JIS R 7223:1997 規格概要
この規格 R7223は、黒鉛素材の化学分析方法について規定。
JISR7223 規格全文情報
- 規格番号
- JIS R7223
- 規格名称
- 黒鉛素材の化学分析方法
- 規格名称英語訳
- Chemical analysis of graphite materials
- 制定年月日
- 1962年9月1日
- 最新改正日
- 2016年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 25.180.10
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 1962-09-01 制定日, 1965-10-01 確認日, 1968-11-01 確認日, 1972-03-01 確認日, 1974-12-01 確認日, 1978-01-01 確認日, 1979-11-01 改正日, 1985-09-01 確認日, 1997-04-20 改正日, 2002-03-20 確認日, 2007-02-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
- ページ
- JIS R 7223:1997 PDF [20]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
R 7223-1997
黒鉛素材の化学分析方法
Chemical analysis of graphite materials
1. 適用範囲 この規格は,黒鉛素材(以下,素材という。)の化学分析方法について規定する。
備考 この規格の引用規格を,付表1に示す。
2. 分析項目 この規格で規定する分析項目は,次のとおりとする。
(1) ほう素
(2) 灰分
3. 共通な装置
3.1 はかり 使用するはかりのひょう量は100g以上とし,感量は0.1mgとする。
3.2 化学分析用ガラス器具及び陶磁器類 この試験に用いる化学分析用ガラス器具及び陶磁器類は,特
に指定のない限り,次の規格に適合するものとする。
(1) IS R 1301
(2) IS R 1302
(3) IS R 1303
(4) IS R 1305
(5) IS R 1306
(6) IS R 1307
(7) IS R 3503
(8) IS R 3505
3.3 温度計 温度計は,0150℃の範囲をもつ棒状水銀温度計を用いること。
3.4 乾燥装置 乾燥装置は,温度105110℃に保つことのできる自動温度調節器付電気恒温器を用いる
こと。
3.5 蒸留水の容器 蒸留水の容器は,ポリエチレン製容器を用いること。
4. 数値の丸め方 測定値・計算値を丸める場合の数値の丸め方は,JIS Z 8401の規定による。
5. ほう素の分析方法
5.1 要旨 ほう素含有量0.012ppm程度の素材中のほう素の分析方法について規定する。ほう素の定量
方法は,(1)比色分析方法,(2)灰化担体蒸留発光分析方法,(3)固結直接発光分析方法の3種とし,そのいず
れを使用してもよい。
5.2 分析試料の採り方 分析試料の採り方は,次のとおりとする。
――――― [JIS R 7223 pdf 1] ―――――
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R 7223-1997
(1) 素材から試料片を採取する。その採取方法は,受渡当事者間の協定による。
(2) 原則的には試料片から,次の事項に注意しながら必要量の粉末試料を削り取る。
なお,試料は清浄な容器に入れて保存する。
(a) 試料片の各所から必要量の粉末試料を得る。
(b) きりを用いて粉末試料を採取する場合には,きりはJIS H 5501に規定するG2又はこれと同等以上
の硬度をもつドリルを用いること。使用に先立ちアルコールなどで清浄にし,さらにあらかじめ素
材にきりもみして十分に清浄にする。
(c) 粉末試料の採取場所は,じんあい(塵挨)などによる汚染のおそれのない清浄な場所でなければな
らない。
5.3 分析結果の表し方 分析結果は百万分率 (ppm) をもって表し,百万分率は2けたの有効数字に丸め
る。ただし,2けたの有効数字が小数点以下3けたにわたるときは,小数点以下2けたに丸める。
5.4 比色分析方法
5.4.1 要旨 試料を水酸化カルシウムとともに灰化し,試料中のほう素を酸化カルシウムに捕そくし,こ
の灰化物を硫酸酸性でエタノール蒸留を行い,ほう素をほう酸メチルとして留出分離させて,石灰水中に
吸収させ,クルクミン試薬とともに蒸発乾固し,生成した赤色化合物をエタノールで抽出し,その赤色溶
液の吸光度を測定する。
5.4.2 灰化処理 あらかじめ空試験を実施して,内容物がほう素による汚染のないことを確認した白金容
器(1)に,粉末試料をほう素が約0.52 正 取(2)し,3%水酸化カルシウム(3)懸濁液(4)を試料
1gにつき1mlの割合で加え,よく混合浸潤させて乾燥し,白金棒で乾燥試料を容器からはく離(5)した後,
電気炉(6)に入れて880±20℃で清浄な酸素(7)を通じ,完全に灰化させる。
注(1) 白金るつぼ又は白金ボートを用いること。それらの容器は清浄でなければならない。
多量のほう素とともに強熱された白金容器は,ほう素による汚染があり,通常行われる濃塩
酸による煮沸洗浄や,ピロ硫酸カリウムによる溶融洗浄によっても清浄にならない場合がある。
ほう素に汚染された白金容器は,例えば,精製水酸化カルシウムとともに強熱(約1 200℃)す
ると,強熱後の酸化カルシウム中に強熱前に比較して,ほう素の増加が認められる。この強熱
によるほう素増加は,新しい酸化カルシウムを入れ替えて強熱を繰り返すことによって次第に
きん(僅)少となり,ついには認められなくなる。この状態になった白金容器を,ここでは清
浄であるという。
(2) ほう素含有量0.1ppm以下の試料については10g,0.11ppmの試料については25g,1ppm以
上の試料については1gを採取する。
(3) 水酸化カルシウムは,精製して使用する。
精製方法の一例 無水塩化カルシウム11gをJIS K 8891に規定するメタノール約60mlに溶
解し,塩化水素ガスを吹き込み十分に酸性とする。これをほう素蒸留器によってメタノール蒸
留を行って脱ほう素を行い,A液とする。別にJIS K 8519に規定するしゅう酸13gをJIS K 8891
に規定するメタノール約60mlに溶解し,塩化水素ガスを吹き込み十分に酸性として,A液の場
合と同様に,脱ほう素を行い,B液とする。A液とB液とを混合してアンモニア蒸気を吹き込
み,酸を中和してしゅう酸カルシウムの沈殿をつくり,さらに湯浴上に一昼夜放置して沈殿を
成長させる。この沈殿を,デカンテーションによってブフナー漏斗でろ過洗浄し,乾燥させる。
石英ガラス製さらに沈殿を移し,電気炉で強熱(約1 000℃)して酸化カルシウムとし,水を
作用させて精製水酸化カルシウムを得る。
――――― [JIS R 7223 pdf 2] ―――――
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R 7223-1997
(4) ほう素による汚染のない容器,例えば,ポリエチレン容器に保存する。
(5) 乾燥後の白金容器の内容物を清浄な薬包紙上にあけ,白金容器内に付着している試料を白金棒
を用いてできるだけ完全に落とし,希塩酸で白金容器を洗い,水洗乾燥させ,先に薬包紙上に
移した乾燥試料を再び白金容器内へ移し入れる。
(6) 石英ガラス製管状炉又はマッフル炉を用いる。マッフル炉の場合,炉の内壁に石英ガラス板の
覆いをし,底部に石英ガラス板を敷く。
(7) クロム酸硫酸混液で洗い,次にアルカリ溶液で洗って中和し,乾燥剤の中を通し,最後にガラ
スウールなどの脱じん槽を通して清浄にする。
5.4.3 蒸留 蒸留装置(8)の分解フラスコ内へ灰化試料を少量のメタノールを洗浄剤として完全に洗い落
とし(9),装置に連結して,分解フラスコ上部の漏斗管から,硫酸メタノール(10)混液(11)20mlを注加して,
分解フラスコとメタノール蒸気発生フラスコの両者を湯浴で加熱し,あらかじめ水酸化カルシウム飽和液
10mlを入れた受器に留分10mlを採取する。
注(8) 蒸留装置は,石英ガラス又は無ほう酸ガラス製とする。その一例を図1に示す。
メタノール蒸気発生フラスコ内には,あらかじめJIS K 8882に規定するマンニトール約1g
及びJIS K 8799に規定するフェノールフタレインを指示薬として,その紅色を呈するようにJIS
K 8574に規定する水酸化カリウム約1gを加えたメタノール溶液を入れておく。
――――― [JIS R 7223 pdf 3] ―――――
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R 7223-1997
図1 ほう素蒸留装置
(9) 灰化処理後の空試験の場合は,酸化カルシウムが固まっていて蒸留時に分解フラスコ内で硫酸
とメタノールの混液によってよく分散しないことがある。それを防ぐには,白金容器内に水を
数滴加えて粉末状の水酸化カルシウムにしてから,分解フラスコに移すとよい。
(10) ポリエチレン容器内でJIS K 8891に規定するメタノール2.5容にJIS K 8951に規定する硫酸1
容を冷却しながら加え,混合する。
(11) 混液は,使用する前に約60mlを分解フラスコに入れてメタノール蒸留を行い,留分約30mlを
捨てて残りの精製された約30mlを使用する。
5.4.4 蒸発発色 受器に集めた留分を蒸発容器(12)に移し,クルクミン試薬(13)4mlを加えて5560℃に調
節した恒温水槽に入れて直射日光の当たらない場所で蒸発乾固し,乾固後2時間,同温度に保持して発色
を完全にする。
蒸発発色の操作は,次の吸光度測定も含めて中途で中止放置してはならない。連続操作して定量を完了
させる。
注(12) 操作中にほう素が溶出するおそれのない器具(例えば,白金,石英ガラス又は磁製)を用いる
――――― [JIS R 7223 pdf 4] ―――――
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R 7223-1997
が,同一形状,同一寸法でなければならない。
(13) IS K 8297に規定するクルクミン0.04gとJIS K 8519に規定するしゅう酸(特級)5gとをJIS K
8101に規定するエタノール(特級)100mlに溶解し,1時間以上還流煮沸した後冷却してポリ
エチレン容器に保存する。
5.4.5 吸光度測定 発色乾固物にJIS K 8101に規定するエタノール(14)25mlを加えて着色物を完全に溶解
抽出し,この抽出液をJIS P 3801に規定する6種のろ紙(直径11cm)でろ過し,ろ液を吸収槽に入れて,
波長550nm付近で対比液にエタノールを用い吸光度を測定して,別に作成した検量線(15)によってほう素
量を求める。これと空試験値(16)から,次の式によって計算する。
a c
B寰
s
ここに, [B] : ほう素 (ppm)
s : 試料の質量 (g)
a : ほう素の検出量 ( 最
c : 空試験値 ( 最
少なくとも2回以上定量し,平均値をもって示す。
注(14) 1級品程度でよい。
(15) 蒸留装置の反応フラスコ内へ02 囲で含有量既知のほう素標準液を数種作り,これらを
蒸留する。以下,本文操作によって吸光度を測定し,方眼紙上に吸光度とほう素量との関係を
求めて検量線とする。ほう素標準液は,JIS K 8863に規定するほう酸(特級)0.572gを蒸留水
に溶解して1 000mlとする。この溶液100mlを分取し,蒸留水で1 000mlに薄めて原液とする。
この原液をさらに蒸留水で10倍に薄め,1 最一 準液とする。
(16) 空試験は,試料を用いずに3%水酸化カルシウム懸濁液添加から以後全操作にわたり,試料分析
の場合と同一操作でその都度行う。
5.5 灰化担体蒸留発光分光分析方法
5.5.1 要旨 試料を酸化ランタンとともに灰化して,試料中のほう素を酸化ランタンの中に補そくし,こ
の灰分物に担体(酸化インジウム)を2%になるように加えてよく混合する。この100mgをはかりとり,
電極に詰めて直流弧光法によって励起発光させ,分光写真器によってそのスペクトルを撮影し,スペクト
ル線の強度を測定して定量する。
5.5.2 灰化処理 ほう素が酸化ランタン(17)中で約0.45ppmになるように粉末試料を採取(18)して,白金
容器(1)に入れ,これに酸化ランタンを加えて白金棒でよく混合し,蒸留水で浸潤させた後熱板上で乾燥す
る。乾燥した試料を白金棒で容器からはく離(5)した後,電気炉(6)に入れて880±20℃でJIS K 1101に規定
する清浄な酸素を通しながら完全に灰化させる。灰化後,電気炉から取り出し,直ちにデシケーター(乾
燥剤 : 五酸化りん)に入れ,冷却後乳鉢でよく混合する。
注(17) 酸化ランタンは,精製して使用する。その精製方法の一例として,次の方法がある。
再結晶による方法 市販の酸化ランタンを最小既知量のJIS K 8541に規定する硝酸に溶解し
た後,使用した硝酸の32量をJIS K 8085に規定するアンモニア水で中和する。この際に,もし
沈殿ができればこれをろ別除去する。得た溶液を10%硝酸水溶液となるように蒸留水で希釈し
た後,溶液の表面に小結晶が生じるまで蒸発濃縮し,その表面に少量の水を吹きかけ,一昼夜
放置する。沈殿した結晶を母液から分離し,蒸留水で洗浄する。得られたランタンアンモニウ
ム複塩 [La (NO3)3・2NH4NO3・4H2O] に少量の蒸留水を加えて加熱し,溶解後急冷して再結晶を
――――― [JIS R 7223 pdf 5] ―――――
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JIS R 7223:1997の国際規格 ICS 分類一覧
JIS R 7223:1997の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISH5501:1996
- 超硬合金
- JISK1101:2017
- 酸素
- JISK8085:2006
- アンモニア水(試薬)
- JISK8085:2021
- アンモニア水(試薬)
- JISK8101:2006
- エタノール(99.5)(試薬)
- JISK8116:2006
- 塩化アンモニウム(試薬)
- JISK8180:2015
- 塩酸(試薬)
- JISK8180:2021
- 塩酸(試薬)
- JISK8297:1994
- クルクミン(試薬)
- JISK8519:2016
- しゅう酸二水和物(試薬)
- JISK8541:2015
- 硝酸(試薬)
- JISK8541:2021
- 硝酸(試薬)
- JISK8574:2006
- 水酸化カリウム(試薬)
- JISK8799:2020
- フェノールフタレイン(試薬)
- JISK8863:2007
- ほう酸(試薬)
- JISK8882:2020
- D(-)-マンニトール(試薬)
- JISK8891:2006
- メタノール(試薬)
- JISK8951:2006
- 硫酸(試薬)
- JISP3801:1995
- ろ紙(化学分析用)
- JISR1301:1987
- 化学分析用磁器るつぼ
- JISR1302:1980
- 化学分析用磁器蒸発ざら
- JISR1303:1980
- 化学分析用磁器ビーカー
- JISR1305:1980
- 化学分析用磁器カッセロール
- JISR1306:1987
- 化学分析用磁器燃焼ボート
- JISR1307:1995
- 化学分析用磁器燃焼管
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JISR3505:1994
- ガラス製体積計
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8801:1994
- 試験用ふるい