JIS T 0301:2000 金属系インプラント材料の細胞適合性評価方法 | ページ 2

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r) ウエルプレート用分光光度計(ウエルプレートリーダー) ニュートラルレッド溶液を使用する場合
には,540nmの吸光度が,MTT溶液を使用する場合には,570nm及び630nmの吸光度が測定できる
もの。
s) 遠心機 JIS T 1701で規定するもので,3 000min−1まで回転できるもの。
t) 超純水精製装置 3.g)に規定する細胞培養に適した超純水が精製できるもの。
u) 真空ポンプ 吸引除去及び吸引ろ過に適したもの。
v) 超音波洗浄器 試料,器具などが超音波洗浄できるもの。
備考 ガラス器具類は,JIS R 3503に規定するほうけい酸ガラス-1又はほうけい酸ガラス-2を用いる。
8. 容器及び器具の洗浄と滅菌
a) すべての容器及び器具は,洗剤,超音波洗浄などを用い細胞培養に適した方法で洗浄する。洗剤を使
用した場合には,洗剤が残らないように流水中で十分に洗浄する。ただし,血清などが乾固すると洗
いにくくなるので,使用したガラス器具は,直ちに水に入れ,血清などの乾固をさけることが望まし
い。
b) 洗浄した容器及び器具は,超純水で十分に洗浄し,乾燥後,乾熱滅菌(180℃,1時間以上),又は高
圧蒸気滅菌(121℃,30分間以上)する。ガラス器具類の滅菌は,乾熱滅菌器で滅菌する。ろ過滅菌
器,チップなどプラスチック類を高圧蒸気滅菌する場合には,滅菌状態を保って取り出せるようにア
ルミニウムはくなどを均一に巻き滅菌する。また,駒込ピペットなどのピペット類は,綿栓して滅菌
箱などに入れ滅菌する。
9. 一般的な操作
a) 試験操作の前後には,手指及びクリーンベンチを消毒する。消毒には,エタノール水溶液 (70vol%) を
用いる。
b) 培養液など細胞に接触する溶液は,細胞と接触させる前に,あらかじめ約37℃に温めておく。
c) クリーンベンチ内で開閉するすべての容器に対しては,開閉前後に口部及びふたを火炎滅菌(8)する。
ピペット類は,使用する直前に火炎滅菌して使用する。
d) メジューム瓶などから溶液を分取する場合には,火炎滅菌したディスポーザブルプラスチック製ピペ
ットを使用するとよい。
e) 二酸化炭素インキュベータ,恒温槽,洗浄槽などは定期的に洗浄する。また,超純水精製装置内のフ
ィルタ類は指定された期間内に交換する。
注(8) 試薬,培地などを入れたガラス製薬品瓶(メジューム瓶),細胞培養用フラスコ,遠心管(遠沈
管)などの口部及びふたの滅菌に用いる。メジューム瓶及び培養用フラスコのふたを外した直
後及びふたをする直前に,メジューム瓶,フラスコなどを斜めに持って回しながら口部及びふ
たを火炎の中に入れて滅菌する操作。
10. 細胞の継代培養 細胞の継代培養は,一週間程度の間隔で行い,次に示した操作を参考にし,これに
準じて行う。
a) 929細胞の継代 培養面積25cm2の培養用フラスコ1個を用いた場合を例に示すが,培養面積75cm2
のフラスコを用いる場合には,すべての液量をおよそ3倍にするとよい。
1) 細胞が単層で増殖し,飽和密度に近い状態のときにフラスコ内の培養液をパスツールピペットを用

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いて吸引除去する。
2) 5.b)に規定するPBS (−) 溶液5mLをフラスコに加え細胞を洗浄した後,PBS (−) 溶液を吸引除去
する。
3) 5.g)に規定するトリプシン (1g/L) +EDTA溶液 (0.2g/L) を4mL加え,二酸化炭素インキュベータ
中に約1分間静置する。
4) フラスコ内のトリプシン (1g/L) +EDTA溶液 (0.2g/L) を駒込ピペットを用いてピペッティングし,
あらかじめ培養液5mLが入った15mLの遠沈管に移す。
5) 1 000min−1で5分間遠心分離し,上澄み液をパスツールピペットで吸引除去する。
6) 培養液10mLを遠沈管に加え,駒込ピペットで細胞に損傷を与えないように10回程度ピペッティン
グし細胞を洗浄した後,再度,1 000min−1で5分間遠心分離する。
7) 上澄み液をパスツールピペットで吸引後,培養液5mLを加え,ピペッティングし均一な細胞浮遊液
を調製する。パスツールピペットなどを用い血球計算盤に細胞浮遊液を載せ,倒立型位相差顕微鏡
を用いて細胞数を計数し,最適な初期細胞数が得られる濃度(1×1053×105個/mL程度)に希釈
する。
8) 培養液5mLを入れた新しいフラスコに1週間程度で細胞が飽和密度になる初期細胞数(例えば,3
×1045×104個)となるように,ディスポーザブルピペットなどを用いあらかじめ測定した1滴の
液量から必要な細胞浮遊液の量を算出し(例えば,23滴)滴加する。滴加後,細胞が均一に拡散
するようにフラスコを静かに振とうした後,二酸化炭素インキュベータ中に静置する。
9) 二酸化炭素インキュベータ中に24時間静置した後,新しい培養液と交換する。
備考 ピペッティングとは,培養フラスコ,培養シャーレなどを傾斜させ,駒込ピペットなどを用い,
細胞付着面をトリプシン溶液又はアクチナーゼ溶液などで洗い流し,この流れを利用して細胞
をフラスコからはく離させる操作,又は駒込ピペットなどを用い,細胞を洗浄する操作及び均
一な細胞浮遊液を得る操作をいう。
b) C3T3-E1細胞,V79細胞,その他の細胞系の継代に関しては,L929細胞に類似するため附属書2に
示す。
11. 実験系の検証に用いる対照材料 表1及び表2並びに図1に示した結果を参考にし,陰性対照材料及
び陽性対照材料をそれぞれ一つ以上選ぶ。
a) 陰性対照材料 標準的な陰性対照材料として,次の中から一つ以上を選ぶ。
1) IS G 4303に規定するSUS316Lステンレス鋼製円板。
2) IS H 4600に規定する2種相当工業用純チタン製円板
b) 陽性対照溶液 バナジウムを含む溶液(例えば,1g/L)。高圧蒸気滅菌などで滅菌後,図2に示した誘
導結合プラズマ質量分析法 (ICP-MS) による分析結果などを参考にし,培地に添加して使用する。
備考1. 11.a)の陰性対照材料において金属円板の表面性状は,実際の使用環境を考慮しJIS R 6253に
規定する1 000番以上の耐水研磨紙などで仕上げた表面粗さのものとし,超純水及びエタノー
ル溶液中で十分に洗浄し乾燥した後,高圧蒸気滅菌又は乾熱滅菌などの滅菌処理をしたもの。
2. 11.b)の陽性対照溶液において,酸などを含み希釈する必要がある場合には,5.b)に規定する
PBS (−) 溶液などで希釈(参考に示した1g/L溶液の場合には,2%硝酸を含むため10倍に希
釈する。)して使用する。2%硝酸の影響は,培地中では少なくとも1 000倍以上に希釈され,
図2からも明らかなようにpHの影響はほとんどみられないため,硝酸の影響は無視できる。

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また,バナジウム(粉末)を超純水中で抽出して得られたバナジウムイオンを含む溶液を培
地に添加した結果とバナジウム標準液を培地に添加した結果とが一致することからバナジウ
ム以外の(アンモニウムイオンなど)の影響は無視できる[図1 a)及び図1 b)]。
3. 滅菌したバナジウム(金属板又はブロック)を培養液などで抽出し,バナジウムイオンを溶
出させた溶液又はバナジウム粉末を超純水中で抽出し,粉末を除去した後,滅菌した溶液を
培地に加えて陽性対照溶液としてもよい。
4. 図1に示す相対細胞増殖率に関するデータ及び図3に示した誘導結合プラズマ質量分析法
(ICP-MS) による分析結果を参考にし,ニッケルを含む溶液を5.b)に規定するPBS (−) 溶液
などで希釈(参考に示した10g/L溶液の場合には,2%硝酸を含むため10倍に希釈する。)し,
高圧蒸気滅菌などで滅菌した後,培地に添加して使用してもよい。ただし,この場合には,
pHの変化を最小限にする必要がある。又はJIS K 8152に規定する塩化ニッケル(II)六水和物
を超純水で溶かし,滅菌した後,培地に加えて陽性対照溶液とすることもできる。ただし,
塩化ニッケル(II)六水和物をPBS (−) 溶液に溶かすと沈殿物を生成するので注意を要する。
5. 強い細胞増殖阻害作用を示す陽性対照材料として,バナジウム製円板を用いてもよい。
参考 バナジウム及びニッケル溶液には,米国SPEX社製ICP (AES, MS) 用バナジウム標準溶液
[PLV2-2Y,1g/L,メタバナジン酸アンモニウム (NH4VO3),取扱代理店 : 西進商事株式会社な
ど]及びICP (AES, MS) 用ニッケル標準溶液(PLNI2-3Y,10g/L,ニッケル)などがある。
表1 陰性対照材料の相対細胞増殖率及びコロニー形成率
細胞系 コントロール SUS316L 2種相当工業用純チタン製円板
(培養シャーレ)ステンレス鋼製円板
L929 1.0 0.80.9 0.81.0
MC3T3-E1 1.0 0.70.9 0.81.0
V79 1.0 0.70.9 0.80.9
L929及びMC3T3-E1 : 高圧蒸気滅菌,初期細胞数 : 2万5万個
V79 : 乾熱滅菌,初期細胞数 : 100個
表2 陽性対照材料の相対細胞増殖率及びコロニー形成率
細胞系 コントロール バナジウム製円板
(培養シャーレ)
L929 1.0 <0.02
MC3T3-E1 1.0 <0.03
V79 1.0 0
L929及びMC3T3-E1 : 高圧蒸気滅菌,初期細胞数 : 2万5万個
V79 : 乾熱滅菌,初期細胞数 : 100個
備考 バナジウム製円板の場合には,培地中へのバナジウムの溶
出量が約200 最一 相対細胞増殖率及びコロニ
ー形成率が0近くなる。

――――― [JIS T 0301 pdf 8] ―――――

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備考 L929及びMC3T3-E1細胞の初期細胞数は2万5万個,
V79細胞の初期細胞数は100個である。
図1 培地中のバナジウム (V) の濃度又はニッケル (Ni) の濃度とL929,MC3T3-E1細胞の
相対細胞増殖率及びV79細胞のコロニー形成率の関係

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備考 二酸化炭素5%の雰囲気下で最適なpHとなるように炭酸水素ナトリウム溶液
(75g/L) が添加されているため,a)に示したpHの値は高くなっている。
図2 培地にバナジウム陽性対照溶液を添加し大気雰囲気下で測定した場合のpHの変化a)及び
培地に添加したバナジウムの量とICP-MSを用いて測定したバナジウムの濃度の比較b)

――――― [JIS T 0301 pdf 10] ―――――

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JIS T 0301:2000の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 0301:2000の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB9922:2001
クリーンベンチ
JISG4303:2012
ステンレス鋼棒
JISG4303:2021
ステンレス鋼棒
JISH4600:2012
チタン及びチタン合金―板及び条
JISK0116:2014
発光分光分析通則
JISK0121:2006
原子吸光分析通則
JISK0211:2013
分析化学用語(基礎部門)
JISK0950:1988
プラスチック製滅菌シャーレ
JISK0970:2013
ピストン式ピペット
JISK3600:2000
バイオテクノロジー用語
JISK3604:1990
組織培養用培地(最小必須培地)
JISK3610:1992
生体工学用語(生体化学部門)
JISK3611:1995
生体工学用語(生体システム部門)
JISK3801:2000
除菌用HEPAフィルタの性能試験方法
JISK3810-1:2003
マイコプラズマの検出法―第1部:培養による直接検出法
JISK3810-2:2003
マイコプラズマの検出法―第2部:DNA蛍光染色による間接検出法
JISK3810-3:2003
マイコプラズマの検出法―第3部:二段階PCRによる検出法
JISK8101:2006
エタノール(99.5)(試薬)
JISK8107:2017
エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(試薬)
JISK8123:2018
塩化カルシウム(試薬)
JISK8152:2018
塩化ニッケル(II)六水和物(試薬)
JISK8180:2015
塩酸(試薬)
JISK8180:2021
塩酸(試薬)
JISK8355:2006
酢酸(試薬)
JISK8355:2021
酢酸(試薬)
JISK8622:2007
炭酸水素ナトリウム(試薬)
JISK8839:2007
2-プロパノール(試薬)
JISK8872:2008
ホルムアルデヒド液(試薬)
JISK8897:2012
メチレンブルー(試薬)
JISK9009:2012
りん酸二水素ナトリウム二水和物(試薬)
JISK9020:2012
りん酸水素二ナトリウム(試薬)
JISK9020:2021
りん酸水素二ナトリウム(試薬)
JISK9702:2014
ジメチルスルホキシド(試薬)
JISR3503:1994
化学分析用ガラス器具
JISR6002:1998
研削といし用研磨材の粒度の試験方法
JISR6253:2006
耐水研磨紙
JIST0303:2000
人工関節用材料のピンオンディスク法による摩耗試験方法
JIST1701:1997
医療用遠心機
JIST4204:1974
血球計
JIST7322:2005
医療用高圧蒸気滅菌器
JIST7324:2005
医療用小型高圧蒸気滅菌器