JIS S 1037:2013 耐火金庫 | ページ 4

14
S 1037 : 2013
5
5) フレキシブルコンピュータディスク用引出し耐火金庫は,図8のように天井から25 +mm離れた箇
0
5
所で,最上段引出しの前板裏側及び引出し側板からそれぞれ25 +mmの2か所,引出しの後板及び
0
5
側板からそれぞれ25 +mmの2か所の合計4か所に熱電対の熱接点を設置する。その他の引出しは,
0
5
引出し前板裏側及び引出し側板からそれぞれ25 +mmのA点又はB点の1か所,正面の隅に交互
0
に設置する。
単位 mm
a) 側断面図 b) 平断面図 c) 正面図
図8−内部温度の測定箇所
e) 内部湿度の測定は,フレキシブルコンピュータディスク用耐火金庫の内部の中央部に,天井及び地か
ら460 mmの箇所へ各1個(合計2か所)とする。内部の高さが920 mm以下のものは,1か所とし(耐
火金庫内部の中央部へ),湿度計のセンサ部分を設置して行う。引出し耐火金庫の場合で2段以上のも
のは,最上段と最下段との中央へ湿度計を設置する。また,湿度計設置のときに,指定寸法どおり設
置できない場合には,設置可能な位置とする。
f) 炉内冷却中の試験体の内部温度の測定は,次による。
1) 一般紙用は,内部温度が明らかに低下が認められるまでとする。
2) フレキシブルコンピュータディスク用は,加熱終了後30分以内に内部温度の最高温度を示した測定
箇所が49 ℃まで下がるか,又は2 ℃の温度低下が認められるまでとする。
g) ) に規定する加熱時間及び炉内冷却が終了後,内部温度(全ての耐火金庫)及び内部湿度(フレキシ
ブルコンピュータディスク用の場合)については表5によって調べる。庫内に貼り付けた新聞紙及び
内部に入れた新聞紙については,炉内冷却が終了後,試験体を加熱炉から取り出し,自然(大気)放
冷して試験体を冷やして扉又は引出しを開け,表5によって調べる。
9.7.6 急加熱・衝撃落下併用試験
急加熱・衝撃落下併用試験は,次による。
a) 試験体は,9.7.1に規定したものとし,内部温度及び湿度は測定しない。
b) 9.7.4に規定した加熱炉をあらかじめ1 090 ℃以上に加熱する。加熱炉内の加熱温度の測定は,9.7.5
のc) による。
c) 手早く炉のドアを開け,試験体を入れる。
d) 試験体を入れた後,30分耐火用金庫は20分間,また,1時間耐火用金庫以上のものは30分間加熱を

――――― [JIS S 1037 pdf 16] ―――――

                                                                                             15
S 1037 : 2013
維持する。この場合の加熱温度は,平均値で1 090 ℃以上,最高温度1 200 ℃以下とする。
e) 2時間耐火以上のものは,30分間急加熱後,炉ののぞき窓から観察し,試験体に破裂がなかったこと
を確認した後,9.7.3に規定する標準温度曲線の30分経過時点の温度まで下げ,引き続き標準温度曲
線に沿わせるようにして,表11に示す試験項目別に表14に規定した加熱時間に達するまで加熱する。
表14−加熱時間
単位 分
性能による区分 加熱時間
4時間耐火・急加熱・耐衝撃 30
3時間耐火・急加熱・耐衝撃 30
2時間耐火・急加熱・耐衝撃 15
1時間耐火・急加熱・耐衝撃 −
30分耐火・急加熱・耐衝撃 −
f) 2時間耐火以上のものは,e) の加熱時間終了後,30分及び1時間耐火のものは,d) の急加熱時間終
了後,試験体を加熱炉から引き出し,9.1 mの高さまで引き上げた後,前後左右の振れがないことを
確認し,コンクリート基盤の上に古いれんが,半砕及び原形のものの高さ(深さ)500 mm以上ほぼ
平ら状に積んだ床へ落とす(図9を参照)。
加熱炉から引き出してから落とすまでの時間は,4分間以内とする。
図9−床の外観
g) さらに,作業ができる程度に冷えた試験体を逆さにして加熱炉に置き,(炉の火を止めた時点から再加
熱開始までは,20分間)再び9.7.3の標準温度曲線に沿わせるようにして,表11に示す試験項目別に
表15に規定した加熱時間に達するまで再度加熱する。
表15−再加熱時間
単位 分
性能による区分 再加熱時間
4時間耐火・急加熱・耐衝撃 60
3時間耐火・急加熱・耐衝撃 60
2時間耐火・急加熱・耐衝撃 45
1時間耐火・急加熱・耐衝撃 30
30分耐火・急加熱・耐衝撃 20
h) ) 及びg) の加熱の場合,加熱温度の標準温度曲線に対する許容誤差は±10 %とする。
i) g) に規定する加熱時間及び同一構造,同一寸法の試験体が,9.7.5に規定する標準加熱試験で実施し
た炉内冷却と同じ時間,炉内冷却を実施した後,試験体を加熱炉から取り出し,取扱いできる程度に
試験体を冷やして扉又は引出しを開け,表5によって調べる。

――――― [JIS S 1037 pdf 17] ―――――

16
S 1037 : 2013
9.7.7 耐火試験回数及び耐火試験結果の報告
耐火試験回数及び耐火試験結果の報告は,次による。
a) 9.7.5及び9.7.6の試験回数は,それぞれ1回とする。
b) 耐火試験結果の報告書には,次の事項を記載する。
1) 耐火金庫の種類及び商品名
2) 使用材料(耐火充材の材料名,比重,含水率,材料組成,充日など)
3) 試験体の形状(開閉方式),寸法
4) 試験項目(この規格番号及び改正西暦年を含む)
5) 加熱炉の加熱温度並びに試験体の内部温度の値及びその測定位置
6) 湿度測定を行った場合は,湿度測定の値及びその測定位置(フレキシブルコンピュータディスク用
耐火金庫の場合。)
7) 試験終了後の試験体の観察事項
8) 新聞紙の変色,劣化状態及び判読の結果(一般紙用耐火金庫の場合。)
9) 耐火試験結果の判定及びその理由
10) 加熱炉の熱源の種類
11) 試験年月日
12) 試験機関及び試験担当者名

9.8 耐破壊試験

9.8.1  一般
耐破壊試験の一般は,次による。
a) 試験項目は,戸締り機構破壊試験,及び扉・本体枠破壊試験とする。
b) 耐破壊試験は,耐火金庫の種類が一般紙用,フレキシブルコンピュータディスク用で,開閉方式が両
開き,片開き及び投入れに適用する。
c) 投入れ口付き耐火金庫においては,投入れ口を除く部分の構造,形状,材料及び壁厚が同じで,同一
種類の両開き又は片開きがある場合は,その試験結果を採用することができる。
d) フレキシブルコンピュータディスク用耐火金庫においては,二次庫を除く部分の構造,形状,材料及
び壁厚が同じで,同一種類の両開き又は片開きがある場合は,その試験結果を採用することができる。
e) 錠に符号錠,テンキー錠などの電子錠を用い,更に戸締り機構にリロッキング機能をもつ耐火金庫は,
戸締り機構破壊試験は,行わない。
f) 耐破壊試験の試験実施者は,破壊技術に依存するため,一定水準の破壊技術をもつものとする。
9.8.2 試験体
試験体は,次による。
a) 試験体は,戸締り機構破壊,扉・本体枠破壊の試験にそれぞれ1台ずつ同じ大きさの製品を合計2台
用意する。ただし,戸締り機構破壊の試験後に,試験体の本体に損傷がない場合には,扉を新しいも
のと取り替えて,扉・本体枠破壊の試験体としてもよい。
b) 同一種類の製品については,形状,構造,材料及び壁厚が同じの場合,通常,その種類のうち最も大
きな寸法のものを選ぶ。ただし,この系列の最大寸法と最小寸法との容積比が50 %以上の差異のもの
がある場合には,中間寸法の試験体を選んでもよい。
9.8.3 試験工具
試験工具は,次による。

――――― [JIS S 1037 pdf 18] ―――――

                                                                                             17
S 1037 : 2013
a) 耐破壊試験に使用する試験工具は,表16に示すとおりとする。
b) 表16に示す工具は,全て市販の形状,寸法及び材質のまま使用するものとし,その形式に特別の制限
を設けてはならない。
c) 工具の個々の質量は目安として表16によるが,仕様欄に質量を記載している片手ハンマを除き,特に
制限を設けない。
表16−試験工具
工具名 仕様 質量目安 使用数量 参考
(kg)
平たがね 全長220 mm以下 0.6 制限なし 刃幅は問わない
チス 全長250 mm以下 0.6 制限なし
ポンチ 全長160 mm以下 0.1 制限なし
プライヤ 全長210 mm以下 0.3 制限なし
モンキ 全長300 mm以下 0.5 制限なし
片手ハンマ 全長360 mm以下・0.9 kg以下 0.9 制限なし
ドライバ(−) 全長220 mm以下 0.2 制限なし
ドライバ(+) 全長220 mm以下 0.4 制限なし
バール 全長1 050 mm以下 4.0 制限なし 形状を問わない
パイプレンチ 全長450 mm以下 2.0 制限なし
ペンチ 全長200 mm以下 0.3 制限なし
金切りのこ 全長500 mm以下 0.5 1
のこ歯 金きりのこ用 − 制限なし
針金 − − 制限なし
9.8.4 戸締り機構破壊試験
戸締り機構破壊試験は,次による。
a) かんぬきハンドルを開放方向に片手ハンマなどで強い力を加え,扉の開放を試みる。
b) 錠を平たがね,チス,片手ハンマなどで庫内に打ち抜き,施錠機構を破壊し,扉の開放を試みる。た
だし,錠を打ち抜いた後の貫通孔を拡大してはならない。
c) 上記a) 及びb) 以外の攻撃は行わない。
d) 上記a) 及びb) の攻撃順は自由とし,同時攻撃も許される。
9.8.5 扉・本体枠破壊試験
扉・本体枠破壊試験は,次による。
a) 扉と本体との隙間をバールなどで攻撃し,隙間を大きくすることで,扉の開放を試みる。
b) 丁番軸を金切りのこで切断した後,丁番側の扉及び庫体の隙間をバールなどで攻撃し,隙間を大きく
することで,扉の開放を試みる。
c) 上記a) 及びb) 以外の攻撃は行わない。
d) 上記a) 及びb) の攻撃順は自由とし,同時攻撃も許される。
9.8.6 耐破壊試験の実施方法
耐破壊試験の実施方法は,次による。
a) 戸締り機構破壊試験及び扉・本体枠破壊試験の実施時間は,それぞれ15分間とする。攻撃は連続して
行う必要はない。破壊攻撃,横転及び刃先の脱着と摩耗した用具との取替えに要した時間の合計を実
施時間とする。準備及び試験途中での休憩,安全予防又は破壊手順の検討によって要した時間は,実

――――― [JIS S 1037 pdf 19] ―――――

18
S 1037 : 2013
施時間に含まない。また,作業手違いによる刃先の欠け,ハンマの柄のはずれなどが生じた場合も,
取替え時間は実施時間に含まない。ただし,試験体への攻撃の開始から,最後の攻撃が終了するまで
の経過時間は,60分以内とする。
b) 9.8.3に規定する試験工具で試験体を横転させることができる場合には,試験体は自由に姿勢を変えて
試験することができる。
c) 試験中に試験体が動いて危険な場合には,床面に敷物,当て板(2面)などを用いて試験体を固定し
てもよい。
d) 試験は,表17に示す試験実施者4名で行う。ただし,耐破壊試験担当の交代要員を1名含む場合には,
5名とする。
表17−試験実施者の内訳
試験実施者 人数
耐破壊試験担当 2名(又は3名)
時計,記録担当(記録及び写真撮影) 1名
安全確保担当 1名
e) 試験は,同時に耐破壊試験担当2名での攻撃を可能とし,自由に交代要員と交代できる。ただし,同
時に3名での攻撃は行ってはならない。
9.8.7 耐破壊試験回数及び耐破壊試験結果の報告
耐破壊試験回数及び耐破壊試験結果の報告は,次による。
a) 9.8.4及び9.8.5の試験回数は,それぞれ1回とする。
b) 9.8.6に規定する試験を実施し,表6に照らして報告する。

10 検査

  耐火金庫の検査は,形式検査1) と受渡検査2) とに区分し,検査項目は,それぞれ次の項目を箇条9及び
目視によって検査したとき,箇条5,箇条6及び箇条12に適合したものを合格とする。
なお,形式検査及び受渡検査の抜取検査方式は,受渡当事者間の協議によって定める。
注1) 製品の品質が設計で示した全ての特性を満足するかどうかを判定するための検査。
2) 既に形式検査に合格したものと同じ設計・製造による製品の受渡しをする場合,必要と認める
特性を満足するものであるかどうかを判定するための検査。
a) 形式検査項目
1) 品質
2) 構造
b) 受渡検査項目
1) 外観
2) 表示

11 製品の呼び方

  耐火金庫の呼び方は,次の例による。
a) 保管物による区分(性能)が同じ製品の呼び方は,次の例による。
例1 一般紙用耐火金庫リロッキング機能付き 2時間耐火・急加熱・耐衝撃又はPR・2TKS

――――― [JIS S 1037 pdf 20] ―――――

次のページ PDF 21

JIS S 1037:2013の国際規格 ICS 分類一覧

JIS S 1037:2013の関連規格と引用規格一覧