JIS B 8445:2016 ロボット及びロボティックデバイス―生活支援ロボットの安全要求事項 | ページ 3

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B 8445 : 2016 (ISO 13482 : 2014)
3.18.3
監視空間(monitored space)
生活支援ロボット(3.13)が使用可能なセンサによって観察される空間のうち,安全関連物体(3.21.1)
を検出する空間。
注記1 監視空間は,最大空間(3.18.1)を超えて広がる可能性があり,ロボット上に設置され移動す
るセンサと最大空間の内外に設置された固定センサとの集団によって定めることもできる。
注記2 この空間は,生活支援ロボット及びその用途によって,静的又は動的であったりする。
注記3 図1を参照。
3.18.4
安全防護空間(safeguarded space)
安全関連物体(3.21.1)の検知が,直ちに生活支援ロボット(3.13)の安全関連機能の開始につながる空
間。
注記1 安全関連機能の例には,軌道の変更,減速,保護停止(3.17),力制限が含まれる。
注記2 減速のための,考えられるアルゴリズムの実装に関する詳細を,附属書Cに示す。
注記3 この空間は,生活支援ロボットの用途,及び(動的)形状によって,静的又は動的となるこ
とがある。
注記4 図1を参照。
3.18.5
保護停止空間(protective stop space)
安全関連物体(3.21.1)が入ってきたとき,生活支援ロボット(3.13)が保護停止(3.17)を実行する空
間。
例 附属書Bに,幾つかの異なる生活支援ロボットの運転空間の例を示す。
注記1 この空間は,生活支援ロボットの用途,及び(動的)形状によって,静的又は動的となるこ
とがある。
注記2 図1参照。
3.19.1
接触(contact)
ロボット(3.2)とその外部環境にある物体との間の距離がゼロの状態。
3.19.2
非接触検知(non-contact sensing)
検出又は測定方法のうち,その環境内の対象物(人を含む。)に接触する必要のないもの。
3.19.3
接触検知(contact sensing)
検出又は測定方法のうち,その環境内の対象物(人を含む。)に接触する必要のあるもの。
3.19.4
意図しない接触(unintended contact)
意図したタスクを実行している間の,生活支援ロボット(3.13)と物体との計画外の接触。
3.19.5
許された接触(allowed contact)
製造業者によって許可されている,生活支援ロボット(3.13)とのあらゆる接触。

――――― [JIS B 8445 pdf 11] ―――――

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B 8445 : 2016 (ISO 13482 : 2014)
3.20
相対速度(relative speed)
ロボット(3.2)とそれが接触しそうな物体(人を含む。)との速度ベクトル間の差の大きさ。
注記 ロボット速度は,ロボット本体とその可動部との速度のベクトル和である。
3.21.1
安全関連物体(safety-related object)
生活支援ロボットの使用による危害から防護される人,飼育動物又は家財。
注記 防護される飼育動物(特にペット)及び家財の種類は,生活支援ロボットの意図する使用によ
って異なる。
3.21.2
安全関連障害物(safety-related obstacle)
ロボット(3.2)と接触又は衝突した場合に,危害を引き起こす物体,障害物又は接地面の状態。
3.21.3
安全関連速度リミット(safety-related speed limit)
生活支援ロボット(3.13)のある一点(本体の場所)が,受容できないリスク(3.7)を生み出すことな
く到達できる速度の上限。
注記 定義上,速度は,絶対値,又は参照点に対する相対値を取り得る。
3.21.4
安全関連力リミット(safety-related force limit)
生活支援ロボット(3.13)のある一点が,受容できないリスク(3.7)を生み出すことなく,人又は周囲
の物体に行使できる力の上限。
3.21.5
安全関連表面条件(safety-related surface condition)
表面条件(surface condition)
リスクアセスメント(3.8)で危険源(3.6)が同定できる,移動型生活支援ロボット(3.13)にとっての
移動表面の悪条件。
例 搭乗型ロボット(3.16)が,傷害・損傷を引き起こすような横転又はスリップをしそうな表面条
件。
3.22
手動制御装置(manual control device)
生活支援ロボット(3.13)を制御するために使用される,制御回路に接続されていて人が操作する装置。
(JIS B 9960-1の3.9を修正)
注記 パネル又はハウジングに取り付けられた一つ以上の手動制御装置は,操縦装置(3.23)を形成
する。
3.23
操縦装置(command device)
オペレータ(3.25)又はユーザ(3.26)が,ロボット(3.2)を制御できるようにする装置。
3.24.1
手動モード(manual mode)
人の直接的介入,例えば,押しボタン,ジョイスティックなどによってロボット(3.2)が操作される運

――――― [JIS B 8445 pdf 12] ―――――

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B 8445 : 2016 (ISO 13482 : 2014)
転モード。
注記 このモードは,通常,教示,遠隔操作,障害(不具合)発見,修理,清掃などのために使用さ
れる。
(JIS B 0134の5.3.10.2を修正)
3.24.2
自律モード(autonomous mode)
人の直接的介入なしに,ロボット(3.2)の機能が指定された任務を実行する運転モード。
例 相互作用(命令)を待っている移動作業型ロボット(3.14)。
3.24.3
半自律モード(semi-autonomous mode)
人の部分的介入を伴って,ロボット(3.2)の機能が指定された任務を実行する運転モード。
例 衝突を避けようと,人が選んだ経路の修正を試みる身体アシストロボット(3.15)。
3.25
オペレータ(operator)
生活支援ロボット(3.13)のパラメータ及びプログラムを変更する者,並びに所期の運転を起動,監視
及び停止する者として指名された人。
(JIS B 0134の2.17を修正)
3.26
ユーザ(user)
生活支援ロボット(3.13)のオペレータ(3.25)又は生活支援ロボットの提供するサービスの受益者。
注記 用途によっては,ユーザは,オペレータ及び受益者の両方を兼ねることがある。
3.27
ソフトウェアリミット(software limits)
制御システムで定義された,ロボット(3.2)の一つ以上の操作パラメータの制限。
注記 ソフトウェアリミットは,運転空間,速度,力などを制限することができる。
3.28
特異点(singularity)
直交座標系における経路速度を維持しようとするとジョイント空間におけるジョイント速度が数学的に
は無限大となる点。この点では,運動学から導出されるヤコビ行列のランクがフルランクより小さくなる。
注記1 実際の作業では,直交座標空間で定義され,特異点の近くを通る運動は,高い軸速度を発生
することがある。この高速度は,オペレータにとっては予想できないことがある。
注記2 ヤコビ行列は,一般に,ロボット自由度の一階偏導関数の行列と定義される。
(JIS B 8433-1:2015の3.22を修正)
3.29
電気的検知保護機器(electro-sensitive protective equipment),
ESPE
保護トリップ又は存在検知のために,協調して作動する装置又は構成部品のアセンブリで,少なくとも,
次のもので構成される。
− 検知器
− 制御・監視装置

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− 出力信号開閉器又は安全関連データインタフェース
注記1 ESPEに連動している安全関連制御システム,又はESPE自体が,更に副開閉器,ミューティ
ング機能,停止性能モニタなどを含むことがある。
注記2 安全関連通信インタフェースを,ESPEと同じエンクロージャとに統合することができる。
(JIS B 9704-1の3.5を修正)
3.30
圧力検知保護機器(pressure-sensitive protective equipment),
PSPE
危険状況下での保護を提供するために,“機械的賦活型トリップ”方式を使用して起動される装置及び構
成部品のアセンブリ。
注記1 PSPEの例には,感圧マット,フロア,バンパー,感圧エッジ,バーがある。
注記2 PSPEは,様々な技法の使用によって停止信号を生成する。
例 機械的接点,光ファイバーセンサ,空気圧センサなど

4 リスクアセスメント

4.1 一般

  リスクアセスメントに関しては,JIS B 9700の全ての要求事項を適用しなければならない。これは,危
険源の同定に基づいたリスク分析を含む,リスクアセスメントの実施における要求事項及び手引を規定し
ている。リスクアセスメントの実施において,リスクが許容できるか否かの決定は,生活支援ロボットの
用途及び使用目的に左右される。
JIS B 9700には機械類の危険源の全般的リストが含まれており,附属書Aに示す生活支援ロボットの危
険源のリストは,これを基にしている。

4.2 危険源の同定

  危険源の同定は,ある特定の生活支援ロボットに存在し得る危険源を同定するために実施しなければな
らない。附属書Aに,この規格に記載する生活支援ロボットに存在し得る,典型的な危険源のリストを記
載している。このリストには,全ての危険源が網羅されているものとみなさないことが望ましい。特定の
生活支援ロボットシステムは,その固有の設計,意図した使用方法又は合理的に予見可能な誤使用の結果
として,これ以外の危険源が出現する可能性がある。危険源の同定プロセスは,設計ごとに実施し,特に
次の点を考慮しなければならない。
a) ロボットが下す自律的判断の不確かさ及び誤った判断によると考えられる危険源
b) ユーザ及び他の暴露される人が,知識,経験及び身体的条件において異なる水準にあること
c) 生活支援ロボットの,正常ではあるが予想外の動き
d) 人,飼育動物及び他の安全関連物体の予想外の動き(例えば,横又は高所からの生活支援ロボット正
面への飛び出し)
e) 生活支援ロボットの意図しない動き
f) 移動ロボットにおいては,予想外の移動表面及び環境条件
g) 移動作業型ロボットにおいては,取り扱う安全関連物体の不確かさ
h) 身体アシストロボット及び搭乗型ロボットにおいては,人体各部寸法の多様性への適合性
場合によって,生活支援ロボットのマニピュレータ及びエンドエフェクタについては,特に詳細にリス
クアセスメントで検討し,それらはロボット本体と同じ要求事項とする。

――――― [JIS B 8445 pdf 14] ―――――

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B 8445 : 2016 (ISO 13482 : 2014)

4.3 リスク見積り

  リスク見積りは,生活支援ロボットが安全関連物体に接触するおそれのある様々な状況に留意しながら,
4.2で同定された危険源に関して実施しなければならない。
全ての本質的安全設計及び保護方策を採用した後には,生活支援ロボットの残留リスクの評価を行い,
それが許容レベルにまで低減されたことを証明しなければならない。
適切なリスク見積りの方法は,ケースバイケースで策定しなければならない。見積り結果を基に,事象
(例えば,ロボットと安全関連障害物又は他の安全関連物体との許された接触)が受容できないリスクの
原因とならないことを示さなければならない。特定用途にリスクアセスメントのための数値を用いる場合
は,試験・測定法の適切な妥当性確認を行わなければならない。リスク見積りに出典を異にする数値を用
いる場合は,それを基準としたことが適切であることについて妥当性確認を行わなければならない。
注記1 人とロボットとの相互作用及び衝撃の調査研究として,成人の痛覚耐性限界,及び重要な傷
害メカニズムを調べるためのロボットと人の身体各部との衝突についてのものが実施されて
いる(参考文献を参照)。
注記2 様々な属性の人(例えば,子供,高齢者,妊婦)及び生活支援ロボット用途(例えば,移動
作業型,身体アシスト,搭乗型)のより完全な数値データは,現在,検討中であり,この規
格の将来の改正版に反映する予定である。この作業は産業用ロボットに関して始まっており,
協働ロボットとの作業空間の設計を支援するためにISO/TS 15066(作成中)として発行され
る予定である。

5 安全要求事項及び保護方策

5.1 一般

  生活支援ロボットは,この箇条の安全要求事項に適合しなければならない。箇条4に規定する方法を用
いて生活支援ロボットに付随する危険源を特定した場合,ロボットは,その危険源に起因するリスクが確
実に許容レベル未満となるように設計しなければならない。
さらに,規格では取り上げていない危険源に関しても,JIS B 9700の原則に従って機械を設計しなけれ
ばならない。
この規格に規定されていない方策によってリスクの排除又は低減ができる場合は,リスクアセスメント
によって決定される他の要求事項を適用しなければならない。こうした方策は,少なくともこの規格に規
定する方策と同レベルのリスク低減を達成しなければならない。
方策を講じて,合理的に実行可能な限り,生活支援ロボット近傍の暴露されるあらゆる人,及び関連の
ある場合は飼育動物又はその他の安全関連物体を危険源から保護し,更にロボットを継続的に使用する上
でのユーザの安全を確実にしなければならない。
生活支援ロボットは,他の規格及び規制にも従わなければならない場合がある。
例 搭乗型ロボットが公道を走行する場合は,道路交通法に従うなど
生活支援ロボットは,JIS B 9700の原則に従い,それぞれの用途に応じて特定された全ての危険源に関
して,次の構成で設計しなければならない。
a) 本質的安全設計
b) 保護方策
c) 使用上の情報
注記 この規格を適用する際には,JIS B 9700は不可欠である。この規格を適用又は使用する前に,

――――― [JIS B 8445 pdf 15] ―――――

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JIS B 8445:2016の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 13482:2014(IDT)

JIS B 8445:2016の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 8445:2016の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB0134:2015
ロボット及びロボティックデバイス―用語
JISB8361:2013
油圧―システム及びその機器の一般規則及び安全要求事項
JISB8370:2013
空気圧―システム及びその機器の一般規則及び安全要求事項
JISB8433-1:2015
ロボット及びロボティックデバイス―産業用ロボットのための安全要求事項―第1部:ロボット
JISB8433-2:2015
ロボット及びロボティックデバイス―産業用ロボットのための安全要求事項―第2部:ロボットシステム及びインテグレーション
JISB9703:2019
機械類の安全性―非常停止機能―設計原則
JISB9705-1:2019
機械類の安全性―制御システムの安全関連部―第1部:設計のための一般原則
JISB9710:2019
機械類の安全性―ガードと共同するインターロック装置―設計及び選択のための原則
JISB9711:2002
機械類の安全性―人体部位が押しつぶされることを回避するための最小すきま
JISB9714:2006
機械類の安全性―予期しない起動の防止
JISB9715:2013
機械類の安全性―人体部位の接近速度に基づく安全防護物の位置決め
JISB9716:2019
機械類の安全性―ガード―固定式及び可動式ガードの設計及び製作のための一般要求事項
JISB9718:2013
機械類の安全性―危険区域に上肢及び下肢が到達することを防止するための安全距離
JISB9960-1:2019
機械類の安全性―機械の電気装置―第1部:一般要求事項
JISC0365:2007
感電保護―設備及び機器の共通事項
JISC0920:2003
電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
JISC6802:2014
レーザ製品の安全基準
JISC7550:2011
ランプ及びランプシステムの光生物学的安全性
JISC9335-1:2014
家庭用及びこれに類する電気機器の安全性―第1部:通則
JISC9335-2-29:2019
家庭用及びこれに類する電気機器の安全性―第2-29部:バッテリチャージャの個別要求事項
JISZ8737-2:2000
音響―作業位置及び他の指定位置における機械騒音の放射音圧レベルの測定方法―第2部:現場における簡易測定方法
JISZ9101:2018
図記号―安全色及び安全標識―安全標識及び安全マーキングのデザイン通則