JIS B 8445:2016 ロボット及びロボティックデバイス―生活支援ロボットの安全要求事項 | ページ 9

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B 8445 : 2016 (ISO 13482 : 2014)
いずれかに該当する。)
注記1 大きさは,転落又は転倒したロボットがユーザ(用途によっては,座っているか又は横た
わっている人を含む。)の上半身と衝突することがあり得ないほどに低い場合,“小型”と
みなされる。小型とみなすことのできる最大寸法は,意図したタスク及びユーザグループ
を考慮に入れて製造業者が定めている。
注記2 重さは,衝撃によって怪我をすることがあっても軽傷を負う程度で,また,閉じ込められ
ることがあってもユーザ自身が一人でロボットを持ち上げて脱出できる程度の場合,“軽
量”とみなされる。軽量とみなすことのできる最大の重さは,意図したタスク及びユーザ
グループを考慮に入れて製造業者が定めている。
注記3 速度は,リスクアセスメントで決められた意図したユーザグループの普通の歩行速度を下
回る場合,“低速”とみなされる。成人健常者では,歩行速度は通常,最高6 km/hと考え
られる。
注記4 出力は,本質的安全設計方策適用後の時点で,怪我をすることがあっても軽傷を負う程度
の場合,“低出力”とみなされる。低出力とみなすことのできる最大出力は,意図したタ
スク及びユーザグループを考慮に入れて製造業者が定めている。
注記5 “静的安定”とは,本質的安全設計方策適用後の時点で,駆動力なしに静止しているロボ
ットの安定性が維持されている状態を指す。ロボットの意図した使用によっては,これは
例えば,ロボットに取り付けられたハンドルを握っている,ロボットに寄りかかっている
など,ユーザがロボットと接触している場合にユーザ及びロボット双方の安定性が維持さ
れることも含む。
6.1.3 選択した生活支援ロボットのタイプに対する要求パフォーマンスレベル
表1に規定するパフォーマンスレベルは,大半の用途において十分なリスク低減が得られると期待でき
る標準性能を定めたものである。しかし,全ての用途において,これらのPLの値をもつ安全機能が必要
な全てのリスク低減を与えるわけではない。6.1.4で異なる要求事項を求めていない限り,表1に規定する
パフォーマンスレベルを満たさなければならない。

――――― [JIS B 8445 pdf 41] ―――――

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表1−生活支援ロボットのパフォーマンスレベル
生活支援ロボットの ロボットのタイプ
安全機能 移動作業型ロボット 身体アシストロボット 搭乗型ロボット
タイプ タイプ タイプ タイプ タイプ タイプ タイプ タイプ
1.1 1.2 2.1 2.2 2.3 2.4 3.1 3.2
6.2.2.2 非常停止 d c d c d d d
(低リスクオプショ
ンなし)
6.2.2.3 保護停止 b d b d b c c e
6.3 活動空間の制限 ba) d b d a d N/A e
(禁止区域の回避6.5.3
を含む。)

6.4 安全関連速度制御

    b        d        b         b        b        d        c         e

6.7 安全関連力制御

      b        d        bc)       ed)      a        be)     N/A       N/A
6.5.2.1及び6.5.2.2 危険 b d N/A N/A b d N/A ef)
な衝突の回避
6.6及び6.7 安定性制御 b db) N/A c b db) bg) db)
(過負荷防止を含む。)
注a) 禁止区域の回避は,PL dでなければならない。
b) 生活支援ロボットが本質的に不安定な場合は,PL eが必要となる。
c) リスクアセスメントで,ある特定の状況(気絶など)において,ユーザが生活支援ロボットの力を押さえる
ことができないおそれがあると示される場合は,ロボットが危害の発生を防ぐ本質的な制限をもっていない
限り,タイプ2.2の要求事項を適用しなければならない。
d) 他の制限機能(例えば,活動空間又は速度の制限)でも同じリスクに対する保護が行われている場合,関連
する全ての機能がこのレベルに合わせて設計されているという条件で,PL dでよい。
e) 衝突回避又は能動的な人の保持に力制御が用いられる場合は,PL dが必要となる。
f) 制御システムはPL eに達しなければならないが,センシング機構ではこれに達しない可能性がある。この場
合,センサの決定論的原因故障によって生じるリスクは,合理的に実現可能な限りに低減しなければならな
い。
g) 生活支援ロボットが本質的に不安定な場合は,PL cが必要となる。
6.1.4 用途に固有のパフォーマンスレベル要求事項
生活支援ロボット及びその意図した用途に関して実施した包括的リスクアセスメントの結果として,用
途によっては,表1より高い又は低い安全関連制御システムのパフォーマンスレベルが必要であり,また,
満たさなければならないとなることがある。
より高い又は低い安全関連パフォーマンスレベルの一つを選択した場合は,それを明記し,影響を受け
る装置の使用上の情報に適切な制限及び注意事項を含めなければならない。
6.1.5 代替方法
代替性能要求事項(例えば,制御の信頼度)を定めている他の規格を使用してもよい(例えば,ANSI/RIA
R15.06-1999の4.5.4)。代替規格を使用して安全関連制御システムを設計する場合は,同等水準のリスク低
減を達成しなければならない。

6.2 ロボットの停止

6.2.1  一般
生活支援ロボットは,いかなる速度においても意図した制動であれば,危険な横転,暴走,又はロボッ
ト部品及び負荷の落下を起こすことなく,安全停止に至ることが確実なように設計しなければならない。
停止状態は生活支援ロボットのタイプによって異なるため,ロボットの停止状態はロボット製造業者が

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定義しなければならない。停止状態がロボットの通常の速度制御機能によって達成及び維持される場合,
その機能は6.6に適合しなければならない。停止状態が独立した停止機能によって達成される場合は,制
動機構だけによって達成しなければならず,その制動機構には次の要求事項を適用しなければならない。
a) 該当する場合は,動力中断の場合にも作動する。
b) 負荷,速度,移動表面の摩擦係数及び勾配,ロボット部品の予想摩耗状態など,あらゆるパラメータ
に規定された限界を考慮して,装備した安全関連物体の検知装置の作動範囲内で,生活支援ロボット
を停止できる。
c) 生活支援ロボット及びその最大許容荷重を,製造業者の規定する運転可能な最大勾配の移動表面上で,
静止し続けられる。
d) 重要な制御機能を失っても作動できる。
6.2.2 ロボットの停止機能
6.2.2.1 一般
生活支援ロボットは,保護停止機能を備え,また,リスクアセスメントが要求する場合は独立した非常
停止機能を装備していなければならない。任意で,こうした機能は外部保護装置の接続部を備えていても
よく,非常停止出力信号を出力してもよい。表2は,非常停止機能と保護停止機能とを比較したものであ
る。
注記 用途によっては,保護停止にシステムの安定性維持のための,駆動源の継続供給を含むことが
ある。この一例は,歩行支援ロボットである。
表2−非常停止と保護停止との比較
機能 非常停止 保護停止
目的 非常用 安全防護又はリスク低減
停止カテゴリ(JIS B 9960-1) 0又は1 0,1又は2
開始 手動 手動,自動,又は安全関連機能によって
自動的に開始してもよい。
安全関連制御システムの性能6.1の性能を満たさなければならない。 6.1の性能を満たさなければならない。
リセット 手動だけ 手動又は自動
使用頻度 まれ しばしばまれ
作用 安全防護された危険源を安全に制御
危険状態の伝搬を防ぐため,アクチュ
エータの動力を遮断
6.2.2.2 非常停止
非常停止能力が必要な場合,ロボットの動作又は他の危険状態を開始する能力のある各操縦装置は,次
のような手動で開始する非常停止機能を備えていなければならない。
a) 6.1及びJIS B 9960-1の要求事項に適合し,他の全てのロボット制御装置に優先して働く。
b) 制御下にある全ての危険源を停止させる。
c) ロボットが安全状態にある場合は,ロボットのアクチュエータの動力を除去する。
d) ロボットシステムによって制御されるべき危険源を制御する能力を提供する。
e) リセットされるまで非常停止状態のままである。
f) リセットは,手動の操作だけによって行われなければならないが,そのときはリセット後の再起動を
起こすことはなく,再起動の実行を許可するだけでなければならない。

――――― [JIS B 8445 pdf 43] ―――――

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操縦装置上に非常停止ボタンを装備することができない場合は(例えば,音声インタフェース,コンピ
ュータ画面式又は遠隔操作),従来からある非常停止装備(例えば,生活支援ロボット上又は近くに直接装
着したボタン)と同等の安全レベルが達成されていることを確認しなければならない。
この機能に停止カテゴリ0又は停止カテゴリ1のいずれを選択するかは,JIS B 9960-1に従ってリスク
アセスメントで決定しなければならない。
非常停止装置は,JIS B 9703及びJIS B 9960-1に従わなければならない。
非常停止の性能は,6.1に適合しなければならない。6.1.4又は6.1.5を適用しないロボットは,表3の
PL値を満たさなければならない。
表3−生活支援ロボットの非常停止に対するパフォーマンスレベル
生活支援ロボットの ロボットのタイプ
安全機能 移動作業型ロボット 身体アシストロボット 搭乗型ロボット
タイプ タイプ タイプ タイプ タイプ タイプ タイプ タイプ
1.1 1.2 2.1 2.2 2.3 2.4 3.1 3.2
非常停止 d c d c d d d
(低リスクオプショ
ンなし)
6.2.2.3 保護停止
安全関連制御機能の使用によってリスクが緩和される場合,生活支援ロボットは一つ以上の保護停止機
能を備えていなければならない。これらの停止機能のカテゴリ(JIS B 9960-1を参照)は,その用途に対
するリスクアセスメントによって決定しなければならない。
これらの停止機能は,ロボットの全ての危険な動作の停止,ロボットの駆動アクチュエータへの動力源
の除去又は制御,及びロボットシステムの制御下にある他の危険源を制御できるようにすることで,安全
防護の対象となる危険源を制御することが望ましい。停止は手動で開始しても,又は制御回路が開始して
もよい。再起動は,リスク分析で自動再起動が許容されていない限り,手動で開始しなければならない。
保護停止機能の性能は,6.1の要求事項に適合しなければならない。
生活支援ロボットは,JIS B 9960-1の規定する停止カテゴリ2を用いた保護停止機能を備えてもよい。
その場合,ロボットの停止後は動力の除去でなく,静止状態の監視が求められる。静止状態のロボットの
いかなる意図しない動作,又は保護停止機能の故障も,リスクアセスメントでの決定にもよるが,JIS B
9960-1に従った停止カテゴリ0の停止になることが望ましい。静止及び監視機能の性能は,6.1に適合し
なければならない(表4を参照)。
注記 これは,IEC 61800-5-2に規定する,安全運転停止(safe operational stop)に対応した電気駆動
システムが提供する,JIS B 9960-1による監視された停止カテゴリ2の停止の機能を含むこと
がある。
表4−生活支援ロボットの保護停止に対するパフォーマンスレベル
生活支援ロボットの ロボットのタイプ
安全機能 移動作業型ロボット 身体アシストロボット 搭乗型ロボット
タイプ タイプ タイプ タイプ タイプ タイプ タイプ タイプ
1.1 1.2 2.1 2.2 2.3 2.4 3.1 3.2
保護停止 b d b d b c c e

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6.2.3 制動性能
ロボットの移動架台の保護停止を発する制御システム機能の設計では,架台の制動性能,更に,全ての
予測可能な移動表面条件下での,生活支援ロボットの停止に必要な距離を考慮に入れなければならない。
制動性能は,生活支援ロボットが定格速度及び定格荷重で規定の表面条件で移動しているとき,安全関
連障害物との危険な衝突を回避できる程度に十分なものでなければならない。合理的に実現可能な限り,
生活支援ロボットは,リスクアセスメントで定められた予想される最悪の表面条件で,安全関連物体の手
前で停止することもできなければならない。
次のいずれかを適用する。
a) 生活支援ロボットの制動性能の評価又は特定の移動表面に対する安全関連速度制限の設定に制御シス
テム機能を用いる場合は,意図した全ての運転条件を考慮に入れて,6.1に適合しなければならない。
b) 生活支援ロボットは,合理的に実現可能であれば,表面条件を到達前に推定し,危険な表面条件の場
合は回避することができなければならない。この機能は,意図した全ての運転条件を考慮に入れて,
6.1に適合しなければならない。

6.3 運転空間の制限

  図1に,生活支援ロボットの運転空間を構成する各種空間を図示する。
図1−生活支援ロボットの運転空間
リスク低減のために,運転空間の制限が必要となることがある。この制限は,特定領域内に生活支援ロ
ボットの動作を制限すること,又は,特定領域内へのロボットが侵入を防止することなどによって達成さ
れる。ここでの,特定領域は,図1の各種空間に対する包含及び排除関係によって定義される(附属書B
参照)。

――――― [JIS B 8445 pdf 45] ―――――

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JIS B 8445:2016の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 13482:2014(IDT)

JIS B 8445:2016の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 8445:2016の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB0134:2015
ロボット及びロボティックデバイス―用語
JISB8361:2013
油圧―システム及びその機器の一般規則及び安全要求事項
JISB8370:2013
空気圧―システム及びその機器の一般規則及び安全要求事項
JISB8433-1:2015
ロボット及びロボティックデバイス―産業用ロボットのための安全要求事項―第1部:ロボット
JISB8433-2:2015
ロボット及びロボティックデバイス―産業用ロボットのための安全要求事項―第2部:ロボットシステム及びインテグレーション
JISB9703:2019
機械類の安全性―非常停止機能―設計原則
JISB9705-1:2019
機械類の安全性―制御システムの安全関連部―第1部:設計のための一般原則
JISB9710:2019
機械類の安全性―ガードと共同するインターロック装置―設計及び選択のための原則
JISB9711:2002
機械類の安全性―人体部位が押しつぶされることを回避するための最小すきま
JISB9714:2006
機械類の安全性―予期しない起動の防止
JISB9715:2013
機械類の安全性―人体部位の接近速度に基づく安全防護物の位置決め
JISB9716:2019
機械類の安全性―ガード―固定式及び可動式ガードの設計及び製作のための一般要求事項
JISB9718:2013
機械類の安全性―危険区域に上肢及び下肢が到達することを防止するための安全距離
JISB9960-1:2019
機械類の安全性―機械の電気装置―第1部:一般要求事項
JISC0365:2007
感電保護―設備及び機器の共通事項
JISC0920:2003
電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
JISC6802:2014
レーザ製品の安全基準
JISC7550:2011
ランプ及びランプシステムの光生物学的安全性
JISC9335-1:2014
家庭用及びこれに類する電気機器の安全性―第1部:通則
JISC9335-2-29:2019
家庭用及びこれに類する電気機器の安全性―第2-29部:バッテリチャージャの個別要求事項
JISZ8737-2:2000
音響―作業位置及び他の指定位置における機械騒音の放射音圧レベルの測定方法―第2部:現場における簡易測定方法
JISZ9101:2018
図記号―安全色及び安全標識―安全標識及び安全マーキングのデザイン通則