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B 8445 : 2016 (ISO 13482 : 2014)
5.6 ロボットの形状による危険源
5.6.1 一般
生活支援ロボットが意図したタスクを実行するための意図したユースケースシナリオは,ロボット及び
その外付け部品の全体形状の設計において,例えば,押し潰し,切傷又は切断の傷害を起こすことのある
事故の潜在性を回避するために検討しなければならない。
リスクアセスメントでは,生活支援ロボットが運ぶ負荷の形状についても検討しなければならない。
例 外骨格型のストラップは,例えば,切傷,すりむきなどの傷害を起こさないように設計しなけれ
ばならない。
5.6.2 本質的安全設計
生活支援ロボットの設計においては,JIS B 9700に従って,鋭利な端部及びせん(尖)端を避けなけれ
ばならない。
ロボットの接触可能な部分の穴又は隙間は,JIS B 9711及びISO 15534(規格群)に従って,人体のい
かなる部分の挿入も防止されるように設計しなければならない。
ロボットの関節(例えば,マニピュレータの関節)は,関節が製造業者の意図したとおりに動く限り,
人体の一部が押し潰されることがないように設計しなければならない。これは,ロボットの幾何形状の選
択のほか,関節の可動限界を本質的に制限することで行える。
運ぶ負荷を,鋭利でない又はとが(尖)っていない物体に限定する。
5.6.3 安全防護及び付加保護方策
必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。
a) せん断,突き刺し及び切断の危険源を排除し,衝撃の危険源を低減するために,鋭利な端部及びせん
(尖)端にクッション処理を施す(4.3の注記2参照)。
b) 危険な可動部を覆うため,固定式又は可動式のガードを使用する。
c) 危険な負荷[例えば,鋭利な又はとが(尖)った物体]を運ぶ場合,ロボットの速度及び挙動を調整
できる。
5.6.4 使用上の情報
形状に関連するリスクを低減する警告及び取扱説明は,JIS B 9700及びISO 7010に適合しなければなら
ない。
使用上の情報は,生活支援ロボットの取扱い,使用,運転などに必要な保護具(例えば,手袋)の取扱
説明を含んでいなければならない。
運ぶ負荷の形状が更に別の危険源をもたらすことがある場合は,そのリスクに対処するための適切な取
扱説明を示さなければならない。
5.6.5 検証及び妥当性確認
5.1のA,C,G又はHの中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。
5.7 放出による危険源
5.7.1 有害な騒音
5.7.1.1 一般
生活支援ロボット近傍のあらゆる人は,ロボットの運転によって,不快感,ストレス,難聴,ユーザの
失調若しくは意識低下,又は類似の体調不良を直接的に引き起こし得る騒音(超音波騒音を含む)から保
護されなければならない。
生活支援ロボットが発生する騒音のレベルは,特殊な保護具を着用する必要がない程度に十分に低いも
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のでなければならない。
生活支援ロボットは,その用途に該当する騒音放射に関する規格に適合しなければならない[例えば,
ISO 1996(規格群),ISO 3740,ISO 11200,ISO/TS 15666,ISO 15667参照]。
注記 環境騒音アセスメントについては,ISO 1996-1及びISO 1996-2に示されている。
5.7.1.2 本質的安全設計
低騒音な機械の設計に関する一般的技術情報及び手引は,ISO/TR 11688-1に示されている。ロボットの
音響設計には,特に注意しなければならない。必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。
a) 低騒音の構成部品 生活支援ロボットは,運転中に本質的に静音な構成部品で製作する。
b) 適切な運転挙動 ロボットの行動又は動作は,生活支援ロボットに要求されるタスクを前提に,でき
る限り音がしないように設計する。
c) 遮音材料 生活支援ロボットは,騒音を制限し,外部環境への騒音放射を低減する材料で製作する。
注記 ISO/TR 11688-2に,機械の騒音発生メカニズムに関する有用な情報が示されている。
5.7.1.3 安全防護及び付加保護方策
少なくとも,次の方策の一つを適用しなければならない。
a) 例えば,発泡材,バッフル,カーテン,コーティングなどの追加的吸音材料を適用する。
b) アクティブノイズキャンセル(騒音対策)メカニズムを採用する。
5.7.1.4 使用上の情報
使用上の情報は,騒音低減のために使われている安全防護及び保護方策を列挙し,また,保守のための
適切な取扱説明を示さなければならない。必要ならば,放射騒音の定期点検のための取扱説明を提供しな
ければならない。
5.7.1.5 検証及び妥当性確認
5.1のC又はDの中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。さらに,ISO 4871に従った
2数宣言(dual-number declaration)を適用して,適宜,ISO 3746又はJIS Z 8737-2のいずれかに従って放
射騒音値の測定,宣言及び検証を行わなければならない。
5.7.2 有害な振動
5.7.2.1 一般
生活支援ロボットのユーザは,ロボットの運転中は健康状態が維持できるように,使っているロボット
からの直接又は間接の有害な振動から,次のとおり保護されなければならない。
a) 生活支援ロボットのユーザは,ロボットの連続使用によって,例えば,けん(腱)の炎症,腰痛,不
快感,神経症,関節炎,類似のあらゆる不調などの,振動に関連した傷害の原因となり得る有害な振
動から保護する。
b) 生活支援ロボットのユーザは,健康,心地良さ及び知覚に問題を生じ得る0.5 Hz80 Hzの振動及び
乗物酔いの原因となり得る0.1 Hz0.5 Hzの振動から保護する。生活支援ロボットの設計は,ISO 2631
(規格群)の該当する部に適合している。
生活支援ロボットの振動レベルは,特殊な保護具を着用する必要がない程度に十分に低いものでなけれ
ばならない。
5.7.2.2 本質的安全設計
本質的安全設計には,次の方策を含めるがこれらだけに限らない。
a) 生活支援ロボットの設計における,機械的構成部品から発生する振動を最小化する。例えば,質量分
布の偏りの低減,可動部速度の制限などによる。
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b) 設計における,生活支援ロボット内の振動源に人が暴露される度合いを制限するための制振材料を選
択及び使用する。
5.7.2.3 安全防護及び付加保護方策
少なくとも,次の方策の一つを適用しなければならない。
a) 能動的振動制御,例えば,半能動的制振メカニズム,制御型制振などを適用する。
b) 生活支援ロボットの動きの,振動を全く起こさないか,又は最小限となるように速度を制限する。
5.7.2.4 使用上の情報
使用上の情報には,振動する構成部品の仕様を含まなければならない。
5.7.2.5 検証及び妥当性確認
5.1のC又はDの中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。
5.7.3 有害な物質及び流動体
5.7.3.1 一般
生活支援ロボットのユーザは,やけど又は何らかの炎症の原因となる可能性のある,有毒若しくは有害
な物質から保護されなければならない。また,ロボット本体表面から外部への溶媒若しくは揮発性が高い
場合は,本体内であっても,それらの放射から保護されなければならない(例えば,JIS B 9709-1参照)。
生活支援ロボットは,有害な物質及び流動体を放出しないように設計しなければならない。生活支援ロ
ボットは,正常運転中にユーザが何も保護具を着用する必要がないように設計しなければならない。
アレルギーの原因となり得る物質は,生活支援ロボットの正常運転中に人の皮膚に接触する表面には使
用しないことが望ましい。
注記 ニッケル,クロム及びある種のゴムは,アレルギー反応の原因となることがある。
5.7.3.2 本質的安全設計
必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。
a) 生活支援ロボット内のオイル及び冷却液,ブレーキ摩耗によって発生するじんあい(塵埃)など,有
害となる可能性のある物質・流動体を排除する又は使用を回避する。
b) オイル,冷却液,ブレーキ材など,有害となる可能性のある物質・流動体については,有害性が低い
か又は無害の物質に代替する。
c) 物質を外部環境に放射せず,内部に封じ込めるような生活支援ロボットを設計する。
5.7.3.3 安全防護及び付加保護方策
必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。
a) 有害な物質又は流動体(オイルなど)が運転に必要な場合は,その減少を検出する方策を図る。
b) 流体管に漏れが発生した場合の,密閉用遮断弁又はヒューズを採用する。
c) 漏れが発生した場合に,人が接触することがないようにする(カバーなど)。
5.7.3.4 使用上の情報
使用上の情報には,生活支援ロボット内部の有害物質についての情報を提供しなければならない。必要
ならば,ロボットの使用,取扱い,保守及び分解時に警戒することについての取扱説明を示さなければな
らない。
アレルギー性物質が使用されている場合は,物質に関する情報を提供しなければならない。
5.7.3.5 検証及び妥当性確認
5.1のE,G又はHの中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。
5.7.4 極端な温度
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5.7.4.1 一般
生活支援ロボットのユーザは,やけど,凍傷,ストレス,不快感若しくは類似のあらゆる不調の原因と
なり得るロボット又はその構成部品の極端な温度(高温又は低温)から保護されなければならない。この
要求事項を満たすため,生活支援ロボットは,ISO 13732に適合しなければならない。
注記 10 ℃43 ℃の表面温度は,通常,極端とはみなされない。
5.7.4.2 本質的安全設計
必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。
a) 生活支援ロボット内の極端な熱源を排除又は回避する。
b) 熱伝導率が適切な材料及びその表面構造を選択する。
5.7.4.3 安全防護及び付加保護方策
必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。
a) 適切な冷却(又は加熱)装置を用いて表面温度を低減(又は上昇)する。
b) 隔離,又はガードの設置(ISO 13732参照)をする。
5.7.4.4 使用上の情報
使用上の情報には,JIS Z 9101に従って,極端な温度になる高温・低温部に示す警告文及びマークの表
示を含まなければならない。必要ならば,生活支援ロボットの使用,取扱い,保守及び分解時に警戒する
ことについての取扱説明を示さなければならない。
5.7.4.5 検証及び妥当性確認
5.1のC又はDの中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。
5.7.5 有害な非電離放射
5.7.5.1 一般
有害なレーザ,光及びその他の電磁波源による放射を防止しなければならない。レーザ以外の光源は,
JIS C 7550に従ってユーザに対する暴露限界を超えないように設計しなければならない。
レーザの使用はJIS C 6802に適合し,用途に対し使用し得る最低限のレーザクラスでなければならない。
5.7.5.2 本質的安全設計
使用するレーザ機器は,JIS C 6802に規定するクラス1を超えてはならない。
5.7.5.3 安全防護及び付加保護方策
必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。
a) 防護シャッターを設ける。
b) インタロック式可動ガードを設ける。
c) レーザビームの方向を制御する。例えば,6.1の要求事項に従い,眼が存在する可能性がある方向を避
けるなどの方策を図る。
d) 6.1に従ったレーザ出力の制御(例えば,パルス幅,強度)をする。
e) クラス2以上のレーザの場合は,JIS C 6802の保護方策に合致しなければならない。
5.7.5.4 使用上の情報
使用上の情報には,生活支援ロボットの運転環境にある人,及び場合によっては飼育動物又は家財がさ
らされることのある潜在的に有害な放射についての詳細を示さなければならない。使用上の情報には,光
を直視しないよう忠告し,保護具及びその他の特別な対処法に関する情報を示さなければならない。また,
ロボットにはマーキングを施し,その意味を使用上の情報に記載しなければならない。
5.7.5.5 検証及び妥当性確認
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5.1のC,D又はGの中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。
5.7.6 有害な電離放射線
生活支援ロボットのユーザ及び第三者は,ロボット又はその構成部品が発する電離放射線から保護され
なければならない。そのような放射線への暴露は,何らかの有害な身体傷害又は疾患を避けるため,最小
限にとどめなければならない。
通常,電離放射線を発生する機構を生活支援ロボットには使用しないことが望ましい。そのような機構
がロボットの用途にとって不可欠の場合(すなわち,その使用目的を達成するための代替方法がない場合)
は,特別な保護要求事項を開発しなければならない。特別な安全防護策は,該当する規格に従って開発し
なければならない(例えば,ISO 2919,ISO 3925,ISO 14152)。
5.8 電磁障害による危険源
5.8.1 一般
合理的に予見可能な全ての電磁妨害に対して,ロボットの危険な動作及び不安全なシステム状態を防止
しなければならない。
生活支援ロボットは,電磁両立性(EMC)に関して該当する全ての規格に適合しなければならない(例
えば,JIS B 9960-1,JIS C 61000-6-1,JIS C 61000-6-2,IEC 61000-6-3,IEC 61000-6-4など)。
注記 さらに,IEC/TS 61000-1-2には,電磁現象に関連する機器を含む,電気及び電子装置の機能安
全を達成する方法が提供されており,役立つ場合がある。
5.8.2 本質的安全設計
6.1に規定する制御システムの諸機能は,IEC 62061:2012の6.4.3に規定する,電磁イミュニティの要求
事項を満たすように設計しなければならない。
生活支援ロボットのその他の機能は,意図した運転環境に従って,JIS C 61000-6-1又はJIS C 61000-6-2
を満たすことが望ましい。
注記 IEC 62061の6.4.3に記載のイミュニティ試験規格は,工業環境向けであるため,ロボットが住
宅・商業環境でのみ使用される場合は,住宅・商業環境において安全が確保できる適切なイミ
ュニティ試験規格に置き換えてもよい。
5.8.3 安全防護及び付加保護方策
リスクは,入射に対する電磁遮蔽によって,受容可能なレベルまで低減しなければならない。
5.8.4 使用上の情報
使用上の情報には,放射電磁波の特性,及び干渉の原因となり得る電磁波の特性に関して必要な情報を
提供しなければならない。
5.8.5 検証及び妥当性確認
5.1のB,C又はDの中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。
5.9 ストレス,姿勢及び使用法による危険源
5.9.1 一般
危険源は,生活支援ロボットの使用に伴った肉体的及び精神的の両側面から生じることがある。5.9.2及
び5.9.3に規定するような個々の影響を低減することに加えて,リスクアセスメントにおいては複合効果
も検討しなければならない。
5.9.2 肉体的ストレス及び姿勢の危険源
5.9.2.1 一般
リスクアセスメントでは肉体的ストレス及び姿勢による危険源を同定し,生活支援ロボットの設計では
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JIS B 8445:2016の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 13482:2014(IDT)
JIS B 8445:2016の国際規格 ICS 分類一覧
- 25 : 生産工学 > 25.040 : 産業オートメーションシステム > 25.040.30 : 産業用ロボット.機械操縦装置
JIS B 8445:2016の関連規格と引用規格一覧
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- 感電保護―設備及び機器の共通事項
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- 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性―第2-29部:バッテリチャージャの個別要求事項
- JISZ8737-2:2000
- 音響―作業位置及び他の指定位置における機械騒音の放射音圧レベルの測定方法―第2部:現場における簡易測定方法
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- 図記号―安全色及び安全標識―安全標識及び安全マーキングのデザイン通則