JIS C 6065:2016 オーディオ,ビデオ及び類似の電子機器―安全性要求事項 | ページ 5

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2.6.12
沿面距離(creepage distance)
二つの導電部間の絶縁物表面に沿った最短距離。
2.7 部品
2.7.1
絶縁変圧器(isolating transformer)
入力巻線と出力巻線との間に保護分離を備えた変圧器。
2.7.2
分離変圧器(separating transformer)
入力巻線を少なくとも基礎絶縁によって出力巻線から分離している変圧器。
注記 このような変圧器には,絶縁変圧器の要求事項に適合する部分があってもよい。
2.7.3
サーマルリリース(温度過昇防止装置)(thermal release)
機器のある部分を電源から切り離して,その部分が過度な高温のままになることを防止するデバイス。
注記 PTCサーミスタ(2.7.8参照)は,この定義の意味において,サーマルリリース(温度過昇防止
装置)ではない。
2.7.4
サーマルカットアウト(復帰形温度過昇防止装置)(thermal cut-out)
使用者による温度設定ができない復帰式のサーマルリリース(温度過昇防止装置)。
注記 サーマルカットアウト(復帰形温度過昇防止装置)は,自動復帰形でも手動復帰形でもよい。
2.7.5
温度ヒューズ[サーマルリンク(非復帰形温度過昇防止装置)](thermal link)
一度動作すると,部分的交換又は全ての交換を必要とする非復帰式のサーマルリリース(温度過昇防止
装置)。
2.7.6
トリップフリー(trip-free)
復帰機構の操作又はその位置とは独立するように設計されている,復帰操作部をもつ自動作動。
2.7.7
マイクロ遮断(micro-disconnection)
機能の確保を確実にするための適切な接点分離。
注記 接点ギャップに対する耐電圧の要求事項はあるが,寸法についての要求事項はない。
2.7.8
PTCサーミスタ(PTC thermistor)
上昇する温度が特定の値に達すると抵抗値が階段状に大きくなる感温形半導体抵抗器。
注記 感温素子を流れる電流若しくは周囲温度の変化又はその両者の組合せによって,その温度が変
化する。
2.7.9
安全インタロック(safety interlock)
危険が取り除かれるまで危険な領域へ接近できないようにするための手段か,又は接近すると危険な状
態を自動的に取り除く手段。

――――― [JIS C 6065 pdf 21] ―――――

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2.7.10
手動式機械スイッチ(manually operated mechanical switch)
半導体素子を用いない,手で操作するデバイスであって,機器の回路のどこかにあり,可動接点によっ
てその意図した機能,例えば,音声及び/又は映像を中断できるもの。
注記 手動式機械スイッチの例としては,単極又は全極主電源スイッチ,機能スイッチ及びスイッチ
ングシステムがある。スイッチングシステムの例としては,リレー及びそのリレーを制御する
スイッチの組合せから成るものがある。
2.7.11
主電源スイッチ(mains switch)
保護接地導体を除き,主電源の単極又は全極を切り離す手動式機械スイッチ。
2.7.12
プリント配線板(printed board)
必要な全ての穴及び1個以上の導電性パターンを備えた基材であって,一定の大きさに切ったもの。
2.7.13
導電性パターン(conductive pattern)
プリント配線板上に形成した導電材料のパターン。
2.7.14
特殊電池(special battery)
機器に備えるか,又は製造業者が使用を推奨する充電可能な電池又は充電可能な電池群であって,かつ,
電池の製造業者名及びカタログ番号を明示したもの。
2.7.15
コイン(ボタン)電池(coin cell battery / button cell battery)
高さよりも直径の方が大きい,小形で単一セルの電池。
2.8 その他
2.8.1
形式試験(type test)
ある設計が,この規格の全ての要求事項に適合することを示すために,その設計の一つ以上のサンプル
に対して行う試験。
2.8.2
ルーチン試験(routine test)
各サンプルがある判定基準に適合するかどうかを確認するために,製造中又は製造後に行う試験。
2.8.3
可触(の),アクセスできる(accessible)
JIS C 0922に規定する検査プローブBに従ったテストフィンガによる接触の可能性。
注記 非導電部分の全ての可触領域は,導電層で覆われているとみなす(例として,図3参照)。
2.8.4
手で(による)(by hand)
工具,硬貨など,ものを用いる必要がない操作。
2.8.5
熟練者(skilled person)

――――― [JIS C 6065 pdf 22] ―――――

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電気が引き起こす危険を回避し,予防するための教育を受け,経験を積んだ人。
2.8.6
教育を受けた人(instructed person)
電気が引き起こす危険を回避し予防するために,熟練者から適切な助言又は監督を受けた人。
2.8.7
使用者(user)
熟練者又は教育を受けた人以外で,機器に触れる可能性のあるあらゆる人。
2.8.8
待機状態(stand-by)
音声及び/又は映像のような主機能をスイッチによって遮断し,機器が部分的に働いている動作状態。
注記 この状態では,例えば,時計のような恒常的な機能は維持され,機器は,例えば,リモートコ
ントロールによって又は自動的に全面的動作状態に入ることができる。
2.8.9
木質材料(wood-based material)
主成分が機械加工した天然木で,接着剤によって接合した材料。
注記 木質材料は,硬質繊維板又はチップボードのような,粉砕又は小片にした木を集合させた材料
である。
2.8.10
防火用エンクロージャ(fire enclosure)
内部からの火又は炎の広がりを最小限にするための機器の部分。
2.8.11
潜在的発火源(potential ignition source)
遮断又は接触不良の可能性のある箇所で,開路電圧が交流(ピーク)又は直流50 Vを超え,かつ,この
電圧のピーク値と通常動作状態の下で測定した実効値電流との積が15 VAを超える,火災が発生する可能
性のある故障。
注記1 電気接続部における遮断又は接触不良には,プリント配線板上の導電パターンで発生するも
のも含む。
注記2 潜在的発火源になる故障を防止するために,電子保護回路を用いてもよい。
2.8.12
耐炎性(passive flammability)
部品が外部からの熱によって燃焼する程度。
注記 熱は,例えば,炎によって生じるかもしれない。

3 一般要求事項

3.1   一般事項
機器は,通常動作状態又は故障状態の下で,意図した目的で用いたときに危険が生じることがないよう
に,特に,次の項目に対する保護を備えるような設計及び構造でなければならない。
− 人体に流れる危険な電流(感電)
− 過度の温度
− 危険な放射

――――― [JIS C 6065 pdf 23] ―――――

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− 爆縮及び爆発の影響
− 機械的不安定
− 機構部品による傷害
− 火災の発生及び広がり
一般に,4.2及び4.3に規定する通常動作状態及び故障状態の下で,関連する全ての試験を実施し,適否
を判定する。
3.2 クラス指定
主電源から電源供給を受けるように設計した機器は,クラスI機器,クラス0I機器又はクラスII機器の
要求事項に従った構造でなければならない。
注記1 頻繁に移動させて用いる機器は,クラスI機器及びクラス0I機器としないことが望ましい。
注記2 設置時に明らかに接地接続が困難な状況で設置される機器の場合は,我が国の配電事情を考
慮し,クラスI及びクラス0Iの絶縁構造を避けることが望ましい。ただし,サービスマン又
は設置業者が設置することを意図した機器を除く。
3.3 この規格に明確に記載していない構造及び部品
機器がこの規格に明確に記載していない技術,部品及び材料,又は構造の方法を含む場合,機器は一般
的にこの規格に記載する安全性の原則と同等以上の安全対策を施さなければならない。
3.4 IEC 62368-1に適合する部品及び部分組立品
IEC 62368-1に適合する部品及び部分組立品は,この規格が適用する機器の一部として適合するとみな
す。ただし,最終製品で部品又は部分組立品を適切に用いていると考慮できない場合は,追加の評価を行
う。

4 試験に関する一般条件

4.1   試験の実施
4.1.1 この規格に基づく試験は,形式試験とする。
注記 ルーチン試験については,附属書Nに推奨事項がある。
4.1.2 試験サンプルは,使用者が入手する機器を代表するものか,又は使用者に出荷する実際の機器とす
る。
完成品で試験を行う代わりに,機器の外部で回路,部品又は部分組立品で別に試験を行ってもよいが,
機器及び回路の組合せの検査は,組み立てた機器がこの規格の要求事項に適合することが明確に保証でき
る場合に限る。
このような試験において完成品に不適合が発生するおそれがある場合,機器に組み込んで再度試験を行
う。
この規格に規定する試験が破壊試験の場合,評価する条件を代表する物理モデルで試験を行ってもよい。
試験は,次に示す順序で行うことが望ましい。
− 部品又は材料の事前の選定
− 部品又は部分組立品のベンチ試験
− 機器に電源を入れない状態での試験
− 次の通電状態での試験
・ 通常動作状態
・ 故障状態

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・ 破壊が起きそうな状態
注記 試験に関係する資源の量及び廃棄物を最小限にするために,関係者が試験プログラム,試験サ
ンプル及び試験の手順について一緒に考えてもよい。
4.1.3 試験は,特に規定がない限り,次の通常動作状態の下で行う。
− 周囲温度 : 1535 ℃
− 相対湿度 : 最大75 %
4.1.4 通気口は塞がず,機器の使用目的に合うあらゆる位置(置き方)で行う。
温度測定は,製造業者の用意した取扱説明書に基づく位置に機器を置いて試験を行う。取扱説明書に指
示がない場合,機器を木製試験箱に入れ,試験箱前面の開口部の縁から5 cm奥に置き,試験箱内で機器上
面及び両側面を1 cm空け,機器の背面を5 cm空けた状態で試験を行う。
機器の製造業者が供給しない組立品を後から取り付けるように意図した機器は,製造業者の用意した取
扱説明書,特に機器の適正な換気に関する指示に従って試験を行う。
オープンベンチで試験を行う場合,機器は,表3にも適合しなければならない。
4.1.5 試験用電源は,4.2.2に規定するものを除き,試験結果に大きな影響を及ぼさない特性のものを用
いる。
電源の特性の例としては,電源のインピーダンス及び波形がある。
4.1.6 適切な場合,図C.1のフィルタに適合する特性をもつフィルタによって,帯域制限したピンクノイ
ズで構成する標準信号を用いる。
注記 標準信号を用いて搬送波を変調してもよい。
出力測定装置は,波高率が3以上の真の実効値を表示するもので,かつ,附属書Cを満足する周波数特
性のものとする。
4.1.7 この規格では,特に規定がない限り,交流値は,実効値とする。
この規格では,直流値は,リップルがない値とする。
4.2 通常動作状態
4.2.1 通常動作状態は,4.2.24.2.13に示す状態の最も不利となる組合せとする。
4.2.2 電池で動作する機器を除き,機器の設計のあらゆる定格電圧の0.9倍又は1.1倍の供給電圧に接続
する。
電池で動作する機器の場合,満充電した充電電池又は新品の乾電池を用いる。
定格消費電流及び定格消費電力は,定格電圧で測定する。テレビジョンセットの定格消費電流又は定格
消費電力の測定は,次の設定を適用する。
− “三縦じま信号”は,JIS C 6101-1の3.2.1.3(三縦じま信号)に定義したものを用いる。
− 使用者がアクセスできる映像コントロールは,最大の消費電力になるように調整する。
− 音声の設定は,4.2.5 a) の規定による。
疑義がある場合,更にいずれかの定格電圧で試験を行ってもよい。
電圧切換器の調整が不要で定格電圧範囲をもつ機器は,定格電圧範囲の下限の0.9倍又は上限の1.1倍の
供給電圧に接続する。さらに,機器は,表示した定格電圧範囲内のあらゆる公称電圧に接続する。
電源の周波数は,機器に表示したあらゆる定格周波数を用いる。
機器が用いるように設計した全ての種類の電源を用いる。
機器の構造上防止していない場合,直流機器に対しては,逆極性を含むあらゆる極性を用いる。
4.2.3 手で調整するために使用者がアクセスできる制御器は,リモートコントロールを含み,あらゆる位

――――― [JIS C 6065 pdf 25] ―――――

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JIS C 6065:2016の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60065:2014(MOD)

JIS C 6065:2016の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 6065:2016の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB0205-2:2001
一般用メートルねじ―第2部:全体系
JISB0205-3:2001
一般用メートルねじ―第3部:ねじ部品用に選択したサイズ
JISC2107:1950
電気用ゴムテープ類試験方法
JISC2107:2011
電気絶縁用粘着テープ試験方法
JISC2134:2007
固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
JISC2134:2021
固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
JISC2336:2012
電気絶縁用ポリ塩化ビニル粘着テープ
JISC2338:2012
電気絶縁用ポリエステル粘着テープ
JISC2814-2-2:2009
家庭用及びこれに類する用途の低電圧用接続器具―第2-2部:ねじなし形締付式接続器具の個別要求事項
JISC3216-3:2011
巻線試験方法―第3部:機械的特性
JISC3216-5:2019
巻線試験方法―第5部:電気的特性
JISC3662-2:2009
定格電圧450/750V以下の塩化ビニル絶縁ケーブル―第2部:試験方法
JISC4003:2010
電気絶縁―熱的耐久性評価及び呼び方
JISC60068-2-75:2019
環境試験方法―電気・電子―第2-75部:ハンマ試験(試験記号:Eh)
JISC60068-2-78:2015
環境試験方法―電気・電子―第2-78部:高温高湿(定常)試験方法(試験記号:Cab)
JISC60664-3:2019
低圧系統内機器の絶縁協調―第3部:汚損保護のためのコーティング,ポッティング及びモールディングの使用
JISC6575:1975
電子機器用筒形ヒューズ
JISC6950-1:2016
情報技術機器―安全性―第1部:一般要求事項
JISC6965:2007
ブラウン管の機械的安全性
JISC8283-1:2019
家庭用及びこれに類する用途の機器用カプラ―第1部:一般要求事項
JISC8283-2-2:2008
家庭用及びこれに類する用途の機器用カプラ―第2-2部:家庭用及び類似の機器用相互接続カプラ
JISC8283-2-3:2008
家庭用及びこれに類する用途の機器用カプラ―第2-3部:IPX1以上の保護等級をもつ機器用カプラ
JISC8283-2-3:2021
家庭用及びこれに類する用途の機器用カプラ―第2-3部:IPX1以上の保護等級をもつ機器用カプラ
JISC8283-3:2019
家庭用及びこれに類する用途の機器用カプラ―第3部:スタンダードシート及びゲージ
JISC8285:2018
工業用プラグ,コンセント及びカプラ
JISC8286:2013
電気アクセサリ―電源コードセット及び相互接続コードセット
JISC8286:2021
電気アクセサリ―電源コードセット及び相互接続コードセット
JISC8303:2007
配線用差込接続器
JISC8513:2015
リチウム一次電池の安全性
JISC8513:2020
リチウム一次電池の安全性
JISC8712:2015
ポータブル機器用二次電池(密閉型小型二次電池)の安全性
JISC9335-1:2014
家庭用及びこれに類する電気機器の安全性―第1部:通則
JISK7341:2006
プラスチック―小火炎に接触する可とう性フィルムの垂直燃焼性試験方法