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B 8445 : 2016 (ISO 13482 : 2014)
ソフトウェアリミットを,最大定格荷重及び定格速度でのロボットの停止に作用可能という条件で,制
限空間の定義及び縮小の手段として用いてもよい。制限空間は,移動した停止距離を計算に入れて,予想
される実際の停止位置によって境界を引かれるものでなければならない。製造業者は使用上の情報に能力
を明記し,この能力がサポートされていない場合は,ソフトウェアリミットを無効にしなければならない。
ソフトウェアリミットに基づいて,関節及び空間制限機能を監視,及び実行する制御プログラムは6.1
に適合し,権限をもつ人だけが変更できるようにしなければならない。ソフトウェアリミットが不正に変
更された場合は,安全状態を開始しなければならない。リミット違反中の動作は,6.4に記載する安全関連
速度制御の下に置かなければならない。安全リミットの能動的設定及び構成は,構成の変更が簡単に分か
り,審査できるように,記録しなければならない(表5参照)。
表5−生活支援ロボットの活動空間制御機能に対するパフォーマンスレベル
生活支援ロボットの ロボットのタイプ
安全機能 移動作業型ロボット 身体アシストロボット 搭乗型ロボット
タイプ タイプ タイプ タイプ タイプ タイプ タイプ タイプ
1.1 1.2 2.1 2.2 2.3 2.4 3.1 3.2
活動空間の制限(禁止 ba) d b d a d N/A e
区域の回避を含む。)
注a) 禁止区域の回避は,PL dでなければならない。
6.4 安全関連速度制御
リスクアセスメントで,超過すると生活支援ロボットが危害を引き起こす可能性のある,安全関連速度
リミットを定めなければならない。これは,ロボットの接触可能な可動部のうち代表的な数点の速度を計
算することで行わなければならない。権限をもつ人だけが,許容最高速度を調整できるようにしなければ
ならない。
生活支援ロボットが実行するタスクによっては,ある状況のときに効力のある,幾つかの異なった速度
リミットが存在することがある。速度リミットを切り替える適切な方法は,リスクアセスメントで定めな
ければならない。
生活支援ロボットの速度は,可動部の速度が安全関連速度リミットを超えないように制御しなければな
らない。
安全関連速度制御を装備している場合は,障害(不具合)が発生した場合にマニピュレータのエンドエ
フェクタ及び他のロボット部品の速度が安全関連速度リミットを超えないように設計・製作し,障害(不
具合)が発生したときに安全状態にならなければならない。安全関連速度制御の性能は,6.1に適合しなけ
ればならない(表6参照)。
表6−生活支援ロボットの安全関連速度制御に対するパフォーマンスレベル
生活支援ロボットの ロボットのタイプ
安全機能 移動作業型ロボット 身体アシストロボット 搭乗型ロボット
タイプ タイプ タイプ タイプ タイプ タイプ タイプ タイプ
1.1 1.2 2.1 2.2 2.3 2.4 3.1 3.2
安全関連速度制御 b d b b b d c e
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6.5 安全関連環境認識
6.5.1 一般
安全関連環境認識は,6.1の要求事項に適合しなければならない。安全関連環境認識の目的は,次のとお
りである。
a) 安全関連物体・安全関連障害物の検知 この機能は,危険な衝突を回避するために用いられなければ
ならない。検出される安全関連物体には,人,飼育動物,及び環境内の他の安全関連物体が含まれる
可能性がある(3.21.1の注記参照)。物体検知装置を,安全関連障害物と生活支援ロボットとの間の許
容距離,又は接触力を保証するために用いなければならない。
b) 移動表面検知 この機能は,移動表面の特性(例えば,滑らかさ,粗さ,硬さ)及び移動表面の幾何
学的形状[例えば,平たん(坦),勾配,階段,隙間]の検知を含み,不安定性に関連した危険源を回
避するために用いなければならない。
6.5.2 物体検知
6.5.2.1 非接触検知
非接触検知装置は,次の目的に使用する。
− 安全距離の保証
− 相対接近速度の低減
危険な衝突を回避し,要求された安全レベルを維持するために,次の要求事項を適用する。
a) 人を検知する必要がある場合,IEC 61496の該当する部(パート)に従った電気的検知保護機器(ESPE)
を使用しなければならない。
b) SPEを主検知装置として使用する場合は,適切な運用上の信頼性がなければならず,かつ,取付け
は,生活支援ロボットのリスク見積りに基づいていなければならない。
c) 人以外の安全関連物体を検知する必要がある場合,ESPE以外の非接触型検知機器を使用することが
できるが,そのような機器の検知能力及び信頼性は,リスクアセスメントで定める要求事項に適合す
るものでなければならない。
注記1 IEC/TS 62046に,保護機器の適用に関する手引が示されている。
最小距離の内側で一つ以上の安全関連物体を検知した場合は,次のいずれかによって,生活支援ロボッ
トを安全状態に至らせなければならない。
− 6.2.2.3に従った保護停止の開始
− 6.4に従った安全関連速度制御を用いた安全減速の開始
− 安全関連物体との離隔距離の保持
人の検知が必要な場合,最小距離はJIS B 9715に従って決定しなければならない。
人以外の安全関連物体(飼育動物,壁,家具,最大空間の境界)の検知が必要な場合は,JIS B 9715の
式(2)[S=(K×T)+C]に従って離隔距離を決めなければならないが,式の侵入距離パラメータ“C”は削
除する。
非接触検知装置で,人の相対的接近速度に関する信頼できる情報が得られ,生活支援ロボットが,自分
と近付いてくる安全関連物体との間の,最悪ケースの相対速度を求めることができる場合,最小距離の計
算には,JIS B 9715の式(2)のKの代わりに,ここで求めた速度を使用することができる。非接触検知装置
のパフォーマンスレベルは,要求される安全機能のパフォーマンスレベルを下げるものであってはならな
い(表7参照)。
注記2 附属書Cに,異なる方向に動いているが次の局面では衝突する可能性のある安全関連物体の,
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生活支援ロボットからの相対速度をどのように計算するかの典型的な例を示す。
表7−生活支援ロボットの危険な衝突の回避に対するパフォーマンスレベル
生活支援ロボットの ロボットのタイプ
安全機能 移動作業型ロボット 身体アシストロボット 搭乗型ロボット
タイプ タイプ タイプ タイプ タイプ タイプ タイプ タイプ
1.1 1.2 2.1 2.2 2.3 2.4 3.1 3.2
危険な衝突の回避 b d N/A N/A b d N/A ea)
注a) 制御システムはPL eに達しなければならないが,センシング機構ではこれに達しない可能性がある。この場
合,センサの決定論的原因故障によって生じるリスクは,合理的に実現可能な限りに低減しなければならな
い。
6.5.2.2 接触検知
人とロボットとの相互作用のタスクの多くには接触検知が必要である。このためには,ロボットは,ご
く小さな接触力でも間違いなく検知して,適切に反応しなければならない。必要ならば,接触検知は,次
の能力を確実なものにしなければならない。
a) ロボットの構造全体(すなわち,関節のレベル)に沿って,接触を検知しなければならない。
b) 接触力は,リスクアセスメントで決めた適切な値に限定しなければならない。これらの値は,関連す
る規格及び出版物に記されている限度値に基づいて得ることが望ましい。
人の発見に用いる接触検知は,ISO 13856(規格群)の該当する部の要求事項に適合しなければならない。
人以外の安全関連物体を検知しなければならない場合は,必要な検知能力及び信頼度はリスクアセスメン
トによって決めなければならない。
危険な衝撃の防止には,圧力検知保護機器(PSPE)(例えば,感圧エッジ,バー,装置,バンパー,プ
レート,ワイヤ)を使用しなければならない。これらの接触検知装置は,生活支援ロボットの用途及びリ
スク見積りに従って,この細分個条に適合しなければならない。安全関連検知装置として使用する場合,
各要素は6.1に適合し,ISO 13856(規格群)に規定されているように取り付けなければならない。
6.5.3 移動表面の検知
移動表面の条件又は幾何学的形状に起因する機械的な不安定性の受容できないリスクがある場合,自律
移動能力のある生活支援ロボットは,不整移動表面,階段などの,安全関連表面形状及び条件を検知又は
検出する能力を備えていなければならない。
移動表面の形状及び移動条件の検出手段(オンボード又はオフボード)は,検知及び監視区域をロボッ
トが通過する能力があるかどうかを判断することができなければならない。
表面条件の検知性能は,生活支援ロボットがその機械的な安定性を維持するためだけでなく,6.2.3の要
求事項に従って制動性能を評価するのにも十分なものでなければならない。
生活支援ロボットの環境内に,ロボットが確実に検知できるマーカー,タグ又は磁気テープが用意され
ている場合,そのマーカーなどは,ロボットが死角をもたないために十分な数及び位置で配置しなければ
ならない。
注記 移動表面検知機能の妥当性確認を行うためには,生活支援ロボットとその目的地との間に,様々
なタイプの安全関連障害物(すなわち,隙間,バンプ又は段差)を配置することが望ましい。
そうすることで,好ましくない表面条件を安全に回避できるか,又は立ち往生することなく安
全に停止することができるかどうかを検査することができる。
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6.6 安定性制御
生活支援ロボットは,意図した及び合理的に予見可能な全ての使用状況において,安定していなければ
ならない。安定性をもたらす機能の機能安全性能は,6.1に適合しなければならない。6.1.4又は6.1.5を適
用しないロボットは,表8のPL値を満たさなければならない。
表8−生活支援ロボットの安定性制御に対するパフォーマンスレベル
生活支援ロボットの ロボットのタイプ
安全機能 移動作業型ロボット 身体アシストロボット 搭乗型ロボット
タイプ タイプ タイプ タイプ タイプ タイプ タイプ タイプ
1.1 1.2 2.1 2.2 2.3 2.4 3.1 3.2
安定性制御(過負荷防 b da) N/A c b da) bb) da)
止を含む。)
注a) 生活支援ロボットが本質的に不安定な場合は,PL eが必要となる。
b) 生活支援ロボットが本質的に不安定な場合は,PL cが必要となる。
6.7 安全関連力制御
生活支援ロボットの任意の部分が人又は他の安全関連物体に及ぼす力は,力の限度のような最大安全接
触基準以内に制御されなければならない。
最大安全接触力・トルクに関する定量的要求事項は,人間工学的実験によって十分に吟味することが望
ましい。安全関連物体との意図しない接触の間に加わる力のリミットは,用途によって異なることがあり,
リスクアセスメントで決めなければならない。
安全関連力制御は,力のしきい値を超えることができないなどの安全状態にロボットを至らせる,安全
関連接触検知及び反応スキームによって達成しなければならない。
意図しない接触への反応は,少なくとも,次の要求事項を満たさなければならない。
a) 接触力が安全関連力リミット未満にとどまり続けるよう,十分に速く反応する。
b) 接触事象後,生活支援ロボットを安全状態に至らせる。
安全関連力制御装置の機能安全性能は,6.1に適合しなければならない(表9参照)。
表9−生活支援ロボットの安全関連力制御に対するパフォーマンスレベル
生活支援ロボットの ロボットのタイプ
安全機能 移動作業型ロボット 身体アシストロボット 搭乗型ロボット
タイプ タイプ タイプ タイプ タイプ タイプ タイプ タイプ
1.1 1.2 2.1 2.2 2.3 2.4 3.1 3.2
安定関連力制御 b d ba) eb) a bc) N/A N/A
注a) リスクアセスメントで,ある特定の状況(気絶など)において,ユーザが生活支援ロボットの力を押さえる
ことができないおそれがあると示される場合は,ロボットが危害の発生を防ぐ本質的な制限をもっていない
限り,タイプ2.2の要求事項を適用しなければならない。
b) 他の制御機能(例えば,活動空間又は速度の制御)でも同じリスクに対する保護が行われている場合,関連
する全ての機能がこのレベルに合わせて設計されているという条件で,PL dでよい。
c) 衝突回避又は能動的な人の保持に力制御が用いられる場合は,PL dが必要となる。
6.8 特異点保護
特異点の近くを通過する動作は,高い軸速度を生じさせることがある。この高速度は予測できないもの
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であり,ユーザ,オペレータ及び環境内の人々へのリスクを誘発することがある。
特異点を通過する生活支援ロボットの動作には,次のうち一つ以上の方策を適用しなければならない。
a) 危険源を回避するために,特異点を通過する動作を制御する。
b) ロボットは,経路計画の調整を行うなどによって,特異点を回避しなければならない。
c) 特異点通過,又は強調動作中の回避行動実行に先立って,ロボットの動作を停止して警告を出す。
6.9 ユーザインタフェースの設計
6.9.1 一般
操縦装置(例えば,ジョイスティック,オペレータ制御パネル,音声,ジェスチャー認識システム,そ
の他の手段)を使用して生活支援ロボットの機能を制御する場合,操縦中の適切な信頼性が備わっていな
ければならない。
操縦装置が生活支援ロボットとつな(繋)がれているかいないかにかかわらず,ロボットとの電気的接
続が危険源を引き起こすことがあってはならない。
操縦装置は,手動及び半自律のロボット制御モードのとき,個別又は複合のロボット機能に対する制御
を与えるものでなければならない。
6.9.2 状態表示
例えば,電源オン,(現在の)運転モード,障害(不具合)が検出されたなど,操縦装置の状態は常に明
確に表示されなければならない。この状態は,オペレータの見やすい場所に表示することが望ましい。
遠隔制御の場合,各操縦装置は,どのユニットが生活支援ロボットのどの部分を制御しているのかを明
確に見分けられるようにしなければならない。遠隔制御システムは,次の部分にだけ影響するように設計・
製作しなければならない。
− ロボットの関連部分
− 関連機能
6.9.3 接続及び切断
操縦装置の意図的かどうかを問わない接続,切断若しくは再接続時,又は操縦装置の接続に問題が発生
したときで,タスクの継続が受容できないリスクを招きかねない場合には,生活支援ロボットは保護停止
を実行しなければならない。
遠隔制御される生活支援ロボットは,意図した制御ユニットからの信号だけに応答するように設計・製
作しなければならない。
6.9.4 複数ロボットに対する単一操縦装置
1台の操縦装置での,複数の生活支援ロボットの制御及び制御の切替が,ユーザ又は暴露されるあらゆ
る人に対して,いかなる危害も起こしてはならない。操縦装置は,1台又は複数のロボットを個別に制御
しても,又は同時に制御してもよい。
どの生活支援ロボットが操縦装置の制御下にあるか,オペレータにとって明瞭に目視確認できなければ
ならない。制御対象の全てのロボットは,指令がロボットに送られる前に選択しなければならない。選択
されていないどのロボットも,予期しない起動が防止されなければならない。
6.9.5 複数の操縦装置
複数の操縦装置を使用する場合は,次を適用しなければならない。
a) 動作中の操縦装置を見分けるための,明確な表示をする。
b) 生活支援ロボットの各機能は,保護停止及び非常停止機能を除き,常に1台の操縦装置だけで制御で
きる。マルチモーダルな単一ユーザインタフェースの場合(例えば,音声及びジェスチャーの同時認
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JIS B 8445:2016の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 13482:2014(IDT)
JIS B 8445:2016の国際規格 ICS 分類一覧
- 25 : 生産工学 > 25.040 : 産業オートメーションシステム > 25.040.30 : 産業用ロボット.機械操縦装置
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- JISB8433-2:2015
- ロボット及びロボティックデバイス―産業用ロボットのための安全要求事項―第2部:ロボットシステム及びインテグレーション
- JISB9703:2019
- 機械類の安全性―非常停止機能―設計原則
- JISB9705-1:2019
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- JISB9718:2013
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- JISB9960-1:2019
- 機械類の安全性―機械の電気装置―第1部:一般要求事項
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- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
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- JISC9335-2-29:2019
- 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性―第2-29部:バッテリチャージャの個別要求事項
- JISZ8737-2:2000
- 音響―作業位置及び他の指定位置における機械騒音の放射音圧レベルの測定方法―第2部:現場における簡易測定方法
- JISZ9101:2018
- 図記号―安全色及び安全標識―安全標識及び安全マーキングのデザイン通則