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B 8445 : 2016 (ISO 13482 : 2014)
それらのリスクを確実に最小限にしなければならない。これは,次の要求事項によって達成してもよいが,
これらだけに限らなくともよい。
a) 生活支援ロボットは,連続使用によるユーザの肉体的ストレス又は緊張を最小限にし,又は低減する
ように設計しなければならない。ユーザの肉体的ストレス又は緊張には,疲労,けん(腱)の炎症な
どの肉体的不快感の直接原因となるような不自然な姿勢及び運転環境を含むが,これらだけに限らな
い。
b) 生活支援ロボットの設計では,意図したユーザ集団の代表的な身体寸法を考慮し,肉体的な苦痛を強
いる姿勢を回避し,操作が楽にできるようにしなければならない。ISO 14738は,ワークステーショ
ン及び機械類の製作に,人間工学的要素の原則をどのように適用することが望ましいかについて規定
している。誰かがロボットの上に座るか,又はロボットの正面に立つような使い方の生活支援ロボッ
トを作る場合は,これを検討することが望ましい。
5.9.2.2 本質的安全設計
次の方策を含む場合があるが,これらだけに限らない。
a) 手動制御装置の設計及び配置は,肉体的ストレス又は不快感なく運転できることが望ましい。
b) 生活支援ロボットの運転中に正しい姿勢を保てるように,座席を人間工学的に適切に設計及び配置す
る。
c) 操縦装置は,生活支援ロボットの不適切な場所に恒久的に取り付けるのではなく,着脱可能とするか
又は手持形のものとする。
5.9.2.3 安全防護及び付加保護方策
次の方策を含む場合があるが,これらだけに限らない。
a) 衝撃吸収(サスペンション)機構を使用する。
b) 姿勢保持具を使用する。
5.9.2.4 使用上の情報
使用上の情報は,手動制御装置を正しく操作する方法及び生活支援ロボットの使い方に関する説明を含
まなければならない。使用上の情報には,オペレータの移動時間が推奨時間より長くなることを防ぐ,適
切な教育の必要性を記載しなければならない。
5.9.2.5 検証及び妥当性確認
5.1のA,C,D又はHの中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。
5.9.3 精神的ストレス及び使用法による危険源
5.9.3.1 一般
リスクアセスメントで精神的ストレス及び使用法による危険源を同定し,生活支援ロボットの設計では
それらのリスクを確実に最小限にしなければならない。これは,次の要求事項によって達成してもよいが,
これらだけに限らなくともよい。
a) 生活支援ロボットは,連続使用によるユーザの精神的ストレスを最小限に又は低減するように設計し
なければならない。
b) 制御機器類,信号又はデータ表示機器のようなユーザインタフェースは,人と生活支援ロボットとの
間で明快かつ曖昧さのない相互作用が可能なように,理解しやすい設計でなければならない。
c) 生活支援ロボットは,その意図した使用目的に対して適切な人間工学関係の規格に適合したものでな
ければならない[ISO/TR 9241-100,ISO 9241-210,ISO 9241-400,ISO 9241-920及びISO 11228(規
格群)参照]。
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5.9.3.2 本質的安全設計
次の方策を含む場合があるが,これらだけに限らない。
a) 適切な照明を装備する。
b) 重要な信号を見逃さないために,じっと注意しなければならない程度又はその頻度が,できる限り少
なく済む生活支援ロボットを設計する。
c) 適切なディスプレイを設計する。
d) 信号の不確実性を低減し,及び検出能力を改善する。
5.9.3.3 安全防護及び付加保護方策
この危険源に関しては,安全防護のための推奨する方策は見当たらない。
5.9.3.4 使用上の情報
使用上の情報は,手動制御装置を正しく操作する方法及び生活支援ロボットの使い方に関する説明を含
んでいなければならない。使用上の情報には,必要ならば,適切な教育の必要性を記載しなければならな
い。
5.9.3.5 検証及び妥当性確認
5.1のA,C,D又はHの中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。
5.10 ロボットの動作による危険源
5.10.1 一般
生活支援ロボットのいかなる動作(意図した又は意図しない)においても,その危険源のリスクは,受
容可能なレベルまで低減しなければならない。ロボットの構成部品は,破損又は緩みによって生じる危険
源のリスクが受容可能なレベルまで低減するように設計,製作,固定又は収納しなければならない。
暴露される人は,生活支援ロボットの危険な動きから保護されなければならない。危険な動きとは,動
作環境中のカーブ,斜面及び類似の運転条件下でのロボットの通常使用及び運転における横転,暴走など
である。
5.10.2 機械的な不安定性
5.10.2.1 一般
生活支援ロボットは,規定の使用条件において使用する上で十分な安定性をもつように設計しなければ
ならない。特定の状況における,あるロボットタイプに固有の安定性要求事項を,5.10.6及び5.10.7に規
定する。
生活支援ロボットは,故障又は合理的に予見可能な誤使用に起因する機械的な不安定性(例えば,転倒,
転落,動作中の過度の傾き)を最小にするように設計しなければならない。
生活支援ロボットは,その機械的な安定性を維持するためにユーザに特別な動作又は手順を求めること
が不要な設計にしなければならない。
機械的な安定性は,ロボットのライフサイクル(出荷,輸送,設置,使用,廃棄及び分解を含む。)のど
の段階にあっても,左右されることがあってはならない。
生活支援ロボットは,その用途に適した機械的安定性に関する規格に適合しなければならない(例えば,
移動型生活支援ロボットに関しては,車いすの静的及び動的安定性を規定したJIS T 9201及びJIS T 9203
を参照)。
安定性は,生活支援ロボットのあらゆる可動部(例えば,伸展式マニピュレータ)及び負荷からの,静
的及び動的な力に抗して維持されなければならない。
5.10.2.2 本質的安全設計
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必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。
a) 合理的に実現可能な限り,対地支持面積を大きく設計する。
b) 合理的に実現可能な限り,生活支援ロボットの重心を低く設計する。
c) 機械的共振効果が不安定をもたらし得ないように,生活支援ロボットを設計する。
d) 合理的に実現可能な限り,可動部,特にマニピュレータの質量を小さく設計する
5.10.2.3 安全防護及び付加保護方策
必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。
a) 安定化制御を採用する。
b) 不安定性の兆しを検出して,危害を低減するように動作する(又はしない)ための手段を講じる。
c) マニピュレータの速度又は範囲を制限するための手段を講じる。
d) 過負荷を防止するための手段を講じる。
例 傾きセンサ,ハーネス(安全ベルト),ロールバー,フィードバック制御,ゼロモーメントポイ
ントの監視及び制御。
上記の機能を実行するあらゆる制御システムは,ロボットのリスクアセスメントに基づき6.1に適合し
なければならない。
5.10.2.4 使用上の情報
使用上の情報は,移動表面の傾斜,速度,最大負荷などに関する,生活支援ロボットの使用制限を含ん
でいなければならない。
5.10.2.5 検証及び妥当性確認
5.1のB,D又はHの中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。
注記 (立ち上り補助の)リフトチェアにはISO 7176-8が適用されるが,生活支援ロボットの試験に
も,ユーザの持上げ能力を含むことができる。
5.10.3 移動中の不安定性
5.10.3.1 一般
移動能力をもつ生活支援ロボットは,移動中にいかなる危険な横転,暴走,部品及び持ち運ぶ負荷の落
下も引き起こすことがないよう確実な設計をする。これは,指定された運転環境,すなわち,具体的な用
途の種類及び設計に依存する環境において意図した全ての移動パターン(例えば,前進・後退,回転,タ
ーン・Uターン,加速・減速)で達成しなければならない。
安定性が構成(configuration)及び負荷によって変わる生活支援ロボットの場合は,意図した状況それぞ
れに対して最高速度及び加速度を決めなければならない。
自律移動する生活支援ロボットの場合は,合理的に実現可能な限り,予見可能な条件下における移動の
安定性を確保するように制御系を設計しなければならない。
生活支援ロボット近傍のあらゆる人は,ロボットの転落又は横転から保護されなければならない。
リスクアセスメントでは,搭乗型ロボットの中又は上にいる搭乗者の不正な搭乗位置による潜在的危険
源を考慮しなければならない。
5.10.3.2 本質的安全設計
必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。
a) 当該ロボットに対して規定された,意図した環境において確認された最悪の移動表面の勾配上で,最
大の加速度・減速度で移動する場合又は最高速度でターンする場合でさえも,ロボットが転落,横転
又は転倒することがあり得ないように,生活支援ロボット内の質量分布を設計する。
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b) 移動用アクチュエータ(例えば,車輪,脚・足)の設計は,生活支援ロボットの意図した環境条件の
仕様の中で定義されている全ての移動表面のタイプで,それがたとえ滑りやすい移動表面などであっ
たとしても(定義されているならば),十分な移動表面保持力を確実に維持する。
c) 当該ロボットに対し,意図した環境条件内で定義される最悪の限界までの不整移動表面を移動しても,
転落,横転又は転倒しないように生活支援ロボットの安定性を設計する。
5.10.3.3 安全防護及び付加保護方策
必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。
a) 6.5.3に規定する,移動表面を検知する能力をもたせる。
b) 生活支援ロボットは,意図したタスクを実行するために,環境検知技術に基づき,移動経路を計画す
ることができる。
c) 段差(例えば,階段,穴)による転落又は転倒から生活支援ロボットを保護する手段が,意図した運
転環境に備わっている(6.5.2.2参照)。
d) ロボットに対して規定された意図した環境内で,最大の移動表面勾配の地点で転回する場合でも確実
に転倒しないようにする,生活支援ロボットの動的特性(例えば,速度,加速度及び重心)を制限す
る。
e) 搭乗型ロボットにおいて,シートベルトを使用可能とする。
f) 搭乗型ロボットで安全輸送を行うための,搭乗者の搭乗位置の連続的検知,及び不正な位置への搭乗
を検知した場合に適切な対応(例えば,保護停止)
g) 警告信号を採用する。例えば,音声,視覚信号,振動又は各種信号の組合せ
上記の機能を果たすどの制御システムも,生活支援ロボットのリスクアセスメントに基づき,6.1に適合
しなければならない。
5.10.3.4 使用上の情報
使用上の情報は,生活支援ロボットが運転可能な環境条件を規定しなければならない。危険状態に至る
可能性があるにもかかわらず,ロボットがタスクを実行する状況になりそうな環境条件に対して,使用上
の情報は警告を含んでいなければならない。
搭乗型ロボットの場合,使用上の情報に,ユーザ(搭乗者)に対し指定保護手段(すなわち,シートベ
ルト,ヘルメットなど)の着用を促す,適切な取扱説明及び警告を記載しなければならない。
急転回,急加速,急減速などの危険な操作を防ぐために,適切な教育を行わなければならない。
5.10.3.5 検証及び妥当性確認
移動の安定化性能は,リスクアセスメントの結果に基づき,様々な安全関連表面条件下で評価しなけれ
ばならない(表面条件とは,例えば,カーペット,金属タイル,プラスチック積層板,芝生など)。
5.1のB,D又はFの中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。
5.10.4 荷重運搬中の不安定性
5.10.4.1 一般
荷重(搭乗者を含む。)による生活支援ロボットの運動特性の変化が,危険源の原因になってはならない。
生活支援ロボット近傍のどの人も,ロボットが最大荷重を運搬しているときはもちろん,タスクを実行
しているときにも,安全関連物体の落下から保護されなければならない。これには,平らでない荷重及び
可動荷重(例えば,容器内で揺れている液体)を含めなければならない。
リスクアセスメントでは,落下した荷重のもたらす結果及びそうしたあらゆる事象の結果,生活支援ロ
ボットに求められる,あらゆる行動を検討しなければならない。
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緊急操作の場合,最大減速度は,荷重の安定性及び保持力に対する要求事項を含む,非常停止の動的基
準に相当するものでなければならない。
5.10.4.2 本質的安全設計
必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。
a) 生活支援ロボットのホルダ,積載部,ラックなど,また,特にエンドエフェクタ(例えば,グリッパ,
ロボットハンド)は,負荷喪失による事故の可能性を防ぐよう設計する。
b) (負荷の)形状に沿った形状設計を採用する。
c) 動力をもたない固定手段(例えば,ねじ,伸縮性のあるひも,スプリング式クランプ)を採用する。
d) 定格最大積載量を超える負荷の取扱いを防ぐための制限装置を設ける。
5.10.4.3 安全防護及び付加保護方策
必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。
a) 負荷は,ボルト締めで固定する若しくはラッチで縛り付けて固定する,又は把持具によって保持する。
b) 最高速度及び加速度は,正常運転中の負荷の安定性要求事項に相当するものでなければならない。
c) 正常運転をしている限り,保護停止又は非常停止であっても,減速率は荷重の安定性要求事項を満た
す範囲になければならない。
上記の機能を果たすどの制御システムも,生活支援ロボットのリスクアセスメントに基づき,6.1に適合
しなければならない。
5.10.4.4 使用上の情報
使用上の情報は,負荷の最大寸法,質量,種類(該当する場合),及びそれらに対する運搬してもよい限
度に関する情報を含んでいなければならない。負荷の固定が求められる場合は,その手順を記載しなけれ
ばならない。
5.10.4.5 検証及び妥当性確認
ハンド,グリッパ及び結合部の性能は,移動型生活支援ロボットの加速,停止,Uターンなど,一連の
極端な動作,及びマニピュレータの高速動作によって決定しなければならない。全ての試験は,最大負荷
及び最高速度で実施しなければならない。
5.1のB,D又はFの中から適切な方法を選択し,検証及び妥当性確認を行う。
5.10.5 衝突時の不安定性
5.10.5.1 一般
安全関連物体は,衝突後又は衝突中の危険な動きから次によって保護しなければならない。生活支援ロ
ボットと他のいずれの安全関連障害物との衝突も,ロボットの不安定性を引き起こさないようにすること
が望ましい。
a) リスクアセスメントで,全運転範囲での接触によって生じるリスクに影響を及ぼす該当パラメータ(例
えば,接触力)の最大許容値を定める。
b) 生活支援ロボットは,その意図した運転に対して規定した上限までの動作中に,いかなる衝突力又は
安全関連障害物の検知信号を受けた場合でも,いかなる危険な横転,暴走又は部品の脱落も引き起こ
さないように設計する。
5.10.5.2 本質的安全設計
必要に応じて,次の方策を適用しなければならない。
a) 最大の予想限界内での意図しない衝突によって転倒が起きないように,生活支援ロボットの質量分布
及び形状を設計する。
――――― [JIS B 8445 pdf 30] ―――――
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JIS B 8445:2016の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 13482:2014(IDT)
JIS B 8445:2016の国際規格 ICS 分類一覧
- 25 : 生産工学 > 25.040 : 産業オートメーションシステム > 25.040.30 : 産業用ロボット.機械操縦装置
JIS B 8445:2016の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0134:2015
- ロボット及びロボティックデバイス―用語
- JISB8361:2013
- 油圧―システム及びその機器の一般規則及び安全要求事項
- JISB8370:2013
- 空気圧―システム及びその機器の一般規則及び安全要求事項
- JISB8433-1:2015
- ロボット及びロボティックデバイス―産業用ロボットのための安全要求事項―第1部:ロボット
- JISB8433-2:2015
- ロボット及びロボティックデバイス―産業用ロボットのための安全要求事項―第2部:ロボットシステム及びインテグレーション
- JISB9703:2019
- 機械類の安全性―非常停止機能―設計原則
- JISB9705-1:2019
- 機械類の安全性―制御システムの安全関連部―第1部:設計のための一般原則
- JISB9710:2019
- 機械類の安全性―ガードと共同するインターロック装置―設計及び選択のための原則
- JISB9711:2002
- 機械類の安全性―人体部位が押しつぶされることを回避するための最小すきま
- JISB9714:2006
- 機械類の安全性―予期しない起動の防止
- JISB9715:2013
- 機械類の安全性―人体部位の接近速度に基づく安全防護物の位置決め
- JISB9716:2019
- 機械類の安全性―ガード―固定式及び可動式ガードの設計及び製作のための一般要求事項
- JISB9718:2013
- 機械類の安全性―危険区域に上肢及び下肢が到達することを防止するための安全距離
- JISB9960-1:2019
- 機械類の安全性―機械の電気装置―第1部:一般要求事項
- JISC0365:2007
- 感電保護―設備及び機器の共通事項
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
- JISC6802:2014
- レーザ製品の安全基準
- JISC7550:2011
- ランプ及びランプシステムの光生物学的安全性
- JISC9335-1:2014
- 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性―第1部:通則
- JISC9335-2-29:2019
- 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性―第2-29部:バッテリチャージャの個別要求事項
- JISZ8737-2:2000
- 音響―作業位置及び他の指定位置における機械騒音の放射音圧レベルの測定方法―第2部:現場における簡易測定方法
- JISZ9101:2018
- 図記号―安全色及び安全標識―安全標識及び安全マーキングのデザイン通則