JIS L 1015:2010 化学繊維ステープル試験方法 | ページ 10

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B.7.2 個々の繊維
個々の繊維の場合は,次による。
a) 繊維の質量をその長さで除することで各繊維の繊度を計算する。これらの繊維の繊度の平均を計算す
る。
b) 各繊維の繊度に対する個々の繊維の変動係数を計算する。
c) 得られた値の平均は,95 %信頼限界が2 %未満を示す試料中の繊維の平均繊度として採用する。信頼
限界が高すぎる場合は,試験した繊維数の信頼限界が2 %以下か同じとなるまで,試験する繊維数を
増やしていく。
B.8 試験報告書
試験報告書には,次の事項を含む。
a) 測定方法(繊維の束又は個々の繊維)
b) 切断した束の長さ
c) 試料中の繊維の平均繊度
d) 95 %信頼限界

――――― [JIS L 1015 pdf 46] ―――――

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附属書C
(参考)
繊維製品−人造繊維−個々の繊維の引張強さ及び伸び率
この附属書は,規格本体と関係があるので,1977年に発行されたISO 5079,Textiles−Man-made fibres
−Determination of breaking strength and elongation of individual fibresを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式
を変更することなく作成したものである。ただし,実態上国内では使われていないために附属書(参考)
とした。
C.0

まえがき

  この国際規格は,人造繊維の引張強さ及び伸び率を選定する操作について規定する。これら繊維特性の
測定は,試験装置の異なったタイプで行ったとき,概して等しい検査結果が得られない。装置の異なった
タイプで得た結果間の差を最小限にするために,この国際規格は,試験装置の二つのタイプに制限する。
a) 繊維の定速伸張を示す装置
b) 繊維の定速荷重を示す装置
しかし,二つのタイプの装置で試験したとき,与えられた繊維の結果の開きは伸びと力の適用率とによ
って20 %以内の差が生じると予想される。このために,受渡当事者間の協定によって一つの機械のタイプ
でだけで比較試験を行うよう推奨する。
C.1 適用範囲
この国際規格は,個々の繊維の引張強さと伸び率を測定するための試験条件及び方法を規定する。この
方法は,有効繊維長として10 mm20 mmのゲージ長(繊維を取り付けるときのつかみ間隔)をもつ化学
繊維(けん縮のある繊維を含む。)に適用できる。繊維を引っ張って増加した長さから伸びを求めるために,
精度上は,可能な限り長いゲージ長を採用すべきである。
注記 適用分野は,化学繊維に限定した理由は,化学繊維は試料の与えられたタイプ内での繊度の変
化が,小さいからである。天然繊維の場合には,そうではない。化学繊維の場合は,この方法
で得られた結果(個々の繊維での試験)は十分に重要なデータとなる。
C.2 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)は適用しない。
ISO 139:1973,Textiles−Standard atmospheres for conditioning and testing
ISO 1130:1975,Textile fibres−Some methods of sampling for testing
ISO 1973:1976,Textiles−Determination of linear density of fibres−Gravimetric method
C.3 定義
次の定義を用いる。
a) 引張強さ 試料が切断するまで引っ張ったとき,試験中に観察した最大引張強さ。これをセンチニュ
ートン(cN)で表示する。

――――― [JIS L 1015 pdf 47] ―――――

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b) 伸び 例えば,ミリメートル(mm)のように長さの単位で示される引張強さ試験中の試験片の伸び。
c) 伸び率(%) 呼称長さに対するパーセント(%)として表示される引張強さ試験中の試験片の長さの
増加率。
d) 切断時の伸び 切断荷重(例えば,引張強さの測定中に適用した最大の力)によって生じた伸び。
C.4 原理
規定した条件下で作動する装置を用いて,切断するまで適正に取り付けた単繊維を引き伸ばす。その繊
維の引張強さと伸びを記録する。
注記 繊維のほかの特性を測定するために,自動記録装置付試験機が必要である。強度を測定するた
めには,繊維の繊度,又は試料の平均繊度が要求される(ISO 1973参照)。
C.5 装置及び材料
C.5.1 引張試験機
10 mm20 mmのゲージ長で試料をつかむことができる。適切なつかみがあり,切断するまで繊維を引
き伸ばすもので,試料に与えた荷重とそのときの伸びを示すことができるもの。表示した引張強さ試験機
の誤差は,繊維の平均引張強さの1 %以下で,引張強さで伸びを示す誤差は0.1 mm以下のもの。機械は
C.5.1.1で記述したタイプ又はC.5.1.2で記述したタイプのいずれかとし,力を加え始めた状態でもち上が
り(ジャーキング)を避けるように設計されたもの。
C.5.1.1 定速伸張形引張試験機
機械は繊維の定率伸びが適用できる容量のもので,試験の最初の2秒後のつかみ間の距離の増加率は,
試験の全期間中,増加の平均率から5 %以上の差のないもの。機械は平均20±3秒以内でテスト試験片を
切断するために,異なった定速伸張ができる装置をもつこと。
C.5.1.2 定速荷重形引張試験機
機械は定率に力を適用できる容量のもので,試験の最初の5秒後,2秒間隔で力の増加の定率での試験
は,試験期間中,力の平均増加率から25 %以上誤差のないもの。機械は平均20±3秒以内で試料を切断す
るために,異なった定速荷重が適用できる装置をもつこと。
C.5.2 試料の取付具
個々の繊維を,装置のつかみ間隔内できずつけないように取り付ける器具(C.12参照)。
C.5.3 精製又は脱イオン水
C.5.4 非イオン湿潤剤
C.6 試料の調整及び試験用標準状態
ISO 139に規定した繊維の予備調整,調整及び試験用標準状態
C.7 サンプリング
実験室試料がロットを代表するものであり,またそれから採取した試料が実験室試料の代表するもので
あることを確認するために,サンプリングはISO 1130の方法に従って行う。
C.8 試験方法
C.8.1 標準時状態での試験

――――― [JIS L 1015 pdf 48] ―――――

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ISO 139に規定した試験用標準状態で試料を次のように予備調整及び調整する。
a) .5.1.1及びC.5.1.2で規定した限界内で,試験の要求した持続を示す機械をセットする。
b) 個々の繊維を試験機のつかみに取り付ける(C.12参照)。繊維が機械の伸び軸に沿って,平行になっ
ているかを確かめる。
1) 緩みをもたせての取付け 個々の繊維をわずかに緩め,適切なつかみ又はカードキャリヤ間のいず
れかに直接取り付ける。
2) 初荷重を与えての取付け 適切なつかみ間に個々の繊維を取り付け,その繊維の平均繊度から計算
して標準時試験では5.6 mN/Tex,湿潤時試験では2.5 mN/Texの初荷重1) を適用する。
注1) 受渡当事者間の同意によって,試料のけん(捲)縮を除去するために,より高い張力が適
用できる。
c) カードキャリヤを使用しての取付け カードキャリヤを使用したときは,繊維が自由になるように縦
方向にカードをセットし,移動つかみをセットし,切断点までテスト試験片を引き伸ばす。
C.8.2 湿潤時試験
湿潤時試験を行う場合は,最初20±2 ℃の温度で0.1 %以下の濃度の非イオン湿潤剤を加えた精製水又
は脱イオン水に浸せきし,試料は沈むか,又は2分以上浸せきしておく。浸せきした試料を取り付けて試
験を行う。
C.9 サンプリング
売り手と買い手間でほかに同意事項がなければ,50以上の試料について試験する。例えば,切断の端が
目視できないつかみ部分での切断であったようなつかみ切断に注意し,そのような試料の結果は除外する。
装置の条件は,つかみ切断数が試料数の10 %を超えないようにする。
C.10 結果の表示
結果の表示は,次による。
a) 試験した繊維の平均引張強さを計算し,cN単位で結果を表示する。
b) 繊維の切断時の平均伸びとゲージ長の%としての切断時の平均伸び率を計算する。
c) 引張強さと切断時の伸びの変動係数を計算する。
注記 必要によってほかの引張り特性,例えば強さ,モジュラスを計算する。
C.11 試験報告書
試験報告書は,次による。
a) この国際規格に従って試験が行われた旨の表示
b) 使用した引張試験機のタイプ,定速伸長形か,定速荷重形のいずれかの表示(C.5参照)
c) 繊維の取付方法と取付けのタイプ,例えば初荷重を与えての取付け又はカードキャリヤ使用
d) 使用したゲージ長
e) Nで表した繊維の引張強さの平均
f) %で表した切断時の平均伸び
g) 試験した繊維数
h) 引張強さの変動係数及び切断時の伸び
i) 試験片の湿潤処理又は調整の詳細

――――― [JIS L 1015 pdf 49] ―――――

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j) 要求された他の引張り特性の結果
C.12 試料の取付け(参考)
繊維が損傷していないか特に注意する。例えば,試験中の繊維の長さは,はさみをもって扱ってはなら
ない。
C.12.1 緩く取り付ける方法 キャリヤを使用してもよい。ゲージ長と同じ長さである長方形の切断部分を
もつ薄いカードの中に,繊維を適宜な接着剤で切断部分を横切るようにして取り付ける。接着剤は試験中,
繊維の長さ方向に広がらないように確かめておく。湿潤試験の場合のカードと接着剤は耐水性のものを使
用する。
C.12.2 初荷重をかけて取り付ける方法 適切な繊維クリップが試験機に取り付けてあること。これは必要
によって,緩く取り付ける方法に使用してもよい。
C.13 伸びの測定(参考)
切断時,伸びの測定でけん(捲)縮のある繊維は試験のスタート点を決定するのが困難である。荷重伸
長曲線の初期の部分はほとんど直線的ではない。この部分はつかみ中でたたまれている繊維又はけん(捲)
縮の除去又はこれらの組合せを表している部分である。この理由として実際,伸張曲線のスタートが非常
にまろやかなところは直線上の伸張曲線のスタート点から力がゼロの点を外接によって求め,伸びの理論
的スタートとして測定するのに使用してもよい。
ほとんどの場合,次の表示によったほうが速やかである。
C.13.1 緩みをもたせての取付け 荷重伸張曲線と使用したゲージ長(10 mm又は20 mm)から,各試料
間のつかみ間の長さを5 mN/Tex又は2.5 mN/Tex(C.8.1参照)の力の下で決定する。繊維の切断時の伸び
率の計算には,この長さを用いる。
C.13.2 初荷重を与えての取付け 各試料の有効長をゲージ長と同じ長さとし,繊維の切断時の伸び率を,
このゲージ長から直接計算することができる。

――――― [JIS L 1015 pdf 50] ―――――

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JIS L 1015:2010の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 1973:1976(NEQ)
  • ISO 5079:1977(NEQ)
  • ISO 6989:1981(NEQ)
  • ISO 6989:1981(NEQ)

JIS L 1015:2010の国際規格 ICS 分類一覧

JIS L 1015:2010の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISK0050:2019
化学分析方法通則
JISK0061:2001
化学製品の密度及び比重測定方法
JISK8034:2006
アセトン(試薬)
JISK8085:2006
アンモニア水(試薬)
JISK8085:2021
アンモニア水(試薬)
JISK8102:2012
エタノール(95)(試薬)
JISK8103:2013
ジエチルエーテル(試薬)
JISK8107:2017
エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(試薬)
JISK8155:2017
塩化バリウム二水和物(試薬)
JISK8180:2015
塩酸(試薬)
JISK8180:2021
塩酸(試薬)
JISK8223:2016
過塩素酸(試薬)
JISK8230:2016
過酸化水素(試薬)
JISK8271:2007
キシレン(試薬)
JISK8355:2006
酢酸(試薬)
JISK8355:2021
酢酸(試薬)
JISK8372:2013
酢酸ナトリウム(試薬)
JISK8541:2015
硝酸(試薬)
JISK8541:2021
硝酸(試薬)
JISK8550:2006
硝酸銀(試薬)
JISK8550:2021
硝酸銀(試薬)
JISK8567:2018
硝酸マグネシウム六水和物(試薬)
JISK8576:2019
水酸化ナトリウム(試薬)
JISK8680:2006
トルエン(試薬)
JISK8799:2020
フェノールフタレイン(試薬)
JISK8858:2007
ベンゼン(試薬)
JISK8886:2008
無水酢酸(試薬)
JISK8891:2006
メタノール(試薬)
JISK8893:2020
メチルオレンジ(試薬)
JISK8937:2020
リグロイン(試薬)
JISK8951:2006
硫酸(試薬)
JISK8960:2008
硫酸アンモニウム(試薬)
JISK9701:2013
ヘプタン(試薬)
JISK9702:2014
ジメチルスルホキシド(試薬)
JISL0101:1978
テックス方式
JISL0105:2020
繊維製品の物理試験方法通則
JISL0204-1:1998
繊維用語(原料部門)―第1部:天然繊維
JISL0204-2:2010
繊維用語(原料部門)―第2部:化学繊維
JISL0204-2:2020
繊維用語(原料部門)―第2部:化学繊維
JISL0204-3:1998
繊維用語(原料部門)―第3部:天然繊維及び化学繊維を除く原料部門
JISL0208:2006
繊維用語―試験部門
JISP3801:1995
ろ紙(化学分析用)
JISR3503:1994
化学分析用ガラス器具
JISZ8401:2019
数値の丸め方
JISZ8701:1999
色の表示方法―XYZ表色系及びX10Y10Z10表色系
JISZ8722:2009
色の測定方法―反射及び透過物体色