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2.2.10
可搬形機器(portable apparatus)
容易に持ち運べるように特別に設計した機器で,その質量が18 kg以下のもの。
2.2.11
移動形機器(transportable apparatus)
ある場所から別の場所へ頻繁に動かすように特別に設計した機器で,その質量が18 kgを超えるもの。
注記 移動形機器の例は,楽器及びそれに附属する増幅器である。
2.2.12
専門家用機器(professional apparatus)
商取引,専門的職業又は産業で用いる機器で,一般大衆向けに販売を意図していないもの。
注記 分類は,製造業者がその用途を指定することが望ましい。
2.3 定格及び電気的な値
2.3.1
定格電圧(rated supply voltage)
製造業者が設計した機器の供給電圧又は供給電圧範囲(三相の場合,線間電圧)。
2.3.2
動作電圧(working voltage)
機器が通常動作状態の下で定格電圧で動作しているとき,対象となる絶縁物が受けるか,又は受けるこ
とができる最大電圧。ただし,繰返し性がない過渡電圧は,無視する。
2.3.3
リップルがない(ripple free)
リップル含有量が,実効値で直流成分の10 %以下の直流電圧。公称電圧120 Vのリップルがない直流シ
ステムの場合,最大ピーク電圧は140 V以下である。公称電圧60 Vのリップルがない直流システムの場合,
最大ピーク電圧は70 V以下である。
2.3.4
ノンクリップ出力(non-clipped output power)
定格負荷インピーダンスで消費する正弦波電力。ただし,1 000 Hzで測定し,片側又は両側がクリップ
する直前のもの。
注記 1 000 Hzで動作させることを意図していない増幅器の場合,最高の応答をする試験周波数を用
いる。
2.3.5
定格負荷インピーダンス(rated load impedance)
製造業者が指定する,出力回路を終端するための抵抗性負荷。
2.3.6
定格消費電流(rated current consumption)
通常動作条件の下で定格電圧で動作している機器の消費電流。
2.3.7
取り出すことができる電力(available power)
供給回路を切り離し,2分間を超えてその供給回路から最大電力を取り出すことができるように選択し
た値の抵抗性負荷を通して取り出すことができる最大電力。
――――― [JIS C 6065 pdf 16] ―――――
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C 6065 : 2016
注記 図1参照。
2.3.8
必要な耐電圧(required withstand voltage)
対象となる絶縁物が破壊しないピーク電圧。
2.3.9
ネットワーク線過渡電圧(telecommunication network transient voltage)
通信網上の外来過渡現象に起因し,ネットワーク線と機器との接続点で予期される最大ピーク電圧。
2.3.10
定格消費電力(rated power consumption)
通常動作条件の下で定格電圧で動作している機器のワットで表した消費電力。
2.4 電源供給及び外部接続
2.4.1
主電源(mains)
公称電圧が交流(ピーク)又は直流35 Vを超える電力源であって,1.1.1に規定する機器に給電するた
めだけに用いるものでないもの。
2.4.2
恒久接続機器(permanently connected apparatus)
手で緩めることができない接続方法によって主電源へ接続することを意図した機器。
2.4.3
主電源に直接接続した(directly connected to the mains)
機器の保護デバイスを短絡しないで,主電源のいずれかの極との接続によって,9 A以上の恒久的電流
がその接続箇所に流れるような主電源との電気的接続。
注記 9 Aの電流は,6 Aのヒューズの最小遮断電流として選定している。
2.4.4
主電源に導電的に接続した(conductively connected to the mains)
機器を接地しないで,主電源のいずれかの極と2 000 地 抗器を介して接続し,その抵抗器に0.7 mA
(ピーク)を超える恒久的電流が流れるような主電源との電気的接続。
2.4.5
端子(terminal)
それによって外部導体又は他の機器と接続するようになっている機器の一部。
注記 端子には数個の接点があってもよい。
2.4.6
保護接地端子(protective earthing terminal)
安全上接地する必要がある部分を接続する端子。
2.4.7
ネットワーク線(telecommunication network)
離れた建物に設置するような機器間の通信を意図した,金属終端されている伝達手段。ただし,次のも
のを除く。
− 電気通信伝達手段として用いる場合の電力の供給,電送及び分配のための主電源システム
− ケーブルTV分配システム
――――― [JIS C 6065 pdf 17] ―――――
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C 6065 : 2016
注記1 ネットワーク線という用語は,電気的特性ではなくその機能の観点から定義する。ネット
ワーク線は,それ自身TNV回路(2.4.9参照)として定義しない。機器の中の回路だけを
そのように分類する。
注記2 ネットワーク線は,次のものであってもよい。
− 公共又は個人所有のもの
− 大気中の放電及び電力分配システムの故障による過渡過電圧を受けるもの
− 近接の電力線又は電気架線から誘導された恒久的な縦(コモンモード)電圧を受ける
もの
注記3 ネットワーク線の例は,次による。
− 公衆電話回線網
− 公衆データ回線網
− ISDN回線網
− 上記と類似の電気的インタフェース特性を備えた私設網
2.4.8
遠隔電力供給(remote power feeding)
ケーブル回線網,例えば,ネットワーク線又はアンテナ信号用ケーブル分配網を介した機器への電力の
供給。
2.4.9
TNV回路(TNV circuit)
可触部(TNV-0回路を除く。)への接触を制限し,通常動作状態及び故障状態の下で,電圧が規定限度
値以下になるように設計し,保護した機器内の回路。
注記1 TNV回路は,主電源に導電的に接続されていない。
注記2 通常動作状態及び故障状態の下での電圧限度値は,附属書Bを参照。TNV回路に触れる可能
性に関する要求事項については,IEC 62151の4.2.1を参照。
注記3 TNV回路は,それぞれ2.4.10,2.4.11,2.4.12及び2.4.13に定義するようにTNV-0,TNV-1,
TNV-2及びTNV-3に分類する。
注記4 これらのTNV回路の関係を,表1に示す。
表1−TNV回路の電圧範囲
ネットワーク線からの 電圧範囲
過電圧の可能性 TNV-0回路の限度値以内 TNV-0回路の限度値を超え,
TNV回路の限度値以内
あり TNV-1回路 TNV-3回路
なし TNV-0回路 TNV-2回路
2.4.10
TNV-0回路(TNV-0 circuit)
TNV回路であって,その電圧が通常動作状態及び故障状態の下で安全値以下で,ネットワーク線からの
過電圧を受けないもの。
注記 通常動作状態及び故障状態の下での電圧の限度値は,それぞれ9.1.1.2及び11.1に規定がある。
――――― [JIS C 6065 pdf 18] ―――――
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2.4.11
TNV-1回路(TNV-1 circuit)
TNV回路であって,その電圧が通常動作状態の下でTNV-0回路に対する安全値以下で,ネットワーク
線からの過電圧の可能性があるもの。
2.4.12
TNV-2回路(TNV-2 circuit)
TNV回路であって,その電圧が通常動作状態の下でTNV-0回路に対する安全値を超え,ネットワーク
線からの過電圧を受けないもの。
2.4.13
TNV-3回路(TNV-3 circuit)
TNV回路であって,その電圧が通常動作状態の下でTNV-0回路に対する安全値を超え,ネットワーク
線からの過電圧の可能性があるもの。
2.5 信号,ソース及び負荷
2.5.1
ピンクノイズ(pink noise)
単位帯域幅当たりのエネルギー(ΔW/Δf)が周波数に反比例するノイズ信号。
2.5.2
ノイズ信号(noise signal)
瞬時値が正規分布する定常的なランダム信号。
注記 特に規定がない場合,平均値は,ゼロである。
2.5.3
ソース変換器(source transducer)
非電気信号エネルギーを電気エネルギーに変換することを意図した機器。
注記 例としては,マイクロホン,画像センサ,磁気再生ヘッド及びレーザピックアップがある。
2.5.4
負荷変換器(load transducer)
電気信号エネルギーを他の形のエネルギーに変換することを意図した機器。
注記 例としては,拡声器,映像管,液晶ディスプレイ及び磁気記録ヘッドがある。
2.6 感電に対する保護及び絶縁
2.6.1
クラスI(class I)
感電に対する保護を基礎絶縁だけに頼るのではなく,基礎絶縁が破損した場合でも可触導電部が危険な
活電部にならないように,追加の安全対策として,可触導電部を固定配線設備の保護(接地)導体に接続
する手段を備えた設計。
注記 このような設計には,クラスIIの部分があってもよい。
2.6.2
クラスII(class II)
感電に対する保護を基礎絶縁だけに頼るのではなく,二重絶縁又は強化絶縁のような追加の安全対策を
講じたものであって,保護接地を備えることもなく,更に,据付条件に頼っていないもの。
――――― [JIS C 6065 pdf 19] ―――――
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2.6.2A
クラス0I(class 0I)
感電に対する保護として,少なくとも基礎絶縁をもち,基礎絶縁が破損した場合,危険な活電部となる
可触導電部を,固定配線設備の保護接地導体に接続するために,2ピンの主電源プラグの先に接地用口出
し線をもつ電源コード又は電源コードセットを用いたもの。
3ピン−2ピン変換プラグアダプタを用いたものも,クラス0I機器とみなす。
注記 このような設計には,クラスIIの部分があってもよい。
2.6.3
基礎絶縁(basic insulation)
感電に対する基礎的な保護をするために,危険な活電部に施した絶縁。
注記 基礎絶縁は,機能絶縁(機能的な絶縁)として用いてもよい。
2.6.4
二重絶縁(double insulation)
基礎絶縁及び付加絶縁の両方で構成する絶縁。
2.6.5
付加絶縁(supplementary insulation)
基礎絶縁が破損した場合の感電の危険性を減じるために,基礎絶縁に追加して設けた独立した絶縁。
2.6.6
強化絶縁(reinforced insulation)
感電に対して二重絶縁と同等の保護度合いを備える,危険な活電部に施した単一の絶縁。
注記 強化絶縁は,基礎絶縁又は付加絶縁として単独で試験することができない幾つかの層で構成し
てもよい。
2.6.7
保護分離(protective separation)
基礎的及び付加的保護(基礎絶縁に付加絶縁又は保護遮蔽を加えたもの),又は同等の保護手段,例えば,
強化絶縁による回路間の分離。
2.6.8
保護遮蔽(protective screening)
保護接地端子に接続した導電性遮蔽物を間に挿入する手段による危険な活電部からの分離。
2.6.9
タッチカレント(touch current)
人体が一つ又はそれ以上の可触部に触れたときに,人体を通過する電流。
2.6.10
危険な活電(hazardous live)
危険なタッチカレント(感電)を流すことができる物体の電気的状態。
注記 9.1.1を参照。
2.6.11
空間距離(clearance)
二つの導電部間の空間を介した最短距離。
――――― [JIS C 6065 pdf 20] ―――――
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JIS C 6065:2016の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60065:2014(MOD)
JIS C 6065:2016の国際規格 ICS 分類一覧
- 97 : 家庭用及び商業用設備.娯楽.スポーツ > 97.030 : 家庭用電気機具一般
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.160 : オーディオ,ビデオ及びAV技術 > 33.160.01 : オーディオ,ビデオ及びAV技術一般
JIS C 6065:2016の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0205-2:2001
- 一般用メートルねじ―第2部:全体系
- JISB0205-3:2001
- 一般用メートルねじ―第3部:ねじ部品用に選択したサイズ
- JISC2107:1950
- 電気用ゴムテープ類試験方法
- JISC2107:2011
- 電気絶縁用粘着テープ試験方法
- JISC2134:2007
- 固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
- JISC2134:2021
- 固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
- JISC2336:2012
- 電気絶縁用ポリ塩化ビニル粘着テープ
- JISC2338:2012
- 電気絶縁用ポリエステル粘着テープ
- JISC2814-2-2:2009
- 家庭用及びこれに類する用途の低電圧用接続器具―第2-2部:ねじなし形締付式接続器具の個別要求事項
- JISC3216-3:2011
- 巻線試験方法―第3部:機械的特性
- JISC3216-5:2019
- 巻線試験方法―第5部:電気的特性
- JISC3662-2:2009
- 定格電圧450/750V以下の塩化ビニル絶縁ケーブル―第2部:試験方法
- JISC4003:2010
- 電気絶縁―熱的耐久性評価及び呼び方
- JISC60068-2-75:2019
- 環境試験方法―電気・電子―第2-75部:ハンマ試験(試験記号:Eh)
- JISC60068-2-78:2015
- 環境試験方法―電気・電子―第2-78部:高温高湿(定常)試験方法(試験記号:Cab)
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- JISC6575:1975
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- JISC6950-1:2016
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- JISC6965:2007
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- プラスチック―小火炎に接触する可とう性フィルムの垂直燃焼性試験方法