JIS K 8541:2021 硝酸(試薬) | ページ 2

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2) ブロモチモールブルー溶液 JIS K 8842に規定するブロモチモールブルー0.10 gをJIS K 8102に規
定するエタノール(95)50 mLに溶かし,水を加えて100 mLにしたもの。褐色ガラス製瓶に保存
する。
3) 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液(NaOH : 40.00 g/L) JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウムを用
い,JIS K 8001のJA.6.4 r) 1)(1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液)に従って,調製,標定及び算出し
たもの。ポリエチレンなどの樹脂製瓶に保存する。
b) 装置 主な装置は,次による。
· 自動滴定装置 電位差滴定の機能をもち,最小吐出量が0.01 mL以下のもの。
c) 操作 操作は,次による。
1) 試料溶液の調製は,二酸化炭素を除いた水20 mLを共通すり合わせ三角フラスコ100 mLなどにと
り,その質量を0.1 mgの桁まではかり(m1 g),試料約2 mLを加え,再びその質量を0.1 mgの桁ま
ではかる(m2 g)。
2) 次のいずれかの方法で,滴定する。
2.1) ブロモチモールブルー溶液数滴を加え,1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液で滴定する。終点は,液の
色が黄から青に変わる点とする。
2.2) IS K 0113の5.(電位差滴定方法)によって,指示薬を用いず,指示電極に白金電極若しくは銀
電極を,参照電極に銀−塩化銀電極を用いるか,又は指示電極と参照電極とを組み合わせた複合
電極を用いて,1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液で滴定を行う。終点は,変曲点とする。
なお,試料溶液を適切な大きさのビーカーなどに移し,電極が浸るように水を加えてもよい。
d) 計算 濃度(HNO3)は,次の式を用いて算出する。
0.06301 Vf
A 100
m2 m1
ここに, A : 濃度(HNO3)(質量分率 %)
V : 滴定に要した1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液の体積
(mL)
f : 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液のファクター
m2 : 試料及び水を入れた共通すり合わせ三角フラスコの質
量(g)
m1 : 水を入れた共通すり合わせ三角フラスコの質量(g)
0.063 01 : 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液1 mLに相当するHNO3
の質量を示す換算係数(g/mL)

6.3 強熱残分(硫酸塩)

  強熱残分(硫酸塩)の試験方法は,次による。
a) 試薬 試薬は,次による。
· 硫酸 JIS K 8951に規定するもの。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) 蒸発皿 JIS R 1302に規定する磁器蒸発皿,これと類似の形状の石英蒸発皿,又はJIS H 6202に規
定する白金皿。
2) デシケーター 乾燥剤としてJIS Z 0701に規定するシリカゲル(A形1種)を入れたもの。
3) 水浴又は熱板(ホットプレート) 約100 ℃に調節できるもの。
4) 電気炉又は湿式灰化装置 500 ℃±50 ℃に調節できるもの。
c) 操作 操作は,次による。

――――― [JIS K 8541 pdf 6] ―――――

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なお,有害な硝酸蒸気などが発生するため,排気に注意する。
1) 試料334 gをあらかじめ恒量とした蒸発皿(W1 g)にはかりとる(W2 g)。この場合,試料量m3 gは,
(W2−W1)gとする。
なお,試料の質量を別途はかり込んでから蒸発皿に加えてもよい(m3 g)。また,蒸発皿の容量が
小さい場合,以後の濃縮後に注ぎ足して,3)の操作を繰り返してもよい。
2) 硫酸0.2 mLを徐々に加える。
3) 沸騰水浴又は熱板(ホットプレート)上で約100 ℃で約1 mLまで濃縮する。
4) 熱板(ホットプレート)上で温度を上げて,硫酸の白いミストが発生しなくなるまで加熱する。
5) 蒸発皿を電気炉又は湿式灰化装置で,500 ℃±50 ℃で30分間強熱する。
6) 電気炉又は湿式灰化装置から取り出した蒸発皿を速やかにデシケーターに入れる。
なお,強熱後の蒸発皿をデシケーターに入れるとデシケーター内部の空気が膨張し,デシケータ
ーの蓋が落下しやすいため,蓋をずらして空気を抜くとよい。
7) デシケーター内で放冷後,蒸発皿を取り出し,0.1 mgの桁まで質量をはかる(W3 g)。
8) 恒量になるまで5)7)の操作を繰り返す。
d) 計算 強熱残分(硫酸塩)は,次の式によって算出する。
WW3 1 6
B 10
m3
ここに, B : 強熱残分(硫酸塩)(質量分率 ppm)

6.4 塩化物(Cl)

  塩化物(Cl)の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次による。
1) アンモニア水 JIS K 8085に規定する質量分率28.0 %30.0 %のもの。
2) 硝酸(1+2) この規格の特級の品質を満足するものの体積1と水の体積2とを混合したもの。
3) 硝酸銀溶液(20 g/L) JIS K 8550に規定する硝酸銀2 gをはかりとり,水を加えて溶かし,更に水
を加えて100 mLにしたもの。褐色ガラス製瓶に保存する。
4) 塩化物標準液(Cl : 0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) 共通すり合わせ平底試験管 容量50 mL,直径約24 mmで目盛のあるもの。
2) 蒸発皿 JIS R 3503に規定するもの。
3) 水浴 沸騰水浴として使用することができ,蒸発皿,ビーカーなどを載せられるもの。水浴の水は,
塩化物がJIS K 0557のA2以上の品位のもの。
c) 操作 操作は,次による。
なお,有害な硝酸蒸気が発生するため,排気に注意する。
1) 試料溶液の調製は,試料30 gを蒸発皿などにはかりとり,水10 mL及び硝酸銀溶液(20 g/L)1 mL
を加えて混合し,直射日光が当たらないようにし,沸騰水浴上で蒸発乾固する。
2) 比較溶液の調製は,塩化物標準液(Cl : 0.01 mg/mL)0.90 mL,水10 mL及び硝酸銀溶液(20 g/L)
1 mLをビーカー100 mLなどにとり,直射日光が当たらないようにし,沸騰水浴上で蒸発乾固する。
3) 試料溶液及び比較溶液に,直ちに,アンモニア水0.5 mLを加え,少量の水で共通すり合わせ平底試
験管に移し,水で20 mLとする。それぞれに硝酸(1+2)5 mLを加えて振り混ぜた後,15分間放
置する。

――――― [JIS K 8541 pdf 7] ―――――

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4) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験
管の上方又は側方から観察して,濁りを比較する。
d) 判定 試料溶液から得られた液の濁りが,比較溶液から得られた液の白濁より濃くないとき,“塩化物
(Cl) : 質量分率0.3 ppm以下(規格値)”とする。

6.5 硫酸塩(SO4)

  硫酸塩(SO4)の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次による。
1) エタノール(95) JIS K 8102に規定するもの。
2) 炭酸ナトリウム溶液(100 g/L) JIS K 8625に規定する炭酸ナトリウム10 gをはかりとり,水を加
えて溶かし,更に水を加えて100 mLにしたもの。
3) 塩化バリウム溶液(100 g/L) JIS K 8155に規定する塩化バリウム二水和物11.7 gをはかりとり,
水を加えて溶かし,更に水を加えて100 mLにしたもの。
4) 塩酸(2+1) JIS K 8180に規定する塩酸(特級)の体積2と水の体積1とを混合したもの。
5) 硫酸塩標準液(SO4 : 0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) 共通すり合わせ平底試験管 6.4 b) 1)による。
2) 蒸発皿 6.4 b) 2)による。
3) 水浴 沸騰水浴として使用することができ,蒸発皿,ビーカーなどを載せられるもの。
c) 操作 操作は,次による。
なお,有害な硝酸蒸気が発生するため,排気に注意する。
1) 試料溶液の調製は,試料100 gを蒸発皿などにはかりとり,炭酸ナトリウム溶液(100 g/L)0.1 mL
を加え,沸騰水浴上で蒸発乾固し,冷却後,塩酸(2+1)0.5 mLを加え,沸騰水浴上で蒸発乾固す
る。冷却後,塩酸(2+1)0.3 mLを加え,少量の水で共通すり合わせ平底試験管に移し,更に水を
加えて25 mLにする。
なお,蒸発皿の容量が小さい場合,数回に分割して試料を加えてもよい。
2) 比較溶液の調製は,炭酸ナトリウム溶液(100 g/L)0.1 mL及び塩酸(2+1)0.5 mLをビーカー50 mL
などにとり,沸騰水浴上で蒸発乾固する。冷却後,塩酸(2+1)0.3 mLを加え,少量の水で共通す
り合わせ平底試験管に移し,硫酸塩標準液(SO4 : 0.01 mg/mL)5.0 mLを加え,更に水を加えて25 mL
にする。
3) 試料溶液及び比較溶液に,エタノール(95)3 mL及び塩化バリウム溶液(100 g/L)2 mLを加えて
振り混ぜた後,1時間放置する。
4) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験
管の上方又は側方から観察して,濁りを比較する。
d) 判定 試料溶液から得られた液の濁りが,比較溶液から得られた液の白濁より濃くないとき,“硫酸塩
(SO4) : 質量分率0.5 ppm以下(規格値)”とする。

6.6 銅(Cu),鉛(Pb)及び鉄(Fe)

  銅(Cu),鉛(Pb)及び鉄(Fe)の試験方法は,特級に適用し,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 塩酸(2+1) 6.5 a) 4)による。
2) 銅標準液(Cu : 0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。

――――― [JIS K 8541 pdf 8] ―――――

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3) 鉛標準液(Pb : 0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
4) 鉄標準液(Fe : 0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) 蒸発皿 6.4 b) 2)による。
2) フレーム原子吸光分析装置 装置の構成は,JIS K 0121に規定するもの。
c) 分析種の測定波長 分析種の測定波長の例を表2に示す。
表2−分析種の測定波長の例
単位 nm
分析種 測定波長
銅(Cu) 324.8
鉛(Pb) 283.3
鉄(Fe) 248.3
d) 操作 操作は,次による。
なお,有害な硝酸蒸気が発生するため,排気に注意する。
1) 試料250 gを数回に分けて蒸発皿などに移し入れ,熱板(ホットプレート)上で穏やかに加熱し,
沸騰させないように蒸発乾固する。冷却後,塩酸(2+1)1 mLを加え,少量の水で全量フラスコ
25 mLに移し,更に水を標線まで加えて混合する(C液)。
2) 試料溶液の調製は,C液10 mL(試料量100 g)を全量フラスコ20 mLに正確にとり,水を標線まで
加えて混合する(X液)。
3) 比較溶液の調製は,C液10 mL(試料量100 g)を全量フラスコ20 mLに正確にとり,銅標準液(Cu :
0.01 mg/mL)1.0 mL,鉛標準液(Pb : 0.01 mg/mL)1.0 mL及び鉄標準液(Fe : 0.01 mg/mL)2.0 mL
を加え,水を標線まで加えて混合する(Y液)。
4) フレーム原子吸光分析装置を用いて,Y液をアセチレン−空気フレーム中に噴霧し,表2に示す測
定波長付近で吸光度が最大となる波長を設定する。X液及びY液をそれぞれアセチレン−空気フレ
ーム中に噴霧し,分析種の吸光度を測定し,X液の指示値及びY液の指示値を読み取る。
5) 測定結果は,X液の指示値とY液の指示値からX液の指示値を引いた値とを比較する。
e) 判定 X液の指示値が,Y液の指示値からX液の指示値を引いた値より大きくないとき,“銅(Cu) :
質量分率0.1 ppm以下(規格値),鉛(Pb) : 質量分率0.1 ppm以下(規格値),鉄(Fe) : 質量分率0.2
ppm以下(規格値)”とする。
注記 分析種の含有率(質量分率 ppm)は,次の式によっておおよその値を求めることが可能であ
る。
n1
En
n1
D 2
106
m4 1000
ここに, D : 分析種の含有率(質量分率 ppm)
E : 用いた標準液中の分析種の質量(mg)
m4 : X液中の試料の質量(g)
n1 : X液の指示値
n2 : Y液の指示値

――――― [JIS K 8541 pdf 9] ―――――

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6.7 ひ素(As)

  ひ素(As)の試験方法は,次による。
なお,微量金属測定用の場合,ひ素(As)の試験方法は,6.8による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次による。
1) 亜鉛(ひ素分析用) JIS K 8012に規定する粒径150
2) ピリジン JIS K 8777に規定するもの。
3) 硫酸 6.3 a)による。
4) 塩化すず(II)溶液(ジエチルジチオカルバミド酸銀法用)[塩化すず(II)溶液(AgDDTC法用)]
JIS K 8136に規定する塩化すず(II)二水和物40 gをJIS K 8180に規定する塩酸(ひ素分析用)に
溶かし,更にJIS K 8180に規定する塩酸(ひ素分析用)で100 mLにしたもの。JIS K 8580に規定
する小粒状のすず2,3個を加えて褐色ガラス製瓶に保存し,使用時に水で10倍に希釈する。
5) 塩酸(ひ素分析用)(1+1) JIS K 8180に規定する塩酸(ひ素分析用)の体積1と水の体積1とを
混合したもの。
6) 酢酸鉛(II)溶液(100 g/L) JIS K 8374に規定する酢酸鉛(II)三水和物11.6 gを水に溶かして100
mLにした後,JIS K 8355に規定する酢酸0.1 mLを加えたもの。
7) ,N-ジエチルジチオカルバミド酸銀·ピリジン溶液(AgDDTC·ピリジン溶液) JIS K 9512に規
定するN,N-ジエチルジチオカルバミド酸銀0.5 gをJIS K 8777に規定するピリジンに溶かし,更に
ピリジンを加えて,100 mLにしたもの。褐色ガラス製瓶に保存する。
8) よう化カリウム溶液(200 g/L) JIS K 8913に規定するよう化カリウム20 gを水に溶かして100 mL
にしたもの。使用時に調製する。
9) ひ素標準液(As : 0.001 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) 吸収セル 光路長が10 mmのもの。
2) 蒸発皿 6.4 b) 2)による。
3) ひ素試験装置 例を図1に示す。
4) 分光光度計 装置の構成は,JIS K 0115に規定するもの。
c) 操作 操作は,次による。
なお,有害な硝酸蒸気及び硫酸ミストが発生するため,排気に注意する。
1) 試料溶液の調製は,試料100 gを蒸発皿などにはかりとり,硫酸2 mLを加えて,熱板(ホットプレ
ート)上で硫酸の白いミストが生じるまで加熱する。冷却後,水10 mLを注意して加え,再び熱板
(ホットプレート)上で白いミストが生じるまで加熱する。冷却後,水素化ひ素発生瓶Aに少量の
水を用いて移し,更に水を加えて20 mLにする。
2) 比較溶液の調製は,硫酸2 mLを蒸発皿などにとり,熱板(ホットプレート)上で硫酸の白いミス
トが生じるまで加熱する。冷却後,水10 mLを注意して加え,再び熱板(ホットプレート)上で白
いミストが生じるまで加熱する。冷却後,水素化ひ素発生瓶Aに少量の水を用いて移し,ひ素標準
液(As : 0.001 mg/mL)1.0 mL加え,水を加えて20 mLにする。
3) 空試験溶液の調製は,硫酸2 mLを蒸発皿などにとり,熱板(ホットプレート)上で硫酸の白いミ
ストが生じるまで加熱する。冷却後,水10 mLを注意して加え,再び熱板(ホットプレート)上で
白いミストが生じるまで加熱する。冷却後,水素化ひ素発生瓶Aに少量の水を用いて移し,更に水
を加えて20 mLにする。

――――― [JIS K 8541 pdf 10] ―――――

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JIS K 8541:2021の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 6353-2:1983(MOD)

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JIS K 8541:2021の関連規格と引用規格一覧