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する(Z液)。
4) フレーム原子吸光分析装置を用いて,Y液をフレーム中に噴霧し,表2に示す測定波長付近で吸光
度が最大となる波長を設定する。X液,Y液及びZ液をそれぞれフレーム中に噴霧し,分析種の吸
光度を測定し,X液の指示値n1,Y液の指示値n2及びZ液の指示値n3を読み取る。
5) 測定結果は,X液の指示値からZ液の指示値を引いたn1−n3をY液の指示値からX液の指示値を
引いたn2−n1と比較する。
e) 判定 d) によって操作し,次に適合するとき,“銅(Cu) : 質量分率2 ppm以下(規格値),マグネシ
ウム(Mg) : 質量分率2 ppm以下(規格値),カルシウム(Ca) : 質量分率2 ppm以下(規格値),鉛
(Pb) : 質量分率2 ppm以下(規格値),鉄(Fe) : 質量分率2 ppm以下(規格値)”とする。
n1−n3は,n2−n1より大きくない。
注記 分析種の含有率(質量分率 ppm)を求める場合は,次の式によって求める。
n1 n3
B
n2 n1 6
A 10
1 000
ここに, A : 分析種の含有率(質量分率 ppm)
B : 用いた標準液中の分析種の質量(mg)
m : はかりとった試料の質量(g)
6.9 硫酸着色物質
硫酸着色物質の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 塩酸(1+39) JIS K 8180に規定する塩酸(特級)の体積1と水の体積39とを混合する。
2) ブロモチモールブルー溶液 JIS K 8842に規定するブロモチモールブルー0.10 gをはかりとり,JIS
K 8102に規定するエタノール(95)50 mLを加えて溶かし,水を加えて100 mLにする。褐色ガラ
ス製瓶に保存する。
3) 硫酸[質量分率(95±0.5)%] 硫酸[質量分率(95±0.5)%]の調製は,あらかじめJIS K 8951
に規定する硫酸の純度を求める。希釈が必要な場合は,計算量の水をとり,硫酸を注意して徐々に
加え,硫酸濃度を質量分率(95±0.5)%に調節する。
硫酸の純度は,次によって求める。
共通すり合わせ三角フラスコ100 mLの質量を0.1 mgの桁まではかり,硫酸1.0 gを入れ,再び
0.1 mgの桁まで質量をはかる。共通すり合わせ三角フラスコを冷却しながら水20 mLを徐々に加え
る。ブロモチモールブルー溶液数滴を加え,1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液で滴定する。終点は液
の色が黄から青みの緑に変わる点とする。
硫酸の純度は,次の式によって算出する。
.0049 04V f
A 100
m2 m1
ここに, A : 硫酸の純度(H2SO4)(質量分率 %)
V : 滴定に要した1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液の体積
(mL)
f : 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液のファクター
m2 : 試料を入れた共通すり合わせ三角フラスコの質量(g)
m1 : 共通すり合わせ三角フラスコの質量(g)
――――― [JIS K 8519 pdf 16] ―――――
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0.049 04 : 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液1 mLに相当するH2SO4
の質量を示す換算係数(g/mL)
3.1) 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液(NaOH : 40.00 g/L) 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液の調製,標定
及び計算は,次による。
3.1.1) 調製 調製は,次のいずれかによる。
3.1.1.1) IS K 8576に規定する水酸化ナトリウム(質量分率100 %として)40 gを,ポリエチレンなど
の樹脂製容器にはかりとり,JIS K 8001の5.8 c) に規定する二酸化炭素を除いた水100 mLを
加えて溶かし,冷却後,ポリエチレンなどの樹脂製気密容器に移し,一昼夜以上放置する。そ
の液をポリエチレンなどの樹脂製容器1 000 mLに移し,二酸化炭素を除いた水を加えて1 000
mLとし,混合する。この液は,ポリエチレンなどの樹脂製気密容器に保存する。
3.1.1.2) 高純度水酸化ナトリウム溶液(質量分率100 %として)又は半導体用水酸化ナトリウム溶液(質
量分率100 %として)40 gを,二酸化炭素を除いた水1 000 mLに溶かし,その液を約1時間か
くはん(攪拌)する(必要があれば,約24時間放置後,0.2 μmのフィルターでろ過する。)。
この液は,ポリエチレンなどの樹脂製気密容器に保存する。
3.1.1.3) IS K 8576に規定する水酸化ナトリウム165 gをポリエチレンなどの樹脂製気密容器500 mL
にはかりとり,二酸化炭素を除いた水150 mLを加えて溶かした後,一昼夜以上放置する。そ
の液54 mLをポリエチレンなどの樹脂製気密容器1 000 mLにとり,二酸化炭素を除いた水を
加えて1 000 mLとし,混合する。この液は,ポリエチレンなどの樹脂製気密容器に保存する。
3.1.2) 標定 標定は,認証標準物質1) 又はJIS K 8005に規定する容量分析用標準物質のアミド硫酸を
用い,次のとおり行う。
3.1.2.1) 認証標準物質1) のアミド硫酸を用いる場合は,認証書に規定する方法で使用する。
3.1.2.2) 容量分析用標準物質のアミド硫酸を用いる場合は,試験成績書又は添付文書に従って乾燥す
る。
3.1.2.3) 認証標準物質1) 又は容量分析用標準物質のアミド硫酸2.4 g2.6 gを0.1 mgの桁まではかりと
り,コニカルビーカー100 mLに移し,水25 mLを加えて溶かした後,指示薬としてブロモチ
モールブルー溶液数滴を加え,3.1.1) で調製した1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液で滴定する。
終点は,液の色が黄から青みの緑になる点とする。
3.1.3) 計算 ファクターは,次の式によって算出する。
m A
f
.0097 09V 100
ここに, f : 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液のファクター
m : はかりとったアミド硫酸の質量(g)
A : アミド硫酸の純度(質量分率 %)
V : 滴定に要した1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液の体積
(mL)
0.097 09 : 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液1 mLに相当するアミド
硫酸の質量を示す換算係数(g/mL)
4) 塩化コバルト(II)比色原液 JIS K 8129に規定する塩化コバルト(II)六水和物59.5 g(質量分率
100 %としての相当量)をビーカー1 000 mLにはかりとり,塩酸(1+39)を加えて溶かし,全量フ
ラスコ1 000 mLに移し,更に塩酸(1+39)を標線まで加えて混合する。
5) 塩化鉄(III)比色原液 JIS K 8142に規定する塩化鉄(III)六水和物45.0 g(質量分率100 %とし
ての相当量)をビーカー1 000 mLにはかりとり,塩酸(1+39)を加えて溶かし,全量フラスコ1 000
――――― [JIS K 8519 pdf 17] ―――――
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mLに移し,更に塩酸(1+39)を標線まで加えて混合する。
6) 硫酸銅(II)比色原液 JIS K 8983に規定する硫酸銅(II)五水和物62.4 g(質量分率100 %として
の相当量)をビーカー1 000 mLにはかりとり,塩酸(1+39)を加えて溶かし,全量フラスコ1 000
mLに移し,更に塩酸(1+39)を標線まで加えて混合する。
b) 着色の程度の適合限度標準 着色の程度の適合限度標準“比色標準液A”は,次による。
表3に示す割合で,比色標準液A 5.0 mLを共通すり合わせ平底試験管に調製する。
表3−硫酸着色物質試験用比色標準液A
単位 mL
比色標準液の 比色原液 水
記号 塩化コバルト(II) 塩化鉄(III) 硫酸銅(II)
A 0.1 0.4 0.1 4.4
c) 器具 主な器具は,次のとおりとする。
共通すり合わせ平底試験管 6.3 c) による。
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,共通すり合わせ平底試験管に約10 ℃に冷却した硫酸[質量分率(95±0.5)%]
10 mLを入れる。振り混ぜながら,粉末にした試料1.0 gを30 ℃を超えないように注意して徐々に
加え,約10 ℃に冷却し,約10 ℃で15分間放置する。
2) 試料溶液の色と比色標準液Aの色を,共通すり合わせ平底試験管の上方又は側面から観察して比較
する。
e) 判定 d) によって操作し,次に適合するとき,“硫酸着色物質 : 試験適合”とする。
試料溶液の色は,比色標準液Aの色より濃くない。
7 容器
容器は,気密容器とする。
8 表示
容器には,次の事項を表示する。
a) 日本工業規格(日本産業規格)番号
b) 名称“しゅう酸二水和物”及び“試薬”の文字
c) 種類
d) 化学式及び式量
e) 純度
f) 内容量
g) 製造番号
h) 製造業者名又はその略号
――――― [JIS K 8519 pdf 18] ―――――
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附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS K 8519:2016 しゅう酸二水和物(試薬) ISO 6353-2:1983,Reagents for chemical analysis−Part 2: Specifications−First series R
20 Oxalic acid dihydrate
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (V) JISと国際規格との技術的差
(IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
国際規格番号 の評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 番号 の評価
1 適用範囲 試薬として用 R20 化学分析用試薬40 変更 JISは1品目1規格。 試薬の規格使用者が各規格を多く
いるしゅう酸 品目の仕様について 引用しやすくするために1品目1
二水和物につ 規定。 規格としている。
いて規定。 なお,対応国際規格は,25年以上
見直しをされていなく市場の実態
に合わない。国際規格の改正提案
を検討する。
2 引用規格
3 種類 − − 追加 種類の項目を追加。 JISは種類として“特級”だけな
ので,ISO規格と技術的な差異は
ない。
4 性質 − − 追加 項目を追加。 一般的な説明事項であり,技術上
の差異はない。
5 品質 R20.1 変更 1) 品質に差異のある項目 : 純度,ISO規格は,長期間内容の見直し
カルシウム。JISの純度は規格値にが行われず,国際市場ISO規格品
幅をもたせた。ISO規格の重金属をが用いられることはほとんどな
JISは銅及び鉛に変更。 い。また,技術的差異も軽微であ
2) 追加した項目 : 水溶状,マグネる。
シウム,硫酸着色物質。
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4
――――― [JIS K 8519 pdf 19] ―――――
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K8
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(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (V) JISと国際規格との技術的差
(IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
5
国際規格番号 の評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
19 : 2
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
0
及び題名 番号 の評価
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6 試験方法 R20.3
6.1 一般事 JIS K 0050,JIS − − 追加 項目を追加。 編集上の差異であり,技術上の差
項 K 8001,JIS R 異はない。
3503及びJIS R
3505による。
6.2 純度 酸化還元滴定 R20.3.1 酸化還元滴定 変更 試料量,操作などを変更。 JISは,定期的に見直しを行って
[(COOH)2・ いるが,ISO規格は,長年見直し
2H2O] が行われていないことから,実績
のある従来のJIS法を踏襲。技術
的な差異は軽微であり,対策は考
慮しない。
6.3 水溶状 追加 項目を追加。 用途上で必要。ISO規格の見直し
時に,追加提案の検討を行う予定。
6.4 強熱残 重量法 R20.3.8 (650±50)℃ 変更 強熱温度などを変更。 JISは,定期的に見直しを行って
分(硫酸塩) (500±50)℃ いるが,ISO規格は,長年見直し
6.5 塩化物 塩化銀比濁法 R20.3.2 塩化銀比濁法 変更 試料量,試薬溶液などを変更。 が行われていないことから,実績
(Cl) のある従来のJIS法を踏襲。技術
6.6 硫酸塩 硫酸バリウム R20.3.3 硫酸バリウム比濁法 変更 試料量,試薬溶液などを変更。 的な差異は軽微であり,対策は考
(SO4) 比濁法 慮しない。
6.7 窒素化 インドフェノ R20.3.4 蒸留−ネスラー法 変更 ISO規格は蒸留−ネスラー法,JIS 水銀化合物の使用を避けるため変
合物(Nとし ール青法 は蒸留−インドフェノール青法。 更。ISO規格の見直し時に,改正
て) JISは有害性の少ない試薬に変更。提案を行う予定。
6.8 銅(Cu),
原子吸光分析 R20.3.6 重金属(硫化物比色 変更 ISO規格の重金属をJISは鉛及び銅 使用者により具体的な情報を提供
鉛(Pb) 法 法) を対象。 するためにJISとして必要。ISO
規格の見直し時に,追加提案の検
討を行う予定。
6.8 マグネ 原子吸光分析 R20.3.5 原子吸光分析法(カ 変更 試料量などを変更。 代表的な不純物であるため追加し
シ ウ ム 法 ルシウム) 追加 マグネシウムを追加。 たが,ISO規格の見直し時に,改
(Mg),カル 正提案を行う予定。
シウム(Ca)
――――― [JIS K 8519 pdf 20] ―――――
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JIS K 8519:2016の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 6353-2:1983(MOD)
JIS K 8519:2016の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 8519:2016の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0067:1992
- 化学製品の減量及び残分試験方法
- JISK0113:2005
- 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
- JISK0115:2004
- 吸光光度分析通則
- JISK0115:2020
- 吸光光度分析通則
- JISK0117:2017
- 赤外分光分析通則
- JISK0121:2006
- 原子吸光分析通則
- JISK1107:2005
- 窒素
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則
- JISK8005:2014
- 容量分析用標準物質
- JISK8034:2006
- アセトン(試薬)
- JISK8051:2010
- 3-メチル-1-ブタノール(試薬)
- JISK8102:2012
- エタノール(95)(試薬)
- JISK8107:2017
- エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(試薬)
- JISK8129:2016
- 塩化コバルト(II)六水和物(試薬)
- JISK8142:2018
- 塩化鉄(III)六水和物(試薬)
- JISK8150:2006
- 塩化ナトリウム(試薬)
- JISK8155:2017
- 塩化バリウム二水和物(試薬)
- JISK8180:2015
- 塩酸(試薬)
- JISK8180:2021
- 塩酸(試薬)
- JISK8230:2016
- 過酸化水素(試薬)
- JISK8247:2015
- 過マンガン酸カリウム(試薬)
- JISK8355:2006
- 酢酸(試薬)
- JISK8355:2021
- 酢酸(試薬)
- JISK8541:2015
- 硝酸(試薬)
- JISK8541:2021
- 硝酸(試薬)
- JISK8548:2007
- 硝酸カリウム(試薬)
- JISK8550:2006
- 硝酸銀(試薬)
- JISK8550:2021
- 硝酸銀(試薬)
- JISK8563:2018
- 硝酸鉛(II)(試薬)
- JISK8576:2019
- 水酸化ナトリウム(試薬)
- JISK8617:2007
- 炭酸カルシウム(試薬)
- JISK8625:2017
- 炭酸ナトリウム(試薬)
- JISK8637:2006
- チオ硫酸ナトリウム五水和物(試薬)
- JISK8653:2018
- デバルダ合金(試薬)
- JISK8659:2014
- でんぷん(溶性)(試薬)
- JISK8780:2019
- ピロガロール(試薬)
- JISK8798:2012
- フェノール(試薬)
- JISK8842:2012
- ブロモチモールブルー(試薬)
- JISK8913:2006
- よう化カリウム(試薬)
- JISK8951:2006
- 硫酸(試薬)
- JISK8962:2008
- 硫酸カリウム(試薬)
- JISK8982:2008
- 硫酸アンモニウム鉄(III)・12水(試薬)
- JISK8983:2016
- 硫酸銅(II)五水和物(試薬)
- JISK8995:2015
- 硫酸マグネシウム七水和物(試薬)
- JISK8995:2021
- 硫酸マグネシウム七水和物(試薬)
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JISR3505:1994
- ガラス製体積計