JIS G 3214:1991 圧力容器用ステンレス鋼鍛鋼品 | ページ 3

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G 3214-1991
(3) 接触媒質 接触媒質は,原則としてJIS K 2238のISO VG 100相当のマシン油を使用する。
(4) 垂直法による超音波探傷試験方法 垂直法による超音波探傷試験方法は,次による。
(a) 探傷は可能な限り,ほぼ直角な2方向から行わなければならない。
中空鍛鋼品の場合は,半径方向及び軸方向から,ディスク状鍛鋼品の場合は,一つの平面及び半
径方向から探傷しなければならない。
(b) 振動子の直径は,2030mmとする。ただし,必要に応じて他の直径の振動子を使用することがで
きる。
(c) 試験周波数は,2MHz又は2.25MHzとする。ただし,材料の大きさ又は結晶粒度のために超音波の
透過が不十分な場合は,1MHz(オーステナイト系ステンレス鋼鍛鋼品の場合,0.41MHz)を使用
することができる。比較的探傷面に近い距離における探傷には,4MHz又は5MHzを使用すること
ができる。
(d) 探傷感度は,鍛鋼品の健全部における第1回底面エコーの高さをブラウン管目盛板の80%に調整す
る。この探傷感度の調整は,鍛鋼品の各直径又は各厚さについて行わなければならない。探傷面と
底面が平行でない部分では,その部分にできるだけ近く,厚さが同じか又はその部分より厚い平行
部分で調整した感度を使用することができる。
(e) 探触子の走査方法は150mm/s以下とし,振動子寸法の15%以上が重複するよう走査する。
(f) 底面エコーが低下した場合,欠陥又は組織のいずれの原因によるものかを判定するため,周波数を
変えて探傷を行わなければならない。
(5) 斜角法による超音波探傷試験方法 斜角法による超音波探傷試験方法は,次による。
(a) 探傷は,鍛鋼品の厚さ又は形状が許す限り,円周方向に時計方向と反時計方向の2方向から行わな
ければならない。
(b) 振動子の寸法は最小10×10mm,最大28×28mmとし,屈折角は,45°とする。ただし,必要に応
じて他の寸法又は屈折角の探触子を用いることができる。
(c) 試験周波数は,原則として1MHzとする。ただし,1MHzでは不十分な場合は,2MHz又は2.25MHz
(オーステナイト系ステンレス鋼鍛鋼品の場合,0.4MHz又は0.5MHz)を使用することができる。
(d) 探傷感度は,対比試験片又は探傷しようとする鍛鋼品の余長部の(e)の人工欠陥を加工し,(f)の要領
で調整する。ただし,対比試験片は,探傷しようとする鍛鋼品と超音波減衰度がほぼ同等でなけれ
ばならない。
(e) 対比試験片の人工欠陥は,鍛鋼品,その余長部,余肉部又は対比試験片に深さが10mm又は超音波
探傷試験を実施する時点の鍛鋼品の肉厚の3%(オーステナイト系ステンレス鋼鍛鋼品の場合は5%)
のいずれか小さい方に等しく,長さが約25mm(オーステナイト系ステンレス鋼鍛鋼品の場合は約
32mm),幅が深さの2倍以下の角溝又はV溝の人工欠陥を加工する。人工欠陥は軸方向に平行に外
周面及び内周面に加工する。ただし,受渡当事者間の事前協議によって製品納入時の肉厚の3%(オ
ーステナイト系ステンレス鋼鍛鋼品の場合は5%)にすることができる。
(f) 探傷感度は,鍛鋼品又は対比試験片の人工欠陥を21スキップで探傷したときのエコーの高さを目盛
板の80%に調整する。さらに,この感度で1スキップで人工欠陥からのエコー高さを求め,このエ
コー頂点と前のエコー頂点とを結ぶ距離振幅特性曲線をブラウン管目盛板上にプロットする。これ
を対比線とする。
(g) 探触子の走査速度は,150mm/s以下とし,振動子寸法の15%以上重複するように走査する。
(6) 次に示す欠陥エコーが認められた鍛鋼品は,出荷前にその状況を注文者に連絡し,承認を得なければ

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G 3214-1991
ならない。
(6.1) 垂直探傷の場合
(a) 底面エコー高さを超える欠陥エコー(F/BFが100%を超えるエコー)。ただし,オーステナイト系ス
テンレス鋼鍛鋼品の場合,形状に起因しない底面エコーが目盛板の20%以下に低下する欠陥エコー。
(b) 底面エコーの低下を伴った移動性欠陥エコー。この場合,底面エコーの低下とは目盛板の40%以下
に低下することをいう。
また,移動性欠陥エコーとは,探傷面上で25mm以上の探触子の移動とともにブラウン管上を左
右に動く欠陥エコーをいう。
(6.2) 斜角探傷の場合
(a) 対比線の50%を超える欠陥エコー。
(b) 対比線の50%以下,10%以上の高さをもった密集欠陥エコー。この場合,密集欠陥エコーとは,50mm
立方体以下の体積中に,欠陥エコーが5個以上検出される場合をいう。
6. 高温の耐力及び引張強さ (Y4)
6.1 耐力及び引張強さ 鍛鋼品の高温の耐力及び引張強さは,その両方又はいずれか一方について受渡
当事者間で協定する。
6.2 高温の引張試験 高温の引張試験は,JIS G 0567による。
なお,試験温度及びJIS G 0567の試験片の採取が困難な場合の試験片の形状は,受渡当事者間の協定に
よる。
また,供試材及び試験片の数は,各試験温度ごとに本体9.3.3に,供試材及び試験片の採り方は,本体
9.3.1及び9.3.2による。
7. シャルピー衝撃試験による横膨出 (Y5)
7.1 横膨出 鍛鋼品のシャルピー衝撃試験による横膨出の個別の値は,7.2の試験を行ったとき0.4mm以
上とする。
7.2 シャルピー衝撃試験 シャルピー衝撃試験は,次による。
(1) 試験温度は,受渡当事者間の協定による。
(2) 供試材及び試験片の数は,本体9.3.3に,供試材及び試験片の採り方は,本体9.3.1及び9.3.2による。
ただし,試験片の数は,衝撃試験片3個をもって一組とする。
(3) 試験片は,JIS G 0306の4.2.2(1.2.6)による。
(4) 試験方法は,JIS G 0306の4.2.2(1.5)(衝撃試験方法)による。
(5) 再試験は,試験に適合しなかった場合のうち,横膨出の平均値が規定を満足し,1個の値だけが0.4mm
未満で0.3mm以上の場合は,同一の供試材から更に一組(3個)の試験片を採って再試験を行って,
合否を決定することができる。この場合,3個のそれぞれの値が7.1に適合しなければならない。
再試験の結果,7.1に適合しなかった場合は,再熱処理して再試験することができる。この場合,機
械試験の全部をやり直さなければならない。再試験の試験片の数は,最初と同一とする。
8. 耐食性 (Y6)
8.1 耐食性 鍛鋼品の耐食性は,8.2の試験を行ったとき,附属書表5による。

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G 3214-1991
附属書表5 耐食性の判定基準
種類の記号 状態 10%しゅう酸エッチ試験
硫酸・硫酸銅腐食試験に
によるエッチ面の状態よる曲げ面の状態
SUS F 304L 鋭敏化熱処理 溝状組織がなければ合格
粒界腐食割れがあっては
SUS F 304LN とする。 ならない。
SUS F 316L 溝状組織がある場合に
SUS F 316LN は,更に硫酸・硫酸銅腐
SUS F 317L 食試験を行って粒界腐食
SUS F 321 の有無を調べる。
SUS F 347
8.2 腐食試験 腐食試験は,次による。ただし,受渡当事者間の協定によって(2)(b)の試験だけを行って
もよい。
(1) 供試材の採り方及び試験片の数は,同一溶鋼,同時熱処理ごとに鍛鋼品又はその余長部から試験片1
個を採る。
なお,供試材は機械試験片の残材を使用することができる。
(2) 試験方法は,次による。
(a) IS G 0571
(b) IS G 0575
(3) IS G 0575の曲げ条件で曲げを行ったとき,機械的に割れが発生して粒界腐食割れの判定が困難な場
合は,あらかじめ腐食試験液に浸さない同寸法の試験片で曲げ試験を行って,機械的割れの生じない
角度を求めておき,その角度まで試験片を曲げて,粒界腐食割れの有無を試験してもよい。
関連規格 ISO 2604-I : 1975 Steel products for pressure purposes−Quality requirements−Part I : Forgings

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G 3214-1991
JIS G 3214改正原案作成委員会 構成表
氏名 所属
(委員長) 工 藤 英 明 東京電機大学
相 馬 哲 夫 通商産業省機械情報産業局
田 中 雅 智 資源エネルギー庁公益事業部
池 田 要 工業技術院標準部
黒 木 勝 也 財団法人日本規格協会
竹 田 征 雄 財団法人日本海事協会
東ケ崎 将 石川島播磨重工業株式会社原子力事業部
藤 原 成 種 高圧ガス保安協会
柏 谷 英 夫 株式会社東芝重電技術研究所
丸 山 茂 治 東洋エンジニアリング株式会社詳細設計本部
朝 倉 英 二 社団法人日本ボイラ協会
八 田 匡 司 三井造船株式会社エネルギープラント事業部
米 澤 利 夫 三菱重工業株式会社技術本部高砂研究所
渡 辺 節 雄 バブコック日立株式会社呉工場
○ 森 定 祝 雄 日立マテリアルエンジニアリング株式会社
○ 高 野 正 義 株式会社神戸製鋼所高砂鋳鍛鋼工場
○ 大 屋 武 夫 ステンレス協会
○ 永 田 茂 雄 住友金属工業株式会社製鋼所
○ 鶴 田 泰 彦 大同特殊鋼株式会社渋川工場
○ 田 原 隆 康 株式会社日本製鋼所鉄鋼事業部
○ 黒 田 康 文 日本鋳鍛鋼株式会社技術部
○ 中 家 一 弥 日本冶金工業株式会社技術部
△ 奥 村 嘉賀男 川崎製鉄株式会社鉄鋼技術本部
△ 渡 辺 康 雄 株式会社日立製作所勝田工場
(事務局) 佐 藤 克 郎 日本鋳鍛鋼会
備考 ○印は,委員会及び幹事会委員,△印は,幹事会委員だけ。

JIS G 3214:1991の国際規格 ICS 分類一覧

JIS G 3214:1991の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB0601:2013
製品の幾何特性仕様(GPS)―表面性状:輪郭曲線方式―用語,定義及び表面性状パラメータ
JISG0306:1988
鍛鋼品の製造,試験及び検査の通則
JISG0321:2017
鋼材の製品分析方法及びその許容変動値
JISG0567:2012
鉄鋼材料及び耐熱合金の高温引張試験方法
JISG0567:2020
鉄鋼材料及び耐熱合金の高温引張試験方法
JISG0571:2003
ステンレス鋼のしゅう酸エッチング試験方法
JISG0575:1999
ステンレス鋼の硫酸・硫酸銅腐食試験方法
JISG1211:1995
鉄及び鋼―炭素定量方法
JISG1212:1997
鉄及び鋼―けい素定量方法
JISG1213:2001
鉄及び鋼―マンガン定量方法
JISG1214:1998
鉄及び鋼―りん定量方法
JISG1215:1994
鉄及び鋼―硫黄定量方法
JISG1216:1997
鉄及び鋼―ニッケル定量方法
JISG1217:2005
鉄及び鋼―クロム定量方法
JISG1218:1994
鉄及び鋼―モリブデン定量方法
JISG1219:1997
鉄及び鋼―銅定量方法
JISG1223:1997
鉄及び鋼―チタン定量方法
JISG1228:1997
鉄及び鋼―窒素定量方法
JISG1237:1997
鉄及び鋼―ニオブ定量方法
JISG1253:2002
鉄及び鋼―スパーク放電発光分光分析方法
JISG1256:1997
鉄及び鋼―蛍光X線分析方法
JISG1257:1994
鉄及び鋼―原子吸光分析方法
JISK2238:1993
マシン油
JISZ2320-1:2017
非破壊試験―磁粉探傷試験―第1部:一般通則
JISZ2343-1:2017
非破壊試験―浸透探傷試験―第1部:一般通則:浸透探傷試験方法及び浸透指示模様の分類
JISZ2344:1993
金属材料のパルス反射法による超音波探傷試験方法通則