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2.1のトングレール及びJIS E 1306の付図14.1の可動レールの後端部での分岐継目板と接触する円柱
曲面の粗さは,12.5 刀
b) 孔及びレール底部側の削り面の角には,図3のa)(4)に示すように面取りを施す。ただし,JIS E 1305
の付図3.3,3.4,3.7,3.8,4.2,4.3,5.4,5.5,5.95.12のトングレール及びJIS E 1306の付図17.2
の可動レールの弾性部の底部側の角には,図3のb)に示すようにR5及びR8mmの丸みを施す。
図3
注(4) この図は,トングレールの場合を例示するが,ガードレールその他に対しても適用する。
c) 継目板がかかるレール端部の端面には,図4に示すように頭部及び上首部に約1.6mmの面取りを施す。
図4
d) ばり,かえりなどは,取り除く。
7.1.6 熱処理 レールに熱処理を施す場合は,次による。
a) 熱処理を施すレールは,表2による。
――――― [JIS E 1303 pdf 6] ―――――
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表2 熱処理するレール
項目 熱処理するレール
ポイント トングレール
クロッシング ウイングレール,ノーズレール,ガードレール,
可動レール,へ形レール
ガード ガードレール
b) 熱処理は,焼入れ,焼戻し(以下,QTという。)又はスラッククエンチ方式(以下,SQという。)に
よる。
c) 熱処理後は,熱処理部分を500℃以上に加熱してはならない。
7.1.7 溶接 レールの溶接は,次による。
a) 溶接は,指定された部位以外には行ってはならない。
b) 溶接部には,有害な欠陥があってはならない。
7.2 部品の加工
7.2.1 切断,曲げ及び成形 切断,曲げ及び成形に際しては,その品質を損なわない方法によらなければ
ならない。
7.2.2 孔あけ 部品の孔あけは,次による。
a) 機械加工によるもの 転てつ棒,控え棒,連結板,分岐継目板及び補支材の孔。
b) 犬くぎ用孔をパンチであけた場合に生じる3mm以下の膨らみは,仕上げなくてもよい。
7.2.3 溶接 部品の溶接は,次による。
a) 溶接は,指定された部位以外には,行ってはならない。
b) 溶接部には,有害な欠陥があってはならない。
c) 鋳鉄製品以外の部品は,強さに影響の少ない範囲で肉盛溶接を行うことができる。
7.2.4 仕上げ 仕上げは,次による。
a) トングレール及び可動レールが滑動する床板の面の粗さは,JIS B 0601による36 刀
b) IS E 1305の付図1.12及びJIS E 1306の付図14.12の分岐継目板におけるトングレール又は可動レー
ルと接触する面の粗さは,JIS B 0601による12.5 刀
c) 上記a)及びb)以外の部品の削り面の粗さは,JIS B 0601による50 刀
7.2.5 リベット孔 リベット孔の直径は,リベットの呼び径より,表3に示す寸法を超えてはならない。
表3 リベット孔
単位mm
レールの種類
項目
50kg未満 50kg以上
レール底部 3 4
クロッシング番数
クロッシングのレ 3
ール腹部 4番以下のもの
クロッシング番数 2
4番を超えるもの
その他 JIS B 1214による。
7.3 圧接クロッシングの製造
7.3.1 溶接 圧接クロッシングの溶接は,次による。
a) アーク溶接は,被覆アーク溶接方法及び炭酸ガスアーク溶接方法による。
なお,溶接棒は,JIS Z 3212のD7016D5816及びこれに準じる高張力鋼炭酸ガスアーク溶接用ソ
――――― [JIS E 1303 pdf 7] ―――――
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E 1303 : 2001
リッドワイヤを使用する。
b) 圧接は,ガス圧接による。
なお,加熱炎は弱還元炎としなければならない。
7.3.2 接着 圧接クロッシングの接着は,次による。
a) 接着材は,熱硬化性エポキシ樹脂を用いる。
b) レール及び間隔材の接着面のさび及び油脂分は,十分に取り除かなければならない。
7.3.3 仕上げ 仕上げは,切削及び研削加工によって行い,7.1.5による。
参考 圧接クロッシングには,次の特許がある。
特許番号 特許第1797248号
7.4 NEWクロッシングの製造
7.4.1 NEWクロッシングの溶接は,次による。
a) 溶接する部分のレール表面は,脱脂,洗浄を十分に行い,2本のレールにすき間のないよう十分密着
させる。
b) 溶接するレールは適正な予熱を行った後,溶接室に挿入し,6.6×10−2Pa以下の真空状態にしたうえ,
電子ビームを照射して溶接する。
7.4.2 仕上げ 仕上げは,切削及び研削加工によって行い,7.1.5による。
参考 NEWクロッシングには,次の特許がある。
特許番号 特許第195438号
7.5 マンガンクロッシングの製造 マンガンクロッシングの製造は,JIS G 5131によるほか次による。
a) 溶断 溶断を行う場合は,品質を損なわないように削り代を残す。
b) 孔あけ 孔あけは,機械加工によって行い,ばりなどは取り除く。ただし,犬くぎ孔は鋳抜きでもよ
い。
c) 仕上げ 仕上げは,次のとおりとし,切削及び研削加工によって行い,ばりなどは取り除く。
1) 車輪,レール及び継目板に接触する面の粗さは,JIS B 0601による50 刀
2) まくらぎ及び床板に接触する面の粗さは,JIS B 0601による70 刀
3) 孔(犬くぎ孔を除く。)には,約1.6mmの面取りを施す。
4) 継目板がかかるレール端部の端面には,頭部及び上首部に約1.6mmの面取りを施す。
d) 鋳造欠陥 有害な鋳巣,ひけ,粗しょう,き裂,湯じわ,湯ざかい,砂かみなどの欠陥があってはな
らない。
なお,溶接補修しても強さに影響が少ない場合には,溶接補修を行うことができる。この場合,不
良部分を完全に取り除き,良質なオーステナイト系の溶接棒でアーク溶接法によって補修を行う。
8. 品質
8.1 熱処理を施したレールの品質
8.1.1 頭頂部表面硬さ 頭頂部の表面硬さは,9.2.1によって試験を行ったときQTの場合は4555HS,
SQの場合は4656HSとする。ただし,1本のレールの最大値と最小値との差は,6HS以下とする。
8.1.2 断面硬化層の形状 レールの横断面の硬化層の形状は,9.2.2によって試験を行ったとき,図5の
とおりとする。
――――― [JIS E 1303 pdf 8] ―――――
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図5 硬化層の形状
8.1.3 断面硬化層の硬さ分布 レールの横断面の硬化層の硬さ分布は,レールの表面から緩やかに低下し,
急激な変化及び不連続があってはならない。また,QTの場合は402HV以上又は56HS以上,SQの場合は
410HV以上又は57HS以上の部分があってはならない。
8.2 レール溶接部の品質 溶接部には,溶接割れ,溶込み不良,融合不良,アンダカット,スラグ巻込
み,ブローホールなどがあってはならない。また,9.3の試験を行ったときJIS Z 3060の附属書6の2.(試
験結果の分類)に規定する1類に適合しなければならない。
9. 試験
9.1 表面粗さ測定 レール,圧接クロッシング,NEWクロッシング,マンガンクロッシング,部品など
の仕上げ面の粗さ測定は,JIS B 0659に規定する標準片又はJIS B 0601に基づいて作成した標準片と比較
して行う。
9.2 熱処理を施したレールの試験
9.2.1 頭頂部表面硬さ試験 頭頂部の表面硬さ試験は,次による。
a) 試験体及び測定箇所 試験体は製品そのものとし,測定は,すべての製品について両端及び中央の付
近3か所とする。
b) 試験方法 試験方法は,JIS Z 2246による。
9.2.2 断面硬化層の形状試験 断面硬化層の形状試験は,次による。
a) 供試材 製品と同種の長さ500mm以上のレールを,製品と同条件で熱処理して供試材とする。
b) 試験片 試験片は,供試材の中央断面とする。
c) 試験方法 試験方法は,JIS G 0559の6.(マクロ組織試験による測定方法)の規定による。
9.2.3 断面硬化層の硬さ分布試験 断面硬化層の硬さ分布試験は,次による。
a) 供試材及び試験片 供試材及び試験片は,9.2.2のa)及びb)による。
b) 試験方法 試験方法は,JIS Z 2244又はJIS Z 2246による。
c) 測定位置 測定位置は,図6に示す×の位置とする。
――――― [JIS E 1303 pdf 9] ―――――
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図6 測定位置
9.3 レール溶接部の試験
9.3.1 アーク溶接部の試験 アーク溶接部の試験は,JIS Z 2343-1-4及びJIS Z 3060に規定する方法に
よる。
9.3.2 圧接及び電子ビーム溶接部の試験 圧接及び電子ビーム溶接部の試験は,JIS G 0565,JIS Z 2343-1
-4及びJIS Z 3060に規定する方法による。
10. 検査
10.1 形状及び寸法検査 分岐器類の形状及び寸法検査は,5.2の規定に適合しなければならない。
10.2 表面粗さ検査 分岐器類の表面粗さ検査は,7.1.5a),7.2.4,7.3.3及び7.4c)の規定に適合しなければ
ならない。
10.3 熱処理を施したレールの検査
10.3.1 頭頂部表面硬さ検査 頭頂部表面硬さ検査は,7.1.6b)及び8.1.1の規定に適合しなければならない。
10.3.2 断面硬化層の形状検査 断面硬化層の形状検査は,8.1.2の規定に適合しなければならない。
10.3.3 断面硬化層の硬さ分布検査 断面硬化層の硬さ分布検査は,8.1.3の規定に適合しなければならな
い。
10.4 レール溶接部の検査 レール溶接部の検査は,8.2の規定に適合しなければならない。
11. 包装 分岐器類の包装は,次による。
a) トングレール・可動レールの後端部に円柱曲面があるもの,及びこの部分に接触する分岐継目板の双
方の接触する面には,JIS K 2220による一般用グリースを塗布して包装する。
b) レール削り面及びねじ部には,JIS K 5421によるボイル油及び煮あまに油又はこれと同等品以上の油
を塗布し,その他の部品の削り面には,さび止め処理用の油を塗布して包装する。
c) トングレール・可動レールの後端部に円柱曲面があるものの一般用グリース塗布面及びすべてのトン
グレール先端部は,木片を用い,分岐継目板の一般用グリース塗布面は,麻布類を用いて保護する。
d) 圧接クロッシング,NEWクロッシング及びマンガンクロッシングは,検査終了後全面にJIS K 5531
によるラッカーエナメル又はこれと同等品以上の塗料を塗布して包装する。
――――― [JIS E 1303 pdf 10] ―――――
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JIS E 1303:2001の国際規格 ICS 分類一覧
- 45 : 鉄道工学 > 45.080 : レール及びレール部品
JIS E 1303:2001の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0601:2013
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―表面性状:輪郭曲線方式―用語,定義及び表面性状パラメータ
- JISB0659:1996
- 比較用表面粗さ標準片
- JISB1180:2014
- 六角ボルト
- JISB1181:2014
- 六角ナット
- JISB1214:1995
- 熱間成形リベット
- JISB1251:2018
- ばね座金
- JISB1351:1987
- 割りピン
- JISE1101:2001
- 普通レール及び分岐器類用特殊レール
- JISE1107:2008
- 継目板用及びレール締結用のボルト及びナット
- JISE1115:1978
- 継目板用ばね座金
- JISE1120:2007
- 熱処理レール
- JISE1304:2001
- 鉄道用分岐器類の線形
- JISE1305:2018
- 鉄道用分岐器のポイント―形状及び寸法
- JISE1306:2010
- 鉄道用分岐器類のクロッシング―形状及び寸法
- JISE1307:1999
- 鉄道用分岐器類のガード―形状及び寸法
- JISE1311:2002
- 鉄道―分岐器類用語
- JISG0559:2019
- 鋼の炎焼入及び高周波焼入硬化層深さ測定方法
- JISG0565:1992
- 鉄鋼材料の磁粉探傷試験方法及び磁粉模様の分類
- JISG3101:2015
- 一般構造用圧延鋼材
- JISG3101:2020
- 一般構造用圧延鋼材
- JISG3104:2004
- リベット用丸鋼
- JISG3106:2015
- 溶接構造用圧延鋼材
- JISG3106:2020
- 溶接構造用圧延鋼材
- JISG3505:2017
- 軟鋼線材
- JISG4051:2016
- 機械構造用炭素鋼鋼材
- JISG4401:2009
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- JISG4801:2021
- ばね鋼鋼材
- JISG5101:1991
- 炭素鋼鋳鋼品
- JISG5131:2008
- 高マンガン鋼鋳鋼品
- JISG5501:1995
- ねずみ鋳鉄品
- JISG5502:2001
- 球状黒鉛鋳鉄品
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- JISK5531:2003
- ニトロセルロースラッカー
- JISZ2244:2009
- ビッカース硬さ試験―試験方法
- JISZ2246:2000
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- 非破壊試験―浸透探傷試験―第1部:一般通則:浸透探傷試験方法及び浸透指示模様の分類
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- 非破壊試験―浸透探傷試験―第3部:対比試験片
- JISZ2343-4:2001
- 非破壊試験―浸透探傷試験―第4部:装置
- JISZ3060:2015
- 鋼溶接部の超音波探傷試験方法
- JISZ3212:2000
- 高張力鋼用被覆アーク溶接棒