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試験結果に影響を及ぼしかねないと考えられるあらゆる現象。
A.10 “ワイラ(Wira)”繊維長試験機
A.10.1 特徴
“ワイラ(Wira)”繊維長試験機1) の主な特徴は,次のとおりである。すなわち,張力をコントロール
しながら繊維長を自動的に測定し,繊維長を5 mm間隔のグループに自動的に分類し,各グループ中の繊
維本数を自動的に記録できる。図A.1及び図A.2に基本的な特徴を図示する2)。
注1) この試験機に関する情報は,この試験機の使用に便宜を図ったり,この試験機の使用を勧めた
りするものではない。他の試験機でも,同様の結果が得られるものであれば,使用して差し支
えない。
2) この試験機の詳細な操作方法は,J. Text. Inst誌1953年44巻3号T95ページ,S. L. Anderson及
びR. C. Palmer著の“単繊維の繊維長測定機(A machine for measuring the length of single fibres)”
に掲載されている。
A.10.2 キャリブレーション
試験機のスイッチを入れ,操作キーをいっぱいまで下げて,繊維デテクター・ワイヤー(図A.2の11)
がアンビル(図A.1の3)と繊維サポーター(図A.2の12)との間の空間に落ちること,また繊維デテク
ター・ワイヤーの先端が水銀面に接触し,試験機が止まり,送りねじ(図A.1の9)が停止することをチ
ェックする。
デテクター・ワイヤーが正確な位置に落下しない場合には,解剖針で固定された端の近くを注意深く曲
げて,ワイヤーの水平方向の位置を調節する。
また繊維デテクター・ワイヤーをもち上げたとき,加圧板(図A.1の2)に平行になり,加圧板の0.5 mm
下になることもチェックする。そうならない場合には,解剖針で固定された端の近くを注意深く曲げて,
ワイヤーの垂直方向の位置を調節する。ピンセット(図A.1の6)で繊維を選びだし,A.7.1に規定された
方法で,その繊維長を測定する。
その場合,繊維の末端がアンビルを離れたとき,送りねじが直ちに停止するかどうかを注意する。送り
ねじが直ちに停止しない場合には,水銀の液面を調節して,繊維が解放されたときに,送りねじがうまく
停止するように調節する。
A.10.3 測定
測定は,次による。
a) 測定する繊維をビロード板に取り付ける。ビロード板の高さは,繊維を把持してアプローチ・パッド
の上に引き入れ繊維ガイド(図A.2の10)に通すことができる高さとする。
b) カウンターのリセット・ホイールを時計回りにまわして,カウンターをすべてゼロにリセットし,カ
ウンターがすべて停止するまで試験機の前面へ回転させる。次いで,カウンターのリセット・ホイー
ルを時計と反対方向へいっぱい回すと,カウンターがフリーになる。
c) 次のようにして,試料の各繊維長を測定して記録する。
1) 繊維の一端を,先のとがったピンセット及び操作キーで上向きに把持して繊維を引っ張り出し,ア
プローチ・パッドの上を経て繊維ガイドに通す。
2) 左人差指で操作キーを押して,ピンセットを送りねじ及び平行に右へ動かし,繊維のわずかな長さ
がガイドを通って引き抜かれるようにする。
3) この操作で,ピンセットは送りねじに触れてはならない。
――――― [JIS L 1015 pdf 41] ―――――
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4) 繊維を把持しているピンセットの先をゆっくりと前に押し出し,ピンセットの先が送りねじとピン
セットのガイド・バー(図A.1の8)との間の隅で止めるようにする。次に,ピンセットの先は送
りねじの最寄の溝に落ち込んで,一定速度で横方向へ運ばれ,繊維を加圧板及びアンビルの間から
引き出し,最終的には送りねじが停止する。操作キーはこの運動中のさらに下の位置に保持されて
おり,ピンセットは繊維が送り出される間,送りねじに対して約90°に維持し,通過中に計測キー
に接触するほど傾けてはならない。
5) 引き続き,ピンセットを上向きに動かし,素早く計測キーを上げるとキーは直ちに上がって,繊維
長が記録される。
6) 長さが5 mm未満といった短い繊維は,5 mm間隔のスケールを使って,肉眼で分類する。
1 加圧アーム 4 繊維 7 キー
2 加圧板 5 カウンターのキーボード 8 ガイド・バー
3 アンビル 6 ピンセット 9 送りねじ
図A.1−繊維長試験機の主要部分(デテクターを除く)
――――― [JIS L 1015 pdf 42] ―――――
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10 繊維ガイド 13 繊維 15 水銀カップ
11 繊維デテクター・ワイヤー 14 アンビルを離れた直後の繊維 16 つまみねじ
12 繊維サポーター
図A.2−試験機の詳細図
――――― [JIS L 1015 pdf 43] ―――――
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附属書B
(参考)
紡織用繊維−繊度の測定−質量法
この附属書は,規格本体と関係があるので,1976年に発行されたISO 1973,Textiles−Determination of
linear density of fibres−Gravimetric methodを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成
したものである。ただし,実態上国内では使われていないために附属書(参考)とした。
B.1 適用範囲
この国際規格は,直線状において一定の長さに切断された紡織用繊維の繊度を測定する質量法について
規定する。
この規格では,二つの操作が規定されており,次のものに適用できる。
a) 繊維の束法
b) 個々の繊維法 繊維の束法は,束の準備中に平行で直線状が維持できる繊維にだけ適用できるが,羊
毛及び加工糸には適用できない。個々の繊維法は,すべての繊維に適用できる。
B.2 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)は適用しない。
ISO 139:1973,Textiles−Standard atmospheres for conditioning and testing
ISO 1130:1975,Textile fibres−Some methods of sampling for testing
ISO 1144:1973,Textiles−Universal system for designating linear density (Tex System)
ISO 6989:1981,Textile fibres−Determination of length and length distribution of staple fibres (by
measurement of single fibres)
B.3 原理
標準条件下にある,B.1 a) 繊維の束か,又はb) 個々の繊維のいずれかの質量及び長さを測定し,繊度
の平均値を算出し,適宜な単位で表示する。この目的についてテックスシステムの適宜な単位はミリテッ
クス又はデシテックスである(ISO 1144を参照)。
B.4 装置及び材料
B.4.1 天びん(秤)
個々の繊維又は繊維束をひょう量するのに適切なもので,1 %の正確さのあるもの。
B.4.2 繊維又は繊維束を裁断する装置
精度が1 %で,既知の長さ及び切断するときに束の張力を調節できるもの。
B.4.3 繊維製試料支持生地
試験する繊維の色と異なるもの。
B.4.4 ガラス板
大きさ10×20 cm,片側に磨いた縁のあるもの。
――――― [JIS L 1015 pdf 44] ―――――
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B.4.5 ピンセット
B.5 試料の調整及び試験用標準状態
試料の調整及び試験用標準状態は,ISO 139に規定した標準状態の一つとする。試料のサンプリング方
法は,ISO 1130に従って行う。
B.6 試験方法
B.6.1 通則
試料は,前処理後,標準状態で恒量とする。試験は標準状態で行う。
B.6.2 繊維の束
繊維の束の場合は,次による。
a) 最終実験室試料から数ミリグラムの10個のタフトを採取し,数回注意深くくしけずって,各タフトの
繊維を平行にする。
b) 裁断装置を使用してけん(捲)縮を除去するのに必要な最小限の張力をかけ,示された長さ(できる
だけ長く)に,くしけずった各タフトの中央部分を切断(通常1 cmの長さ)する。切断するときに,
いずれの繊維も開放された端が切断される間に含まれないように注意する。
c) 繊維製試料支持生地上に,こうして得た10個の束をおき,これらの束がわずかに突出している端から
ガラス板で覆う。
d) ひっくり返して10個の束の各々一方の切断した端から繊維を引き出して5本の繊維を採取し,50本
の束を形成する。これらの束を10個以上作り,B.5に規定した標準状態の一つで調整する。次にこれ
らの束を1 %の正確さのある天びんを使用して個々の束をひょう量する。
B.6.3 個々の繊維
個々の繊維の場合は,次による。
a) 最終実験室試料から数ミリグラム(mg)のタフト10個を採取し,重ね,さばきを繰り返した後,束
を形成する。この束から次に50本の繊維のタフトを採取し,B.5に規定した標準状態の一つでそれら
を調整する。
b) このタフトの繊維すべてを1 %の正確さのある天びんを使用して,個々にひょう量する。各繊維の長
さをISO 6989に規定したのと同じ方法で採寸し,各繊維の長さを測定する。粗剛でけん縮のある繊維
については,繊維を伸ばさない操作が必要である。オイルを塗布した板の上で合成繊維を引き出して
も確実とはいえない。
B.7 結果の表示
B.7.1 繊維の束
繊維の束の場合は,次による。
a) 各束の中の繊維の平均繊度を計算し,これらの値からすべての束を計算する。
b) 得られた10個の結果から繊度の変動係数を計算する。
c) 変動係数から,95 %信頼限界を計算する。信頼限界が2 %未満の場合は,試験する束数は適切であり,
束に対する繊度の平均は,試料の繊度の平均として採用してもよい。信頼限界が2 %以上の場合は,
試験した束数の信頼限界が2 %以下で,採取した束の平均が試料の繊度の平均となるまで,採取する
束数を増やす。
――――― [JIS L 1015 pdf 45] ―――――
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JIS L 1015:2010の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 1973:1976(NEQ)
- ISO 5079:1977(NEQ)
- ISO 6989:1981(NEQ)
- ISO 6989:1981(NEQ)
JIS L 1015:2010の国際規格 ICS 分類一覧
JIS L 1015:2010の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0061:2001
- 化学製品の密度及び比重測定方法
- JISK8034:2006
- アセトン(試薬)
- JISK8085:2006
- アンモニア水(試薬)
- JISK8085:2021
- アンモニア水(試薬)
- JISK8102:2012
- エタノール(95)(試薬)
- JISK8103:2013
- ジエチルエーテル(試薬)
- JISK8107:2017
- エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(試薬)
- JISK8155:2017
- 塩化バリウム二水和物(試薬)
- JISK8180:2015
- 塩酸(試薬)
- JISK8180:2021
- 塩酸(試薬)
- JISK8223:2016
- 過塩素酸(試薬)
- JISK8230:2016
- 過酸化水素(試薬)
- JISK8271:2007
- キシレン(試薬)
- JISK8355:2006
- 酢酸(試薬)
- JISK8355:2021
- 酢酸(試薬)
- JISK8372:2013
- 酢酸ナトリウム(試薬)
- JISK8541:2015
- 硝酸(試薬)
- JISK8541:2021
- 硝酸(試薬)
- JISK8550:2006
- 硝酸銀(試薬)
- JISK8550:2021
- 硝酸銀(試薬)
- JISK8567:2018
- 硝酸マグネシウム六水和物(試薬)
- JISK8576:2019
- 水酸化ナトリウム(試薬)
- JISK8680:2006
- トルエン(試薬)
- JISK8799:2020
- フェノールフタレイン(試薬)
- JISK8858:2007
- ベンゼン(試薬)
- JISK8886:2008
- 無水酢酸(試薬)
- JISK8891:2006
- メタノール(試薬)
- JISK8893:2020
- メチルオレンジ(試薬)
- JISK8937:2020
- リグロイン(試薬)
- JISK8951:2006
- 硫酸(試薬)
- JISK8960:2008
- 硫酸アンモニウム(試薬)
- JISK9701:2013
- ヘプタン(試薬)
- JISK9702:2014
- ジメチルスルホキシド(試薬)
- JISL0101:1978
- テックス方式
- JISL0105:2020
- 繊維製品の物理試験方法通則
- JISL0204-1:1998
- 繊維用語(原料部門)―第1部:天然繊維
- JISL0204-2:2010
- 繊維用語(原料部門)―第2部:化学繊維
- JISL0204-2:2020
- 繊維用語(原料部門)―第2部:化学繊維
- JISL0204-3:1998
- 繊維用語(原料部門)―第3部:天然繊維及び化学繊維を除く原料部門
- JISL0208:2006
- 繊維用語―試験部門
- JISP3801:1995
- ろ紙(化学分析用)
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8701:1999
- 色の表示方法―XYZ表色系及びX10Y10Z10表色系
- JISZ8722:2009
- 色の測定方法―反射及び透過物体色