JIS C 1273-2:2017 交流電子式無効電力量計―第2部:取引又は証明用 | ページ 5

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C 1273-2 : 2017
監査証跡は,ソフトウェア更新の成否にかかわらず,各更新の試みに対して生成しなければならない。
また,記録した監査証跡は削除できず,全て読み出すことが可能でなければならない。
監査証跡を記録する記憶装置は,検定有効期間中のソフトウェアの更新の記録をするのに十分な容量を
もっていなければならない。記憶装置が記憶容量の限界に達した後は,封印を破らなければそれ以上のソ
フトウェア更新はできない構造でなければならない。
5.5.7 時間(時計及びタイムスタンプ)
時間の精度は,日差±10秒以内でなければならない。ただし,停電時にあっては日差±25秒以内とする。
時計は時刻の設定が可能な構造とし,その設定は特定のアクセス権を必要とする特別の操作でなければな
らない。設定は通信インタフェースを通してコマンドによって実行するか,又は特別の手動操作によって
実行するようにしなければならない。時計の時刻の設定は法定計量に関連する機能である。
タイムスタンプは,時計と一致しなければならない。
注記1 時間の精度は,計器の動作原理及び構造(電源同期,水晶制御など),並びに外部環境(周波
数の変動及び停電の頻度)を踏まえた,合計の時間である。IEC 62054-21参照。
注記2 時間が取引又は証明において密接に関連する場合もあるため,時間の精度はより正確なもの
となるよう,その不確かさを低減することが望ましい。

5.6 使用のための適性

5.6.1  結果の読取りやすさ
計器は,法定計量単位の数値を表示できる1以上の表示装置を備え,読みやすく,計量値の文字高さは
4 mm以上でなければならない。このとき,表示装置は小数部がはっきり分かるようにしなければならな
い。
表示装置は,取引又は証明用に関連するデータを全て表示できなければならない。一つの表示装置に複
数の値を表示する場合でも,関連する全ての内容を表示させる。サイクリックさせるときは,一表示当た
り5秒以上表示していなければならない。
注記1 サイクリック数が少ないときは,読取りやすさを考慮した長い時間とすることが望ましい。
例えば,10秒など。
注記2 結果の読取りやすさは表示装置に依存する。表示の明るさ,コントラスト,色などについて
使用(設置)環境を考慮した設計とすることが望ましい。
注記3 機械式レジスタである場合,小数部ドラムに異なったマークを付けるなどがある。
時間帯別無効計器の場合,有効な時間帯を反映するレジスタを表示しなければならない。それぞれの時
間帯のレジスタは計器から直接読取りでき,各レジスタをはっきり特定できなければならない。
電子式レジスタにおいては,停電時に保存した値を保持できるように不揮発性でなければならない。保
存した値は,電源復旧時に上書きしてはならない。かつ,電源復旧時に読み出し表示することが可能でな
ければならない。また,少なくとも1か月の期間定格動作をさせた場合でも,表示がオーバーフローせず,
電力量を保存及び表示できなければならない。この保存及び表示の機能は,双方向計器の各レジスタ及び
時間帯別無効計器の各レジスタを含む取引又は証明に用いられる全てのレジスタに適用する。さらに,結
果の保持期間は,取り外した計器に対して1年以上でなければならない。電子式の表示装置は,機能確認
のために,全ての表示セグメントをオンにできなければならない。
5.6.2 試験の容易性
計器は,試験を容易にするために,計量パルスを出力できなければならない。
電気的計量パルス出力については,5.6.2.1に示す特性をもたなければならない。

――――― [JIS C 1273-2 pdf 21] ―――――

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光学的計量パルス出力については,5.6.2.2及び5.6.2.3に示す特性をもたなければならない。
5.6.2.1 電気的計量パルス出力の電気的特性
電気的計量パルス出力は,図1による。
− パルス最大印加電流IO : 10 mA±5 mA
− パルス最大印加電圧 VOH : 直流30 V
− T1,T2−T1 : 32 μs以上
− ローレベル出力電圧 VOL : 1.5 V以下
− ハイレベル出力電流 IOH : 0.1 mA以下
図1−電気的計量パルス出力
5.6.2.2 光学的計量パルス出力の機械的及び電気的特性
光学的計量パルス出力は,正面から受光でき,隣接する光パルス出力又は光学的状態表示器から適切な
距離を設け,伝送に影響しないものとする。
光学的計量パルス出力は,変調パルス又は非変調パルスとすることができる。非変調パルス出力による
場合は,図2による。

――――― [JIS C 1273-2 pdf 22] ―――――

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− tON≧21 μs
− tOFF≧21 μs
図2−光学的計量パルスの非変調パルス出力
5.6.2.3 光学的計量パルス出力の光学的特性
光学的計量パルスの光出力のピーク波長は,830 nm960 nmとする。
光学的計量パルス出力に関して,計器表面からの距離10 mm±1 mmにある基準面(受光面)における
放射照度Etの限度値は,次による。
− オン状態 : 400 μW/cm2≦Et
− オフ状態 : Et≦2 μW/cm2
指向特性などは,図3による。
単位 mm
図3−光学的計量パルス出力の配置

6 性能

6.1 検定公差

  計器は,7.1によって試験をしたとき,その器差が表5に規定する検定公差を満足しなければならない。

――――― [JIS C 1273-2 pdf 23] ―――――

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表5−無効電力量計の検定公差
電流値 力率 検定公差
%
Itr,10 Itr及びIn 0及び0.866 2.5
Imin 0及び0.866 3.0

6.2 電気的性能

6.2.1  一般事項
計器は7.2.1によって試験をしたとき,表6に規定する最大許容器差を満足しなければならない。
注記 最大許容器差は,複合最大許容器差及び複合器差によって,総合的に評価することもできる。
附属書A参照。
表6−無効電力量計の最大許容器差の限度
電流値 力率 最大許容器差
%
Itr,10 Itr,In及びImax 0及び0.866 2.5
Imin 0及び0.866 3.0
Ist 0.866 25.0
6.2.2 逆方向電流の影響
計器は,7.2.2によって試験をしたとき,計量パルスが発生せず,また,計量してはならない。双方向計
器においては,加えている電力と異なる方向の計量をしてはならない。
6.2.3 自己加熱
計器は,7.2.3によって試験をしたとき,自己加熱によって生じる器差の差の限度及び最大許容器差が,
表7の限度を超えてはならない。
表7−自己加熱による器差の差の限度及び最大許容器差
電流値 力率 器差の差の限度 最大許容器差
% %
Imax 0 1.3 2.5
0.866 2.5
6.2.4 始動
計器は,7.2.4によって試験をしたとき,計量パルスが継続して発生しなければならない。
6.2.5 潜動
計器は,7.2.5によって試験をしたとき,試験時間内に計量パルスが発生してはならない。
6.2.6 計器定数
計器は,7.2.6によって試験をしたとき,計量パルス数に正しく比例して表示機構の表示が動作しなけれ
ばならない。また,比例する割合は計器定数に一致しなければならない。

6.3 影響

6.3.0  一般事項

――――― [JIS C 1273-2 pdf 24] ―――――

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計器は,6.3.16.3.11の細分箇条ごとに試験を行い,各試験の前後の器差が,表6に規定する最大許容
器差を満足し,かつ,各細分箇条に規定する限度を超えてはならない。
6.3.1 温度特性
計器は,7.3.1によって試験をしたとき,周囲温度の変化によって生じる差(温度係数)が,表8の限度
を超えてはならない。
表8−温度係数
電流値 力率 温度係数
%/℃
Itr,10 Itr及びImax 0 0.13
0.866 0.19
6.3.2 不平衡負荷の影響
計器は,7.3.2によって試験をしたとき,不平衡負荷の影響によって生じる器差の差が,表9の限度を超
えてはならない。
表9−不平衡負荷の影響による器差の差の限度
電流値 力率 器差の差の限度
%
10 Itr及びImax 0 2.0
0.866 3.0
6.3.3 電圧特性
計器は,7.3.3によって試験をしたとき,定格電圧を基準とする±10 %の電圧の変化によって生じる器差
の差が,表10の限度を超えてはならない。
表10−電圧変化による器差の差の限度
電圧 電流値 力率 器差の差の限度
(定格電圧に対する百分率) %
90,100及び110 10 Itr 0 1.3
0.866 2.0
6.3.4 周波数特性
計器は,7.3.4によって試験をしたとき,定格周波数を基準とする±2 %の周波数の変化によって生じる
器差の差が,表11の限度を超えてはならない。
表11−周波数変化による器差の差の限度
周波数 電流値 力率 器差の差の限度
(定格周波数に対する百分率) %
98,100及び102 10 Itr 0 1.0
0.866 1.3

――――― [JIS C 1273-2 pdf 25] ―――――

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JIS C 1273-2:2017の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 1273-2:2017の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC0920:2003
電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
JISC1210:1979
電力量計類通則
JISC1281:1979
電力量計類の耐候性能
JISC3307:2000
600Vビニル絶縁電線(IV)
JISC60068-2-1:2010
環境試験方法―電気・電子―第2-1部:低温(耐寒性)試験方法(試験記号:A)
JISC60068-2-2:2010
環境試験方法―電気・電子―第2-2部:高温(耐熱性)試験方法(試験記号:B)
JISC60068-2-27:2011
環境試験方法―電気・電子―第2-27部:衝撃試験方法(試験記号:Ea)
JISC60068-2-30:2011
環境試験方法―電気・電子―第2-30部:温湿度サイクル(12+12時間サイクル)試験方法(試験記号:Db)
JISC60068-2-47:2008
環境試験方法―電気・電子―第2-47部:動的試験での供試品の取付方法
JISC60068-2-64:2011
環境試験方法―電気・電子―第2-64部:広帯域ランダム振動試験方法及び指針(試験記号:Fh)
JISC60068-2-78:2015
環境試験方法―電気・電子―第2-78部:高温高湿(定常)試験方法(試験記号:Cab)
JISC60068-3-1:2016
環境試験方法―電気・電子―第3-1部:低温(耐寒性)試験及び高温(耐熱性)試験の支援文書及び指針
JISC60068-3-4:2004
環境試験方法―電気・電子―第3-4部:高温高湿試験の指針
JISC61000-4-11:2008
電磁両立性―第4-11部:試験及び測定技術―電圧ディップ,短時間停電及び電圧変動に対するイミュニティ試験
JISC61000-4-2:2012
電磁両立性―第4-2部:試験及び測定技術―静電気放電イミュニティ試験
JISC61000-4-3:2012
電磁両立性―第4-3部:試験及び測定技術―放射無線周波電磁界イミュニティ試験
JISC61000-4-4:2015
電磁両立性―第4-4部:試験及び測定技術―電気的ファストトランジェント/バーストイミュニティ試験
JISC61000-4-5:2018
電磁両立性―第4-5部:試験及び測定技術―サージイミュニティ試験
JISC61000-4-6:2017
電磁両立性―第4-6部:試験及び測定技術―無線周波電磁界によって誘導する伝導妨害に対するイミュニティ
JISC61000-4-8:2016
電磁両立性―第4-8部:試験及び測定技術―電源周波数磁界イミュニティ試験
JISC61000-6-1:2019
電磁両立性―第6-1部:共通規格―住宅,商業及び軽工業環境におけるイミュニティ規格
JISC61000-6-2:2019
電磁両立性―第6-2部:共通規格―工業環境におけるイミュニティ規格
JISK2246:2018
防せい(錆)油