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c) 分析種の測定波長 分析種の測定波長の例を表2に示す。
表2−分析種の測定波長の例
単位 nm
分析種 測定波長
ナトリウム(Na) 589.0
カリウム(K) 766.5
d) 操作 操作は,次による。
1) 試料1.0 gを全量フラスコ200 mLにはかりとり,水及び塩酸(2+1)1 mLを加えて溶かし,更に水
を標線まで加えて混合する(D液)。
2) 試料溶液の調製は,D液10 mL(試料量0.05 g)を全量フラスコ100 mLにとり,水を標線まで加え
て混合する(X液)。
3) 比較溶液の調製は,D液10 mL(試料量0.05 g)を全量フラスコ100 mLにとり,ナトリウム標準液
(Na : 0.01 mg/mL)1.0 mL及びカリウム標準液(K : 0.01 mg/mL)0.5 mLを加え,水を標線まで加
えて混合する(Y液)。
4) フレーム原子吸光分析装置を用いて,Y液をアセチレン−空気フレーム中に噴霧し,表2に示す測
定波長付近で吸光度が最大となる波長を設定する。X液及びY液をそれぞれアセチレン−空気フレ
ーム中に噴霧し,分析種の吸光度を測定し,X液の指示値及びY液の指示値を読み取る。
5) 測定結果は,X液の指示値とY液の指示値からX液の指示値を引いた値とを比較する。
e) 判定 X液の指示値が,Y液の指示値からX液の指示値を引いた値より大きくないとき,“ナトリウ
ム(Na) : 質量分率0.02 %以下(規格値),カリウム(K) : 質量分率0.01 %以下(規格値)”とする。
注記 分析種の含有率(質量分率 %)を求める場合は,次の式によって,おおよその値を求めるこ
とが可能である。
n1
Fn
2 n1
E 100
m3 1000
ここに, E : 分析種の含有率(質量分率 %)
F : 用いた標準液中の分析種の質量(mg)
m3 : X液中の試料の質量(g)
n1 : X液の指示値
n2 : Y液の指示値
6.10 銅(Cu),亜鉛(Zn),鉛(Pb)及び鉄(Fe)
6.10.1 一般
銅(Cu),亜鉛(Zn),鉛(Pb)及び鉄(Fe)の試験方法は,6.10.2又は6.10.3のいずれかによる。
6.10.2 灰化−直接フレーム原子吸光分析法
灰化−直接フレーム原子吸光分析法による試験は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次による。
1) 塩酸(2+1) 6.7 a) 3)による。
2) 銅標準液(Cu : 0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
3) 亜鉛標準液(Zn : 0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
――――― [JIS K 8284 pdf 11] ―――――
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4) 鉛標準液(Pb : 0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
5) 鉄標準液(Fe : 0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
b) 装置 主な装置は,次による。
1) 水浴 6.7 b) 4)による。
2) フレーム原子吸光分析装置 6.9 b)による。
c) 分析種の測定波長 分析種の測定波長の例を表3に示す。
表3−分析種の測定波長の例
単位 nm
分析種 測定波長
銅(Cu) 324.8
亜鉛(Zn) 213.9
鉛(Pb) 283.3
鉄(Fe) 248.3
d) 操作 操作は,次による。
1) 試料溶液の調製は,6.5の残分(試料量5 g)に塩酸(2+1)5 mLを加え,沸騰水浴上で加温して溶
かし,冷却後,全量フラスコ25 mLに移し,水を標線まで加えて混合する(X液)。
2) 比較溶液の調製は,全量フラスコ25 mLに銅標準液(Cu : 0.01 mg/mL)1.0 mL,亜鉛標準液(Zn :
0.01 mg/mL)1.0 mL,鉛標準液(Pb : 0.01 mg/mL)1.0 mL,鉄標準液(Fe : 0.01 mg/mL)2.5 mL及
び塩酸(2+1)5 mLを加え,水を標線まで加えて混合する(Y液)。
3) 空試験溶液の調製は,塩酸(2+1)5 mLを全量フラスコ25 mLにとり,水を標線まで加えて混合す
る(Z液)。
4) フレーム原子吸光分析装置を用いて,Y液をアセチレン−空気フレーム中に噴霧し,表3に示す測
定波長付近で吸光度が最大となる波長を設定する。X液,Y液及びZ液をそれぞれアセチレン−空
気フレーム中に噴霧し,分析種の吸光度を測定し,X液の指示値,Y液の指示値及びZ液の指示値
を読み取る。
5) 測定結果は,X液の指示値からZ液の指示値を引いた値と,Y液の指示値からZ液の指示値を引い
た値とを比較する。
e) 判定 X液の指示値からZ液の指示値を引いた値が,Y液の指示値からZ液の指示値を引いた値より
大きくないとき,“銅(Cu) : 質量分率2 ppm以下(規格値),亜鉛(Zn) : 質量分率2 ppm以下(規格
値),鉛(Pb) : 質量分率2 ppm以下(規格値),鉄(Fe) : 質量分率5 ppm以下(規格値)”とする。
注記 分析種の含有率(質量分率 ppm)を求める場合は,次の式によって,おおよその値を求める
ことが可能である。
n n5
Hn3
n5
G 4
106
m4 1000
ここに, G : 分析種の含有率(質量分率 ppm)
H : 用いた標準液中の分析種の質量(mg)
m4 : X液中の試料の質量(g)
n3 : X液の指示値
n4 : Y液の指示値
――――― [JIS K 8284 pdf 12] ―――――
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n5 : Z液の指示値
6.10.3 抽出−フレーム原子吸光分析法
抽出−フレーム原子吸光分析法による試験は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次による。
1) 酢酸ブチル JIS K 8377に規定するもの。
2) アンモニア水(2+3) JIS K 8085に規定するアンモニア水(質量分率28.0 %30.0 %)の体積2と
水の体積3とを混合したもの。ポリエチレンなどの樹脂製の瓶に保存する。
3) 塩酸(2+1) 6.7 a) 3)による。
4) ,N-ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム溶液(10 g/L)[NaDDTC溶液(10 g/L)] JIS K 8454
に規定するN,N-ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物1.3 gを水に溶かして100 mLにし
たもの。使用時に調製する。
5) 銅標準液(Cu : 0.01 mg/mL) 6.10.2 a) 2)による。
6) 亜鉛標準液(Zn : 0.01 mg/mL) 6.10.2 a) 3)による。
7) 鉛標準液(Pb : 0.01 mg/mL) 6.10.2 a) 4)による。
8) 鉄標準液(Fe : 0.01 mg/mL) 6.10.2 a) 5)による。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) 分液漏斗 JIS R 3503の付図31-1に規定する200 mLのもの。
2) H計 6.4 b) 2)による。
3) フレーム原子吸光分析装置 6.9 b)による。
c) 分析種の測定波長 6.10.2 c)による。
d) 操作 操作は,次による。
1) 試料溶液の調製は,試料10 gをビーカー200 mLなどにはかりとり,塩酸(2+1)1 mL及び水40 mL
を加えて溶かし,更に水を加えて60 mLにする。
2) 比較溶液の調製は,試料10 gをビーカー200 mLなどにはかりとり,塩酸(2+1)1 mL及び水40 mL
を加えて溶かし,銅標準液(Cu : 0.01 mg/mL)2.0 mL,亜鉛標準液(Zn : 0.01 mg/mL)2.0 mL,鉛
標準液(Pb : 0.01 mg/mL)2.0 mL及び鉄標準液(Fe : 0.01 mg/mL)5.0 mLを加え,更に水を加えて
80 mLにする。
3) 空試験溶液の調製は,塩酸(2+1)1 mLに水を加えて5 mLにする。
4) 試料溶液及び比較溶液それぞれを,pH計を用いて,塩酸(2+1)又はアンモニア水(2+3)でpH
約5.5に調節し,NaDDTC溶液(10 g/L)5 mLを直ちに加え,水を加えて100 mLにする。
5) これらの溶液それぞれを,分液漏斗に入れ,酢酸ブチル20 mLを加えた後,1分間激しく振り混ぜ,
二層に分かれるまで放置する。この上層(酢酸ブチル相)を分離してとる。試料溶液からの上層(酢
酸ブチル相)をX液とし,下層(水相)は保存する。比較溶液からの上層(酢酸ブチル相)をY液
とし,下層(水相)は捨てる。
6) 試料溶液からの水相を分液漏斗に入れ,酢酸ブチル20 mLを加えて1分間激しく振り混ぜ,二層に
分かれるまで放置して,下層(水相)を分離する。この場合の上層(酢酸ブチル相)は捨てる。再
び,水相に酢酸ブチル20 mLを加えて1分間激しく振り混ぜ,二層に分かれるまで放置して下層(水
相)を分離し,上層(酢酸ブチル相)は捨てる。ここで得た水相に3)の空試験溶液を加えた後,pH
計を用いて,塩酸(2+1)又はアンモニア水(2+3)でpH約5.5に調節し,NaDDTC溶液(10 g/L)
5 mLを直ちに加え,酢酸ブチル20 mLを加えて1分間激しく振り混ぜ,二層に分かれるまで放置
――――― [JIS K 8284 pdf 13] ―――――
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し,上層(酢酸ブチル相)を分離してZ液とする。
7) フレーム原子吸光分析装置は,あらかじめ酢酸ブチルを噴霧してアセチレン−空気フレームの状態
を最適にしておき,Y液をフレーム中に噴霧し,6.10.2 c)の表3に示す測定波長付近で吸光度が最大
となる波長を設定する。X液,Y液及びZ液をそれぞれアセチレン−空気フレーム中に噴霧し,分
析種の吸光度を測定し,X液の指示値,Y液の指示値及びZ液の指示植を読み取る。
8) 測定結果は,X液の指示値からZ液の指示値を引いた値と,Y液の指示値からX液の指示値を引い
た値とを比較する。
e) 判定 X液の指示値からZ液の指示値を引いた値が,Y液の指示値からX液の指示値を引いた値より
大きくないとき,“銅(Cu) : 質量分率2 ppm以下(規格値),亜鉛(Zn) : 質量分率2 ppm以下(規格
値),鉛(Pb) : 質量分率2 ppm以下(規格値),鉄(Fe) : 質量分率5 ppm(規格値)”とする。
注記 分析種の含有率(質量分率 ppm)を求める場合は,6.10.2 e)の注記によって,おおよその値
を求めることが可能である。
6.11 しゅう酸塩(C2H2O4として)
しゅう酸塩(C2H2O4として)の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次による。
1) 亜鉛 JIS K 8012に規定する粒径が1 000 m1 400 mのもの。
2) 塩酸 JIS K 8180に規定する特級のもの。
3) 塩化フェニルヒドラジニウム溶液(10 g/L) JIS K 8203に規定するフェニルヒドラジン塩酸塩1 g
を水に溶かして100 mLにしたもの。褐色ガラス製瓶に保存する。
4) ヘキサシアニド鉄(III)酸カリウム溶液(50 g/L) JIS K 8801に規定するヘキサシアニド鉄(III)
酸カリウム[ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム]5 gを水に溶かして100 mLにしたもの。褐色ガラ
ス製瓶に保存する。
5) しゅう酸標準液(C2H2O4 : 0.1 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。使用時に調製する。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。
2) ろ紙 6.7 b) 2)による。
3) 水浴 6.7 b) 4)による。
c) 操作 操作は,次による。
1) 試料溶液の調製は,試料2.0 gをビーカー100 mLなどにはかりとり,水4 mL及び塩酸3 mLを加え,
溶かす。
2) 比較溶液の調製は,試料1.0 gをビーカー100 mLなどにはかりとり,しゅう酸標準液(C2H2O4 : 0.1
mg/mL)1.0 mL,水3 mL及び塩酸3 mLを加え,溶かす。
3) 試料溶液及び比較溶液に,亜鉛1 gを加え,1分間煮沸し,室温で2分間放置する。ろ紙でろ過し,
ろ液を共通すり合わせ平底試験管に受け,水5 mLで3回ろ紙を洗浄し,洗液をろ液に合わせる。
塩化フェニルヒドラジニウム溶液(10 g/L)0.25 mL及び水を加えて25 mLにする。これを約90 ℃
の水浴中で3分間加熱し,流水で冷却する。塩酸25 mL及びヘキサシアニド鉄(III)酸カリウム溶
液(50 g/L)0.25 mLを加えて振り混ぜる。
4) 白の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験
管の上方又は側方から観察して,色を比較する。
d) 判定 試料溶液から得られた液の色が,比較溶液から得られた液の赤より濃くないとき,“しゅう酸塩
――――― [JIS K 8284 pdf 14] ―――――
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(C2H2O4として) : 質量分率0.01 %以下(規格値)”とする。
6.12 酒石酸塩(C4H6O6として)
酒石酸塩(C4H6O6として)の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次による。
1) 硫酸 JIS K 8951に規定するもの。
2) レソルシノール·塩酸溶液 JIS K 9032に規定するレソルシノール1 gをJIS K 8180に規定する塩
酸(特級)を加えて溶かし,更に塩酸を加えて100 mLにしたもの。褐色ガラス製瓶に保存する。
3) 酒石酸塩標準液(C4H6O6 : 0.01 mg/mL) JIS K 8001のJA.4(標準液)による。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) 共通すり合わせ平底試験管 6.3 c)による。
2) 熱板(ホットプレート又はブロックヒーター) 約130 ℃に調節できるもの。
c) 操作 操作は,次による。
1) 試料溶液の調製は,試料0.1 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,水1.0 mLに溶かす。
2) 比較溶液の調製は,酒石酸塩標準液(C4H6O6 : 0.01 mg/mL)1.0 mLを共通すり合わせ平底試験管に
とる。
3) 試料溶液及び比較溶液に,レソルシノール·塩酸溶液5滴を加え,硫酸5 mLを試験管の内壁に沿
って徐々に加え,熱板(ホットプレート又はブロックヒーター)で約130 ℃で5分間加熱する。
4) 白の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験
管の上方又は側方から観察して色を比較する。
d) 判定 試料溶液から得られた液の色が,比較溶液から得られた液の赤より濃くないとき,“酒石酸塩
(C4H6O6として) : 質量分率0.01 %以下(規格値)”とする。
7 容器
容器は,気密容器とする。
8 表示
容器には,次の事項を表示する。
a) この規格の番号
b) 名称“くえん酸水素二アンモニウム”及び“試薬”の文字
c) 種類
d) 化学式及び式量
e) 純度
f) 内容量
g) 製造番号
h) 製造業者名又はその略号
JIS K 8284:2021の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 8284:2021の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISH6201:1986
- 化学分析用白金るつぼ
- JISH6202:1986
- 化学分析用白金皿
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0113:2005
- 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
- JISK0117:2017
- 赤外分光分析通則
- JISK0121:2006
- 原子吸光分析通則
- JISK1107:2005
- 窒素
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則
- JISK8012:2006
- 亜鉛(試薬)
- JISK8085:2006
- アンモニア水(試薬)
- JISK8085:2021
- アンモニア水(試薬)
- JISK8102:2012
- エタノール(95)(試薬)
- JISK8136:2017
- 塩化すず(II)二水和物(試薬)
- JISK8155:2017
- 塩化バリウム二水和物(試薬)
- JISK8180:2015
- 塩酸(試薬)
- JISK8180:2021
- 塩酸(試薬)
- JISK8203:2019
- フェニルヒドラジン塩酸塩(試薬)
- JISK8230:2016
- 過酸化水素(試薬)
- JISK8377:2014
- 酢酸ブチル(試薬)
- JISK8454:1994
- N,N-ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(試薬)
- JISK8541:2015
- 硝酸(試薬)
- JISK8541:2021
- 硝酸(試薬)
- JISK8550:2006
- 硝酸銀(試薬)
- JISK8550:2021
- 硝酸銀(試薬)
- JISK8576:2019
- 水酸化ナトリウム(試薬)
- JISK8625:2017
- 炭酸ナトリウム(試薬)
- JISK8799:2020
- フェノールフタレイン(試薬)
- JISK8801:2007
- ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム(試薬)
- JISK8810:2018
- 1-ブタノール(試薬)
- JISK8872:2008
- ホルムアルデヒド液(試薬)
- JISK8905:2019
- モリブデン(VI)酸アンモニウム四水和物(試薬)
- JISK8951:2006
- 硫酸(試薬)
- JISK9032:2019
- レソルシノール(試薬)
- JISP3801:1995
- ろ紙(化学分析用)
- JISR1301:1987
- 化学分析用磁器るつぼ
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JISZ0701:1977
- 包装用シリカゲル乾燥剤
- JISZ8802:2011
- pH測定方法