JISL1902:2015
繊維製品の抗菌性試験方法及び抗菌効果
JISP3801:1995
ろ紙(化学分析用)
JISR3202:2011
フロート板ガラス及び磨き板ガラス
JISR3503:1994
化学分析用ガラス器具
JISR3505:1994
ガラス製体積計
JISR6252:2006
研磨紙
JISS5050:1995
革靴
JISZ1522:2009
セロハン粘着テープ
JISZ8703:1983
試験場所の標準状態
JISZ8741:1997
鏡面光沢度―測定方法
JISZ8802:2011
pH測定方法
JISZ8803:2011
液体の粘度測定方法