JIS B 7957:2006 大気中のオゾン及びオキシダントの自動計測器 | ページ 4

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附属書3(規定)試験場所における校正用オゾンの調製方法

1. 適用範囲

 この附属書は,大気中のオゾン自動計測器,オキシダント自動計測器の試験場所における
校正用オゾンの調製方法のうち,中性よう化カリウム法による方法,一酸化窒素による気相滴定法及び移
動形の校正用オゾン計を用いる方法に基づくものについて規定する。
備考 この調製方法については,附属書2の方法を用いた値付けの確認を,少なくとも一年に一回は
実施する必要がある。
2. 中性よう化カリウム法による方法
2.1 原理 オゾンを吸収液[中性りん酸塩緩衝-よう化カリウム溶液(10 g/L)]に採取し,波長352 nmで
の吸光度を測定し,オゾンの濃度を求める。
2.2 試薬 試薬は,次による。
a) 吸収液
1) 吸収液は,中性りん酸塩緩衝-よう化カリウム溶液(10 g/L)で,還元性物質を含まない試薬を用いて
調製する。
2) 吸収液1 Lを調製する場合には,JIS K 8827に規定するよう化カリウム(オキシダント測定用)10 g,
JIS K 8118に規定するりん酸二水素カリウム(オキシダント測定用)13.61 g,JIS K 8828に規定す
るりん酸水素二ナトリウム・12水(オキシダント測定用)35.82 gを水800 mLに溶かし,水酸化ナ
トリウム溶液(10 g/L)(JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム1 gを水に溶かして100 mLとする。)
及びりん酸(10 g/L)(JIS K 9005に規定するりん酸0.7 mLを水に溶かして100 mLとする。)を用い
てpHを7.0±0.2に調節し,水を加えて1 Lとする。
この溶液を着色瓶に入れ,010 ℃の暗所に保存すれば,数週間は安定である。
b) よう素標準液(12 一 一 液(1) 10/f mLを全量フラスコ100 mL
保った吸収液を標線まで加える。この溶液を更に先の吸収液で10倍に希釈する(20 ℃,101.325 kPa)。
この溶液は,使用時に調製する。
注(1) 0.05 mol/Lよう素溶液の調製は,次による。
JIS K 8827に規定するよう化カリウム(オキシダント測定用)40 gをとり,水25 mLと,JIS
K 8920に規定するよう素12.7 gとを加えて溶かした後,水を加えて1 Lとする。これにJIS K
8180に規定する塩酸3滴を加えてよくかき混ぜる。この溶液を着色瓶に移し入れ,暗所に保存
する。
使用時にこの溶液を20 ℃に保ってJIS K 8001の4.5 (24) (b)によって標定し,ファクタ(f)を
求める。
2.3 構成 ガス採取装置は,吸収管,恒温水槽,ガスメータなどで構成する。装置の構成例を,附属書3
図1に示す。オゾン発生装置は,附属書2の3.1によるものを用いる。

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附属書3図1 ガス採取装置の構成例
a) 吸収管 吸収管は,ガラス製ミゼットインピンジャを使用し,附属書3図2に示すものを用いる。
単位 mm
附属書3図2 吸収管
b) 恒温水槽 恒温水槽は,吸収液の温度を,20±0.5 ℃に保つことができるものを用いる。
c) ガスメータ ガスメータは,1 L/minの流量を正確に測定できるもので,湿式ガスメータなどを用いる。
1回転1 Lのものが望ましい。
d) 吸引ポンプ 吸引ポンプは,装置に接続したとき,1 L/min以上の流量が得られるもので,空気漏れが
ないものを用いる。
2.4 操作 操作は,次による。
a) オゾン発生装置及びガス採取装置を接続し,暖気運転する。流路系に漏れのないことを確かめ,吸収
管に吸収液10.0 mLを入れ,オゾン発生装置からガスを一定流量(例えば,0.951.05 L/min)で15
分間通気する。この間吸収液を,20±0.5 ℃に保つようにする。
なお,設置する室内は,周囲温度の影響を少なくするために温度管理をしておくとよい。
b) 試料を採取した吸収管を30分間放置した後(2),その内容液を吸収セル10 mmに移し入れ,JIS K 0115
の8.に従って吸収液を対照液として波長352 nm付近の吸光度を測定(3)する。
注(2) 放置時の温度は,20±0.5 ℃に保つ。放置中は,吸収管のガス導入口と出口とをパラフィルム

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などで密栓しておく。
(3) 吸収液を吸収セルに移し入れてから吸光度を測定するまでの時間は,5分間以内とする。
c) 検量線からオゾンの体積を求める。
d) 検量線は,よう素標準液 (12 一 階的に全量フラスコ100 mLにとり,吸収
で加える。以下,b)に準じた操作を行い,オゾンの量と吸光度の関係線を作成する。
e) ) d)の操作を繰り返し,オゾンの量と吸光度との関係線を作成する。
2.5 オゾン濃度の計算 オゾン濃度の計算は,次による。
a) ガス採取量の換算 ガス採取量は,次の式によって20 ℃,101.3 kPaの体積に換算する。
2932. Pa Pm Pv
Vs V
2732. t 101.325
ここに, Vs : ガス採取量 (L)
V : ガスメータで測定された試料ガス量 (L)
t : ガスメータにおける温度 (℃)
Pa : 大気圧 (kPa)
Pm : ガスメータにおけるゲージ圧力 (kPa)
Pv : t ℃における飽和水蒸気圧 (kPa)
b) オゾン濃度の計算 ガス中のオゾン濃度は,次の式によって算出する。
v
C
Vs
ここに, C : オゾン濃度 (ppm)
v : 検量線から求めたオゾン量 (
Vs : ガス採取量 (L)
3. 気相滴定法による方法
3.1 原理 気相滴定法(Gas phase titration : GPT)は,オゾンに既知濃度の一酸化窒素標準ガスを添加し,
二酸化窒素に変換したときの一酸化窒素標準ガス濃度の減少分からオゾンの濃度を求める方法である。一
酸化窒素とオゾンとの反応は次に示すようにO3 : NO2=1 : 1の反応であるため,NO>O3の条件下で100 %
の反応をさせれば,二酸化窒素濃度からオゾンの濃度を求めることができる。
NO O3 NO 2 O2
3.2 構成 気相滴定法による方法は,オゾン発生器,一酸化窒素標準ガス,反応器,化学発光方式窒素
酸化物自動計測器などで構成される。装置の構成例を,附属書3図3に示す。

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附属書3図3 気相滴定法による方法の構成例
a) オゾン発生器 オゾン発生器は,水銀放電管を使用して一定濃度及び必要な流量のオゾンを発生でき
るものを用いる。
b) 一酸化窒素標準ガス 一酸化窒素標準ガス(JIS K 0001に規定するもの)は,NO>O3の条件となる
ように調製できる濃度のものを用いる。
c) ゼロガス ゼロガスは,高圧容器詰めの高純度空気又はJIS K 0055の4.(校正用ガス)によるものを
用いる。
d) 反応器 反応器は,窒素酸化物の吸着の少ない材質,例えば,ガラス製のものを用いる。
e) 混合器 混合器は,窒素酸化物の吸着の少ない材質,例えば,ガラス製のものを用いる。
f) 流量制御器 流量制御器は,毛細管式流量計,マスフローコントローラなどを用いる。
g) 流路切換弁 流路切換弁は,一酸化窒素標準ガス又はゼロガスを切り換えて導入するために用いる。
h) 化学発光方式窒素酸化物自動計測器 化学発光方式窒素酸化物自動計測器は,JIS B 7953に規定する
化学発光方式によるものを用いる。
3.3 操作 JIS B 7953の8.3(校正)によって,化学発光方式窒素酸化物自動計測器の校正を行った後に,
次の手順で操作する。
a) 流路系に漏れのないことを確かめ,オゾン発生器の動作を止めた状態で流量制御器を調節して,発生
したいオゾンの濃度の110 %以上に相当する濃度の一酸化窒素を調製する。このときの窒素酸化物自
動計測器の一酸化窒素 (NO) の指示値をP1,窒素酸化物 (NOx) の指示値をR1とする。
b) オゾン発生器を作動し,窒素酸化物自動計測器の一酸化窒素 (NO)の指示値が元の濃度 (P1) の10 %
以上となるようにオゾン発生器を調節する。このときの窒素酸化物自動計測器の一酸化窒素 (NO) の
指示値をP2,窒素酸化物 (NOx) の指示値をR2とする。
なお,未反応のオゾンの残留及びゼロガス中の酸素による酸化反応を防ぐため,反応器内における
オゾン酸化反応時の窒素酸化物 (NOx) の濃度及び反応時間が次の条件となるように,流量及び反応器
内容積を設定しておく。
30(ppm・min)≧[オゾン酸化反応時の窒素酸化物(NOx)の濃度(ppm)]×[反応時間(min)]≧4 ppm・
min
c) 一酸化窒素標準ガスからゼロガスに附属書3図3の流路切換弁で切り換える。窒素酸化物自動計測器
の窒素酸化物 (NOx) の指示値,一酸化窒素 (NO) の指示値がゼロとなることを確認する。この状態で
濃度が (P1−P2) のオゾンが調製できる。
なお,窒素酸化物 (NOx) の指示値R1及びR2は窒素酸化物自動計測器のコンバータ効率を加味して,

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NO+O3⇒NO2+O2反応の確認のために用いる。
4. 校正用オゾン計による方法
4.1 原理 附属書2によって値付けされたオゾンを用いて校正用オゾン計(オゾン自動計測器)を校正
しておき,試験対象計測器の設置場所でその校正用オゾン計の指示値を用いて,発生させたオゾンの濃度
を求める方法である。
備考 附属書2に規定の方法が実施できない場合は,2.2又は2.3によって調製したオゾンを用いて校
正用オゾン計の校正を行う場合がある。
4.2 構成 附属書2によって調製されたオゾンによる校正用オゾン計の校正作業の配置例を,附属書3
図4に示す。
附属書3図4 校正用オゾン計の校正作業の配置例
a) オゾン発生装置 オゾン発生装置は,附属書2の3.1(オゾン発生装置)によるものを用いる。
b) 紫外吸光光度計 紫外吸光光度計は,附属書2の3.2(紫外吸光光度計)によるものを用いる。
c) 校正用オゾン計 校正用オゾン計は,大気中のオゾン自動計測器,オキシダント自動計測器の試験場
所における校正などのために使用するためのもので,附属書2によって値付けされたオゾンによって
校正されたオゾン自動計測器を用いる。
なお,校正用オゾン計は,専用機として十分に精度管理された状態で維持されているものを用いる。
4.3 操作 操作は,次による。
a) 附属書3図4に例を示すとおりに各装置を配置し,流路系に漏れのないことを確かめる。
b) ゼロガスを校正用オゾン計に導入し,ゼロ調節を行った後,オゾン発生装置からオゾンを発生させる。

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  • ISO 10313:1993(MOD)
  • ISO 13964:1998(MOD)
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