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5.14.4 ゲル化時間 D法(手動試験管法 : 液体)
5.14.4.1 装置・器具
a) 油浴 測定温度を100±1 ℃,130±1 ℃及び/又は150±1 ℃に保持できるもの。
b) 試験管 呼び寸法18 mm×165 mmのもの。
c) かき混ぜ棒 外径4 mm,長さ約300 mm程度のガラス製のもの。
d) はかり 感量100 mgのもの。
e) ストップウォッチ 1秒以下の目盛をもつもの。
5.14.4.2 操作
a) 測定は3回とする。
b) 試験管に試料約5 gをはかりとる。
c) かき混ぜ棒を入れた後,規定の測定温度に保たれた油浴中に浸し,ストップウォッチを押し,かき混
ぜ棒で連続してかき混ぜる。
d) 試料を油浴に浸してから,ゲル化によってかき混ぜられなくなるまでの時間(分)を読み取る。
5.14.4.3 結果 3回の測定値を平均して小数点以下1桁に丸める。
5.14.4.4 報告
a) 規格番号
b) 試料の内容
c) 測定結果
d) 測定日
e) 測定温度
5.15 イオン性物質
5.15.1 装置・器具
a) イオンクロマトグラフ
1) 分析装置 イオンクロマトグラフ JIS K 0127に規定するもの。イオンクロマトグラフのほかにナ
トリウムイオンを分析する場合には原子吸光光度計又は炎光光度計を,塩素イオンを分析する場合
には,電位差滴定装置を用いてもよい。
2) カラム 内径4.6 mm,長さ250 mm又は内径4.6 mm,長さ750 mmの陽イオン分析カラム又は陰イ
オン分析カラムがあり,測定するイオン性物質によってカラムを選定する。
3) 溶離液 陽イオン溶離液又は陰イオン溶離液があり,測定するイオン性物質によって溶離液を選定
する。溶離液は,次のようなものを流量1.02.0 ml/minで用いる。
陽イオン溶離液 : 0.005 mol/l硝酸又は0.005 mol/lエチレンジアミン
陰イオン溶離液 : 0.004 mol/l 炭酸ナトリウム及び0.004 mol/l 炭酸水素ナトリウムの混合液,
0.03mol/l 炭酸ナトリウム又は0.15mol/l四ほう酸ナトリウム(ほう砂)
b) 乾燥器 95±1 ℃に保持できるもの。
c) はかり 感量1 mgのもの。
d) ポリエチレン瓶 100 ml中ぶた付き。
e) 沈殿管
f) 遠心分離機
5.15.2 試薬
a) イオン交換水 電気伝導度が2.0 μS/cm以下のもの。
――――― [JIS K 6910 pdf 26] ―――――
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b) 内部標準物質 Na+及びCl−の10 mg/l標準液又は濃度が既知の標準液。
5.15.3 操作
a) ポリエチレン瓶に試料8.0 g (W1)をはかりとる。
b) イオン交換水80 g (W2)を加え,しっかりとふたをする。
c) これを95±3 ℃に調整した乾燥器内で20時間保持する。
d) 乾燥器から取り出して常温に冷却後,上澄み液を沈殿管に採取する。
e) 遠心分離機にかけて,濁りを分離する。
f) イオンクロマトグラフでイオン性物質(ナトリウムイオン,塩素イオン)の濃度A[質量分率 (ppm)]
を測定する。
g) 試料を入れないでb) f)の操作を空試験で行い,そのときのイオン性物質の濃度B[質量分率 (ppm)]
を測定する。
h) 測定は,同時に2回行う。
i) あらかじめイオン交換水によって希釈した数種類の内部標準液を用いて,測定するイオン性物質の検
量線を作成しておき,f) 及びg) の測定値を求める。
j) イオン性物質は,次の式によって算出する。
(A B) 2
C
W1
ここに, C : イオン性物質[質量分率 (ppm)]
A : 測定値[質量分率 (ppm)]
B : 空試験の測定値[質量分率 (ppm)]
W1 : 試料の質量 (g)
W2 : イオン交換水の質量 (g)
k) 2回の測定値を平均して小数点以下1けたに丸める。
5.15.4 報告
a) 規格番号
b) 試料の内容
c) 測定結果
d) イオンクロマトグラフィーの測定条件
1) イオンクロマトグラフの形式名
2) カラム充てん剤の種類又は形式名
3) カラムの内径及び長さ
4) 溶離液の種類及び流量
5) 検出器の種類
6) 記録部の種類及び記録条件
e) 測定装置 イオンクロマトグラフ以外の分析装置(原子吸光光度計,炎光光度計又は電位差滴定装置)
を使用した場合は,その機種名。
f) 測定日
5.16 遊離フェノール
詳細は,ISO 8974:2002による。次にISO 8974:2002の概要を示す。
5.16.1 試薬
a) キャリヤーガス クロマトグラフ用の水素,窒素又はヘリウム。安全性の理由から,窒素又はヘリウ
――――― [JIS K 6910 pdf 27] ―――――
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ムを用いることが望ましい。
b) 検出ガス 水素及び圧縮空気。
c) 内部標準物質 フェノール樹脂試料の構成成分に使われておらず,かつ,次の要求を満たす物質。
1) 化学的に純粋である。
2) 優れた長期安定性をもつ。
3) 試験条件下でフェノール樹脂に不活性である。
4) 試料中の構成成分に干渉しない。
5) 測定する濃度の範囲内において直線的感度が得られる。
6) なるべくフェノールに近い溶出時間でガウスピークが得られる。
これらの要求を満たす試薬として,1-オクタノール(特に推奨),1-ウンデカノールなどがある。
d) 溶媒 内部標準物質を完全に溶解し,フェノール樹脂試料を安定な溶液にし,かつ,次の要求を満た
す物質。
1) 不活性(試験条件下で内部標準物質ともフェノール樹脂とも反応しない。)である。
2) クロマトグラフのカラムの成分を劣化させない。
3) フェノール及び内部標準物質と異なる溶出時間をもつ。
これらの要求を満たす試薬として,アセトン(推奨),メタノール,エタノールなどがある。
5.16.2 装置
a) クロマトグラフ 水素炎イオン化検出器を備えたクロマトグラフ。装置及び測定条件の例を,表7に
示す。同じ結果が得られることが証明できれば異なる条件の装置及び測定条件でも使用可能である。
b) マイクロシリンジ 注入量0.51 μlのもの。
c) プレカラム/注入口 フェノール樹脂試料に含まれるすべての不揮発分を防ぐことのできる装置。適
切なものとしては,
1) 中空の石英管又は固定相を充てんした石英管(カラムの形による。)。
2) ビグレックスカラム形の石英管(表7参照)。
d) カラム
1) カラムの特徴 揮発分(遊離フェノール,内部標準物質及び溶媒)を確実に分離する能力(長さ,
直径及び固定相)をもつカラム(6)。質量分率0.5 %以下の遊離フェノールの測定においては,充て
んカラムよりも高い分解能をもつキャピラリーカラムを用いる。
注(6) どのクロマトグラフ分析にもいえることだが,生成物中の一成分はフェノールと同時期に分析さ
れることがある。幾つかの技術的手法,例えば,異なった極性のカラムを使ったり,温度条件を
変更することによって,その問題を解決できる(表7参照)。
2) カラムの調整 カラムの調整は,製造業者の取扱説明書による。
e) 記録計
1) 電位差記録計
2) インテグレーター
3) データ収集システム
f) はかり 感量0.1 mgのもの。
g) ピペット 10 mlのもの。
h) 全量フラスコ 250 ml,500 ml又は1 000 mlのもの。
i) ビーカー 50 ml又は100 mlのもの。
――――― [JIS K 6910 pdf 28] ―――――
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j) 共栓付三角フラスコ 100 mlのもの。
5.16.3 操作
a) 概要 ガスクロマトグラフィーによる遊離フェノール量の測定には,次の二つの方法がある。
1) 法 内部標準物質をそれぞれの試験体に加える方法。
2) 法 内部標準物質の保存溶液を用いる方法。
b) 操作条件
1) インジェクター 温度は,プレカラム/インジェクションで通常使われる温度とし,180250 ℃の
間の決められた温度にセットする。インジェクターは,通常フェノールの沸点より約50 ℃高めに
セットする(表7参照)。
2) カラム 揮発成分を確実に分離することを目的とする。カラムは,恒温に保つか又は昇温プログラ
ムを使用する(表7参照)。
3) 検出器 温度は,検出器で通常使われる温度とし,230300 ℃の間の決められた温度にセットする
(表7参照)。
c) 校正
1) 概要 A法及びB法ともこの手順による。
2) 校正溶液の調製 少なくとも6個の共栓付三角フラスコにフェノールと内部標準物質とが3:1から
1:3の間の質量比になるようにフェノールを0.1 mgまではかりとる。カラムに応じて適切な濃度に
なるように溶媒でフェノールを,次のように希釈する。
2.1) 充てんカラムの場合,フェノール濃度をおよそ10 mg/mlにする。
2.2) 直径0.5 mmの大口径カラムの場合,スプリットインジェクションのときは,フェノール濃度をお
よそ5 mg/ml,スプリッターなしのときは0.5 mg/mlにする。
2.3) 直径0.2 mmのキャピラリーカラムの場合,スプリットインジェクションのときは,フェノール濃
度をおよそ1 mg/ml,スプリッターなしのときは0.5 mg/mlにする。
3) 検量線の作成
3.1) マイクロシリンジを用いて調製液を注入する。最初の校正のため少なくとも六つの標準溶液を使
用する。それぞれの溶液について,少なくとも2回注入した結果を平均する。
3.2) ピークを記録し,ピーク面積を測定する。六つの標準溶液のフェノールと内部標準物質との質量
比に対するフェノールと内部標準物質とのピーク面積の比をプロットし検量線とする。検量線は,
ゼロ点を通る直線になる。検量線の適合の程度及び重要な妨害物がないことは,最小二乗法によ
って確認できる。
3.3) ピーク面積比/質量比を平均する。平均した値の逆数が感度係数 (K) として得られる。感度係数
は,ピーク面積比を質量比に換算するのに用いられる。
3.4) 検量線は,2,3個の標準液を使って定期的に確認した方がよい。上記により得られた結果を時間
軸に対してプロットした上で,感度係数を計算する。計算した平均の感度係数は,元の値の±2 %
以内で一致しなければならない。変動が大きい場合は,装置の完全な再検量が必要である。カラ
ム/検出器系又は記録計に何らかの変更があった場合は,定期的に再検量を実施することを推奨
する。
d) 測定
1) 法
1.1) 試験溶液の調製 フェノール樹脂試料を共栓付三角フラスコに0.1 mgまではかりとる。内部標準
――――― [JIS K 6910 pdf 29] ―――――
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物質を,例えば,遊離フェノールとの質量比が3:1から1:3になるように加える。理想的な比率は
約1:1である。溶媒を遊離フェノールの推定濃度に応じて加える(表4参照)。
表 4 適切な試料組成の例
フェノール推定濃度 試料量 内部標準物質量
質量分率% g mg
≦1 25 25
110 0.55 50
>10 0.10.5 50
1.2) 注入 マイクロシリンジを用いて,使用するカラムの種類に応じた量を注入する。ピークを記録
し,ピーク面積を測定する。それぞれの溶液について少なくとも2回注入を行い,その結果を平
均する。試料中にフェノール又は内部標準物質と同じ溶出時間をもつ成分がないことを事前に確
かめておく。
2) 法
2.1) 内部標準物質の保存溶液の調製 適切なビーカーに適量の内部標準物質(表5参照)を1 mgまで
はかりとる。これを適切な全量フラスコに移す。溶媒でビーカーを2,3回洗浄し,その洗浄液を
全量フラスコに移す。標線まで溶媒を加える。
表 5 保存溶液調製の例
全量フラスコの体積 内部標準物質の質量
ml g
250 1.24 1.26
500 2.48 2.52
1 000 4.95 5.05
警告 内部標準物質が初期濃度を保つように溶媒の蒸発を防止する。
2.2) 測定
2.2.1) 試験溶液の調製 フェノール樹脂試料を共栓付三角フラスコに0.1 mgまではかりとる(表6参
照)。ピペットを用いて内部標準物質の保存溶液を10 ml加える。内部標準物質と遊離フェノー
ルとの質量比は3:1から1:3の間とする。理想的な比率は約1:1である。その後,必要ならば,
溶媒を遊離フェノールの推定濃度に応じて加える。
表 6 適切な試料組成の例
フェノール推定濃度 試料量 内部標準含有保存溶液量
質量分率% g ml
≦1 510 10
110 0.55 10
>10 0.10.5 10
2.2.2) 注入 マイクロシリンジを用いて,使用するカラムの種類に応じた量を注入する。ピークを記録
し,ピーク面積を測定する。それぞれの溶液について少なくとも2回注入を行い,その結果を平
均する。試料中にフェノール又は内部標準物質と同じ溶出時間をもつ成分がないことを事前に確
かめておく。
e) アルカリ樹脂の特殊なケース
1) 概要 アルカリ樹脂に関しては,遊離フェノールの含有量は,フェノール樹脂試料を中和してから
測定する。操作を次のA法及びB法に示す。
2) アルカリ樹脂の中和(A法) 表4を参照し,試料と内部標準物質とを適切な溶媒で溶かす(推奨
――――― [JIS K 6910 pdf 30] ―――――
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JIS K 6903:2008の国際規格 ICS 分類一覧
- 83 : ゴム及びプラスチック工業 > 83.140 : ゴム及びプラスチック製品 > 83.140.20 : 積層板
JIS K 6910:2007の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0061:2001
- 化学製品の密度及び比重測定方法
- JISK0071-2:1998
- 化学製品の色試験方法―第2部:ガードナー色数
- JISK0113:2005
- 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
- JISK0127:2013
- イオンクロマトグラフィー通則
- JISK2425:2006
- クレオソート油,加工タール及びタールピッチ試験方法
- JISK5601-2-2:1999
- 塗料成分試験方法―第2部:溶剤可溶物中の成分分析―第2節:軟化点(環球法)
- JISK6900:1994
- プラスチック―用語
- JISK7112:1999
- プラスチック―非発泡プラスチックの密度及び比重の測定方法
- JISK7117-1:1999
- プラスチック―液状,乳濁状又は分散状の樹脂―ブルックフィールド形回転粘度計による見掛け粘度の測定方法
- JISK7117-2:1999
- プラスチック―液状,乳濁状又は分散状の樹脂―回転粘度計による定せん断速度での粘度の測定方法
- JISK7365:1999
- プラスチック―規定漏斗から注ぐことができる材料の見掛け密度の求め方
- JISK8034:2006
- アセトン(試薬)
- JISK8101:2006
- エタノール(99.5)(試薬)
- JISK8129:2016
- 塩化コバルト(II)六水和物(試薬)
- JISK8142:2018
- 塩化鉄(III)六水和物(試薬)
- JISK8180:2015
- 塩酸(試薬)
- JISK8180:2021
- 塩酸(試薬)
- JISK8201:2006
- 塩化ヒドロキシルアンモニウム(試薬)
- JISK8576:2019
- 水酸化ナトリウム(試薬)
- JISK8598:2018
- セレン(試薬)
- JISK8839:2007
- 2-プロパノール(試薬)
- JISK8891:2006
- メタノール(試薬)
- JISK8896:2012
- メチルレッド(試薬)
- JISK8897:2012
- メチレンブルー(試薬)
- JISK8951:2006
- 硫酸(試薬)
- JISK8983:2016
- 硫酸銅(II)五水和物(試薬)
- JISK8986:2013
- 硫酸ナトリウム十水和物(試薬)
- JISR1301:1987
- 化学分析用磁器るつぼ
- JISZ8801-1:2019
- 試験用ふるい―第1部:金属製網ふるい
- JISZ8802:2011
- pH測定方法