JIS K 6744:2019 ポリ塩化ビニル被覆金属板及び金属帯 | ページ 3

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き上げて常温の水中に5分間浸せきし,冷却する。試験片の表面を静かに水で洗った後,乾燥する。
c) 試験片の端部から10 mmを除く部分の,表面のひび,割れ,しわ,著しい変退色,及び被覆層の縮み,
離の有無を,目視によって確認する。

9.5 耐薬品性試験

  耐薬品性試験は,次による。試験は,形式試験とする。
a) 試験片は,約50 mm×約100 mm以上の適切な大きさとし,供試材から各試験液による試験用に2個
ずつ,合計12個採る。試験片の被覆原板露出面及び端部から約5 mmまでの被覆層を,粘着テープ,
塗料,ワックスなどの,試験の条件下で安定な被覆材で塗り包む。ただし,飽和水酸化カルシウム溶
液用の試験片は,塗膜による被覆原板露出面及び端部の塗り包みはしなくてもよい。
b) 試験液は,次による。
1) 10 %(質量分率)塩酸 JIS K 8180に規定する塩酸(特級)を用いて調製したもの。
なお,塩酸(1+3)を用いてもよい。
2) 飽和水酸化カルシウム溶液 JIS K 8575に規定する水酸化カルシウムを用いて調製したもの。
3) 10 %(質量分率)硫酸 JIS K 8951に規定する硫酸を用いて調製したもの。
なお,硫酸(1+15)を用いてもよい。
4) 水酸化ナトリウム水溶液(100 g/L) JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウムを用いて調製したも
の。
5) 灯油 JIS K 2203に規定する1号
6) エタノール JIS K 8101に規定するエタノール(99.5)
c) 試験に必要な寸法のビーカーなどの適切な容器に試験液を入れ,試験片を互いに触れ合わないように
完全に浸す。これを20 ℃±2 ℃の恒温装置に入れ5時間浸した後,試験片を引き上げて静かに水で
洗い乾燥する。この操作を,各試験液について行う。
d) 試験片の端部から10 mmを除く部分の,表面のさび,汚染,及び著しい変退色の有無を,目視によっ
て確認する。

9.6 耐食性試験

  耐食性試験は,次による。試験は,形式試験とする。
a) 試験片は,約50 mm×約100 mm以上の適切な大きさとし,供試材から2個採る。試験片の被覆原板
露出面及び端部から約5 mmまでの被覆層を,粘着テープ,塗料,ワックスなどの,試験の条件下で
安定な被覆材で塗り包む。
b) 試験はJIS Z 2371によって行い,試験時間は表12による。
表12−耐食性試験の試験時間
単位 h
用途による種類 試験時間
A種 2 000
B種 1 000
C種 1 000
c) 試験片の端部から10 mmを除く部分の,表面のさびの有無を,目視によって確認する。

――――― [JIS K 6744 pdf 11] ―――――

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9.7 耐候性試験

  耐候性試験は,次による。試験は,形式試験とする。
a) 試験片は,約50 mm×約100 mm以上の適切な大きさとし,供試材から2個採る。試験片の被覆原板
露出面及び端部から約5 mmまでの被覆層を,粘着テープ,塗料,ワックスなどの,試験の条件下で
安定な被覆材で塗り包む。
b) 試験はJIS A 1415による。試験装置はWV-A形又はWV-B形を用い,試験時間は表13による。
なお,試験装置として,WV-A形又はWV-B形に代えて,WS-A形又はWS-B形を用いてもよい。
表13−耐候性試験の試験時間
単位 h
用途による種類 試験時間
A種 2 000
B種 1 500
c) 試験片の端部から10 mmを除く部分の,表面のさび,割れ及び著しい変色の有無を,目視によって確
認する。

9.8 自消性試験

  自消性試験は,次による。試験は,形式試験とする。
a) 試験片は,約10 mm×約150 mmの大きさとし,供試材から2個採る。
b) 試験片を図6のように被覆層を下に向け,長さ方向は水平に,幅方向は水平面に対し45°の角度に,
高さは試験片下端が炎の先端高さとなるように,クランプ付スタンドに取り付ける。試験には,都市
ガス又は液化石油ガスを燃料とする口径8.5 mm11.5 mmのバーナーを使用する。試験は,空気の流
れが生じないように配慮した室内で行い,バーナーの炎の高さを約25 mmの安定した青色炎となるよ
うに調節する。炎の先端を試験片の自由端の下端部に接触する位置に置き,20秒間加熱する。
c) 20秒間加熱後,炎を取り去ったとき,直ちに消炎することを,目視によって確認する。
単位 mm
図6−自消性試験装置

――――― [JIS K 6744 pdf 12] ―――――

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10 検査及び再検査

10.1 検査

  検査は,次による。
a) 密着性,曲げ性,低温加工性,耐沸騰水性,耐薬品性,耐食性,耐候性及び自消性は,箇条4に適合
しなければならない。
b) 寸法は,箇条6に適合しなければならない。
c) 形状は,箇条7に適合しなければならない。
d) 外観は,箇条8に適合しなければならない。

10.2 再検査

  密着性試験の成績が規定に適合しなかった板及びコイルは,JIS G 0404の9.8(再試験)によって再試験
を行い,合否を決定してもよい。

11 表示

  検査に合格した板及びコイルは,1包装ごとに次の項目を適切な方法で表示する。
a) 用途による種類の記号(表1)
b) 被覆原板の記号(表2)
c) クロメートフリーの場合の記号F(3.3参照)
d) 色名又は色記号(箇条5参照)
e) 寸法(箇条6参照)
f) 被覆層の厚さ(上面/下面)
g) 枚数又は質量(板1枚の場合は,省略してもよい。)
h) 製造業者名又はその略号
i) 製品の識別番号
表示例は,次による。
例 クロメートフリーの板の場合
B SG F 0.80 × 914 × 1 829 0.20/0.10
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
表示厚さ 幅 長さ 色名又は 上/下面の
(mm) (mm) (mm) 色記号 被覆層厚さ
(mm)
クロメートフリーの記号
被覆原板の記号(溶融亜鉛めっき)
用途による種類の記号(B種)

12 保管・運搬

  保管・運搬は,次による。
a) 屋内のじんあい及び湿気の少ない通風良好な場所に保管する。
b) 運搬及び移動のときは,化学薬品類などの腐食性物質との混載は避けるとともに,被覆層を損傷しな
いように,また,水にぬれないように注意する。
注記 低温では,塗膜の加工性が低下するため,保管が低温の場合は,板又はコイルの温度が常温と

――――― [JIS K 6744 pdf 13] ―――――

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なってから加工することが一般的である。

13 注文時の確認事項

  この規格に規定する事項を適切に指定するために,受渡当事者は,注文時に次の事項を確認する。
a) 用途による種類及び記号(表1)
b) 適用する被覆原板及び被覆原板の記号(表2)
c) クロメートフリーの指定有無
d) 色名又は色記号(箇条5)
e) 寸法(箇条6)
f) 被覆層の厚さ(上面/下面)(標準厚さは表6)
g) 用途,加工方法など(必要な場合)

14 報告

  あらかじめ注文者の要求のある場合には,製造業者は,検査文書を注文者に提出しなければならない。
この場合,報告は,JIS G 0404の箇条13(報告)による。検査文書の種類は,特に指定のない場合は,JIS
G 0415の5.1(検査証明書3.1)による。

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