JIS Z 1519:2019 鉄鋼用気化性防せい(錆)剤 | ページ 6

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6.6.4 試験片及び試験体
試験片及び試験体は,次による。
なお,準備する試験片は,試料一つにつき3枚とする。また,試験片の調整における清浄を確認するた
めの試験片1枚を準備する。これらを合わせて一連の試験片とし,試験片の調整及び試験体の組立に用い
る。
注記 試料がn種類ある場合は,合計(3n+1)枚の試験片を準備する。
a) 試験片 試験片は,次のとおり作製し,調整する。
1) 試験片の作製 試験片は,鋼板(SPCC-S B)を60 mm×80 mm×1.2 mmの大きさに切ったものとす
る。
なお,短辺の一端の中央に直径2.0 mm3.0 mmの孔4) をあけてもよい。
注4) 清浄で行うピンセットでの試験片の取扱いを容易にする。
2) 試験片の調整 試験片の調整は,次のとおり行う。
2.1) 研磨 試験片の片面を,研磨布又は研磨紙で,短辺に平行な方向に面全体に一様な研磨筋を付け,
次いで長辺に平行な方向に向きを変えて前の研磨筋が消えるまで同様に研磨する。
2.2) 清浄 2-プロパノールに浸し,加熱して沸騰状態にしたところで加熱を止め1分間以上保持する。
ピンセットで試験片を取り出し,直ちに2-プロパノールでぬ(濡)らした清浄な紙又はのり(糊)
抜き洗浄した布で,研磨面の汚れを拭き取り,汚れが付着しなくなるまで拭取りを繰り返す。ピ
ンセットでの試験片の取扱いが困難な場合は,清浄な手袋をしてやけどに注意しながら研磨面の
汚れを拭き取る。アセトンを注いで研磨面に付着した紙又は布の毛羽を洗い流した後,熱風又は
温風乾燥する。
清浄を確認するために一連の試験片の中から1枚を選び出し,研磨面全体に精製水を掛け流し,
これを水平から15度傾けてはっ水がないことを確認する。はっ水を認めた場合は,同時に調整し
た全ての試験片に対し,研磨から再度調整をやり直す。
なお,調整に用いる研磨布又は研磨紙について,試験片を研磨して上記規定の清浄を行わずに
精製水を研磨面全体に掛け流し,これを水平から15度傾けてはっ水がないことをあらかじめ確認
している場合は,研磨を行った後,上記規定の清浄を行わずに,アセトンに浸し,研磨面の汚れ
を清浄な紙又はのり(糊)抜き洗浄した布で拭き取り,それに汚れが付着しなくなるまで拭取り
を繰り返すことで代用してもよい。
2.3) 保存 直ちに操作を行わない場合は,シリカゲル乾燥剤を入れたデシケーター内に保存する。た
だし,8時間以上経過した試験片は,再び研磨,清浄しなければならない。
b) 試験体 試験体は,試料の形態に応じて次のとおり試料を調整した後組み立てる。
なお,試験片を取り扱うときは,清浄な手袋,紙,のり(糊)抜きした布,ピンセットなどを用い,
試験片に指紋,その他の汚れが付かないようにする。また,試験片の調整において清浄を確認するた
めに精製水を掛け流した試験片については,試験体の組立を行わない。
1) 試料が粉末形の場合は,研磨面を上にした試験片上の中央に平滑なガラス板を直角に置き,その位
置を確認するためダイヤモンドカッターなどで研磨面上に線を引いた後,ガラス板を取り去り,図
7 a) のとおりその位置に,電子天びんを用いて計量した試料0.25 gを均一にならして置き,再びガ
ラス板を載せ,図7 b) のとおり更にその上に鋼角棒をきっちり載せて組み立てたものを試験体とす
る。
2) 試料が成体形のときは,1) のとおり線を引いた試験片を準備し,その線の内側に,個装容器に充

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した試料の場合は,内容物を取り出すか一部を切り出し,それ以外の試料の場合は,そのままか一
部を切り出したものを,0.25 g以上(電子天びんで計量する),かつ,厚さ10 mm以下で均一に全
面にわたって配置し5),その上にガラス板を載せ,図7 b) のとおり更にその上に鋼角棒をきっちり
載せて組み立てたものを試験体とする。
注5) 必要に応じて試料又は内容物を粉砕するなどの調整を行ってもよい。
なお,試料の配置に成体1個で足りない場合は,複数個を用いて調整する。
単位 mm
1 : 試料 2 : ガラス板 3 : 鋼角棒 4 : 試験片
a) 試料を散布した試験片 b) 試験体
図7−接触腐食性試験
6.6.5 操作
操作は,試験体を組み立てた後,直ちに次によって行う。
a) 試料一つにつき試験用デシケーターを1個準備する。この試験用デシケーターの中板を取り出し,そ
の上に同じ試料を用いて組み立てた試験体3組を載せ,30分間,65 ℃±2 ℃に保った恒温槽で予熱
した後,相対湿度を60 %65 %に調節するため,グリセリン溶液(質量分率70 %)500 mlをあらか
じめ入れたもとの試験用デシケーター中に中板ごと手早く移し,蓋をする。
b) ) の試験用デシケーターを50 ℃±2 ℃に保った恒温槽中に入れ,20時間後に取り出し,直ちに試験
片から試料を取り除いた後,試験片と試料とが接触していた部分(試験片に引いた線の内側の部分)
及び試験片に引いた線の外側の部分について,肉眼及び拡大鏡を用いて外観を調べる。
c) 試験片に引いた線の外側の部分に,肉眼によって変色を認めた場合又は拡大鏡を用いてさびを認めた
場合は,当該試料についてだけ,改めて試験片を全て調整し,これらを用いて改めて試験体を全て準
備し,操作を最初からやり直す。
d) 一つの試料ごとにb) によって調べた試験片3枚に対し,6.6.6に従って判定する。
6.6.6 判定
試験片に引いた線の内側と外側との間に外観の違いを試験片3枚とも認めない場合は,異常がないと判
定する。ただし,試験片3枚中1枚にだけ外観の違いを認めたときは,当該試料についてだけ,改めて試
験片を全て調整し,これらを用いて改めて試験体を全て準備して6.6.5の操作をもう一度最初から繰り返
し,3枚全数に外観の違いを認めない場合は,異常がないと判定する。

7 検査

検査は,6.26.6の試験を行ったとき,粉末形気化性防せい剤については表3,成体形気化性防せい剤に

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ついては表4の規定に合格しなければならない。

8 包装

  紫外線及び外気を透過しないように,かつ,鉄鋼用気化性防せい剤が散逸しないように適切な方法で包
装する。

9 製品の呼び方

  製品の呼び方は,種類による。
なお,呼び方において,6.2の気化性防せい性の試験に合格する試験量を伴って呼んでもよい。ただし,
この試験量は,この試験量に基づいて行われる6.36.5の試験に対して,その製品が粉末形気化性防せい
剤の場合は表3,成体形気化性防せい剤の場合は表4の規定のとおり合格するものでなければならない。
例 粉末形気化性防せい剤 H形1種(試験量0.02 g)

10 表示

  鉄鋼用気化性防せい剤の包装の見やすいところに,次の事項を表示する。ただし,d) の製造番号が製造
年月の略号を包含する場合は,e) の製造年月又はその略号を省略することができる。
a) 規格名称又は規格番号
b) 種類又は記号
例1 粉末形気化性防せい剤 H形1種
例2 NV−H−1
c) 製造会社名又はその略号
d) 製造番号
e) 製造年月又はその略号
f) 取扱い注意事項

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