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K 8073 : 2017
図1−赤外吸収スペクトルの例
6 品質
品質は,箇条7によって試験したとき,表1に適合しなければならない。
表1−品質
項目 規格値 試験方法
(容量滴定法)
純度(C7H6O2) 質量分率 % 99.5 以上 7.2
(qNMR法)
アンモニア水溶状 − 試験適合 7.3
エタノール溶状 − 試験適合 7.4
融点 ℃ 121124 7.5
強熱残分(硫酸塩) 質量分率 % 0.005 以下 7.6
塩素化合物(Clとして) 質量分率 % 0.005 以下 7.7
硫黄化合物(SO4として) 質量分率 % 0.003 以下 7.8
重金属(Pbとして) 質量分率 ppm 5 以下 7.9
鉄(Fe) 質量分率 ppm 5 以下 7.10
過マンガン酸還元性物質
質量分率 % 0.01 以下 7.11
(Oとして)
7 試験方法
7.1 一般事項
一般事項は,次による。
a) 試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。
b) 使用するガラス器具は,特に規定がない場合は,JIS R 3503及びJIS R 3505による。
――――― [JIS K 8073 pdf 6] ―――――
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K 8073 : 2017
c) 使用する標準液は,計量計測トレーサビリティが確保された標準液を,使用用途に合致することを確
認し,必要ならば希釈して使用する。このような標準液がない場合,使用用途に合致することを確認
して市販の標準液を用いるか,又は調製したものを用いる。
注記1 計量計測トレーサビリティが確保された標準液としては,計量標準供給制度[JCSS(Japan
Calibration Service System)]に基づく標準液,国立研究開発法人産業技術総合研究所計量標
準総合センター(NMIJ),米国国立標準技術研究所(NIST),ドイツ連邦材料試験研究所
(BAM)などが供給する標準液及びこれらへの計量計測トレーサビリティが確保された市
販の認証標準液がある。
d) 滴定用溶液の調製及び標定は,JIS K 8001の附属書JA(試験用溶液類の調製方法及び滴定用溶液類の
調製及び標定)による。市販品を用いる場合は,使用用途に合致することを確認する。
注記2 計量計測トレーサビリティが確保された滴定用溶液としては,ISO/IEC 17025に基づく認
定試験所が認定の範囲で値付けした市販の滴定用溶液がある。
7.2 純度(C7H6O2)
純度(C7H6O2)の試験方法は,7.2.1又は7.2.2のいずれかによる。
7.2.1 容量滴定法
容量滴定法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) エタノール(95) JIS K 8102に規定するもの。
2) 二酸化炭素を除いた水 JIS K 8001の5.8 c)(二酸化炭素を除いた水)による。
3) フェノールフタレイン溶液 JIS K 8799に規定するフェノールフタレイン1.0 gをはかりとり,JIS
K 8102に規定するエタノール(95)90 mLを加えて溶かし,水を加えて100 mLにする。
4) 0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液(NaOH : 4.000 g/L) JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウムを用
い,7.1 d)による。
b) 操作 操作は,次のとおり行う。
試料0.5 gをコニカルビーカー200 mLなどに0.1 mgの桁まではかりとり,エタノール(95)25 mL
を加えて溶かした後,二酸化炭素を除いた水25 mL及び指示薬としてフェノールフタレイン溶液数滴
を加え,0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液で滴定する。終点は,液のうすい紅色が30秒間持続する点
とする。
または,JIS K 0113の5.(電位差滴定方法)によって,指示電極にガラス電極,参照電極に銀−塩
化銀電極を用いて,又は同等の性能をもつ複合電極などを用いて0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液で
滴定する。終点は変曲点とする。
別に,同一条件で空試験を行って滴定量を補正する。
c) 計算 純度(C7H6O2)は,次の式によって算出する。
.0012 212 V1 V2 f
A 100
m
ここに, A : 純度(C7H6O2)(質量分率 %)
V1 : 滴定に要した0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液の体積
(mL)
――――― [JIS K 8073 pdf 7] ―――――
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V2 : 空試験に要した0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液の体積
(mL)
f : 0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液のファクター
m : はかりとった試料の質量(g)
0.012 212 : 0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液1 mLに相当するC7H6O2
の質量を示す換算係数(g/mL)
7.2.2 qNMR法
7.2.2.1 安息香酸の信号面積の和を用いる場合
安息香酸の信号面積の和を用いる場合は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) アセトン-d6 純度(GC)質量分率99.5 %以上及び重水素化率99.9 %以上の無色透明な揮発性の液
体。
2) 1,4-ビス(トリメチルシリル)ベンゼン-d4(1,4-BTMSB-d4) 国際単位系にトレーサブルな標準物質
であり,かつ重水素化率が99.0 %以上でqNMR法に使用できるもの。
注記 認証標準物質として供給されているものがある。
3) エチルベンゼン(必要な場合に用いる。) 純度(GC)質量分率99.0 %以上のもの。
4) 1,2-ジクロロベンゼン(必要な場合に用いる。) 純度(GC)質量分率98.0 %以上のもの。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。
1) MR試料管 外径5 mm,全長180 mm200 mmで,その材質がほうけい酸ガラス製などのもの。
なお,試料管のキャップの材質は樹脂製のもの。
注記 NMR試料管の真円度が高く,肉厚が薄くて均一なものほど,感度が良好となる。
2) 試料採取用容器 材質がアルミニウム製などのるつぼの形状の容器。
3) ピストン式ピペット JIS K 0970に規定するもので,アセトン-d6に耐性のあるチップが装着できる
もの。
4) バイアル瓶 容量5 mL30 mLのもの。
5) 精密天びん 最小表示値が0.000 1 mg0.01 mgのもの。
6) 核磁気共鳴装置(NMR装置) 磁場を発生させるための超伝導磁石,パルスの発信及び検出したFID
を増幅・検波するNMR分光計,パルスの照射及びFIDの検出を行うプローブ,データ処理のため
のコンピュータなどで構成される。例を,図2に示す。
――――― [JIS K 8073 pdf 8] ―――――
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NMRスペクトル
フーリエ変換コンピュータ
超伝導磁石
デジタル検波器
ラジオ波受信装置 FID プ
ロ
(自由誘導減衰) ー
(NMR分光計) ブ
ラジオ波発信装置
パルスプログラマ
ラジオ波
図2−核磁気共鳴装置の概要
c) 分析条件 分析条件は,次による1)。
なお,別の分析条件でも同等の試験結果が得られることを確認した場合には,その条件を用いてもよい。
1) 測定対象とする核 プロトン(1H)
2) プロトン(1H)共鳴周波数 400 MHz以上
3) 取り込み時間 4秒以上
4) 観測スペクトル幅 −5 ppm15 ppmを含む20 ppm以上
5) スピニング OFF
6) パルス角 90°
13Cデカップリング なし
7)
8) 繰返し待ち時間 60秒以上
9) 積算回数 32回以上
10) ダミースキャン回数 2回以上
11) 試料温度 20 ℃30 ℃の一定温度
注1) MR装置は,調製した試料溶液を用いて,システム適合性を測定する前に確認する。
・ 1,4-BTMSB-d4の示す信号をδ0 ppmとすると,δ7.24 ppmδ7.80 ppm付近に安息香酸
の信号があり,明らかな不純物の信号が重なっていないことを確認する。
・ δ7.24 ppmδ7.80 ppm付近の各信号のSN比は1 000以上である。
・ 6回の繰り返し測定で得たδ7.24 ppmδ7.80 ppm付近の信号面積と1,4-BTMSB-d4示
す信号面積との比の相対標準偏差は,0.5 %以下である。
d) 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次による。
1) 採取室内環境が,常温,湿度0 %80 %であることを確認する。
2) 試料及び標準物質(1,4-BTMSB-d4)はそれぞれ,表2に従って,独立に3個はかりとる。
――――― [JIS K 8073 pdf 9] ―――――
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表2−試料,標準物質及びアセトン-d6の採取量の例
天びんの最小表示値(mg) 試料(mg) 標準物質(mg) アセトン-d6(mL)
0.000 1 12 2 2
0.001 36 6 6
0.01 156 26 26
3) 試料及び標準物質を試料採取用容器を使ってバイアル瓶にはかりとり,ピストン式ピペットでアセ
トン-d6を加えて溶かす。
4) 試料溶液約0.6 mLをピストン式ピペットでNMR試料管(高さ40 mm)に入れる。
e) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) MR装置は,機器の取扱説明書などに従って,測定に支障のない状態にする。
2) MR装置は,エチルベンゼン又は1,2-ジクロロベンゼンのNMR測定用重水素化溶媒溶液などを用
いて,装置の感度及び分解能を最適条件に調整する。
注記 市販品として封管された質量分率0.1 %エチルベンゼン重クロロホルム溶液が供給されて
いる。
3) 試料溶液の入ったNMR試料管をNMR装置に入れ,プロトン(1H)NMRスペクトルを測定する。
4) 試料溶液ごとに非連続2)に3回測定し,信号面積を求める。
なお,積分区間は,安息香酸,1,4-BTMSB-d4ともに最も外側の13Cサテライト信号を含む区間に
設定する。
注2) 例として,調製試料1→調製試料2→調製試料3→調製試料1→調製試料2→調製試料3
→調製試料1→調製試料2→調製試料3の順に測定する。
f) 計算 計算は,次のとおり行う。
なお,3試料溶液を3回測定したデータの平均値を純度とする。
Ssam 18 mCRM 122.12
P= A
SCRM 5 msam 226.50
ここに, P : 純度の計算値(質量分率 %)
Ssam : 安息香酸の信号面積
SCRM : 1,4-BTMSB-d4の信号面積
5 : 安息香酸の示すプロトン(1H)の数
18 : 1,4-BTMSB-d4の示すプロトン(1H)の数
msam : はかりとった試料の質量(mg)
mCRM : はかりとった標準物質の質量(mg)
122.12 : 安息香酸のモル質量(g/mol)
226.50 : 1,4-BTMSB-d4のモル質量(g/mol)
A : 標準物質の純度(質量分率 %)
7.2.2.2 安息香酸の信号中の一つの信号の信号面積を用いる場合
安息香酸の信号中の一つの信号の信号面積を用いる場合は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 7.2.2.1 a)による。
b) 器具及び装置 7.2.2.1 b)による。
c) 分析条件 分析条件は,13Cデカップリングありとし,このパラメーター以外は7.2.2.1 c)による3)。
――――― [JIS K 8073 pdf 10] ―――――
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JIS K 8073:2017の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 8073:2017の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISH6202:1986
- 化学分析用白金皿
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0064:1992
- 化学製品の融点及び溶融範囲測定方法
- JISK0067:1992
- 化学製品の減量及び残分試験方法
- JISK0113:2005
- 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
- JISK0117:2017
- 赤外分光分析通則
- JISK0215:2016
- 分析化学用語(分析機器部門)
- JISK0970:2013
- ピストン式ピペット
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則
- JISK8034:2006
- アセトン(試薬)
- JISK8085:2006
- アンモニア水(試薬)
- JISK8085:2021
- アンモニア水(試薬)
- JISK8102:2012
- エタノール(95)(試薬)
- JISK8150:2006
- 塩化ナトリウム(試薬)
- JISK8155:2017
- 塩化バリウム二水和物(試薬)
- JISK8180:2015
- 塩酸(試薬)
- JISK8180:2021
- 塩酸(試薬)
- JISK8201:2006
- 塩化ヒドロキシルアンモニウム(試薬)
- JISK8202:2019
- 1,10-フェナントロリン塩酸塩一水和物(試薬)
- JISK8230:2016
- 過酸化水素(試薬)
- JISK8247:2015
- 過マンガン酸カリウム(試薬)
- JISK8295:2020
- グリセリン(試薬)
- JISK8355:2006
- 酢酸(試薬)
- JISK8355:2021
- 酢酸(試薬)
- JISK8359:2006
- 酢酸アンモニウム(試薬)
- JISK8541:2015
- 硝酸(試薬)
- JISK8541:2021
- 硝酸(試薬)
- JISK8550:2006
- 硝酸銀(試薬)
- JISK8550:2021
- 硝酸銀(試薬)
- JISK8563:2018
- 硝酸鉛(II)(試薬)
- JISK8576:2019
- 水酸化ナトリウム(試薬)
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- 炭酸ナトリウム(試薬)
- JISK8799:2020
- フェノールフタレイン(試薬)
- JISK8949:2019
- 硫化ナトリウム九水和物(試薬)
- JISK8951:2006
- 硫酸(試薬)
- JISK8962:2008
- 硫酸カリウム(試薬)
- JISK8982:2008
- 硫酸アンモニウム鉄(III)・12水(試薬)
- JISP3801:1995
- ろ紙(化学分析用)
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JISR3505:1994
- ガラス製体積計