JIS K 8621:2022 炭酸水素カリウム(試薬) | ページ 4

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乾固し,水を加えて5 mLにする。
4) 試料溶液及び比較溶液それぞれにくえん酸水素二アンモニウム溶液(100 g/L)2 mLを加え,pH計
を用いて,塩酸(2+1)又はアンモニア水(2+3)でpH 約5.5に調節し,NaDDTC溶液(10 g/L)
5 mLを直ちに加え,水を加えて100 mLにする。
5) これらの溶液それぞれを,分液漏斗に入れ,酢酸ブチル20 mLを加えた後,1分間激しく振り混ぜ,
二層に分かれるまで放置する。この上層(酢酸ブチル相)を分離してとる。試料溶液からの酢酸ブ
チル相をX液とし,下層(水相)は保存する。比較溶液からの酢酸ブチル相をY液とし,下層(水
相)は捨てる。
6) 試料溶液からの水相を分液漏斗に入れ,酢酸ブチル20 mLを加えて1分間激しく振り混ぜ,二層に
分かれるまで放置して,下層(水相)を分離する。この場合の上層(酢酸ブチル相)は捨てる。再
び,水相に酢酸ブチル20 mLを加えて1分間激しく振り混ぜ,二層に分かれるまで放置して下層
(水相)を分離し,上層(酢酸ブチル相)は捨てる。ここで得た水相に3)の空試験溶液を加えた後,
pH計を用いて,塩酸(2+1)又はアンモニア水(2+3)でpH 約5.5に調節し,NaDDTC溶液(10
g/L)5 mLを直ちに加え,酢酸ブチル20 mLを加えて1分間激しく振り混ぜ,二層に分かれるまで
放置し,上層(酢酸ブチル相)を分離してZ液とする。
7) フレーム原子吸光分析装置は,あらかじめ酢酸ブチルを噴霧してアセチレン−空気フレームの状態
を最適にしておき,Y液をアセチレン−空気フレーム中に噴霧し,表4に示す測定波長付近で吸光
度が最大となる波長を設定する。X液,Y液及びZ液をそれぞれアセチレン−空気フレーム中に噴
霧し,分析種の吸光度を測定し,X液の指示値,Y液の指示値及びZ液の指示値を読み取る。
8) 測定結果は,各分析種ごとに,X液の指示値からZ液の指示値を引いた値と,Y液の指示値からX
液の指示値を引いた値とを比較する。
e) 判定 X液の指示値からZ液の指示値を引いた値が,Y液の指示値からX液の指示値を引いた値より
大きくないとき,“銅(Cu) : 質量分率2 ppm以下(規格値),鉛(Pb) : 質量分率2 ppm以下(規格値),
鉄(Fe) : 質量分率5 ppm以下(規格値)”とする。
注記 分析種の含有率(質量分率 ppm)を求める場合は,次の式によって,おおよその値を求める
ことが可能である。
G×n3−n5
n4−n3
F= m4×1 000×106
ここで, F : 分析種の含有率(質量分率ppm)
G : 用いた標準液中の分析種の質量(mg)
m4 : はかりとった試料の質量(g)
n3 : X液の指示値
n4 : Y液の指示値
n5 : Z液の指示値

7.12 マグネシウム(Mg)及びカルシウム(Ca)

  マグネシウム(Mg)及びカルシウム(Ca)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次による。
1) 塩酸(2+1) 7.5 a) 2)による。
2) マグネシウム標準液(Mg : 0.01 mg/mL) JIS K 8001:2017のJA.4(標準液)による。
3) カルシウム標準液(Ca : 0.01 mg/mL) JIS K 8001:2017のJA.4(標準液)による。

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b) 装置 主な装置は,次による。
1) 水浴 7.5 b) 2)による。
2) フレーム原子吸光分析装置 7.10 b)による。
c) 分析種の測定波長 分析種の測定波長の例を表5に示す。
表5−分析種の測定波長の例
単位 nm
分析種 測定波長
マグネシウム(Mg) 285.2
カルシウム(Ca) 422.7
d) 操作 操作は,次による。
1) 試料溶液の調製は,試料2.0 gを樹脂製ビーカー100 mLなどにはかりとり,水50 mL及び塩酸(2+
1)10 mLを徐々に加え,沸騰水浴上で10分間加熱する。冷却後,少量の水で全量フラスコ100 mL
に移し,水を標線まで加えて混合する(X液)。
2) 比較溶液の調製は,試料2.0 gを樹脂製ビーカー100 mLなどにはかりとり,水50 mL及び塩酸(2+
1)10 mLを徐々に加え,沸騰水浴上で10分間加熱する。冷却後,少量の水で全量フラスコ100 mL
に移し,マグネシウム標準液(Mg : 0.01 mg/mL)0.4 mL及びカルシウム標準液(Ca : 0.01 mg/mL)
2.0 mLを加え,水を標線まで加えて混合する(Y液)。
3) フレーム原子吸光分析装置を用いて,Y液をアセチレン−空気フレーム中に噴霧し,表5に示す測
定波長付近で吸光度が最大となる波長を設定する。X液及びY液をそれぞれアセチレン−空気フレ
ーム中に噴霧し,分析種の吸光度を測定し,X液の指示値及びY液の指示値を読み取る。
4) 測定結果は,X液の指示値と,Y液の指示値からX液の指示値を引いた値とを比較する。
e) 判定 X液の指示値がY液の指示値からX液の指示値を引いた値より大きくないとき,“マグネシウ
ム(Mg) : 質量分率 2 ppm以下(規格値),カルシウム(Ca) : 質量分率0.001 %以下(規格値)”とす
る。
注記 分析種の含有率(質量分率 %)は,7.10 e)の注記によって,おおよその値を求めることが可
能である。この場合,ナトリウム(Na)を分析種に読み替え,質量分率ppmに変換するため
には,式に104を乗じる。

7.13 銅(Cu),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),鉛(Pb)及び鉄(Fe)

  銅(Cu),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),鉛(Pb)及び鉄(Fe)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次による。
1) 硝酸(1+2) 7.3 a) 1)による。
2) 銅標準液(Cu : 0.01 mg/mL) 7.11 a) 6)による。
3) マグネシウム標準液(Mg : 0.01 mg/mL) 7.12 a) 2)による。
4) カルシウム標準液(Ca : 0.01 mg/mL) 7.12 a) 3)による。
5) 鉛標準液(Pb : 0.01 mg/mL) 7.11 a) 7)による。
6) 鉄標準液(Fe : 0.01 mg/mL) 7.11 a) 8)による。
7) イットリウム標準液(Y : 1 mg/mL) イットリウム標準液(Y : 0.01 mg/mL)の調製は,次のいず
れかによる。

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なお,使用目的に合致した場合には,市販のものを用いてもよい。
7.1) 硝酸イットリウム(III)六水和物(質量分率99.9 %以上)4.31 gを全量フラスコ1 000 mLにはか
りとり,硝酸(1+2)25 mL及び水を加えて溶かし,更に水を標線まで加えて混合する。
7.2) 酸化イットリウム(III)(質量分率99.99 %以上)1.27 gをビーカー200 mLなどにはかりとり,JIS
K 8541に規定する硝酸(質量分率60 %61 %,特級)75 mLを加えて,熱板(ホットプレート)
上で加熱し溶解させ,全量フラスコ1 000 mLに移し,ビーカー200 mLなどを洗い,洗液を先の全
量フラスコ1 000 mLに加えた後,水を標線まで加えて混合する。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) 水浴 7.5 b) 2)による。
2) ピストン式ピペット 7.8 b) 3)による。
3) ICP発光分光分析装置 装置の構成は,JIS K 0116:2014に規定するもの。
c) 分析種及び内標準イットリウムの測定波長 分析種及び内標準イットリウムの測定波長の例を表6に
示す。なお,別の条件でも同等の試験結果が得られる場合には,その条件を用いてもよい。
表6−分析種及び内標準イットリウムの測定波長の例
分析種 測定波長 nm 内標準元素
銅(Cu) 213.598 Y
マグネシウム(Mg) 279.553 Y
カルシウム(Ca) 396.847 Y
鉛(Pb) 220.353 Y
鉄(Fe) 238.204 Y
イットリウム(Y) 360.074 Y
d) 操作 操作は,次による。
1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを樹脂製ビーカー100 mLにはかりとり,水50 mL及び硝酸(1+2)
5 mLを徐々に加え,沸騰水浴上で10分間加熱する。冷却後,少量の水で全量フラスコ100 mLに移
し,イットリウム標準液(Y : 1 mg/mL)50 μLを加え,水を標線まで加えて混合する。
2) 検量線溶液は,4個の全量フラスコ100 mLを用意し,それぞれにピストン式ピペットを用いて表7
に示す各標準液の体積をとり,硝酸(1+2)5 mL,イットリウム標準液(Y : 1 mg/mL)50 μLを加
え,水を標線まで加えて混合する。
表7−採取する標準液の体積
標準液 mg/mL 採取量 mL
Y1 Y2 Y3 Y4
銅(Cu) 0.01 0 0.1 0.2 0.4
マグネシウム(Mg) 0.01 0 0.1 0.2 0.4
カルシウム(Ca) 0.01 0 0.5 1.0 2.0
鉛(Pb) 0.01 0 0.1 0.2 0.4
鉄(Fe) 0.01 0 0.25 0.5 1.0
3) ICP発光分光分析装置を用いて,試料溶液,Y1液,Y2液,Y3液,Y4液及び試料溶液をアルゴンプラ
ズマ中に噴霧し,分析種及び内標準の発光強度を測定する。
e) 計算 JIS K 0116:2014の4.7.3 a) 2)[強度比法(内標準法)]によって検量線を作成し,分析種の含有

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率を算出する。
f) 判定 計算して得られた含有率が,規格値を満足しているとき,“銅(Cu) : 質量分率 2 ppm以下(規
格値),マグネシウム(Mg) : 質量分率 2 ppm以下(規格値),カルシウム(Ca) : 質量分率 0.001 %以
下(規格値),鉛(Pb) : 質量分率 2 ppm以下(規格値),鉄(Fe) : 質量分率 5 ppm以下(規格値)”
とする。

8 容器

  容器は,気密容器とする。

9 表示

  容器には,次の事項を表示する。
a) この規格の番号
b) 名称“炭酸水素カリウム”及び“試薬”の文字
c) 種類
d) 化学式及び式量
e) 純度
f) 内容量
g) 製造番号
h) 製造業者名又はその略号

JIS K 8621:2022の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 8621:2022の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISK8034:2006
アセトン(試薬)
JISK8051:2010
3-メチル-1-ブタノール(試薬)
JISK8060:2018
亜硫酸ナトリウム七水和物(試薬)
JISK8085:2006
アンモニア水(試薬)
JISK8085:2021
アンモニア水(試薬)
JISK8102:2012
エタノール(95)(試薬)
JISK8107:2017
エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(試薬)
JISK8136:2017
塩化すず(II)二水和物(試薬)
JISK8155:2017
塩化バリウム二水和物(試薬)
JISK8180:2015
塩酸(試薬)
JISK8180:2021
塩酸(試薬)
JISK8284:2011
くえん酸水素二アンモニウム(試薬)
JISK8284:2021
くえん酸水素二アンモニウム(試薬)
JISK8355:2006
酢酸(試薬)
JISK8355:2021
酢酸(試薬)
JISK8377:2014
酢酸ブチル(試薬)
JISK8454:1994
N,N-ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(試薬)
JISK8532:2007
L(+)-酒石酸(試薬)
JISK8541:2015
硝酸(試薬)
JISK8541:2021
硝酸(試薬)
JISK8550:2006
硝酸銀(試薬)
JISK8550:2021
硝酸銀(試薬)
JISK8576:2019
水酸化ナトリウム(試薬)
JISK8625:2017
炭酸ナトリウム(試薬)
JISK8637:2006
チオ硫酸ナトリウム五水和物(試薬)
JISK8653:2018
デバルダ合金(試薬)
JISK8659:2014
でんぷん(溶性)(試薬)
JISK8721:1995
p-ニトロフェノール(試薬)
JISK8721:2022
4-ニトロフェノール(試薬)
JISK8798:2012
フェノール(試薬)
JISK8810:2018
1-ブタノール(試薬)
JISK8844:2012
ブロモフェノールブルー(試薬)
JISK8905:2019
モリブデン(VI)酸アンモニウム四水和物(試薬)
JISK8913:2006
よう化カリウム(試薬)
JISK8951:2006
硫酸(試薬)