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附属書4(規定) 透過写真によるきずの像の分類方法
1. 適用範囲 この附属書は,溶接継手の透過写真におけるきずの像の分類方法について規定する。
2. 分類手順 きずの像(以下,きずという。)の分類は,次の手順による。
a) 分類を行う透過写真を,本体8.の規定に適合することを確認する。
b) 分類を行う透過写真は,本体9.に基づいて観察する。
c) 分類は母材の厚さで区分して行う。母材の厚さの定義は,本体3.による。
d) 試験部に存在するきずを4種に区別する。
e) 種別ごとにきずの像の寸法測定値に基づいて,1類,2類,3類及び4類と分類番号を付ける。
f) きずの種別ごとの分類結果に基づいて,総合分類を行う。
3. きずの種別 きずは附属書4表1によって4種に区別する。ここで,第1種のきずか第2種のきずか
の区別が困難なきずについては,それらを第1種のきず又は第2種のきずとしてそれぞれ独立に分類し,
そのうち分類番号の大きい方をそのきずの種別と分類番号とする。
なお,ステンレス鋼溶接継手の透過写真には,附属書5に参考として示したきずの像に類似したX線の
回折像が観察される場合があるが,この像は分類の対象としない。
附属書4表1 きずの種別
きずの種別 きずの種類
第1種 丸いブローホール及びこれに類するきず
第2種 細長いスラグ巻込み,パイプ,溶込み不良,
融合不良及びこれに類するきず
第3種 割れ及びこれに類するきず
第4種 タングステン巻込み
4. きず点数 第1種のきず点数及び第4種のきず点数を求める方法は次による。
a) きず点数は,附属書4表2に示す試験視野を設定して測定する。きずが試験視野の境界線上にかかる
場合は,視野外の部分も含めて測定する。
b) 試験視野は,試験部の有効長さのうち,きず点数が最も大きくなる部位に適用する。
c) 第1種のきずが1個の場合のきず点数は,きずの長径の寸法に応じて附属書4表3の値を用いる。た
だし,きずの長径が附属書4表4に示す値以下のものは,きず点数として算定しない。
d) 第4種のきずは,第1種のきずと同様にa),b)及びc)の方法によって点数を求める。ただし,きず点
数は,きずの長径の寸法に応じて附属書4表3の値の1/2とする。
e) きずが2個以上の場合のきず点数は,試験視野内に存在する各きずのきず点数の総和とする。ただし,
きずの長径が附属書4表4に示す値以下のものは,まず点数として算定しない。
f) 第1種のきずと第4種のきずが同一試験視野内に共存する場合は,両者の点数の総和をきず点数とす
る。
――――― [JIS Z 3106 pdf 26] ―――――
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附属書4表2 試験視野の大きさ
単位 mm
母材の厚さ 25以下 25を超え100以下 100を超えるもの
試験視野の大きさ 10×10 10×20 10×30
附属書4表3 きず点数
きずの長径1.0以下 1.0を超え 2.0を超え 3.0を超え 4.0を超え 6.0を超え 8.0を超える
(mm) 2.0以下 3.0以下 4.0以下 6.0以下 8.0以下 もの
点数 1 2 3 6 10 15 25
附属書4表4 算定しないきずの寸法
単位 mm
母材の厚さ きずの寸法
20以下 0.5
20を超え 50以下 0.7
50を超えるもの 母材の厚さの1.4%
5. きず長さ きず長さは,第2種のきずの長さを測定してきず長さとする。ただし,きずが一線上に存
在し,きずときずとの間隔が,いずれかのきずの長さ以下の場合は,きずときずとの間隔を含めて測定し
た寸法をそのきず群のきず長さとする。
6. きずの像の分類
6.1 第1種及び第4種のきずの像の分類 透過写真によって検出されたきずが第1種及び第4種のきず
である場合の分類は,附属書4表5の基準に従って行うものとする。表中の数値は,それぞれの分類番号
における試験視野内でのきず点数の許容値を示す。ただし,きずの長径が母材の厚さの1/2を超えるとき
は4類とする。
なお,きずの長径が附属書4表4に示す値以下のものでも,1類については試験視野内に10個以上あっ
てはならない。
附属書4表5 第1種及び第4種のきず点数による分類
分類 試験視野 (mm)
番号 10×10 10×20 10×30
母材の厚さ (mm)
10以下 10を超え 25を超え 50を超え100を超
25以下 50以下 100以下 えるもの
きず点数
1類 1 2 4 5 6
2類 3 6 12 15 18
3類 6 12 24 30 36
4類 きず点数が3類より多いもの
6.2 第2種のきずの像の分類 透過写真によって検出されたきずが第2種のきずである場合の分類は,
附属書4表6の基準に従って行うものとする。表中の値は,きず長さの許容限度を示す。ただし,1類と
分類された場合でも,溶込み不良又は融合不良があれば2類とする。
――――― [JIS Z 3106 pdf 27] ―――――
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附属書4表6 第2種のきず長さによる分類
単位 mm
分類番号 母材の厚さ
12以下 12を超え48未満 48以上
1類 3以下 母材厚さの1/4以下 12以下
2類 4以下 母材厚さの1/3以下 16以下
3類 6以下 母材厚さの1/2以下 24以下
4類 きず長さが3類より長いもの
6.3 第3種のきずの分類 透過写真によって検出されたきずが,第3種のきずである場合は4類とする。
6.4 総合分類 試験部の有効長さを対象として,きずの種別ごとに分類した結果に基づいて決定する総
合分類は次による。
a) きずの種別が1種類の場合は,その分類を総合分類とする。
b) きずの種別が2種類以上の場合は,そのうちの分類番号の大きい方を総合分類とする。ただし,第1
種のきず及び第4種のきずの試験視野に分類の対象とした第2種のきずが混在する場合で,きず点数
による分類ときず長さによる分類がともに同じ分類であれば,混在する部分の分類は分類番号を一つ
大きくする。このとき,1類については,第1種と第4種のきずが共存する場合の許容点数の1/2及
び第2種のきずの許容長さの1/2を,それぞれ超えた場合にだけ2類とする。
――――― [JIS Z 3106 pdf 28] ―――――
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附属書5(参考) X線の回折像ときずの像との判別方法
この附属書(参考)は,本体に関連した事項を補足するもので,規定の一部ではない。
1. 適用範囲 この附属書は,溶接継手の透過写真に現れるX線の回折像ときずの像との判別方法につい
て示す。
2. X線の回折像 X線の回折像には線状,はけ状及びはん点状の像がある。典型的な線状とはけ状の回
折像の模式図を附属書5図1及び附属書5図2に示す。
附属書5図1 X線の回折による線状及びはけ状の像の模式図
附属書5図2 X線の回折によるはけ状の像の模式図
3. 回折像の確認方法 X線の回折像ときずの像との判別は,回折像の参考写真との対比による方法及び
撮影手法による方法による。
3.1 参考写真との対比による方法 試験体の厚さ及び溶接条件の類似した参考写真と観察された回折像
の形態を比較することによって判別する。
3.2 撮影手法による方法 試験体とフィルム間の距離,照射角度,放射線のエネルギーなどの撮影条件
の変更によって,回折像の位置が移動又は消失することなどから判別する。撮影手法は,角度法,拡散法,
グリッド法,線質変化法,マスク法,メッシュ利用法などがある。
――――― [JIS Z 3106 pdf 29] ―――――
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Z 3106 : 2001
JIS Z 3106(ステンレス鋼溶接継手の放射線透過試験方法)改正原案作成委員会 構成表
氏名 所属
委員長 向 井 喜 彦 大阪産業大学
幹事 相 原 常 男 株式会社タセト
松 浦 則 之 住友金属工業株式会社
八 田 勲 工業技術院
安 田 功 一 川崎製鉄株式会社
橋 本 政 哲 新日本製鐵株式会社
森 川 広 日新製鋼株式会社
志 水 英 之 日本金属工業株式会社
藤 井 宏 之 日本冶金工業株式会社
小 川 恒 司 株式会社神戸製鋼所
斎 藤 道 夫 ナストーア株式会社
畠 田 光 治 日本ウエルディング・ロッド株式会社
横 田 博 史 愛知製鋼株式会社
近 藤 穆 大同特殊鋼株式会社
山 崎 博 昭 日本金属株式会社
小見山 輝 彦 日本鋼管工事株式会社
針 生 修 日本精線株式会社
結 城 正 弘 石川島播磨重工業株式会社
蔵 口 雅 夫 大江工業株式会社
山 田 猛 川崎重工業株式会社
島 村 典 史 月島機械株式会社
喜 田 裕 東洋エンジニアリング株式会社
村 本 聖 一 トーヨーカネツ株式会社
三 宅 聰 之 日鉄溶接工業株式会社
舟 本 孝 雄 株式会社日立製作所
佐 藤 昌 範 三菱化工機株式会社
今 井 秀 昌 三井造船株式会社
水 野 美 法 三菱重工業株式会社
寺 田 幸 博 日立造船株式会社
事務局 池 原 康 允 ステンレス協会
JIS Z 3106(ステンレス鋼溶接継手の放射線透過試験方法)改正原案作成委員会ワーキンググループ
主査 近 藤 久 住友金属工業株式会社
幹事 寺 田 幸 博 日立造船株式会社
委員 大 岡 紀 一 原子力研究所
平 山 一 男 大阪産業大学
松 山 格 元東京都立工業技術センター
丸 山 温 日本溶接構造専門学校
事務局 大 屋 武 雄 ステンレス協会
JIS Z 3106:2001の国際規格 ICS 分類一覧
- 25 : 生産工学 > 25.160 : 溶接,ろう付け及びはんだ付け > 25.160.40 : 溶接継手及び溶接部分
JIS Z 3106:2001の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISG3101:2015
- 一般構造用圧延鋼材
- JISG3101:2020
- 一般構造用圧延鋼材
- JISG3446:2017
- 機械構造用ステンレス鋼鋼管
- JISG3448:2016
- 一般配管用ステンレス鋼鋼管
- JISG3459:2016
- 配管用ステンレス鋼鋼管
- JISG3459:2021
- 配管用ステンレス鋼鋼管
- JISG3463:2019
- ボイラ・熱交換器用ステンレス鋼鋼管
- JISG4304:2012
- 熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
- JISG4304:2021
- 熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
- JISG4305:2012
- 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
- JISG4305:2021
- 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
- JISG4312:2019
- 耐熱鋼板及び鋼帯
- JISG4902:2019
- 耐食耐熱超合金,ニッケル及びニッケル合金―板及び帯
- JISG4903:2017
- 配管用継目無ニッケルクロム鉄合金管
- JISG4904:2017
- 熱交換器用継目無ニッケルクロム鉄合金管
- JISH4551:2000
- ニッケル及びニッケル合金板及び条
- JISH4552:2000
- ニッケル及びニッケル合金継目無管
- JISZ2300:2009
- 非破壊試験用語
- JISZ2300:2020
- 非破壊試験用語
- JISZ2306:2015
- 放射線透過試験用透過度計
- JISZ3001:1999
- 溶接用語
- JISZ3001:1950
- 医療用刀
- JISZ3861:1979
- 溶接部の放射線透過試験の技術検定における試験方法及び判定基準
- JISZ4560:2018
- 工業用γ線装置
- JISZ4561:1992
- 工業用放射線透過写真観察器
- JISZ4606:2007
- 工業用X線装置