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A.3 用語及び定義
この附属書の中で用いる用語及び定義は,次による。
A.3.1
引張強さ(荷重)[breaking force (load)]
試験片が引張試験で切断するまで試験片に加えられた最大荷重。糸は,センチニュートンで表すことが
望ましい。
A.3.2
引伸破断力(elongation at break)
切断時の伸び破断力によって生じた試験片の長さの増加。当初の名目長さに対するパーセントで表す。
A.3.3
引張強度(breaking tenacity)
糸の繊度に対する引張強さの割合。通常テックス当たりのセンチニュートンで表す。
A.3.4
定速伸長形(CRE)試験機[constant rate of specimen extension (CRE) ester]
試験片の一端をほとんど静止したつかみで保持し,試験片の他端を一定速度で移動するつかみで把持し
ている試験機。適切なシステムが糸に加わる荷重と伸びを検出して記録する。
A.3.5
つかみ(clamp)
適切なあごによって試験片をつか(掴)むのに用いる引張試験機の一部。
A.3.6
あご(jaws)
試験片をつかむつかみの部分。
A.3.7
ゲージ長(gauge length)
つかみに付いている附属品の点の間を張力下で測定して得る試験片の長さ。ボラード(bollard)又はキ
ャプスタン(capstan)のつかみでは把持している点の間の距離で,糸に沿って測定する。
A.3.8
パッケージ(package)
使用,取扱い,貯蔵などに適した形状のある長さの糸。パッケージには支持するものがあるもの(例え
ば,コーン,ボビン)又は支持するものがないもの(例えば,かせ,ボール)がある。
A.4 原理
試験片の糸は,適切な試験機によって切断するまで伸長され,引張強さ及び切断時の伸びが記録される。
試験片の定速伸長は,100 %/分(初期の試験片の長さに基づく)が用いられるが,自動式試験機は,受渡
当事者間の合意によってより大きな速度にすることが認められる。二つのゲージ長が定められている。す
なわち,通常は500 mm(500 mm/分の移動),例外的に250 mm(250 mm/分の移動)が認められている。
A.5 装置及び材料
A.5.1 定速伸長形試験機
a) 試験機は,ゲージ長が500 mm±2 mm又は250 mm±1 mmにセットできるものとする。又は両方可能
――――― [JIS L 1095 pdf 36] ―――――
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なことが望ましい。
b) つかみの移動速度は,通常500 mm/分又は250 mm/分で,その精度は±2 %とする。自動式試験機は,
受渡当事者間の合意によってより大きな移動速度が認められる。
c) 表示された力の最大誤差は,真の力の2 %を超えないこととする。
d) 試験機は,手動式又は自動式でもよいとする。
e) 試験片を把持するつかみは,試験片の滑り,切断及びあごでの損傷を防止するものとする。平たん(坦)
で,ライニングのない(unlined)あごが標準形であるが,これらが滑りを防げないときは,受渡当事
者間の合意によってライニングのある(lined)あご,ボラードつかみ又は他のタイプの引留具(snubbing
device)など異なるタイプのつかみを使用してもよい。つかみのタイプは,伸びの読取りに影響を与
えるので,すべての当事者は同じタイプのものを使用する。
f) 試験機は,十分に速く応答する引張強さ/伸びの自動記録装置又は引張強さ及び切断時の伸びを直接
記録するシステムを備えているものとする。
g) 試験機は,初荷重をセットできるものとする。この初荷重は,分銅(pretensioning weight)によるか,
又は荷重測定装置の使用によるかいずれかでもよいとする。
A.5.2 糸巻き
試験室試料から試験用かせを準備するためのもの(C法用及びD法用)。
A.5.3 ふわり(swift)
引張りのない状態で試験用かせを保ち,引張試験機に糸を容易に移すことができるもの,又はこれと類
似の装置のもの(C法用)。
A.5.4 容器
試料又は試験片を水中に浸すもの(D法用)。
A.5.5 水道水
室温のもの(D法用)。
A.5.6 非イオン界面活性剤
0.1 %水溶液のもの(D法用)。
A.6 サンプリング
A.6.1 サンプリング方法
サンプリング方法は,次による。
a) 適用できる場合は,材料仕様中の指示による。
b) .6.2A.6.7に規定する手順による。
A.6.2 バルク試料は,表A.1に示す試験ロットを代表する1又は複数のケースから採取する。
表A.1−バルク試料のサンプリング数
ケースの数 無作為に採取する
ケースの数
3以下 1
410 2
1130 3
3175 4
76以上 5
――――― [JIS L 1095 pdf 37] ―――――
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A.6.3 平均値だけが要求される場合は,10パッケージをバルク試料から採取する。バルク試料はケース
間及び個別ケース中の各レベルにできるだけ均等に分布させるものとする。
A.6.4 A.6.5の規定以外は,試験に供する試験片の最小数は単糸紡績糸で50,他の糸で20とする。試験
片は,10パッケージ間にできるだけ均等に分布させるものとする。
A.6.5 試験の変動が既知であり平均値だけが要求される場合は,試験片の数を0.17 地 算する。こ
こに 同じ材料の経験から得られた個々の引張強さの(パーセントで表す)変動係数である。
注記1 この試験片の数では,確率90 %で±4 %の精度(1.96×平均の標準誤差)となる。
注記2 強度試験は“片すそ”の試験,すなわち“糸は···より弱くてはいけない”しかし“···より強
くてもよい”というものである。確率を90 %とすると,分布の一方のすそは5 %となるが,
これは“両すそ”試験に適したより一般的な95 %確率の両すそを合わせたものとちょうど同
じである。
A.6.6 平均値に加え変動係数を求める場合は,20パッケージをバルク試料から採取し,紡績糸では少な
くとも200の試験片を,その他のすべてのタイプの糸では少なくとも100の試験片を試験する。
A.6.7 織物から試験片を採取する場合[自動式試験機(B法)では不適切]の織物試料は,十分な長さの
試験片を供給できるよう十分な大きさでなくてはならない。試験片は,糸のよりがサンプリングの間に変
化しないように採取する。織物の場合,たて糸は異なった端から採取し,よこ糸は試験片のできるだけ糸
を代表する試料の数箇所からランダムに採取する。編物の場合,試験片はできるだけ多くの異なった糸を
代表するものとしなければならない。
A.7 試料の予備調整及び調整
A.7.1 予備調整,調整及び試験時の大気は,ISO 139に規定している。
A.7.2 試験方法のA法C法のパッケージ試料又は試験用かせは,最低4時間の予備調整を行う。
注記 試料が“乾燥サイド”から直接調整される場合,予備調整はしばしば省略することができる。
A.7.3 試料は,予備調整の後,調整用大気の下で水分平衡にする。かせは,通常一晩の調整で十分である
が,固く巻かれたパッケージの場合は,最低48時間必要である。
A.7.4 湿潤試験(D法)は,予備調整及び調整の必要はない。
A.8 手順
A.8.1 一般
A.8.1.1 通常,受渡当事者間の合意に基づいて複数の試験条件が認められる場合は,試験結果に関係のあ
るすべての当事者が同じ条件(ゲージ長,移動速度,つかみのタイプ,温度及び初荷重)の下で,試験を
行うものとする。
A.8.1.2 二つのゲージ長が認められている。すなわち,通常の長さは500 mmであるが,次の場合だけ250
mmを用いることができる。
a) 試験機の伸長性能が,500 mmの試験片を取り付けるのに不十分である場合。
b) 受渡当事者間の合意による場合。
A.8.1.3 引張強さの計算が要求される場合は,ISO 2060によって繊度を定量する。
A.8.1.4 ゲージ長が500 mmの場合は,500 mm/分の移動速度を用い,ゲージ長が250 mmの場合は,250 mm/
分の移動速度を用いる。さらに,自動式試験機(B法)は,受渡当事者間の合意によってより大きな移動
速度が認められる。この場合,400 %/分又は1 000 %/分が推奨される。
――――― [JIS L 1095 pdf 38] ―――――
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A.8.1.5 パッケージから糸を巻き戻す場合は,通常の方法で行う。
A.8.1.6 試験片をつかみに取り付ける前に,あごが正しく並んで平行になっており,力を加える角度がそ
れないことを確認する。
A.8.1.7 調整した試験片は,0.5 cN/tex±0.1 cN/tex。湿潤した試験片は,0.25 cN/tex±0.05 cN/texの初荷重
を加えてつかみに差し込む。フィラメント加工糸は,けん縮を取り除くが糸を引き伸ばさない程度の初荷
重を用いる。
注記 フィラメント加工糸は,他に取決めがない場合,糸の名目繊度で計算された次の初荷重が推奨
される。
ポリエステル糸及びポリアミド糸 2.0 cN/tex±0.2 cN/tex
アセテート糸,トリアセテート糸及びビスコース糸 1.0 cN/tex±0.1 cN/tex
50 texより太いカーペット糸を除くバイシュリンケージ
及びジェットバルキー糸 0.5 cN/tex±0.05 cN/tex
A.8.1.8 最後に,試験片のつかみへの取付けを確実にする。
A.8.1.9 A.7.1に規定する試験用標準状態の下で,試験を行う。
A.8.1.10 試験片が,試験中,あごの間で2 mmを超えてスリップしないことを確認する。繰り返しスリッ
プする場合は,つかみ又はあごのライニングを取り替える。スリップが起こった場合は,試験結果を廃棄
する。切断が,あごから5 mm又はそれより近くで起こった場合も試験結果を廃棄する。
A.8.1.11 引張強さ及び切断時の伸びを記録する。B法で自動的に行われる飾り糸は,最初に切断した構成
糸の試験値を記録する。
注記1 飾り糸で記録した値は,A.3.1及びA.3.2で定義したものより低くなる。
注記2 ボラード又はキャプスタンつかみは,伸びの測定が正確でなく,望ましくない。
A.8.2 A法(手動式)
調整されたパッケージから直接試験片を採取する。
A.8.1.1A.8.1.11に規定する手順に従う。試験片を手でつかみに差し込み,引張試験を実施する。
A.8.3 B法(自動式)
調整されたパッケージから直接試験片を採取する。
A.8.1.1A.8.1.6及びA.8.1.9A.8.1.11に規定する手順に従う。10又は20のパッケージ試料から試験片
を採取するために装置をセットする(A.6.3及びA.6.6参照)。試験は自動的に行われる。
A.8.4 C法(手動式)
A.8.4.1 糸巻き(A.5.2)を用い,各パッケージ試料から1個の試験用かせを採取する。試験用かせは,要
求される数及び試験片の長さを供給するのに十分な長さが必要である。
A.8.4.2 ふわり(A.5.3)を用い,予備調整用及び調整用大気中で試験用かせを最小張力の下でし(弛)緩
させる(A.7.1参照)。
A.8.4.3 A.8.1.1A.8.1.11に規定する手順に従う。試験用かせから試験片を採取し,それをつかみの間に
取り付けるとき,その長さは選択したゲージ長より少なくとも100 mm長いことを確認する。この場合,
500 mmの長さの超過が推奨される。よりが変化しないよう注意する。
注記 適切な修正(A.6.7参照)によって,この方法は織物からの糸に適用することができる。
A.8.5 D法(手動式),湿潤試験
A.8.5.1 A.8.4.1に規定する試験用かせを採取する。
A.8.5.2 糸巻きから試験用かせを外す前に,約2 cm離れた2か所でかせの周りを強い糸(例えば,縫糸)
――――― [JIS L 1095 pdf 39] ―――――
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でしっかり2,3回巻き,糸の端を確実に結ぶ。2か所の中間でかせを切断する。
容器(A.5.4)に水(A.5.5)を満たす。切断したかせを水の表面に平らに置き,かせ自体の質量で水面下
に沈むまで放置する。
A.8.5.3 かせが水中に沈まないときは,例えば,かせの端に荷重を加えて糸が完全に水で飽和するまで水
面の下に糸を保持する(例えば,30分間)。糸が通常湿潤しないときは,非イオン湿潤剤(A.5.6)を用い
る。糸を試験する前に湿潤剤を水で完全に洗い流す。
A.8.5.4 試験片を一つ一つ水から取り出し,それから60秒以内にA.8.1.1A.8.1.11に規定する手順によっ
て試験を行う。
A.9 試験報告
A.9.1 一般報告
試験報告には,次の情報を含む。
a) この附属書によった旨。例えば,ISO規格番号及び発行年
b) 試料のロット番号又は他の識別方法
c) パッケージのタイプ(コーン,ボビンなど),その状態(染色,漂白など)及び糸がパッケージから引
き出される方法(端から又は横から)
d) 使用した調整用大気及び試験用大気
e) 使用したサンプリング方法,試験した試験片の数,廃棄した試験片の数
f) 使用した試験機の種類
g) 使用した試験方法(A法D法)
h) 使用したゲージ長,移動速度及び使用した初荷重
i) 使用したつかみ及びあごのタイプ
j) 試験日
A.9.2 試験結果
試験結果は,次による。
a) 平均引張強さ(cN)(有効数字3けた)
b) 切断時の平均伸び(%)(有効数字2けた)
c) 要求があれば,引張強さの変動係数(0.1 %近傍まで)
d) 要求があれば,切断時の伸びの変動係数(%)(0.1 %近傍まで)
e) 定量してあれば,糸の繊度(tex)(有効数字3けた)
f) 要求があれば,引張強さ(cN/tex)(0.1 cN/tex近傍まで)
参考文献 ISO 3341,Textile glass−Yarns−Determination of breaking force and breaking elongation
――――― [JIS L 1095 pdf 40] ―――――
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JIS L 1095:2010の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 2061:1995(MOD)
- ISO 2062:1993(MOD)
- ISO 6939:1988(MOD)
JIS L 1095:2010の国際規格 ICS 分類一覧
JIS L 1095:2010の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK8101:2006
- エタノール(99.5)(試薬)
- JISK8103:2013
- ジエチルエーテル(試薬)
- JISK8180:2015
- 塩酸(試薬)
- JISK8180:2021
- 塩酸(試薬)
- JISK8577:2007
- 水酸化バリウム八水和物(試薬)
- JISK8625:2017
- 炭酸ナトリウム(試薬)
- JISK8799:2020
- フェノールフタレイン(試薬)
- JISK8858:2007
- ベンゼン(試薬)
- JISK8891:2006
- メタノール(試薬)
- JISL0101:1978
- テックス方式
- JISL0104:2000
- テックス方式による糸の表示
- JISL0105:2020
- 繊維製品の物理試験方法通則
- JISL0205:1972
- 繊維用語(糸部門)
- JISL0208:2006
- 繊維用語―試験部門
- JISL0803:2011
- 染色堅ろう度試験用添付白布
- JISL0841:2004
- 日光に対する染色堅ろう度試験方法
- JISL0842:2004
- 紫外線カーボンアーク灯光に対する染色堅ろう度試験方法
- JISL0843:2006
- キセノンアーク灯光に対する染色堅ろう度試験方法
- JISL0844:2011
- 洗濯に対する染色堅ろう度試験方法
- JISL0845:1998
- 熱湯に対する染色堅ろう度試験方法
- JISL0846:2004
- 水に対する染色堅ろう度試験方法
- JISL0848:2004
- 汗に対する染色堅ろう度試験方法
- JISL0849:2013
- 摩擦に対する染色堅ろう度試験方法
- JISL0850:2015
- ホットプレッシングに対する染色堅ろう度試験方法
- JISL0855:2005
- 窒素酸化物に対する染色堅ろう度試験方法
- JISL0856:2002
- 塩素漂白に対する染色堅ろう度試験方法
- JISL0860:2020
- ドライクリーニングに対する染色堅ろう度試験方法
- JISL0879:2005
- 乾熱処理に対する染色堅ろう度試験方法
- JISL1030-2:2012
- 繊維製品の混用率試験方法―第2部:繊維混用率
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JISR6253:2006
- 耐水研磨紙
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8701:1999
- 色の表示方法―XYZ表色系及びX10Y10Z10表色系
- JISZ8720:2012
- 測色用の標準イルミナント(標準の光)及び標準光源