この規格ページの目次
7
Z 0237 : 2009
e) 試験結果
f) 特記事項
10 粘着力
10.1 試験片
試料がロール状に巻かれたテープの場合は,試験片採取前に最低でも3層,最大でも6層まで巻き戻し,
外側のテープを切り取って捨てておく。試験片の採取は,ロールから500750 mm/sの速さで巻き戻す。
試験片は,幅24±0.5 mm,長さ約300 mmとする。一つの試験に試験片を一枚採る。テープ及びシートの
幅が24 mm以上の場合は,試験片の端をきずつけないように鋭利な刃物で幅24 mmに切断する。幅が24
mm未満の場合は現幅とする。
試験する部分の粘着面には,ほこり(埃)の付着があってはならない。また,粘着面に素手で触れたり
他の異物に触れてはならない。高速で巻き戻すことができないテープの場合は,できるだけ500 mm/sに近
い速度で巻き戻す。
幅17 mm以上の試験片は,質量2 kgの圧着ローラを用い,17 mm未満の試験片は,1 kgの圧着ローラ
を使用することができる。
10.2 試験装置及び試験板
10.2.1 引張試験装置
引張試験機は,8.2のものを用いる。ただし,テープの引きはがし長さ1 mm以下の間隔で読み取る自動
式の装置であることが望ましい。
10.2.2 試験板
試験板は,JIS G 4305に規定するSUS304鋼板で,表面仕上げBA(冷間圧延後,光輝熱処理)の鋼板を
使用し,表面粗さは,JIS B 0601に規定するRa : 50±25 nmのものとする。試験板の寸法は,厚さ1.1 mm
以上,幅約50 mm,長さ約125 mmとする。汚れ,変色又は多数のスクラッチきずが見られるものは用い
てはならない。
10.2.3 試験板の洗浄
試験板の洗浄は,次による。
a) 試験板の洗浄溶剤は,ジアセトンアルコール(4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン),メタノール,
メチルエチルケトン,アセトン及びn-ヘプタンの中から一つ以上選択して使用できるものとする。
なお,溶剤は,試薬用又は残さのない工業用薬品以上の品質とする。
b) 洗浄用の布などは,手術用ガーゼ,脱脂綿,ティッシュペーパーなどとする。使用中に糸くず,ほこ
りが発生せず柔らかくて吸収性があり,a) の項目に挙げられている溶剤に溶ける添加剤を含まず,未
使用のものが適している。
c) 洗浄方法の手順は,a) の中から選んだ溶剤を布などにしみ込ませ,試験板の表面をふく。乾いてから,
更に新しい布などで乾燥するまでよくふく。このように溶剤での洗浄を目視によって清浄になったと
みられるまで3回以上繰り返して行う。
d) 新しい試験板は,a) の中から選んだ溶剤を布などにしみ込ませ,試験板の表面を10回以上ふき,更
に,使用前にc) に規定する方法で洗浄する。
最終的なふき取りは,メチルエチルケトン又はアセトンで行う。洗浄後の試験板は10分間以上乾燥し,
また,10時間以内に使用しなかった試験板は,再洗浄しなければならない。
なお,汚れ,変色,又は多数のきずが見られる試験板は,廃棄する。また,試験板表面を指で触れない
――――― [JIS Z 0237 pdf 11] ―――――
8
Z 0237 : 2009
ようにし,損傷又は汚染しないよう試験板を保管する。
10.2.4 圧着装置
圧着装置の例を,自動式のものは図2に,手動式のものは図3に示す。試験片を圧着するときにローラ
の質量だけが試験片にかかる構造とする。直径85±2.5 mm,幅45±1.5 mmの上に,厚さ約6 mmでゴム
硬度がJIS K 6253に規定するデュロメータ硬さA 80±5のゴムでおお(被)われた鋼のローラであって,
その表面は正確な円柱で,凹凸のないものでなければならない。また,ローラの質量は,2 000±100 g又
は1 000±50 gとする。
単位 mm
図2−自動式圧着装置の一例
図3−手動式圧着装置の一例
10.3 試験方法
試験方法は,特に指定のない限り標準状態[温度23±1 ℃,湿度(50±5)%]で行い,次の方法による。
− 方法1 テープ及びシートをステンレス試験板に対して180°に引きはがす試験方法
− 方法2 テープをテープ背面に対して180°に引きはがす試験方法
− 方法3 両面粘着テープ(以下両面テープという)をステンレス試験板に対して180°に引きはがす
試験方法
− 方法4 はく離ライナーをテープ及びシートの粘着面に対して180°に引きはがす試験方法
− 方法5 上記の方法1方法4において,低温環境下で試験片を試験板に対して180°に引きはがす
――――― [JIS Z 0237 pdf 12] ―――――
9
Z 0237 : 2009
試験方法
− 方法6 上記の方法1方法4において,試験片を試験板に対して90°に引きはがす試験方法
各試験方法の引きはがし角度及び温度を,表2に示す。
表2−各試験方法の引きはがし角度及び温度
試験方法 引きはがし角度 試験温度
23 ℃ 低温
ステンレス試験板に対する引きはがし 180° 方法1 方法5
粘着力試験方法 90° 方法6 −
テープ背面を試験板とした引きはがし 180° 方法2 方法5
粘着力試験方法 90° 方法6 −
両面テープのステンレス試験板に対す 180° 方法3 方法5
る引きはがし粘着力試験方法 90° 方法6 −
はく離ライナーをテープ粘着面に対し 180° 方法4 方法5
て引きはがす粘着力試験方法 90° 方法6 −
10.3.1 試験手順
試験手順は,次による。
a) 試験板に対する粘着力を試験する場合の手順 試験片は,10.1に規定する手順で採取後5分以内に試
験板にはる。タブを形成するため一端を粘着剤と粘着剤とがつくように12 mm折り,もう一方の端は
試験板の端にはる。試験板と接触させないように,試験板の上に試験片をたるませてタブ部分をもち,
自動又は手動のローラで縦方向に圧着しながらテープを試験板にはる。これによって粘着剤と試験板
との間に空気が入るのを防ぐ。空気が入った場合は,この試験は無効とする。ローラは,10±0.5 mm/s
の速度で合計2往復行い,圧着中に荷重を増加してはならない。試験片はローラ圧着後,1分以内に
引きはがし試験を行う。
注記 圧着後の放置時間は,目的によって意図的に長い時間を選択してもよい。これは,次のb)
g) の試験手順にも適用できる。
b) テープ背面に対する粘着力を試験する場合の手順 背面を試験するテープを10.1に規定する手順で
300 mm採取する。これを試験板にローラで圧着し,試験板にはられているテープ以外のところは,
切り落とす。次に,試験片を同じように300 mm採取し,タブを形成するため一端を粘着剤と粘着剤
とがつくように12 mm折り,もう一方の端は,背面を試験するテープの一端の上にはり,縦方向に2
往復,自動又は手動のローラで圧着する。このとき,第二試験片が第一試験片と直線上に重なるよう
にはる。これによって二つの試験片の間に空気が入るのを防ぐ。空気が入った場合は,無効とする。
試験片はローラ圧着後,1分以内に引きはがし試験を行う。
c) 両面テープの第一粘着面を試験する場合の手順 10.1に規定する手順で試験をするテープを試験片と
して,300 mm採取する。タブを形成するため一端を粘着剤と粘着剤とがつくように12 mmに折り,
もう一方の端は,試験板の端にはる。試験板と接触させないように,試験板の上に試験片をたるませ
てタブ部分を持ち,自動又は手動のローラで縦方向に1往復させテープを試験板にはる。これによっ
て粘着剤と試験板との間に空気が入るのを防ぐ。ただし,空気が入った場合には,試験は,無効とす
る。はく離ライナーをはがし,試験片に呼び厚さ25 μmのJIS C 2318に規定するポリエチレンテレフ
タレートフィルムを重ねる。この手順はテープを試験板にはるのと同じ方法で行う。したがって,実
質ローラがフィルムを粘着面にはり付けていることとなる。試験片はローラ圧着後,1分以内に試験
――――― [JIS Z 0237 pdf 13] ―――――
10
Z 0237 : 2009
を行う。
注記 ポリエチレンテレフタレートフィルムは,手動式のローラによって2往復して圧着してもよ
い。そのときの圧着速度は,50 mm/sに上げてもよい。
d) 両面テープの第二粘着面を試験する場合の手順 10.1に規定する手順で試験をするテープを試験片と
して300 mm採取する。このテープを呼び厚さ25 μmのポリエチレンテレフタレートフィルムにはり,
自動又は手動のローラでテープをフィルムにはるために圧着する。これによって,テープとフィルム
との間に空気が入るのを防ぐ。はく離ライナーをはがし,タブを形成するため一端を粘着剤と粘着剤
とがつくように12 mm折る。もう一方の端は,試験板の端にはる。試験板に接触させないように,試
験板の上に試験片をたるませてタブ部分を持ち,自動又は手動のローラを縦方向に2往復させテープ
を試験板にはる。これによって粘着剤と試験板との間に空気が入るのを防ぐ。ただし,空気が入った
場合には,試験は無効とする。試験片はローラ圧着後,1分以内に試験を行う。
e) 両面テープはく離ライナーのはく離試験手順 粘着面(第一粘着面)を下向きにして試験片を試験板
の中央にはる。10±0.5 mm/sの速度で2往復ローラで圧着する。試験板にはられているテープ以外の
ところは,はく離ライナーをはがし,その部分のテープは切り落とす。試験板上のテープ部分のはく
離ライナーは,間違ってはがさないように気をつける。試験はローラ圧着後に開始する。
f) はく離ライナー付き片面テープのはく離ライナーのはく離試験手順 少なくとも試験片より幅広の両
面テープを試験板の長さいっぱいにはり,はく離ライナーを両面粘着テープからはがす。試験板上の
両面粘着テープの粘着面上に試験片の背面側を試験板の長さいっぱいに重ねてはる。10±0.5 mm/sの
速度でそれぞれの方向に2往復ローラをかけて圧着する。試験板にはっているテープ以外のところは,
はく離ライナーをはがし,その部分のテープは切り落とす。試験板上のテープ部分のはく離ライナー
は,間違ってはがさないように気をつける。試験はローラ圧着後に開始する。
g) 低温環境下で試験する場合の手順 試験試料,試験片及び洗浄後の試験板を選択した低温で2時間調
整した後,試験片を低温環境ではる。はり方は,a) f) と同様に行い,試験板から試験片をはがす前
に1624時間調製する。また,全試験を受渡当事者間の協定による低温環境下で行う。
10.4 引きはがし粘着力の測定
10.4.1 方法1 : 試験板に対する180°引きはがし粘着力
試験片をはがすときは,テープ背面が重なるようにテープの端を持って180°に折り返し,試験板から
25 mmはがす。引張試験機の片方のチャックにそのはがした部分の試験板の片端を固定し,もう片方のチ
ャックにテープを固定する。次に,試験機を,5.0±0.2 mm/sで運転する。
測定開始後,最初の25 mmの長さの測定値は無視する。その後試験板から引きはがされた50 mmの長
さの粘着力測定値を平均し,引きはがし粘着力の値として使用する(図4参照)。
注記 測定者は,試験板へのはり付け操作は,できる限り手早く行い,体温の伝導によって試験板の
温度変化をできるだけ少なくするのが望ましい。
――――― [JIS Z 0237 pdf 14] ―――――
11
Z 0237 : 2009
図4−引きはがし時の測定ジグの一例
10.4.2 方法2 : 背面に対する180°引きはがし粘着力
10.3.1 b) で圧着した試験体を,10.4.1と同一方法で試験する。
10.4.3 方法3 : 両面テープの180°引きはがし粘着力
10.3.1 c) 及びd) で圧着した試験体を,10.4.1と同一方法で試験する。
10.4.4 方法4 : はく離ライナーの180°引きはがし力
10.3.1 e) 及びf) で圧着した試験体を,10.4.1と同一方法で試験する。
10.4.5 方法5 : 低温環境下で試験板に対する180°引きはがし粘着力
引きはがし粘着力の測定は,10.4.1と同一方法で試験する。
10.4.6 方法6 : 90°引きはがし粘着力
図5と同様の90°引きはがし試験の装置を用いる。試験装置を下部チャックに水平に取り付け,ひもの
上端を試験機の稼動部に固定する。試験片をはり付けた試験板をジグに挿入し,試験片の遊びの部分の一
端を上部チャックに固定する。それ以外は,10.4.1と同一方法で試験する。
――――― [JIS Z 0237 pdf 15] ―――――
次のページ PDF 16
JIS Z 0237:2009の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 29862:2007(MOD)
- ISO 29863:2007(MOD)
- ISO 29864:2007(MOD)
JIS Z 0237:2009の国際規格 ICS 分類一覧
- 83 : ゴム及びプラスチック工業 > 83.180 : 接着剤
JIS Z 0237:2009の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0601:2013
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―表面性状:輪郭曲線方式―用語,定義及び表面性状パラメータ
- JISB1501:2009
- 転がり軸受―鋼球
- JISB7503:2017
- ダイヤルゲージ
- JISB7507:2016
- ノギス
- JISB7512:2018
- 鋼製巻尺
- JISB7516:2005
- 金属製直尺
- JISB7721:2018
- 引張試験機・圧縮試験機―力計測系の校正方法及び検証方法
- JISB7751:2007
- 紫外線カーボンアーク灯式の耐光性試験機及び耐候性試験機
- JISB7753:2007
- サンシャインカーボンアーク灯式の耐光性試験機及び耐候性試験機
- JISB7754:1991
- キセノンアークランプ式耐光性及び耐候性試験機
- JISC2318:2007
- 電気用二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム
- JISC2318:2020
- 電気用二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム
- JISG4305:2012
- 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
- JISG4305:2021
- 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
- JISG4805:2019
- 高炭素クロム軸受鋼鋼材
- JISK6253:2006
- 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム―硬さの求め方
- JISP8116:2000
- 紙―引裂強さ試験方法―エルメンドルフ形引裂試験機法
- JISZ0109:2015
- 粘着テープ・粘着シート用語
- JISZ0208:1976
- 防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)
- JISZ1524:2009
- 包装用布粘着テープ
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8703:1983
- 試験場所の標準状態